目指せ、ランキング一位。
アニメ二期は賛否両論あるみたいですが、自分は楽しめました。
『懐かしいシャリア・ブルが通信を寄こしたと思えば、50年以上前に死んだ筈のギレン・ザビと会話が出来るとはな。ワシは何時、黄泉に旅立った?』
「…
サイド3の政庁の執務室。
ギレン・ザビはモニターにて誰かと通信を行い話をしている。
それは、部下のシャリア・ブルとも縁のある木星船団公社に連絡を取ったのだがどうにもおかしい。
画面に映る老人はクラックス・ドゥガチと名乗り木星船団公社という名ですらなかった。
━━━繋ぐときにシャリア・ブルが微妙な顔をした訳だ…
『それで、ギレン・ザビ。我が
ギレンは、木星圏と通信が繋がったと報告してきたシャリア・ブルが微妙な顔をした理由が分かった。どういう訳か、木星圏では50年以上も時が過ぎているそうだ。
50年も時が進んだ所為か、木星船団公社が何時の間にか木星帝国を名乗り、クラックス・ドゥガチが総統になっていたのだ。
━━━…50年後に何があった!?…コイツ、液体の中に居るのか? コワッ…
木星船団公社のトップを知っていたギレンは、思わず脳内でツッコんでしまう。
モニターの映像には気泡と口には人工呼吸器らしき物で呼吸している姿にドン引きしているギレンだが、このまま会談を打ち切るのは悪手だと理解している。
「…失礼ながら、クラックス・ドゥガチ殿は現状をどの程度、理解しておられ?」
『…宇宙嵐の所為で、地球連邦が消滅しサイド3以外のコロニーも消滅したそうだな?本当か?』
ドゥガチとて、シャリア・ブルから通信で現状を知らされたが、木星帝国は文字通り木星圏に居る以上、本当に地球連邦が存在しないのかは分からない。何よりジオンは戦争当初、サイド6以外のコロニーに核攻撃をし壊滅させたことをドゥガチも知っている。
そこでギレンは、一部地上の映像と戦闘データをシャリア・ブル越しに送る。
少し時間が掛かったが、ドゥガチがデータを見て呼吸器越しに溜息をついた。
『これが機械生命体、か…50年以上前に死んだ男にこの映像…それでワシの木星帝国に何を望む?』
「国交と交易を、具体的にはヘリウム3や一部資源。対価は働き者のアンドロイドか、人間に興味のある機械でどうか?」
ギレンは対価としてアンドロイドや機械生命体を提示する。
アンドロイドは水があれば動き、機械生命体も人間に敵対心が無ければ脅威とは言えない。
どっちにしろ、どちらも元からジオン軍の物ではないのだが、ギレンは戦後の事を見越し木星帝国を厄介払い先と見ていた。
木星帝国としても、水が貴重ではあるがそれ以上に働き者のアンドロイドには興味を示す。機械生命体も出力を落とし人間に危害を加えぬとプログラムすれば大した脅威にはならないだろうと考える。
その証拠に、ドゥガチも『面白い』と言って交渉を続ける。
何度も言うが、木星帝国にとって水は貴重な資源だが食料を必要としない命令通りに動くアンドロイドは大変興味深い。
それに態々危険な作業も人間代わりにやってくれるなら十分でもある。
『面白い、交易を結ぼうではないか。…ついでに火星の面白い話をしてやる』
「? 火星?」
ギレンとの会談で上機嫌になったドゥガチは序とばかりに火星の情報をプレゼントする。
何故、火星?と不思議がるギレンだったが、ドゥガチの情報を聞いている内に顔を少し引きつらせる。
その後、幾つかの確認と会話を終え木星帝国との通信が切れた。
通信が切れ黒くなったモニターに自身の顔を確認したギレンは「ふ~…」と溜息をついた。
「…取り敢えず、キシリアに教え『兄貴ッ!!!』!?」
一息ついていたギレンだったが、通信の切れたモニターにドズルが顔をアップし大声を出した。
一瞬、椅子から転げ落ちそうになったギレンだったが、何とか態勢を整えてドズルに返答する。
「ど…どうした、ドズル?」
『ガルマが、部隊を動かして地上に現れた塔の攻略に入った!俺たちも直ぐに増援を送るべきだ!!』
「待て、ドズル。今から編成して地球に降下させようにも時間が掛かり過ぎる。我々は万が一にも塔が発射された際への対応すべきだ」
ドズルは地上に現れた『塔』をガルマたちが攻略すると聞いてギレンに増援を要請する。今こそ、俺の宇宙攻撃軍の力を機械共に見せてやると意気込む。
対してギレンは、ガルマが失敗…或いは焦った機械生命体が塔の発射を早める可能性を説き、宇宙の戦力を温存する策を出す。ガルマから『塔』が何かを打ち上げる装置だと言う報告が入ったが、流石に月を貫通する程の威力があるとは思えない(最も、月も一部砕かれてはいる)。
ならば、機械生命体の狙いはソロモンかア・バオア・クー。或いは宇宙に出る為だけの装置の可能性があると考え戦力の温存を図る。
尤も、そのギレンの返答にドズルは不満たらたらだった。
『そんな悠長なことを言ってる場合か、兄貴!もしガルマたちの部隊が壊滅すれば…』
「それこそ戦力の温存も大切だぞ、ドズル。我が軍には更に地上にまわす戦力はない、それとも学徒動員でもするか?」
『…』
ギレンの「学徒動員」と言う言葉にドズルは苦虫を噛み潰した表情をする。
ジオンは元々仮想敵国であった地球連邦に比べ兵力が少ない。
少ないからこそ、月都市はともかく連邦寄りだったコロニーサイドに対し核攻撃を実施し駐留軍を置く手間を省いた計画を立てていたのだ。
10Hの演説以来、軍に入る人間は激増したが、まだ訓練も終わっていない軍人モドキが多数で兵士の数はそこまで増えていない。
それはドズルも分かっていた事だ。
「今は、ガルマたちを信じるほかあるまい」
『…分かった』
ギレンの言葉にドズルは渋々従う。
その頃、白い塔の上層では幾つもの爆発が起きていた。
防衛用の飛行型機械生命体がエネルギー弾を出してる最中、何発かの弾が直撃して逆に落ちる。
ドダイに乗ったザクがザクマシンガンで飛行する機械生命体の群れを撃ち落とす。
しかし、そのザクの乗るドダイも機械生命体のエネルギー弾が直撃し爆発。ザクが自由落下し機械生命体の集中攻撃で爆発する。
。
他にもドップ部隊が飛行型空母とのドッグ戦を行い。複数のルッグンがガルマに戦況を報告する。
『此方、第54観測機!敵、飛行型空母が多数!ドダイに乗ったグフ部隊が足止めを喰らってます!』
『此方、ドップ12番隊!敵の防衛網は想定以上!弾切れが間近な為帰投する!』
『奴等、ドダイを狙い撃ちにしてやがる!落ちるぅぅぅ!!』
上空のガウで指揮をとるガルマの下に次々と情報が舞い込む。
白い塔の中では激戦が繰り広げられ、ジオン軍機械生命体と次々と火を噴き爆発していく。
「機械生命体め、何時の間にこんな大規模な施設を用意していた?」
「地面の下は我らジオンやアンドロイドたちにとっても探索し難いですから!」
「…まるでモグラみたいな連中だな!」
此処まで大規模な建造物をジオンにもアンドロイドたちにも知られず建造していたのだ。
もしくは、ジオンがこの宇宙に来る前に建造されていたのかも知れないと考え、ガルマは「モグラ」と口に出す。
塔内部に突入したジオン軍は機械生命体との激戦に入った。
2Bたちが塔のエレベーターから降りると共に地響きが聞こえ上から埃が落ちる。
更には、何かが爆発する度に爆音と地響きが繰り返し起こる。
「外はかなりの激戦のようです!」
「モビルスーツと機械生命体が戦ってる!」
吹き抜けなのか、或いは手抜きか、外の様子が丸わかりの通路。
手摺もない2Bたちの居る外側でも爆発やドップ部隊と飛行型機械生命体のドッグファイトが見れた。
更に、乗っていたドダイが破壊されたのか、ザクが機械生命体空中空母にしがみつきヒートホークを突き立てている。
「此処からじゃ戦況が分からない、急ごう!」
戦闘の為、ミノフスキー粒子の濃度も濃くガルマとの通信も取れなくなった事で4Sが急ぎ通路を急いで行こうという。
正直、敵の用意した通路だが赤い少女たちの企みを瓦解出来れば戦況はジオンの有利になる可能性もある。
そして、2Bたちは速度を上げ通路を走るが、奥の方から音がし何かが近づいてくる事に気付く。
「機械生命体か?」と考え武装を展開する2Bたち。
しかし、2Bたちの目に入ったのは、
「あれはアンドロイドの残骸?」
それは、錆び付いた金属片、表皮も完全に剥がれ所々破壊され一部は腕や脚もない。
その正体は機械生命体との戦闘で破壊されたり壊され機能停止し片付けられなかったアンドロイドの骨格だ。
「これが悪趣味って奴か」
「…同胞の亡骸を使えば僕たちが怯むと思ってるのかな?」
「遊園地のアレを思い出す」
機械生命体が何の為にこんな物を用意したのかは分からない。
分からないが良い気分はしない2Bたちは死しても利用されるアンドロイドの姿を見て今までにない感情が湧き次々と切り捨てていく。
元々壊れていたのを無理矢理動かしていたのだ、通常の歩行型機械生命体よりも弱く2Bは楽勝で進むことが出来た。
尤も、2Bを始め爽快感など感じてもいなかったが。
邪魔するアンドロイド残骸を切り倒し、2Bたちは一旦足を止める。
目前には巨大な扉があり、9Sが調べる。
「…特に施錠はされていないようです。内部は巨大なフロアのようで…」
「待ち伏せには最適って事か…」
9Sが調べた扉の情報を伝えるとA2が「待ち伏せ」の可能性を言う。
元々は敵の腹の中だ、罠の一つや二つ、待ち伏せだってある可能性が高い。何より待ち伏せは機械生命体の十八番と言える。
2Bたちは十分警戒し扉を開く。
『火星…ですか?』
一方、場所は変わりサイド3の政庁にあるギレンが居る部屋。
地上の戦局を聞きつつギレンは月で新しく造られた拠点で政務をしていた妹であるキシリア少将との通信に入っていた。
その内の一つが火星での話だった。
「そうだ、クラックス・ドゥガチからもたらされた情報だが火星には我が軍の残党が居るという。今回の戦いが終わった時に迎えに行って欲しいんだが…」
『その情報が何処まで正しいのか知りませんが、私が行く理由は? 別段、他の者でも良いのなら。ドズル辺りなら事情を話せば自ら行くかと』
キシリアにとってギレンの命令は不可解だった。
残党軍を迎えること自体キシリアとしても賛成だ。別の世界の元ジオン軍だとしても同胞は同胞。
望むのなら本国に戻してやるのも良いし、残党の持つ情報やMSにも興味はある。尤も、ギレンとしては残党の技術や火星でどういう風に開拓したのかが気になる程度だ。
だからと言って、仮にも少将の位にある自分が行くのが如何にも腑に落ちなかった。
「…クラックス・ドゥガチが言うには火星に居る残党はお前の派閥らしくてな………如何も仲間割れして殺し合ってるらしい」
『……は?』
これにはキシリアも完全に予想外の回答が飛び込み目を丸くした。
「ああもう、2Bがいっぱいなのは嬉しいけど敵なのが面倒だ!」
「私も9Sが沢山いるのはいいけど…2E時代を思い出す」
「くっちゃべっていないで腕を動かせ!」
9Sと2Bの声にA2が怒気の混じった声で怒鳴る。
扉を開き内部に入った2Bたち。9Sの情報通り内部は巨大なフロアであり何本もの柱が無機質に置かれている。薄暗い上に何処か無機質にも感じる一同。
そして想定通り、内部には敵性機械生命体が待ち受けていたがその正体が、
「何で2号と9号がこんなに居るの!?」
『確認;機械生命体の反応あり』
『推奨;撃破!』
「廃棄された義体を回収してたのか!?」
四号と4Sもそう漏らしポッドも敵の機械生命体の反応だと断言する。
自分たちの敵として現れたのはアンドロイドだ。それもヨルハ2号の2Bと9号の9Sの同じ姿のアンドロイドが複数現れ攻撃を仕掛けたのだ。
本来の2Bよりは弱くハッキングもしない(出来ない?)9Sという事もあり2BやA2の剣や槍で次々と倒していく。
とはいえ、仲間や自分と同じ姿を切り捨てる事に若干の戸惑いも感じている。現に、2Bは9Sと同じタイプとの戦闘を避けており、9Sが2Bの支援として2Bに襲い掛かる9Sタイプを切り倒している。
「! 9S、これはたぶんアクセスポイントから消えたっていう僕たちの義体の可能性があるよ!」
「ええ、あの情報の義体が!」
ヨルハS型、スキャナータイプが好んでやるサーバーへのハッキング。
9Sたちスキャナータイプが誰よりも早く情報を得られる能力であり、アクセスポイントから不自然に自分たちのパーツが消えている事件も知っていた。
アンドロイドは人間と違い、意識だけを切り離し別の同タイプの自分に移し替えることが出来る。
それがアクセスポイントであり、ヨルハの移動手段として注目されていたが、ジオンのミノフスキー粒子で下火となる。
ミノフスキー粒子は機械生命体のネットワークを封じたが同時にアンドロイドやヨルハのネットワークも封じていた。
半ば、放置状態だったヨルハの義体が行方不明になっていたのは機械生命体が盗んでいたようだ。
「コイツ等、何のためにヨルハの義体を!」
「機械生命体の考え何て分かりませんよ!」
「9Sに同意!」
機械生命体が何を目的にヨルハの義体を盗んだかは分からない。ポッドのレーザーが何体もの偽物の2Bを焼き、弾丸が偽物の9Sを穴だらけにする。
愚痴を垂れつつも2Bたちは機械生命体に操られた2Bと9Sの義体を次々と撃破し何とか全滅に追い込む。
倒すこと自体難しくはないが、2Bと9S以外は本物を攻撃しないよう注意しており、2Bと9Sも自分と同じ義体以外なるべく攻撃を避けていた。
「こっちは終わった!」
「こっちもです!」
A2と4Sが自分たちに向かって来た偽物の2Bと9Sを倒しきった事を報告する。
丁度、2Bと四号も倒しきり残りは9Sだけだ。
少し離れた場所で9Sが自分の偽物に剣を突き立て止めを刺した。
「…こっちも何とか!」
9Sも敵を全滅させた事で、敵機械生命体が送り込んだ2Bと9Sの偽物たちは全滅した。
ある意味、別の意味で消耗した2Bたちだがこの場で足止めを喰らってる場合ではない。
直ぐに移動しようとした時だった。
「何だ、この揺れ!?」
「地震って奴かな?」
戦闘の余波か、本当に地震が起きたのか、2Bたちの居るフロアが揺れ始めアンドロイドですら歩くのが不可能な揺れが発生し一同はその場で待機する。
一応、天井が崩れないよう警戒もしてはいたが2Bたちも予想外の事が起こる。
突如、天井の一部が崩れ超大型機械生命体「エンゲルス」級がジオンのMSゲルググと共に落下してきた。
2Bたちは戦闘で気付かなかったが、このフロアの近くで機械生命体の空中空母に釣られたエンゲルスとドダイに乗ったゲルググが激しく戦っていた。
釣られた状態のエンゲルスは格闘戦が出来ない代わりに口からレーザーやミサイルを出しゲルググを攻撃、ゲルググの方も自由の取りにくいドダイの上という事でビームライフルで反撃やドダイのミサイルで牽制するが、運悪くエンゲルスのミサイルがドダイに直撃した。
エンゲルスのミサイルの威力はドダイを破壊するには十分の威力があった。
足場のドダイを失えば飛行能力のないゲルググは落ちるだけ。
だからこそだろう、ゲルググが爆散するドダイを飛び移り空中空母に釣られたエンゲルスに突撃する。
このゲルググはエンゲルスも予想外だったのか、レーザーでは無くミサイルを散発的に撃ち出す。
しかし、そのミサイルもゲルググのブースターを動かし回避するジオンパイロット。
もしエンゲルスに人間並みの理解力があれば思うだろう、そのゲルググの動きはカミナリの様に見えたと。
エンゲルスに接近するゲルググもビームライフルを撃ち、エンゲルスの片腕とエンゲルスを釣っていた空中空母を破壊しエンゲルスの空中機動を奪う事に成功する。
落下しかけたエンゲルスにゲルググが掴みかかると共に落下。
それが、2Bたちのフロアに落ち天井を貫通したのだ。
本来なら、突然のアクシデントだろうと2Bたちなら即座に行動し安全圏に避難出来よう。
しかし、2Bたちは直前まで敵である機械生命体が奪ったヨルハ機体との戦闘で注意力が低下していた、更には戦闘に夢中でそれぞれが散らばっていた事。
致命的だったのは、落下した周辺には9Sが居り反応が遅れた。
「ナインズッ!!」
「トゥービィー!」
ハッキリ言おう、9Sは落下してきたMSとエンゲルス級に巻き込まれた。
落下した勢いは天井だけでは治まらず9Sの立っている床部分も崩壊させ、9Sは避難する暇すらなくゲルググとエンゲルスと共に落下する。
咄嗟に助けに行こうとした2Bだが、降ってくる瓦礫で思う様に動けずにいるとA2や四号に両腕を掴まれた。
「無茶をするな、2B!」
「この降ってくる瓦礫が直撃すれば私たちでも危ないよ!」
これが平常時なら、A2も四号も9Sを助けに行こうとする2Bの邪魔はしない。
だが、今はジオン軍との作戦中で自分たちも任務中だ。
酷な言い方だが、9Sが戦線離脱しようが関係ない。
2BはA2や四号に引っ張られフロアの出口に連れてかれた。
「その…ただの気休めですが、9Sはたぶん大丈夫…だと思います」
フロアを出た後、2Bが目に見えて落ち込む姿に4Sがなんとか元気づけようとする。
2Bを無理矢理運んだ形になってしまったA2も四号も何とかするべきかと考えるが、言葉が見つからない。
最悪、バンカーのアクセスポイントで復活は出来るがその場の空気で言い難いのもある。
「…平気だ、それより早く機械生命体を倒そう…」
2Bとて、バカではない。9Sばかりに気にして作戦を台無しにするのはもっとダメだと言える。
一同は、そのまま通路を行くが、ジオンとの戦闘の余波か、元からか、進むうちに塔の通路がガタガタになっており所々途切れて居たり、崩れてるようにもなる。
此処にもし、生身の人間が居れば進むのに苦労するが、2Bたちはアンドロイド。それも最新型のヨルハだ。
この程度なら大した時間も係らずに進むことが出来る。
ある程度、進むと2Bたちの前にまたもや扉が待ちうける。
「またか…」
「また待ち伏せの可能性がある気を付けて」
二度目の扉にA2がうんざりした表情をし、四号が各員に気を付けろと言う。
四号の言葉に頷いた2Bが扉を開ける。
━━状態
損傷率…20%━━━
━━再起動可能━━
再起動━━━
「…此処は…? 痛っ!」
落下したショックからか、機能が止まっていた9Sだが、内部システムが再起動し意識が戻る。
起き上がろうとした時、体中から痛みの反応に顔を顰める。
直後に自分は戦闘していたMSとエンゲルスの戦いに巻き込まれ落下した事を思い出す。
「…結構な高さから落ちたみたいだ…!」
改めて天井を見ようとし、上を見上げる9S。
正直、あのフロアすら見えない事にどれだけ高いところから落ちたのかゾッとする。
その時、ふと横を見ると自分の横に2Bが横たわていた。
「2B!?」
まさか2Bも巻き込まれ落下したのかと考えた9Sは痛む体を無理矢理動かし2Bの頬を触る。
「…なんだ、ただの偽物か」
しかし、少し調べて2Bの正体は機械生命体が用意した偽物だと分かりホッとする。
その代わりに体の痛みが再び襲って来た。
『報告;9Sの意識が再開』
「ん? 目が覚めたのか?」
その時、何処からともなく声が聞こえた。
一つは聞き慣れた女性の機械音の随行支援ポッド153,しかしもう一つの声は9Sも知らない声だった。
視線を向けると、予想通り随行支援ポッド153が自分の方に飛んでくるがその後ろを歩いている人物がいた。
その人物は右目にアイパッチをし短い金髪を7・3分けをしたノーマルスーツを着ている。
間違いなくジオン軍の人間だった。
「ヴィッシュ・ドナヒュー中尉だ、悪かったな少年。巻き込んだようだ」
「! し、失礼しました! 自分はジオン地球方面軍ガルマ隊所属ヨルハ部隊の9号スキャナータイプです!」
ジオンの軍人、ヴィッシュ・ドナヒューが名乗ると9Sも慌てて立ち上がり敬礼をする。
その際に体からの悲鳴を無視する9Sだが、膝が笑っており中尉にも気付かれる。
「ポッドからある程度、事情を聞いている。悪かったな、戦闘に巻き込んで」
「巻き込んで? ってもしかして上から降って来たゲルググって!」
突然の謝罪に戸惑う9Sだが、言い方からして自分が落ちる原因になったMSとエンゲルスの落下を思い出す。
同時にヴィッシュの来た逆方向に視線を送ると、ゲルググがハッチを開き停止しており、その傍には胸の部分が溶解し穴の開いたエンゲルスが機能を停止して転がっている。
これを見て、9Sはあの戦闘に巻き込まれた事を確信し、目の前のパイロットがゲルググのパイロットだと理解する。
「俺の機体だ、あのデカブツを倒すときに無茶をしてな…」
「いや、僕たちの方も戦闘終了直後で気が緩んで…そうだ、ポッド! 僕以外にも落ちた仲間がいる?」
『報告;9S以外確認出来ず。予測;落ちたのは9Sのみ』
自分が落ちた以上、他の仲間も落ちてきてないかポッドに聞く9S。
しかし、ポッドは9S以外落ちてないと報告しホッとすると共に2Bと離れた事を残念に思う。
その後、9Sの体に論理ウイルスが確認されるが自分自身をハッキングして自己修復する。
更にはヴィッシュ中尉の乗っていたゲルググのシステムを再起動させゲルググの肩に乗る9S。
「推進剤もまだ余裕がある。上手くいけば友軍とも合流できるだろう」
離れてしまった以上は仕方ないとばかりに、9Sはヴィッシュ中尉と共に真っ直ぐ伸びる通路を歩く。
当然敵地という事で辺りを警戒するが不思議と敵の機械生命体が出てこない。
不審に思いながらもゲルググは通路を歩いていく。
19話の「アクセスポイントのヨルハ義体の喪失」は9Sたちもあの後、確認してます。
あまり関係ないけどキシリアの派閥って面倒な奴が多いと思う。マッチモニードしかりマレットしかり。
ギレンやドズルからの余りものか?
原作だと2Bの偽物しか居なかったのですが、9Sが特に2Bを失う事が無かったので偽物の9Sも登場。
たぶん、2Bはこれが一番効くとおもう。
恐らく、次の話が最終回になるかと。