やはり俺と『 』が《ボーダー》隊員なのは間違っている 作:必殺遊び人
八幡とノゲラのクロス。ワートリと八幡のクロスを見て、ちょっと書きたくなりました。
気まぐれと、気分で書いていますが、皆様が楽しめれば幸いです。
後書きにて、空と白。八幡のその話数の『副音声』会話での解説を行っております。
もしよろしければそちらの方もご覧ください。
より作品の事が分かると思います。
※ただ、やはり評価するならば、出している話数まで見てからおねがいします。
一話だけ見て評価1などを仮に付けられても、どこをどうすれば良いかわかりません。
なるべく皆さんにも理解いただけるように書きたいと思っているのでどうかお願いします。
それではどうぞ!!
一話>>『やはり俺が仕事をするのは間違っている』
カタカタカチカチと、小さな音が木霊する。
有り体に言ってそれはキーボードの音だった。
であるならばそこには人がいるわけであり、それを証明するように、薄暗いその部屋を僅かに照らすパソコンの明かりがあった。
「なぁ――」
男の声だった。もっと言うなら青年の声と言っていい。パソコンの前に座る人影が、唐突にこんなことを言ってきた。
「急に思ったんだけどさ、ゲームをやっていても給料が入るというゲーマー最高のポジションにいるはずなのに、こんなに虚しいのはなんでだと思う妹よ」
「・・・・・・? さっきの・・・・・・あい、て・・・・・・弱かっ、た?」
「違う違う。確かにさっきの相手は弱かったがそうじゃないんだ・・・・・・。そういうことじゃないんだよ。ほら、以前ハチが言ってただろ? 男は働いたら負けだって。専業主夫こそ至高の職業だってさ。なら今の俺らはすでに負けてると言えないか?」
・・・・・・・・・・・・。
擁護できないほどの屑野郎のセリフだが。男の妹はそれぐらいで兄を軽蔑したりしない。
兄――空。17歳。コミュ障。童貞。がごくまれに壊れたことを言うのは今に始まったことではないのだ。
妹――白。10歳。対人恐怖症。不登校。は自身の現状を棚に上げて先の発言に反論するほど、おつむが弱くないのだ。
時に、彼らのことを語るのであれば、一つだけ外せないことがある。
「ハチ兄、は・・・・・・ひねくれ者。わかってる、くせに・・・・・・。それに――
その言葉に。――ニヤリ、と。兄である空は笑って――そうだったな、と口にした。
ハチという人間が空に言ったことを言葉遊びと捉えるなら――ゲームと捉えるならば、それに納得して負けという言葉を口にするべきではない、と。
「あいつが言ってったけか。これはゲームだって・・・・・・。だったらお前らは負けないんだろ? ――だったけか? あのときは笑ったな」
曲がりなりにも「
「ハチ兄、は・・・・・・白たちの恩人。そんなつもりで・・・・・・いったんじゃ、ないよ?」
「ああ、わかってるよ」
空は白の頭を撫でながら。
(あいつは
――どこまでもゲーマーとして。
「あいつのためにも、そして
「バッチコーイ」
その兄妹は。パソコンの前に居座る男女は。『都市伝説』までになったゲーマーは――。ネット上でこう呼ばれている。
無敗の伝説――
▲▽▲▽▲▽
「はぁ~~~」
――と。彼比企谷八幡は、自身のアイデンティティと名高い濁った目――周りには死んだ目と言われてるその瞳を、更にどんよりと濁らせ、盛大に溜息を吐いた。
高校一年生と言う青春真っ只中の彼がなぜそこまで絶望の色を上げあられるか、それを一言でいうならば『仕事』をしているからである。
常日頃から、将来の夢は専業主夫と豪語し、先日提出した学校で提出した「将来の夢は?」と言う紙にも同様の事を書いて見せたことから、いかに仕事をすることを嫌っているかが伺える。
とは言え、彼が行ってる仕事は少しばかり・・・・・・いいや、かなり特殊な部類に入るだろう。
『ボーダー』と言われる異境防衛機関。突然あらわれた未知の生物「
要は、異世界生物の相手を専門にする自衛隊なのだが、その「
(いや、もう本当になんで俺は働いているんだ? そうだ考え方を変えるんだ。そう、これはゲームだと考えよう。――光る武器を振り回して、近未来的な銃を撃つ職種なんて存在しない。よってこれはゲームと言えるはずだ。違うかな? ・・・・・・違うな)
比企谷八幡は、今現在『ボーダー』の上層部から呼び出しを受けているという組織的現状を否定すべく、頭の思考を止めることはない。
「あれ? 八じゃないか? 珍しいなこんなところにお前がいるなんて。お前もなんか忍田さんに呼ばれてんの?」
「――? あー迅さんですか・・・・・・。そうですよ。その通りです。すごいですねそのサイドエフェクト・・・・・・未来が分かるなんて主人公っぽくてかっこいいですし」
背後から声を掛けられ、ジトー、っとした目で振り返った先には、S級と言われる称号を持つ男。ブラックトリガー『風刃』の使いて、迅悠一がいた。
「いや、今回はサイドエフェクトなんて使ってないぞ。八のその目を見たらほぼ一発でみんな分かると思うけどな・・・・・・」
おっと――どうやら俺の目相当濁っているらしい、と。やっと自身の憂鬱ぶりを自覚した八幡は、もしかしてと思い迅に聞いた。
「もしかして、
「いいや違うよ。
えーマジですか・・・・・・と、どこぞのツツン頭の少年なみに不幸だオーラをまき散らしながら歩く八幡に、迅はけらけらと笑いながら背中を叩いた。
「まっ、大丈夫だよお前なら」
「根拠がゼロなところが本気で尊敬できます」
「根拠ならあるぞ? だってお前――」
少しの沈黙後。
「俺に勝ったじゃん」
その一言に八幡は思わず口を噤む。
(この人マジか・・・・・・。遠回しに自分より強い人いないって言ってるのかな? てか、「本当は俺が戦いたい」見たいな目するのマジでやめてもらっていいですか? いやマジほんとに怖いんで・・・・・・)
「そもそも俺が今回呼ばれたのは多分あれだ、八の結果を見たうえでまだお前を
「いや、行かないですから・・・・・・」
「だよなー」
――サイドエフェクトがそう言ってた、と。
どこからどこまでが本気で本当かわからない――適当を体現したかの男は、何が面白いのか終始ニコニコしたままだった。
「で、八が嫌いな会議室についたわけだけど、どうする? 自分で開ける?」
「開けてくださいお願いします」
ボッチと名高い八幡には、上司の待つ扉へ入るというのはいささか難易度が高かった。
▲▽▲▽▲▽
「それでは比企谷君。今季の相手を報告したいと思う。もちろん最低条件は負けないこと、さらにその上で私たちが君をS級たる存在か判断させてもらう」
会議室にいたのは4人。
中央に、《本部司令》城戸政宗。その横に《本部長》忍田真史と《本部補佐》沢村響子。反対サイドに《本部開発室長》鬼怒田。
城戸司令のその言葉に始まり、
ただの高校生が、上層部と面識を持つという光景も『ボーダー』ならではと言えるだろう。さらに言うなら、S級と言う称号は、組織の中でそれほどに重要視される事柄だと判断できる。
特殊な権限が与えられる――というのは学生がメイン戦闘員の組織故にほとんどない。だが、いざ戦闘になった際に、S級はより危険な場所へ派遣される。ちょっと強いからと言う理由でそれを与えてしまっては、子供を死地に送り出すのとそう変わらない。
「さて、それで今回の相手だが、今日中にA級の遠征部隊が帰還する。それに伴い、君の相手はA級上位部隊が務めることになる」
「・・・・・・」
なるほど、確かに迅さん並みにめんどくさい相手だ、と八幡は溜息を吐きたいのを我慢する。
「それでいつも聞いていることだが、この試験を受けないという選択肢にも君にはある。初めに君がこの条件を差し出してきたときは君はB級で、早く上に上がりたかったのかもしれない。しかし、今なら試験をうけなくともA級は確実に確保できる。わざわざS級の称号を得る必要は感じないが・・・・・・」
そう言ってきたのは、《本部長》忍田真史だった。彼は『ボーダー』創設者のひとりである。
子供に対して非常によく考えてくれる人で有名だ。
曲がりなりにも未成年に武器を持たせているというアブノーマルなこの組織で、違反者や、犯罪者が出てこないのは、こういった人が上に立っているのも理由の一つだろう。
「理由ならあります。とても個人的な事ですが・・・・・・」
八幡には、何をしてもS級にいたい理由があるのだ。
「特に負けてもペナルティーがないなら受けますよ。それに、この試験に受けないとうちのチームメイトがうるさいんで。あいつらがいなくなったら俺なんてヘッポコと言っていいぐらいですからね」
「・・・・・・そうか。なら試験はA級の帰還時期を考えて、一週間だ。準備をしておくように」
どうやらこれで話は終わりの様だった。
背中が洋服とくっつくほどに汗で濡れているのは、きっとなれない人との会話をしたからだろう。
(暖房が強すぎるとかないよね。・・・・・・ないかー。もしかして俺も白と同じで対人恐怖症だったのか? それはやだなー、嫌すぎる)
「それではこれで俺は失礼します。チームのやつらにこのことを伝えないといけないので」
そう言って、部屋を後にしようとする八幡に、
「一つ質問良いかな? 比企谷君」
城戸司令が声をかけた。
「な、なんでしゅうか?」
――噛んでしまった。恥ずかしい!! と、どうやら会議が終わったことで油断してしまったようだ。
隣からは笑いをこらえるように迅が口に手を当て下を向いている。
(な、殴りたい。その笑顔)
おそらく殴りかかっても、持ち前のサイドエフェクトで容易にかわされてしまうだろう。グググ、と力を入れた拳を少しづつ開き、城戸司令の質問を待つ。
「君は
この質問はどういった意図があるのだろうか。
ここに空がいたらわかったのかもしれないな、と。無意味なことを考えつつ、八幡は正直な気持ちを口にした。
「別に嫌いとか言う気持ちはないですね。・・・・・・邪魔ではありますけど。俺がS級になるのはただの決定事項ってだけです」
淡々と、それが当たり前のように。
「俺のチームメイトが言うには『俺達に敗北はない』『それは勝負する前に勝っているからだ』だそうです。・・・・・・ああ、言いたいことは分かります。なかなか痛い奴なんですよあいつは。それでも、なんも間違ってないから質が悪い。そう思いませんか?」
八幡のその回答に、城戸司令は自分が望んだ答えと違かったのか、微妙に眉をひそめるながら、
「そうか。時間をとらせた。下がってよろしい」
八幡が扉に手を触れた時、
「私は君もなかなか痛いと思うがね」
そう、口にした。
唐突なその言葉に、八幡は一瞬体を停止させるも。そのまま無言で動き出し、扉の閉め際――。
「自覚はあります」
と小さな声で呟いた。
▲▽▲▽▲▽
綾辻遥は、A級「嵐山隊」に所属するオペレーターである。
「えーっと・・・・・・確か『比企谷隊』だったよね。来週あるS級試験に出る隊って」
「そうだよ。私も知った時は驚いたけどね。どうやらこれ三回目っぽいよ。いままでは隠してひっそりやってたらしいね」
食堂で話すその姿は、まさに女子高生と言った風でいて、内容はきっちりと『ボーダー』の事である。
綾辻と話すのはA級三位の『風間隊』オペレーターである三上歌歩である。
ともにA級部隊のオペレーターであることと、年齢も近い事からこの二人の仲はかなりいいと言っていい。
「確か綾辻ちゃんが実況するんだよね? でもなんでかなー。今まで隠してたのもそうだけど、いきなり実況までつけて、ランク戦並みに行うなんて・・・・・・」
「うーん、確かに・・・・・・。そもそも私ね、S級が迅さんと天羽君以外にいたこと初めて知ったんだ。『比企谷』なんて名前も聞いたことなかったし」
「あっ! そう言えば私一回だけ聞いたことあるよ。確か私が風間隊に配属された時に風間さんが比企谷って子を入れたかったって話してたと思う。結局断られたんだと思うけど、風間さんが誘おうと思うぐらいなんだから相当強いんだと思う」
彼女たちは知る由もないが、S級試験と言う名前は今回初めてつけられたものである。
そもそもの発端は入隊直後の八幡が、ありえない速度でB級に上がった事からなのだ。
『すみません。S級の誰か倒すのでS級の称号くれませんか?』
当時の事を忍田さんが語るなら、空いた口がふさがらなかったと言うだろう。
B級上がりたての子がそれを言ってきたのもそうだが、完全に組織と言うものを理解してなお、それを口にしたことにである。
組織と言うのは上下関係がはっきりしている。下から上がるから誰もが認め、上のものは下を経験したという実績をもとに動ける。それを、『一番強い奴に勝つから一番にしてくれ』と傍若無人なことを口にするバカがいるとは思わなかったからだ。
そもそも、B級上がりたての子がブラックトリガーに勝てるなど何を言っている状態なのだ。
なぜなら。
――当時のA級部隊すら、勝利したという実績はないのだから。
そのことまでなら、馬鹿な子供があほなことを言ってきた。それでで話が終わったはずだ。
それが結果的にとは言え八幡がS級と言う称号を手にしているのは、その時たまたま迅悠一がその場にいたからである。
『やってみてもいいんじゃないですか? 相手なら俺がしますよ?』
――と、当時から未来視のサイドエフェクトを持つ迅の言葉によって、何かあるのではと感じ取った上層部は、八幡と迅悠一が戦うことを許可したのだ。
「私ちょこっと調べてみようかな。実況するのにその隊の事何も知らないなんてちょっと恥ずかしいし。どこに行けば調べられるかな?」
「あっじゃあうちの隊室に来る? 資料なんかはないけど風間さんなら何か知ってるだろうし、私もオペレーターとして知っていた方がいいと思うから!」
「えっほんとに!? あ・・・・・・でもいいのかな、遠征で疲れて帰ってきたのに今お邪魔するのはちょっと・・・・・・」
「ううん。それは大丈夫だと思う。なんか風間さんS級試験に自分が出るって知ったら、帰ってきたばかりなのに訓練室に入りっぱなしで・・・・・・。どうにかして休ませたかったから」
「じゃあおじゃましようかな」
「うん。行こうか」
比企谷隊の噂は尽きることを知らなかった。
――曰く、ノーマルトリガーでブラックトリガーを破った。
――曰く、そのチームには黒星がついたことがない。
――曰く、上層部を脅してその地位を得た。
――曰く、誰もそのチームメイトを見たことがない。
曰く・・・・・・。曰く・・・・・・。
噂が大好きな女子高生が、そのことに興味を示さないわけがなく。夢中になるのも必然だった。
そして、忘れていないとは思うが、彼女たちがいたのは食堂であり、であるならば、その目的は食事のはず。二人が注文したのはどちらもラーメンで、夢中に話していたことが原因なのか――いいや、確実にそれが原因なのだが、二人の麺は完全に伸び切っていたのだ。
「「――あっ・・・・・・」」
そのことに気付いた二人は、捨てるのはもったいないと、完全に伸び切った麺を黙々と食べるのであった。
『副音声』
そら「てててことで――ふ、副音声を、かかか開始するか・・・・・・!?」
八幡「おい、人間恐怖症なのはわかるが後書きでビビってんなよ。・・・・・・はぁマジで帰りたい。てか帰っていい?」
しろ「・・・・・・ダ、メ。しろたちだけじゃ・・・・・・む、り」
そら「そもそも、俺らが後書きだろうと喋れると思ってんのか? なめるなよ。俺らは『 』だッ!!」
八幡「なに威張ってんだ・・・・・・。まぁ、とりあえず解説入るぞ」
しろ「解説・・・・・・って、なに――話す、の?」
そら「とりあえず時系列でも話しとくか? そこら辺の会話、今回なかったもんな」
八幡「お前ら普通にできんじゃんか。やっぱり俺帰って――」
空・白「「駄目だ!!」」
八幡「そ、そうか・・・・・。で、時系列だったよな? それなら基本的に一年前設定だ。もちろんワールドトリガー原作のな。俺の方はもう少しで原作開始だな」
そら「そうだな。ちなみにノゲラの方でも同じだ。俺と白の年齢が原作より一年若いはずだ」
しろ「・・・・・・つまり、にぃが17歳。ハチ兄が16歳。しろが10歳・・・・・・」
八幡「ちなみに時期は12月ぐらいだ」
そら「ハチよー一年も学校に通って友達いないってやばくないか?」
しろ「・・・・・・コニュ障、みんな――一緒。にぃ・・・・・・ちょーブーメラン」
そら「・・・・・・。そ、そろそろ終わりにす、するかッ! もうすぐネトゲのイベントなんだよ!?」
八幡「・・・・・・・。まぁ、今回はこんなもんだろ。空の言い訳に乗るのは癪だけどな」
しろ「・・・・・・それじゃ、あ。みんな――またみて、ね?」