やはり俺と『 』が《ボーダー》隊員なのは間違っている   作:必殺遊び人

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 12わーです。
 と言うより前に、皆様久しぶりです。
 だらだらと過ごし一ヶ月、とうとう筆を執ることができました。
 設定やら何やらを考え、これなら書き続けられるかなと少しばかり思ってます。
 恐らく一週間から二週間に一話ペースがやっとになると予測してます。個人的雑務が意外と多いみたいです。(涙)
 もしそれでも読んでくれる方がいるのであれば、気長に、私が飽きるまでのお付き合いをよろしくお願いします。

 **重要**

 唐突ですが、ヒロイン選挙をやろうと思います。
 これから数話かけて、ワートリ女子と八幡のそれぞれを主軸にした物語を書いていこうと思います。そちらを見ていただいて、最終的に、皆さんが感想(これは活動報告にも記載します)活動報告での返信などで、多かったキャラをヒロインに書きたいと考えています。
 この数話での物語では別段恋愛感情はなく、ただの接点づくり程度と認識ください。
 私個人としては、好きになるのはメイン、そしてサブの合計二人程度が限度ではないかと考えていますので、それについてもご了承ください。どうしてもハーレムと言う人は熱い想いをどうぞコメントで!

 もちろん、『ヒロイン無し』や、『俺ガイルのキャラ』でも問題ありません。

 これからどんどんワートリキャラが出てきます。
 このキャラ可愛かったな、個人的に好きだから、何でもいいです この子がと言うのがあればぜひ、お願いします!

 最初は木虎と綾辻です。

 ちなみに『 』《くうはく》はヒロイン無しです。あれはすでにお互いがヒロインみたいなものですし。
 それが一番かなと原作を読んでそう思いました。

 **おわり**
 
 最後に、誤字報告を数話にわたり、それもかなりの量行ってくださった久遠秋人様。本当にありがとうございます。

 それでは久方ぶりに、どうぞ!!


『 』vs 裏切りの少女
十二話>>『じゃあ鬼ごっこでもするか』


 

 

 比企谷八幡にとって、『ボーダー』とは職場である。

 それ以上の何者でもなく、それ以外の何物でもない。 

 

(あー給料日。給料日が早く来てほしい。・・・・・・あと休暇も)

 

 究極的に言ってそこに求めているのは、力とお金だ。何やら、どこぞの権力者やらのそれと著しく似ているが、それが本音なのだから仕方ない。 

 そもそも、彼がクズのようなことを考えているのは今に始まったことではないのだ。

 ――また始まった、と諦めて。――はいはい、と聞き流すのが得策だろう。

 

 であるなら、彼に他のものは必要ないと言っていい。

 例えば友人。これはもうなんて言うか・・・・・・哀れだと言っておこう。

 そして近界人(ネイバー)。仕事を増やす彼らには適度にいてもらう程度がちょうどいい。

 まー等々。彼にとって本当に先に言った二つ以外は必要ない。

 

 だからこそ、八幡は心から叫んでこれを言いたかった。

(周りの視線がいらねぇーー)

 自分に向けられるそれを、マジでどうにかしたいと。

 

 

 八幡にとってS級試験のその後の状況。まあいわゆる今のこれなのだが、はっきり言うと予想外だった。

(視線が辛いッ――。って言うか痛い・・・・・・。マジで早く来いよあの人っ)

 公開処刑という言葉がこの時に浮かんだが、まだ処刑の方がましなのでは? と、頭のおかしいことを考えてしまうほどに、八幡はこの状況を打破したかった。

 彼が今ここ――ランク戦会場にいる理由は、メル友である嵐山から呼び出しをくらったからである。

 言うまでもなく、八幡にとってはメル友でも何でもないが、家族以外で唯一メールする関係にあるということを考えると、一万歩ほど譲ればメル友と言えるかもしれない。

 

(落ち着くんだ比企谷八幡。無心だ無心。・・・・・・無、無、無無無無無無無無無無無無ッ)

 

 時間がたつごとに、八幡の目が加速度的によどんでいくのが見て取れる。 

 だが、その目のおかげで周りから話しかけられずにいることを考えれば、八幡は自身の目に感謝すらしたかった。

 見られるのは話しかけられるよりつらい。

 いくら八幡が人外じみた力を見せようが、嫉妬するのが人間であり。大袈裟に広げるのが世論である。

 ギリギリ、と。八幡の精神が削れる音が聞こえてくるようだ。

 

 そんな時――。

「あっ比企谷君お待たせ!! ごめんね待たせちゃって、少し手が離せない用事があって・・・・・・」

 手を振りながら、そして笑顔を見せ。

 周りに聞こえるぐらいの声を出し。

 A級8位オペレーター。綾辻遥はやってきた。

(・・・・・・マジか・・・・・・)

 さてここで問題である。この状況を八幡が望んだ展開だと言えるだろうか・・・・・・。――考えるまでもなく否だ。

 美少女が、笑顔を見せ、あたかも仲がいいようにこちらに来る。

 これを地獄と言わないでなんという。

 いいや、彼女は悪くない。綾辻からしたら謝罪の言葉を言っただけであるし、笑顔がどうのは素なのだ。

 とは言え――。

 

「よし、お前ふざけんな・・・・・・っ! 次のS級試験待たずに今すぐぼこぼこにしてやるからかかって来い」

 

 八幡がどう思いうかは別問題であるが。

 目立つことが嫌いな彼にとって、悪魔的状況から魔王的状況に格上げされただけである。

「――えっ? え? 何で怒ってるの・・・・・・。遅くなってごめん、ね?」

(ハイ可愛いですね・・・・・ってちゃうわ)

 一瞬綾辻の光に浄化されそうになった八幡だが、持ち前の精神で立て直す。

「なんでお前? 俺嵐山さんに呼び出されたんだけど・・・・・・」

「え? 嵐山さんから聞いてないの? んーまぁいっか・・・・・。とりあえず一緒に来て」

「・・・・・・、」

 ――よくねーだろ、と。思わず反論しそうになるが、今はこの場からの離脱が先決。

 綾辻のそれをみていた周りの、『話し終わったら今度は俺が――私が』オーラを感じ取ったのである。

 

「(覚えとけよ・・・・・・)」

 

 八幡の呪詛でも吐きそうな小さな声に、綾辻は

「・・・・・・ん?」

 と首を傾げる。

「・・・・・・」

 その反応に、八幡はもう黙るしかない。

 無自覚に可愛さをまき散らす女は、八幡ランキングの中でも上位に来るほど危険な存在だ。

 ――ガルル、ととりあえず威嚇をしているところを見ると、彼の中の警戒度はマックスのようだった。

 

「それで、なんで俺呼ばれたの? 早く帰って妹を愛でなくちゃいけないんだけど・・・・・・」

「い、妹? 確か比企谷君の妹さん、もう中学生だよね・・・・・・。――シスコン?」

「おいちょっと待て。なんでお前が俺の妹の年齢を知ってる。そして俺はシスコンじゃない。千葉ではいたって普通の現象だ」

 妹への感情を現象と言ってしまえるところがもうなんか・・・・・・。と綾辻は思ったが、ここはツッコムべきではないだろう。

「妹さんの事は嵐山さんから聞いたんだよ。『比企谷が妹の事を言ってきたらとりあえず言い訳だから情報は必要だ』ってね」

「・・・・・・」

(あの人・・・・・・マジでか。いい人だから恨めないのが辛いっ)

 ――ふふん、と。何やら胸を張るように誇る綾辻はそのまま――。

「それで本題なんだけど・・・・・・」

 

 ガシっと。八幡の手を思いっきり掴んだ。

 

「――!? はっ? え、ナニコレ・・・・・・!」

 言葉が片言だ。突然のそれに、ボッチ歴16年の八幡は対応できない。

「これは逃げられないように。トリオン体になって逃げようなんて考えないでね。私の力じゃ怪我しちゃうから」

 どうやら自身の体を人質にとったと見せかけて、八幡の社会的地位――『ボーダー』でのそれを人質にしたようだ。

「わかった。わかったから手を放せ。・・・・・・お前これセクハラだからな? 訴えるぞこの野郎」

「駄目。嵐山さんから比企谷君の声には耳を傾けるなって言われているから・・・・・・・」

 ――またかよ、と八幡は頭を抱えたくなった。

 手を掴まれてるからできないが。

 

 とまあ、そんなこんなで八幡が連れてこられたのは嵐山隊隊室。

 そこに来て、綾辻はようやく本題を言った。

 

「実はね。少し指導してほしい子がいるの」

「え、やだけど」

 

 そして――。

 比企谷八幡は逃げ出した。鍛えた足を生かし、一もなく二もなく逃げ出した。

 だがもちろん・・・・・・。

 

「逃がしませんっ!!」

 綾辻のそれが良しとしなく。

 足だけが前に出て腕を逆方向に引っ張られてしまった八幡は、その場で大いにずっこけた。

 

 ――痛いっ!! 

 

 

  ▲▽▲▽▲▽

 

 

 木虎藍という少女は、『ボーダー』の中でも才能豊富の新人である。

 半年ほど前から導入された訓練生用システム。

 ただランク戦を行うだけでなく、集団での訓練をおこなうことでポイントを稼ぐシステムの事だ。その中の一つ、捕獲用トリオン兵『バムスター』。それの討伐タイムを競う訓練において、彼女は他の髄を許さない記録を出して見せた。

 時間にして9秒。 

 長年『ボーダー』をやっている人物であるなら大した驚きはないだろう。しかし、まだ中学生の女の子が、武器すら持ったことない子供が、それをしたとなっては話が別だ。

 

 確かに、彼女はそれ以前の活動で優秀な成績を見せていた。訓練の初期ポイントも、3600ほど貰っていたことを鑑みれば、その結果にも納得がいくかもしれない。

 それでも、ほとんど初めて相対するトリオン兵に、何も臆することなく戦闘をした彼女の事を、周りが天才だと称するには十分だった。

 

『君、木虎君と言ったかな? 是非とも入ってほしい隊があるのだが』

『入ってほしい隊・・・・・・ですか?』

 

 とまあ、容姿も綺麗だった彼女は広告活動をも目的としていた嵐山隊へ、B級になってから間もなく勧誘された。ここまでのことを上げれば木虎にとって『ボーダー』としての活動は満足の行くものといえただろう。

 

 ただ、問題はここからだった。

 

 当時A級部隊としてやっていた嵐山隊ではあるが、未だにA級上位になったことはない。メディアの活動が邪魔をしているのか、B級にこそ落ちないもののA級下位をウロチョロしていた。

 木虎が入ったことによりそれも解決かに思えたが、ここに来た彼女はトリオン能力と言うものにつまずいたのだ。

 ポイントで言うならば、8000どころか6000の壁も超えられない。

 長引けば負けしかない。

 

 《シールド》がなかった訓練時代に比べ、B級からはそれがある。決して割れないこともないが、トリオン量を考えると、数撃つという方法は現実的ではない。

 言ってしまえば足手まとい。

 敵の足止めが精いっぱい。

 

 それが、現在のまわりが木虎に対する評価だった。

 

『嵐山先輩・・・・・・私このチーム抜けようと思います・・・・・・・』

 

 彼女のプライドを考えると、メディアの顔として嵐山隊に入ったことへの気が引けた。

 せめて、自分の個人ポイントがマスタークラスに至るまで。チーム脱退をするべきだと木虎は考えていた。

 とは言え、嵐山を始め、嵐山隊がチームメイトを簡単に見捨てることなどあり得ない。そこで一つ提案を出したのだ。

 

『比企谷に頼んでみたらどうだ? あいつは基本的に全部のトリガーがマスタークラス以上だし、何かいいアイデアを出してくれるかもしれないぞ』

『比企谷って、以前S級試験に出ていたあの人ですか・・・・・・?』

『ああ、あの時も銃型トリガーを使っていたし、サポートではなく一人で点をとることを考えるなら、あいつの話は聞いてみてもいいと思うぞ』

『・・・・・・、』

 

 ――確かに、と。木虎は思った。

 そもそも、サポートという面で考えれば彼女はすでにチームとしては優秀だ。問題は一人で点をとることができないことだったりする。

 ランク戦に限れば、転送位置によっては合流できずに負けることもあるし、一人残った時などはもう何もできない。

 一人で戦う力を身につけたい。それが今の木虎の願いだった。

 

『まっ、物は試しだろ。ちょっとメールして見るから待っててくれ』

『――え? 嵐山先輩、比企谷先輩と知り合いだったんですか?』

『当たり前だろ。じゃなかったらこんなこと言いださないさ。メル友だからメールアドレスも持ってるんだ』

 

 だからメル友ではない。――が、メールアドレスを持ってるのは事実だから反論も難しい。

 もちろん木虎はそんなことは知らないわけで、へーと関心の声を上げていた。

『よし綾辻出番だ』

『――? え、何がですか・・・・・・』

『比企谷を連れてきてくれ。今『ボーダー』にいるらしくてな、ランク戦会場に呼び出したから、有無を言わさず連れてこれるはずだ』

『いや、ですから何で私が・・・・・・?』

 戸惑う綾辻へ、ことも何気に嵐山は言う。

『恐らくそのままほんとのことを告げるとあいつは逃げるからな。できれば何も言わずにつれてきてほしい。俺が行くより綾辻が行った方があいつは来るはずだ』

 それは単純に、付き合いの差から嵐山が何を考えているか、見ただけで予測されるのを恐れての事だろう。

 

 ――あとはまぁ比企谷は女の子に弱いから、と。八幡の嫌がることを嵐山は普通に言ってのけた。

 

『少し遅れて(・・・)行くといいかもな。周りの視線から逃げるように、簡単についてきてくれるはずだ』

 何も悪いことしてませんよ。という風に笑いながら言うその姿に、綾辻はわずかに顔を引きつらせる。

(嵐山先輩、比企谷君の事となると意外となんでもするなー)

 

 仲がいい事は確かだろう。

 お互いの事をよく理解しているからこそ、ここまでする必要があるだけなのだ。

『じゃ、綾辻頼んだぞ!』

 とゴーサインを出す嵐山へ、

『はいっ、行ってきます!!』

 と綾辻も敬礼で返す。

 

 ただ一人・・・・・・。

 

『これ、来ても指導してもらう前に逃げるんじゃ・・・・・・』

 

 そう呟く木虎の声は、周りには聞こえなかった。

 

 

   ▲▽▲▽▲▽

 

 

 そして嵐山隊隊室では・・・・・・。

「ってことでね。比企谷君には木虎ちゃんの指導を少しやってほしいなーって。・・・・・・ダメかな?」

 と、今までの事を悪びれもないよに言う綾辻へ――。

 

「駄目に決まってんだろ」

 

 濁った眼を改め、冷たい視線で即座に返した。

 何がだめって、連れてくるまでの経緯を素直に全部言ったことがもうだめだ。

(なんでランク戦会場に呼び出したかと思いきや・・・・・。嵐山さんマジ策士っ! 『 』(くうはく)何て目じゃない!!)

「そこを何とか頼むよ比企谷・・・・・・。少しでいいんだ。弟子がどうのとかいう話じゃない」

「なら素直に言えば良かったじゃないですか。こんな嫌がらせのオンパレード・・・・・・」

「でも、素直に言ったらお前来なかっただろ?」

「え、いやー。き、きましゅたよ・・・・・・?」

 言うまでもないが、八幡は人と係わるのを基本嫌がる傾向にある。

 話かけられないではなく、相手から()()()()()()()()()()()()()のが八幡のスタンスであり、ポリシーだ。

 それは言わば、目立たないイコール虐められない。という中学時代からの、身を守る方法ですらあった。

 つまるところ、誰かと関わると目立ってしまう。だから周りとは関わらない――というようなサイクルが彼の中で出来上がってるのである。

 

 まあそのせいあってか、単純に人と関わるのが苦手(・・)ということもあり、今では関わらない・・・・・・ではなく、関われない――というほうが近いかもしれない。

 

「まぁ、ここまで来ましたし話だけでも聞きますよ。で、誰ですかその人は・・・・・・」

 とは言え、基本的に捻デレと呼び声高い八幡は、嫌と言いながら引き受けてしまう傾向にあると言える。

 そこへ――。

「あの・・・・・・急にすみません。アドバイスだけでもお願いします」

 ペコリ、と。頭を下げる木虎を見るに、相当切羽詰まった状況なのだろうか。

 彼女を知ってる者ならば、この光景には驚きを隠せない。

 プライドが高く、自分にも厳しい少女。それが木虎藍という人物なのだ。

 基本スタンスの一つに『年上にはなめられたくない』と公言すらしたことある彼女が、黙って頭を下げているところを見ると、精神的にも相当参っていたのかもしれない。

 

「え、えっとこちらこそ・・・・・・よ、よろしく?」

 

 ・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・。

 そんな珍しくもシリアスな場面を、八幡は簡単に消し去ってしまう。

 これでは空の事を二度と馬鹿にできないだろう。どちらも対人経験が少なすぎる。

 

「えーと、それで、トリオン量で悩んでるんだったよな・・・・・・。銃手(ガンナー)から攻撃手(アタッカー)に変更しようとは思わなかったのか?」

「それは今やってます。《スコーピオン》をセットしては見たんですが、やはりすぐにはなかなか・・・・・・」

 その言葉に、なるほどな――と八幡は厄介だと顔をしかめる。

(早く結果を出したいって感じか? まあたしかに時間をかければ解決する問題ではあるからな)

 

 実のところ今すぐに強くなりたい。という指導を求める新人は『ボーダー』でも意外と多かったりする。

 そしてすぐに強くなれるか、という質問に答えるのであれば、YesでもありNoでもある。

 

 トリオン体による戦闘。そしてトリガーでの戦闘は、早期成長が可能であるのは事実だ。未成年の方がトリオンの成長が早いというのもそうだが、肉体的成長を必要としないトリオン体での戦闘は、長年かけて体を作るという項目をショートカットすることができる。要は実践オンリーの訓練が可能なのだ。

 

 言ってしまえば借り物の体を操作するようなもの。コツさえつかめば誰でもすぐに戦えるようになる。

 A級になれるかといえばそれは流石に不可能だが、ある程度のトリオン能力とセンスがあればB級の中位程度なら、そこまで苦労せずとも至れるはずだ。

 

 しかし、それはあくまでトリオン体を扱いきれていない者達に対してのアドバイスだ。

 

 木虎のように、すでにトリオンの使い方がわかっている者に対してはあまり意味のないものになってしまう。

 B級中位以上になるには、何かしらのオンリーワンが必要になってくるということだろう。

 まぁなくてももちろんなれるが。むしろない方がいい。特化しすぎたオリジナリティなど、相手に攻略してくださいと言っているようなものだ。

 独自の戦闘スタイルは、あくまで地盤がしっかりできている者がやるからこそ光る。

 太刀川などがいい例だ。一つ一つがただ強い。それを体現した存在は彼をおいてそういない。

 とは言え、今回に至ってはどうでもいい話ではあるが。

 

(いい感じな無理難題だな。・・・・・・ってことは多分・・・・・・嵐山さんも面倒な事(・・・・)頼んでくるな)

 

 八幡の言った通り、これは流石に不可能だ。だからこそ、嵐山は八幡に別の事をお願いしている。

 それを口に出さずに理解するあたり、八幡と嵐山の付き合いはやはり長いということだろう。

 

「木虎・・・・・・だったけか? なんでそんなにすぐ強くなりたい? お前確か入ってそこそこだろ。嵐山隊に入ってるだけで十分エリート出世だと思うが・・・・・・・」

「だからですッ!! それが私にはいやなんです。力がないのに、広告塔と言う理由だけでA級にいるのが嫌なんです・・・・・・」

「なるほどな・・・・・・」

 

 確認のための質問だったのだが・・・・・・。

 本格的に予想が当たってきたことに、八幡は嵐山へ恨みの念を向ける。

 

「まぁ了承しちまったしとりあえずは全力を尽くすが、期待はしないでくれ」

「それでもかまいません。何か掴めるだけでも十分です」

「・・・・・・、」

 それはつまり、今現在ではその何か(・・)すらも木虎にはないのだろう。

 

「とりあえず実力が知りたい。が、時間も惜しい。訓練と同時進行で行こう」

「同時・・・・・・? ですか?」

 そもそも、隊員の訓練と言えば、ほとんどがランク戦である。

 そして実力を知りたければそれこそランク戦でいいのだから、同時並行という意味すら木虎にはわかりかねていた。

 

「じゃあ鬼ごっこでもやるか。お前から鬼で。十分間で捕まえられなかったらこの話し無しな」

「――え?」

 

 鬼ごっこ・・・・・・。鬼ごっこ? 

 八幡のその発言に首を傾げたのは、木虎だけなく遠目で見ていた綾辻たちものようで、

「俺が使うのは《シールド》と《これ》だけな」

 すでにトリオン体なのか、黒く光る銃型のトリガーを見せ。

「ちなみに《アステロイド》だから。そっちは何使ってもいいぞ。・・・・・・綾辻、今すぐ適当にトリガーカスタムできるか?」

「・・・・・・えっと、それはもちろんできるけど・・・・・・」

 二人の疑問をそのまま置いていくように、八幡はポンポンと話しを進ませて。

「俺は攻撃無し。お前は何でもありだ。ただ、手でタッチするまで(・・・・・・・・・)だから間違えるなよ」

 ルール確認は終了というように、八幡は口を閉じると、

 

「トリガーはよく考えて(・・・・・)選んどけ」

 

 それだけ最後に付け足した。

 

 

 

 




『副音声』
八幡「あーなんか副音声も久しぶりだな、ってことで開始だ」
そら「まあ、以前の副音声を仲良しオペレーターコンビに任せただけでなく、一ヶ月もリアルで開いてたからな。・・・・・・作者だらけすぎだろ」
しろ「・・・・・・作者、も――暇つぶし作品、が、ここまで評価得るの、考えてなかった・・・・・・」
そら「確かに、ワートリとハチのクロスなんて何番煎じか分からないからなー。まっ、これもそれも我らが『 』《くうはく》のおかげだろう」
しろ「・・・・・きゃー、にぃー・・・・・チョーグッジョブ」
八幡「・・・・・お前らの自画自賛オープニングも本当に久しぶりだ」
そら「よし! ってことでおふざけは置いといて、確か今日はそこそこの話があるんだろ?」
八幡「ああ、なんかワートリ女子のキャラ設定に関することらしいぞ。なんか作者が勝手に『キャラをつけた』んだと」
そら「なるほどな。確かにワートリのキャラはまだ出番が少なかったらで深くないのは確かだが、それいいのか?」
しろ「・・・・・・口調くずさないように・・・・・・キャラ崩壊、しないように――してる、らしい」
そら「いや、それはそうだろうが、そもそも必要か? オペレーターならともかく、生隊員なんかはキャラしっかり立ってんだろ」
八幡「確かに、オペレーターもランク戦の実況なんかでしっかり出番を増やそうとするのは上手いと思ったな・・・・・・ってそうじゃない」
そら「――?」
八幡「コンセプトって言うのか? どうやらそれも合わせての設定らしいぞ」
そら「へー、そりゃ面白い。で、どんななんだ」
しろ「・・・・・・ラノベ、みたいなキャラじゃなく、て・・・・・・『しっかりした性格』に、する・・・・・・らしい」
そら「あ? どゆことだ?」
八幡「例を出すなら『泣き虫だが勇気がある』とか『姉御気質な恥ずかしがりや』とかだな。今回で言えば綾辻の『好奇心旺盛な天然もの』もその一つだろうよ」
そら「なるほど。はっちゃけた、正確じゃなく『知り合えば見えてくるその人の深い性格』って感じか?」
八幡「そんな感じだ。付き合っていってだんだん見えてくる感じの性格、――なんだか妙に人間らしいな」
しろ「・・・・・・コンセプト、も――『子供らしい苦悩』、って言って、た・・・・・」
そら「『子供らしい苦悩」、ね。俺らには分からないが、――なるほど、それを八幡が解決して惚れさせるってことか?」
八幡「――はあ? 何言ってんだ? 誰かのために動くなら俺はプリキュアを見て自身の心を全力で癒すっ」
しろ「(・・・・・・にぃ、ハチ兄、――選挙の事、知らない・・・・・・)」
そら「(っえ? 黙ってんのかよ。俺なら知った時点で自殺もんだ・・・・・・が・・・・・・)」
しろ「(・・・・・・コクコク・・・・・・)」
そら「(いいか、このことは絶対に誰にも言うな。特に、八幡の耳に入らないように注意しろ)」
しろ「(・・・・・・りょー、かい)」
八幡「おい。お前ら何コソコソ話してんだ? 疲れたのか・・・・・・まあ久しぶりだしこの程度にしとくか」
そら「そ、そうだな。じゃ、じゃあこれでおわ、おわわわりだ」
八幡「おわわわ?」
しろ「・・・・・・うん。ま、んまたたみ、見て、ね・・・・・・?」
八幡「んまたた?」
そら「ふ、副音声終了だッ!」
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