やはり俺と『 』が《ボーダー》隊員なのは間違っている 作:必殺遊び人
結構長く空きました(汗)
自身で決めた最長日数二週間ギリギリでした。でも、まあ書きあがられて良かったと思います。
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ヒロイン選挙継続中(詳しくは活動報告で)(感想だと消されるっぽいのでそちらでお願いします)
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さて、どうやらまだ木虎編は終わらないようです。
長い・・・・・・。
次回ぐらいには終わらせたいですね。
それはそれとして、前回誤字報告の時に、様々な助言を行ってくれた
霧玖様 リア10爆発46様 本当にありがとうございました。長文による補足説明まで・・・・・・本当に感謝してます。
そして、ありがたい誤字報告を行ってくださった。
傲慢王様 お藤様 スノウ.ym様 TAKEHARU様 渚乃様 頑介様
本当にありがとうございます。
勉強不足で申し訳ない気持ちでいっぱいなのですが、少しづつ改善できればいいと思います。
長くなりましたが、それではどうぞっ。
八幡が綾辻たちの策略にはまっているそのころ。
「じ~ろ~、まだ終わんないのかよー」
「・・・・・・あと、もうちょっと・・・・・・だから、まってて、ね?」
疲れを隠す様子もなく、子供の様に声を上げる空に対し、子供であるはずの白は、大人のように優しく答える。
「まあ、今月の
「・・・・・・う、ん。それに・・・・・・、少し誘導座標もずれ、てた・・・・・・」
「で、やっぱり俺の睨んだ通り――」
「・・・・・・・間違いない、ない・・・・・・。新しい――
普段はゲーマーとして、というかそれ以外のイメージがない
それを知ってか知らずか、『ボーダー』は彼らにある依頼を定期的に出していた。
いや、順序が逆だろう。
そもそもの発端は、『ボーダー』という組織を
過去、まだ
『なーハチ、この組織どうなってんだ? これだけの新技術! 手に入る情報量!! これだけのものを持っていながらこの体たらく!!! はっきり言って俺らより仕事してないと言ってもいい』
そもそも仕事なんぞしたことないだろうが、とツッコミを入れたくなる八幡であったが、その時はまだお互いにそこまで仲を深めているとは言い難かった。
『とりあえず俺らはS級交渉に必要な材料を集める。お前はおれらが出した条件をできるようになってろ』
『俺の方は良いが・・・・・・。交渉材料ってなにすんだ?』
何気なく聞いたのだろう。だからこそ驚きすらおきなかった。
『ちょっと、
言葉が出ないとはこれの事だと、八幡は当時深く思ったものだ。
そう。あろうことかこの
そもそも、同じように見えて国によってトリオン兵のデータはまるっきり違う。さらには、今までの遠征からある程度
ある
それらを求めることなど容易なことだ。
幸いなことに、トリオンに関係することならば、すべてがデータとして残ってるし、かなり細かいところまで研究されている。
むしろ、ここまであって何故襲ってくる敵の軌道配置図を割り出せないのかと
まあ、その話を聞いても、
遠征で行ったことない国だろうが、知らない国だろうが、こちらにトリオン兵を送ってさえいれば――。
――
もちろんその役割は主に白で、『未知の国』が来た時こそ空の出番なのは言うまでもない。
さらに言うなら・・・・・・。いや、今は良いだろう。
ここで重要なのは、
そして、その二人が言うのであれば、また新しい国を発見したという。
簡単そうに二人は話しているが、あくまで白の天才的な頭脳があってこそ。
さらには必要なデータが揃ったからこそ求めることができたのであり、時間にしてその国は半年ほど前からこちらの世界にトリオン兵を送っていた。
そう、半年だ。
新しい国を見つけるのに半年。
長いと感じるものもいるだろうが、これはむしろ早い方である。
遠征の帰還が数ヶ月ほどだということと、その時にかかる費用。危険度を考えればこれはありえないほどの貢献度である。
ブラックトリガーでない上にS級並みに強い八幡が遠征部隊に選ばれないのは、
三人が三人とも、『ボーダー』が失うべき存在ではないのだ。
「・・・・・・お、終わった~~・・・・・・」
キーボードを叩く音を止め、空へと寄りかかる白の表情は、久方ぶりに強いゲーマーを相手したときと同じ表情である。
もはや人間の行えるレベルの事ではなくなっている。それはまさに――。
――イレギュラー。
そしていつも通りゲーマーとしての矜持を全うすると思いきや。
「んじゃ、本題に入るか」
「・・・・・・ん・・・・・・」
唐突に――。
二人は再び小さな部屋で光るパソコンの光に目を向けながら、比企谷八幡の戦闘ログを見始めた。
それは、先ほど疲れを訴えていた空の見る影もなく。軽口を叩く余裕のあった白ですら黙る始末。
『ボーダー』として
――が、それは本来の
比企谷八幡相手に
八幡と
訓練だろうと。喧嘩であろうと。負けることは許さない。
そのための研究。
「あいつ、あそこまで精密な射撃できてたか?」
彼らが見ているのはついの前の風間と八幡の戦い。
「・・・・・・まるで、別人・・・・・・。前より、速くて――正確・・・・・・」
「俺らがいないところでやってやがったなあいつ。こればっかりは、ハチのそれを引き出してくれた風間に感謝だな」
「・・・・・・多分ハチ兄、隠したかった・・・・・・はず」
声の真剣さと真逆。楽しそうに顔に笑みを浮かべながら。
いいや、その真剣さこそが楽しみの証拠だろう。
「にしても、ハチ結局あれ使わなかったな。本来ならもっと楽に勝てただろ」
「・・・・・・相、性・・・・・・?」
「さーな。そこまでは分からんが。
不意に二人は聞き捨てならないことを口にする。
手抜き? いいや、二人の様子を見るにそれはないだろう。
「拳銃型
「・・・・・・多分、白たちと・・・・・・相性、最悪――だから、隠してた・・・・・・」
ああ、やっぱり。三人は全力を尽くしてなお、何かを隠していたのだ。
「めんどくせー。データは多いに越したことないんだが・・・・・・。対応策、見つけられるか五分五分だな」
「・・・・・・でも、にぃの仕事。――バッチ、よろ・・・・・・」
最強のゲーマーは、画面の光で顔を照らしながら、比企谷八幡を超える一手を考える。
▲▽▲▽▲▽
嵐山隊訓練室。
木虎と八幡はお互い至近距離でトリガーを構える。
「この距離ならッ、触る方が早い――ッ!!」
手を伸ばし、目の前のそれに触れようとする前に八幡の腕がそれを阻止する。
そう――木虎の手を、八幡の腕がだ。
避ける暇がなかった、のではない。
勝利の笑みを浮かべようとする木虎の顔が固まる。
(シールドを腕に巻くように!?)
ダメだ。これでは触れたことにならない。
「でも、こんな事いつまでも――」
――続かない。そう口にする前に、木虎の横へ
腕どころか体が硬直したように動きを止める木虎へ、
「もし、これがランク戦なら、今ので終わってたな・・・・・・」
八幡は口にする。
向かっていたのだ。八幡の銃口が、木虎の方へ向いていた。つまり、先ほど顔の横を通過したのはトリオン弾だと言う事。
――狙って・・・・・・
いいやそうじゃない。と木虎は気づく。
これは外れたのではない。ルール上
「こ、これに何の意味が・・・・・・っ」
「いいのか? 時間無くなるぞ。多分だけど、《スコーピオン》も入ってるよな?」
言葉が詰まる木虎に対し、八幡はとぼけるようにそれを言う。
「・・・・・・ッ」
まるですべてを見透かされているようで気にくわない。
自身の苛立ちをぶつけるように、言われた通り木虎は八幡へと《スコーピオン》を振り下ろす。
しかし――。
パンッ、と。またしても木虎の顔横をトリオン弾が通過する。
もちろん、木虎の攻撃を腕で止めてだ。《スコーピオン》本体でなく、木虎の腕へ自身の腕をぶつけることでの攻撃中断。
(――またっ!?)
驚きの方が強い、それでも、木虎はスピードを上げるように腕を回す。
その攻撃を、八幡は避けながら反撃する。
手首の向きだけを変えて・・・・・・攻撃をキャンセル、あるいは回避しながら、連続的に《アステロイド》を木虎に浴びせる。
言うまでもなくすべて外しているが、木虎からしたら同じこと。あと少し手首をひねれば、自身の頭を八幡は撃ちぬけるのだと確信がある。
まさに、攻撃と防御を同時に行っているかのようだ。
理にかなっている、先ほど八幡は『
確かにこれだけ近ければどんな体勢であろうと、手首をひねれば相手に当たる。距離が距離だ。相手は避けることも難しいだろう。
「・・・・・・すごい」
接近戦ができれば、という大前提があるのは確かだが、木虎はこれこそが
普通なら――トリガーでないのなら・・・・・つまり本当に普通の拳銃で人を殺すためなら、近づく必要は皆無である。なぜなら一発当てれば終わるのだ。
遠くからコソコソやれば相手は死ぬ。むしろ相手も同じものを持っていてもおかしくないのに、近づくなんて馬鹿のやることだろう。
だがトリガーは違う。
トリオン体相手には一発では終わらない。そもそも当てることすら難しい。身体能力の向上、《シールド》、さらにはトリオン能力。様々な要素が
だからこそ、と木虎は思ったのだ。
これならば、攻撃手でなくとも
説明するまでもなく、これなら当たるし一発だ。
トリオン能力すら関係ない。
――が、これはあくまで技術ありきの離れ業。同じことなどできるわけもない。
――下がるしかない。
木虎が体を引くと同時に、八幡もその距離を詰める。
(――だめっ、逃げられない・・・・・・ッ)
明らかな実力不足。
本来ならもう何回倒されているのだろう。
木虎もただ腕を振り回しているのではないのだ。
《グラスホッパー》を使ってみた。《スコーピオン》を変形させてみた。
――それでも、それでも通用しないのだ。
「て、――《テレポート》――ッ」
ここに来て、やっと木虎は距離をとることに成功する。
だがダメだ。
これは木虎にとって切り札だった。
最悪の場合はこれで捕まえる予定ですらあった。
使ったのではない、使わされたのだ。
木虎は足を止める。
――万策尽きた。
先ほどの様な勢いなどなく。腕を下げ。
「もう、終わりでいいです」
木虎は、うつむくように、唇を震わせながら口にした。
「自分の実力がよくわかりました。比企谷先輩とこれだけやらせてもらっていい経験を得られたと思います」
本来これほどに実力差があれば、決着自体は数秒で着く。相手の戦い方を見ることもなく、技術すら得られず。
しかし、今回は八幡のそれを十分にまじかで見れた。
――ああ、満足だ。
「ご指導、ありがとうござい、ました・・・・・・」
途切れ途切れで泣きそうに肩を震わせながら・・・・・・。
――違う、違う・・・・・・違うッ。
「もし、機会があれば・・・・・・うっ・・・・・・また、お願いします」
――満足なわけがないだろうッッ。
でも、これに負けたら八幡は帰ると言った。これ以上お願いするのは申し訳が立たない。
自分からやめといて。――それが正しかったとしても。
それ以上を求めることなんてできない。
「あと二分あったが・・・・・・。確かに少し長すぎたな」
八幡は顔をしかめるように、残り時間を確認した。
つまり、これで終わり。
「じゃあ、反省点とこれからの事少し話すか」
八幡の言葉を、木虎は仕方がないとそれを受け入れ・・・・・・?
「・・・・・・はい。ありがとうございま、し・・・・・・た?」
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・?
今なんて言った? 木虎は自身の耳を疑った。
「いや、だから反省点を・・・・・・」
「そうじゃなくて! 比企谷先輩私が負けたら帰るって言ったじゃないですか!! なのに、どうして・・・・・・!」
掴みかかるように近づく木虎に、八幡は押され気味に後ろへ下がる。
と言うよりも、八幡は何故今怒られているのか分からなった。
(ちょっ、え? なッ・・・・・・近いし、綺麗だし・・・・・・ってあぶねー危うくロリコン認定されるところだった)
「もしかして、あれは嘘だったんですかっ!?」
悔しくて泣きそうになったのだ。あれを嘘と言ったら許さないと、木虎の目が告げている。
なので八幡は――はいそうだよ、と言えなかった。
「あーえーっとだな。木虎負けてないだろ」
「――は?」
凍えるような声に、八幡の顔が引きつる。
「ま、負ける条件は俺が十分間逃げ切ることだろ。けどその前にお前はゲームをやめた。途中放棄は負けにはならん。勝ちではないけど、まー・・・・・・引き分けだ」
この時、八幡は我ながらいい感じの理論を展開したと自画自賛さえしていた。
――お前は心理戦で勝ったんだー! とむしろ相手に勝ちを譲ってすらあると、自らのファインプレーに歓声すら上げていた――心の中で。
だが、忘れていないだろうか・・・・・・・木虎藍のプライドが高いということを。
「・・・・・・な――」
「――な?」
「なッめんなぁあああああああ!!」
もはや普段の淑女たる様子など微塵も見当たらず。拳を振り上げる木虎に対し、先ほどよりも逃げ惑う八幡の姿がそこにはあった。
その光景は、綾辻たちが止めに来るまで終わらなかった。
▲▽▲▽▲▽
「本当にすみません」
開口一番、木虎は謝罪の言葉を口にした。
あれは確かにやばかった。
先輩に対する物言いとかよりも、普段の木虎の言動ですらなかった。
先ほどのは一時の気の迷いだ。そうに違いない。
木虎は軽い自己嫌悪に苛まれながらも恥ずかしそうにそう思うことにした。
「いや、俺も悪かった・・・・・・。悩んでるやつにやるようなことじゃなかったな、悪い」
謝る八幡の姿を見て、なお自身の失態に木虎は頭を抱えそうになる。
もうさっきの事は忘れたい。その思いでいっぱいだ。
と、まあ、お互いに暗い雰囲気を出している二人であるが、――そうじゃない、と本来の目的を思い出す。
「そ、それで反省点と比企谷先輩は言いますけど・・・・・・あの、その・・・・・・」
良い淀むように、チラチラと様子を浮かべる木虎に八幡は聞き返す。
「なんであの形態での訓練にしたんですか・・・・・・って聞きたいのか?」
「はい・・・・・・」
コクコク、とうなずくように木虎も答える。
それは最初から木虎の疑問だった。
わざわざ鬼ごっこなんて遊びを取り入れ、ハンデまでつけて行ったのか。予想はついているものの、ちゃんと八幡の口から確認をとりたい。そう思うのは必然だ。
「・・・・・・そうだな。まあそれも含めての反省――って言うか考察なんだが・・・・・・・。お前、なんで最初に《カメレオン》を使おうと思った?」
明言しておくと、今この場には木虎と八幡の他に人はいない。
深い話をする部分に当たって、チームメイトは今邪魔でしかない。疑問に思うかもしれないが、『チームを抜ける』とは意外と非常事態なのだ。
『ボーダー』がチームで仕事を割り当てているのは、危険な戦闘を確実にこなすためとは他に、人間的成長への配慮の方が大きい。
何度も言うが、子供が危険な武器を持って振り回すというのはそれだけで異常だ。
犯罪やらいじめやら、すぐ隣に危険があると言って過言でない――もちろん加害者として。
それを緩和するためのチームと言う措置がそれだった。連帯責任と言うと言葉が軽いが、お互いにお互いを見張る状況こそ、『ボーダー』が求めたそれでもある。
今回の場合でこそそこまで深刻なものではないが、木虎の『心が衰弱して』の脱退は、これからの木虎の将来に大きくかかわる。
学校における不登校。と、ある意味同じかもしれない。重要性と言うよりも慎重に当たるべき事柄であるのは事実なのだから。
その張本人である木虎は、悩むことなく八幡の質問に回答する。
「《カメレオン》は、あの状況で一番最初に取るべき『策』だと判断しました。誰が見ても、あのルールなら使うと思いますが・・・・・・」
木虎が言うように、百人いたら百人が同じ回答をするだろう。
疑問にすら思わない。当然ではないか――。
「そうだな。確かにあの状況なら
「――っ!!」
言われて気づいた。
『策』と言うのはその場で最適解を求めるものではない。敵に思いつかない突拍子もない事であるべきだ。
「お前の戦い方は確かに上手い。俺の攻撃に対応するために
「・・・・・・、・・・・・・」
言われるまでもなくその通りだ。むしろなぜ今まで気付かなかったの方が不思議でならない。
「
「
「ん? まあ、あれもその一つではある。けどそれに固執するべきじゃないぞ、自分に合う――って言うか自分が考えたそれの方が相手に攻略されづらくてむしろ有効だ。てか俺のあれは結構難しいからな? 最初こそ
その通りだ。
剣を振り下ろすという動作を必要としない八幡が行った戦法は確かに強い。しかし――あの攻撃方法の決め手は防御にこそある。
敵に腕をぶつけて攻撃をキャンセルさせながらの攻撃。攻防の同時化。それができなければ綺麗にスライスされること間違いなしだ。
――だからこそ、
相当のセンスが要求される。
「別に奇抜なことをやれってことじゃないんだ。定石は確かに大事だしな。周りを見て強くなることも重要だろ。けど忘れるな、定石ってのは結局のところ限界があるもんだ」
百人の命のために一人を殺す。
正しいですね。勇気のいる決断をしましたね。
――ああ、笑わせてくれる。
今度は99人のために一人を殺すのか? 残りの命が何人になるまで続けるつもりだ?
まあ、例を出してしまえばそんなところだろ。
「それに、それだと最後は結局自力の力が物を言う。今回で言えばトリオン能力とかだな」
理論的に、そして無理なく、木虎がこれから何をするべきかを解いていく。
「少し真っすぐ気質なところがお前にはあるかもな。俺が『手を変えなくていいのか』って言ったら素直に《カメレオン》解除したし、《スコーピオン》の話したらそれを使ったりしてたっけ? 相手の言葉通りに動いちゃダメだろ。
「・・・・・・、」
まさにその通りである。何を素直に敵の言葉に従っているのか・・・・・・。
《カメレオン》をサイドエフェクトで対策が講じられたからと言って、それを
あんな異次元芸当、そこまで長く集中力が持つと考える方が難しい。
《スコーピオン》だって木虎が苦手としているトリガーへ誘導されただけではないか。
少し考えれば分かることだった。
勝手に、自分のやるべきは『持てる技術をすべて見せる事』なんて考えていた。
「戦闘中にお喋りなんて普通はしないが、それは本来そんな余裕がないからだ。本物の戦争なら少しの油断で死ぬからな。けど、トリガー使い同士なら基本的に
確かに、それができれば強いかもしれないと木虎は思った。黙って戦うのは確かに
「・・・・・・比企谷先輩は、どうしてそこまでできるんですか。そこまで・・・・・・普通なら考えません」
単純に疑問だった。
発想がすべてこれ以上ないと木虎は思った。
だからこそ、どうやったらそこまで考えられるのか。――それが知りたい。
「どうだろうな・・・・・・。
その答えに、――ん? と意味が分からないというように、木虎は首を傾げた。
だが、少しでも八幡を知っている人間なら、思わず頷かずにはいられなかったことだろう。
なんてことない、ただ――
木虎は八幡の考えをこれ以上ないと評価しているようだが、別に、何もそれが最高なわけではない。
事実として、八幡はあの
それはつまり、その考えではまだ足りなくて、その技術には何かしらの弱点があって、相手にはそれ以上の何かを持っていて。
結局――重要なのは考えを止めないこと。
木虎はそれをここで学んだ。
嵐山さんに感謝しないと、と木虎はお礼の言葉を考える。
――だってもう、これで終わりなのだから。
少し悲しそうな表情を見せる木虎へ、八幡はとうとう本題に入る。
ああ、忘れてはいけない。
本来の目的はここからなのだ。
「それで、なんでお前嵐山隊抜けようとしてんだ?」
気軽に、けれど確実にその言葉を口にして――。
「――!?」
――なんでそれを・・・・・・。そう問う前に、八幡は言葉を重ねる。
「逃げんじゃねーよ、弱虫が」
淀んだ目で、木虎の覚悟を否定した。
『副音声』
綾辻「さてさーて、副音声開始ですよー。そしてー今日のゲストさんはっ」
木虎「嵐山隊の木虎がお送りしたいと思います」
綾辻「・・・・・・、藍ちゃん・・・・・・」
木虎「――? どうしたんですか? 綾辻先輩」
綾辻「んー~~――固いっ!! 難くて堅くて硬いよ! 副音声なんだからいつものクールキャラは捨ててもっとはっちゃけなくちゃ!」
木虎「・・・・・・。綾辻先輩しっかりしてください。結構時間があいたからなのかキャラがブレブレです。ただでさえ作者が一番原作に性格が近くないかもと、不安になってるの綾辻先輩なんですから」
綾辻「フーン。そんなこと言って、今日の話の中の木虎ちゃんも結構キャラが――」
木虎「きゃるーん木虎でーす! 本日は楽しく副音声していきまーすっ!」
綾辻「お、おお。確かに今日の話を持ち出した私も悪いと思うけど、それはそれでだめな気がするかなーなんて・・・・・・」
木虎「・・・・・・うっぅぅ。綾辻先輩酷いです」
綾辻「ご、ごめんね!? もう普通でいいから気を取り直していこうよっ! ――ね?」
木虎「・・・・・・はい」
綾辻「まーさっそく本編に入ると思うんだけど・・・・・・そうだね。私ちょっと感想がききたいかな。藍ちゃん的に比企谷君と戦ってどうだったの?」
木虎「そうですね。はっきり言って勝てるビジョンがうかびませんでした。・・・・・・なんて言うんですかね。強いとか上手いとかじゃなくて不安になるんです。的確に一個一個私の技術を潰してくる感じで」
綾辻「・・・・・・確かに、それは怖いね。あっこのタイミングで言うのも何なのですが、今日比企谷君が使った拳銃近接戦闘は『緋弾のアリア』『リコVSアリア』をもとに書いてるのでイメージしずらかった人はそちらをご参照ください」
木虎「ぶっこんできましたね。わざわざここで言うなんて、作者の文章能力が低いって言ってるようなもんですよ?」
綾辻「大丈夫だよ。これは作者本人からの指示だから。急いで書いたから自信がないんだろうね」
木虎「そこは一応読者への配慮ということにしときましょう。まーそれはいいとして続きですが、私がすごいと思ったのはその技術がオンリーワンなところです」
綾辻「と言うと?」
木虎「『ボーダー』のトリガーは基本的に集団で使うことを目的とされてるので、『技』なんて言われても所詮コロンブスの卵なんです。と言っても『ボーダー』がらしたらそれがいいんですが」
綾辻「それはつまり比企谷君のそれは誰にもまねできないってこと?」
木虎「そうですね。はっきり言ってやばすぎです。まねできないということは対策が打てないとほぼ同義ですから。知らない技の対策をするなんて滑稽も良いところです。どんな時に使えてどんなメリットデメリットがあるのか。それを知るのは比企谷先輩ただ一人。多分私では『まだ』勝てないです」
綾辻「多分それはあれだろうね。負けることを許されない比企谷君だからこそ、『一度見られて対策が取られるような技術は身につけられなかった』んだろうね。とどのつまり『知っている』どまり。それが比企谷君の戦い方」
木虎「はい。身につけるために費やした時間も気になりますけど、それ以上にそこに至った考えがすごいです。まぁ本編ではただの捻くれみたいになってますけど、すごい事なんですよ?」
綾辻「ふふっ。多分みんなわかってると思うよ」
木虎「さて、次回で私の話? も最後になると思いますけど、比企谷先輩最後の一言強かったですね」
綾辻「うーん。確かに。私も読んでてビクッッてしちゃったもん」
木虎「気になるところですが今日はこの辺でお暇したいと思います」
綾辻「そうだね。本日もありがとうございました!」
木虎「また読んでください」
綾辻「バイバイ」