やはり俺と『 』が《ボーダー》隊員なのは間違っている   作:必殺遊び人

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二十一Episode

これからどう話を作って行くか全く頭の中になくてどうしようか困っている私です。

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リア10爆発46様 千年月様 渚乃様  久遠秋人様様 Kobolt様
いつも誤字報告ありがとうございます。
皆様の名前は文字変換の際に出てくるほどとなってしまいました(笑)(笑えないですよねー)
精進します!!
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それではどうぞ!!




二十一話>>『それじゃあゲームを続けよーう!』

 

 鳩原未来が『 』(三人)を見つけたのは、S級試験よりも前の事である。

 

 彼女の入隊時期は比較的早い。『ボーダー』内でのコネもそこそこに多かった。

 要は迅悠一が負けたという情報を彼女は知っていただけの事。

 その時の彼女が抱いた印象は、ほとんど『ない』と言っていいだろう。ぶっちゃけ、――強い子がいるなー、程度の認識すらなかった。 

 

 そんな彼女が『 』(三人)に目をつけたのは、S級試験からだと言っていい。

 彼女自身も言っていた違和感。すなわちそれは、『何故手を抜いて戦っている?』その一点に限る。

 そう。彼女は知っていた。

 

 迅悠一に単独で勝利する。――その異常性を。

 今まで負けたことがない。――その不可解さを。

 

 ただ遊んでいるだけか。それとも何かしらの意図があるのか。

 分からない。だからこそ、彼女は考えざるをえなかった。

 もし仮に、()()()()()()()()()()()()()()()があるのだとしたら、と・・・・・・。

 

『ちょっと調べるしかないかな』

 

 ここで唯一の彼女の勘違いと言えば、『 』(彼ら)の思惑が実際に出てきたことだったことだろう。

 

 だがその意味は単純なものだった。簡単な事――。心配してたのは杞憂に終わり、何かと思えばただ遊んでいるだけだったのだから。

 ――けど。

 その純粋さは尊敬に値するほどだった。

 

 ・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・。

 とはいえ、鳩原未来からしたらそのことはさして重要ではなかった。

 『ボーダー』の全員を相手にしようとする傲慢さ。実際に相手取っているという事実。

 それらが彼女にとっては邪魔すぎた。

 別に悪役ぶってるわけではない。そもそも彼女の目的は悪事ではないし、『ボーダー』と敵対することでもないのだから。

 ただ、自身のそれを邪魔する可能性が増えたのはいただけない。

 

 よって彼女が至った結論は一つ。

なに、別に『 』(三人)を脅そうとかそう言ったことではない。 

『だって、絶対負けちゃうから』

 と、当たり前の事。

 

 要は――。

『私が()()()()()()()ゲームの相手してあげるから、手伝ってほしいな~?』

 ――と言う。可愛らしい願いだったのだ。

 

 さて。ここまでくればもはや語るまでもない。『 』(くうはく)が用意したS級試験の思惑の最後。

 だってありえないのだ。

 あの『 』(くうはく)がS級試験で違和感を残す。調べればその思惑が露見される。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 だから答えは簡単。明快。

 

 ・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・。

 

 ソファーに腰をかけ。崩したチェスの盤面を元に戻す彼女――鳩原未来は口を開く。

「遊び相手が欲しかったんでしょ~? 今回の事は、『 』(あなた達)が行ったにしてはちょっと雑過ぎるもーん。・・・・・・だから疑問に思っちゃった。中途半端に分かりづらい、ならその目的は――」

 

 カチャッ、と最後の駒――ポーンをそこにおいて。

 

「『――ここまでたどり着けるものを待っていた』」

 

「・・・・・・」

 『 』(くうはく)は、静かに彼女を見据えた。

 彼女の言葉がブラフか否か。

 最初からその結論に至っていたかどうか。――()()()()()()

 

 あえて()()()()()()()()()()()()()()()を言った理由を見るために。

 

 そもそも、鳩原未来はゲーマーではない。『ボーダー』ももちろん同じくだ。ことゲームにおいては素人と言っていいだろう。

 さんざん『 』(くうはく)のそれを話してきて今更だが、外野からしたら今回の事は『 』(くうはく)の一人芝居に他ならない。

 

 まあ、だからこそ戦いたい理由をS級試験で作ったわけだし、事実――綾辻やら木虎、風間や太刀川のやる気は見ての通りだ。

 だが、そうなった場合、彼らがゲームに乗ってきた時を考えていないわけがない。

 ゲームの舞台はあくまで『ボーダー』。なら、『 』(くうはく)と同じ場所に降り立った場合、総合的に不利になるのは『 』(くうはく)だ。

 

 だからそこに彼らを引き下ろすと同時、その確認が必要だった。

 

「結局、俺らのそれに気づいたのはあんただけだった。ハチから現状報告は聞いて、那須玲だけはまさかと思ったがそれも違った」

 空は静かに口を開き――。

 

「さっき言った通り、ハチプラス『 』(俺ら)の戦術があればまぁ負けないだろ。この一年で実証も済んだ。ただ――それはあくまで、ゲーマーじゃなかったらの場合だ」

 そう。もし、『 』(くうはく)と同じくらいの実力が一人でもいれば・・・・・・。

 まあ、いてもいなくても関係ないのが『 』(くうはく)だが、()()()()()()()()()()()()()()()()()なのは言うまでもない。

 

「・・・・・・でも、これで線引きはできた・・・・・・。だから、言ってる・・・・・・もう勝てないよ? ・・・・・・って」

 白が最後にそれをつけたした。

「あんたすごいわ。――ぶっちゃけ、ちょっとでもこっちの考えを見破ってくれてれば御の字程度だったんだが、ほとんど見破られているとわな」

 ――ほとんど。

 つまりまだあるのだ。

 だが、それを話すつもりなどないのだろう。

 

「私がここに来た時点で、あなたたちは私の願いに気付いてたんでしょ~? 優しいね、私は君と遊ぶつもりないって言ってるのに・・・・・・」

「いやいいさ。まだゲームは終わってない。ウサギになるつもりなんてねぇよ。まだ時間は山ほどあるんだ。()()()()()()()()()()()()()()を考えないほど俺らも馬鹿じゃない」

 

 一発逆転。

 ――そんなモノ・・・・・・。

(あるなんて思ってもない癖に・・・・・・本当に、嘘しかつかないんだね)

 

 ある、ない。ではなく『させない』。

 ならば、そんなモノはないのと一緒だと。

 そもそも何回も―――「もう勝てない」って連呼してるくせにと。

 

 鳩原未来は小さく溜息を吐いて。

 彼女の本題――自身の目的を口にした。

 

 

   ▲▽▲▽▲▽

 

 

 『 』(くうはく)の事を知ってる者がいたとすれば、『ボーダー』でのそれに違和感を覚えずにはいられなかっただろう。

 

 つまるところ――『 』(くうはく)らしくない作戦だ、と。

 

 今回の事を例えるならトランプタワーとでも言うべきかもしれない。

 小さな土台を用意して、だんだんと積み上げる。

 そして、頂点を作り上げることですべてが完成する。

 

 あらゆる懸念材料を排除した、言わば精密機械と同じ。

 例えるなら上空一千メートルでの綱渡り。

 

 しかし、『 』(くうはく)とは本来このような作り方はしないのだ。

 『 』(くうはく)は本来、ドミノのように、駒を並べる。自身が駒になる事はなく、駒を並べることすら駒たちにやらせるほどと言っていい。

 『 』(くうはく)の仕事と言えば、()()()()()()()()()

 

 たった一手ですべてを無に帰す不条理。――あるいは完成させる理不尽。

 

 それこそが真骨頂。

 だが今回はそれができなかった。

 要は『 』(くうはく)も必死だったと言うことだろう。『ボーダー』なんて言う未知の組織。トリオンなどと言うファンタジー的エネルギー。トリガーなどと言うSF武器のオンパレード。

 そんな、意味不明(デタラメ)に対して比企谷八幡を負けさせない。それがどれだけの難易度か。答えを持つ者すらいないだろう。

 

 八幡が異様に卑屈な理由も説明がついたはずだ。

 なぜなら、大半が『 』(くうはく)によって作られているのだ。

 もちろん。八幡自身も努力はしているし、『ボーダー』で数えるほどしかいない実力者ではある。

 だが、それを『絶対』にまで押し上げたのが『 』(くうはく)だけに、八幡が大手を振ってそれを断言することなどできるわけがない。

 

「那須・・・・・・悪いが俺がお前らに教えられることはない。まぁ相手ぐらいなら受けれるし、アドバイスもしようと思えばできる――けど、それが的外れかもしれないなら、ちゃんとした師匠か何かを探したほうが良いと思うぞ?」

「・・・・・・、」

 

 那須隊に対し、現状八幡ができることは新しいトリガーを教えることか、日浦茜の相手ぐらいしかない。

 日浦にはすでに師匠がいるし、それも狙撃手第二の実力者だ。

 八幡とは()()()()()()()()()()ため、教えること自体は問題ないが、それは今決めるべきことじゃない。さらに言えば、師匠と言う形を八幡がとるわけもないのだ。

 

「比企谷が私たちの相手をしてくれるのはダメなの? 私なんかは攻撃手(アタッカー)だし、それだけで勉強になるんだけど・・・・・・」

「あー別にそれぐらいなら良いが、俺は基本的に『ボーダー』いないからな・・・・・・。そもそも『ボーダー』で時間を縛られないためにS級なんて持ってるんだし」

「そう、だよね・・・・・・」

 

 那須隊の現状は何も解決していなかったのだ。

「え~、私比企谷先輩に教えてもらいたいですー」

 唐突に、馬鹿が何かを言い出した。

「ちょ、ちょっと茜ちゃん?」

「だって~、聞いてくださいよ那須せんぱーい。奈良坂先輩最近怖いんですよー!? 訓練メニューが鬼のようにあるんです!! その点、比企谷先輩なら優しそうですし、強くなれる気がします!!」

「・・・・・・」

 なんてことはない、ただの反抗期がそこにはいた。

「おい。別に俺は優しくないぞ。むしろ厳しいまである。他人に厳しく自分に甘く。それが俺の信条だ!」 

 それを断言する必要性はあったのか。

 

 ――うわ~、と言いたげな女性人三人の視線が八幡に刺さる。

 

「えーでも、小町ちゃんも言ってましたよ。『お兄ちゃんは捻デレだから押せば優しくなる』って――「ちょっと待て」――はい?」

「なんでお前が俺の妹の事を知ってるんだ?」

「え・・・・・・っ、あれ? 知らなかったんですか? 私小町ちゃんとは同じクラスの同級生、そして親友なんですよ!」

 そこまで聞いて、八幡は思い出した。

『最近小町にお兄ちゃんの事を聞いてくる『ボーダー』の人が増えたんだけど』

 確かに小町はそう言っていた。

 

(まさか、それが日浦茜(こいつ)だったなんてな・・・・・・)

 

「へー比企谷君って妹さんいたのね」

 何かを納得するように呟く那須のそれは、八幡の『ボーダー』に時間を置けない理由を理解したのだろう。

 だが、八幡はそんなことよりも聞かなければならない事がある。

 

「なぁ日浦。学校での小町はどうだ?」

「――へ? え、えーっと・・・・・・小町ちゃんは明るくていい子ですよ? 友達も多いですし、クラスの人気者って感じです!」

「・・・・・・そうか・・・・・・・」

「それがどうかしたんですか?」

「いや、まぁな・・・・・・」

 

 時に、八幡が『ボーダー』に所属している理由は妹のためである。

 今更だが、入隊前は引っ越しなども考えた。

 しかし、『ボーダー』を信用していなかった八幡からしたら、『ボーダー』の()()()()()()()()()等、信用することなどありえない。

 結論として、無駄に動くより、まだ『ボーダー』の近くに身を置いた方がいいと考えたための現状だ。

 

 『ボーダー』を知った今もこの町を離れないのは、小町の周りに多くの友人や小町にとって大事なものがそろっているからだと言える。

 

 ――ならば。

 

(小町の友人の願いを俺は無碍にできるのか? 利己的なことを言えば小町を守ってくれる者が近くにいるのは俺にとっても好都合だ)

 比企谷八幡は考える――。

(親が『ボーダー』をやめさせるなら、この町から出ていくのは極めて一般的だ。それで小町が悲しまないとは言い切れない)

 親からしたら――こんな危なっかしい場所にいられるか! と言う事であろう。

(小町のためにその友人を強くする・・・・・・それは俺がここにいる理由に矛盾するか・・・・・・?)

 

 だらだらと言い訳がましいとはこのことだ。

 もはや答えなど出ているくせにめんどくさい。

 

 妹のために全力を尽くすお兄ちゃん。

  

 それが比企谷八幡らしいかどうかはさておき。もし、そんな兄弟愛が存在するなら――、

 

 ――それはきっと綺麗なはずだ。

 

 だから。

 いいや、ここは最後まで問おう。

 ――比企谷八幡。お前はここで彼女たちを見捨てるのか? と。

 

「なあお前ら、これから始まるランク戦。上に上がる事に問題あるか?」

 ――ああ、聞く必要なかった。決まりきったことだった。

(決まってるだろ・・・・・・)

「もしないなら、勝てるように『 』(俺ら)が手伝ってやる。やるかどうかはそっちで決めてくれ」

 

 ――Yesだ。

 

 彼女たちは、一瞬顔を見合わせ、お互いに言葉をかけることなく。

「「「――やる!!」」」

 

 短く一言。

 そう宣言した。

 

 

   ▲▽▲▽▲▽

 

 

 鳩原未来が『 』(くうはく)に会いに来た理由は、彼らがこれから何をしでかすか全く予想がつかなかったためである。

 

 それは、先ほどから何度も言っている彼女の目的の失敗の懸念材料だ。

 

「ふーん。つまりあんたはネイバーフッドに遠征に行きたいってことか?」

「ね~、『話聞いてた?』」

「いや、悪い悪い。思いの他小さな願いだったから拍子抜けしてな・・・・・・。えーっと今どこまで終わってるんだっけ?」

「・・・・・・拍子抜けって・・・・・・こっちは結構ギリギリなんだよ~? 計画を決めてから半年間。()()()()()()()()()()()()。もし見られればそれだけでアウトなんだから心臓ももたないよ~」

 

 この言葉で彼女が今ここにいる理由がわかるだろう。

 比企谷八幡がこの場にいない。だから彼女はここにきたのだ。

 『 』(くうはく)の性質と彼女自身の警戒によって、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。――もう流石としか言いようがない。

  

 さて鳩原未来がここまでする理由。それは、彼女目的はネイバーフッドへ行くことだからだ。

 つまり、鳩原未来は『ボーダー』を裏切る気でいる。

 彼女の真意はどこにあれ、そう捉えられても仕方がないことをするつもりなのだ。

 

「すでに仲間集めは終わってるよ~。けど、結構危ない橋もわたってるから慎重になる時期なんだよね~」

「あーはいはい。それで俺らが出てきて邪魔になりそうだから釘を刺しに来たわけね・・・・・・」

 鳩原未来は『 』(くうはく)のそれをすべて読み切った。

 しかし、そこから先を読めるかどうかは話が別だ。

 読めたとして、最後の一手。あるいは最初の段階から間違える可能性がある。つまり現在、彼女はちょっとした慢心すら危うい状況なのだ。

 だからこそ――なら、『賭けに出るしかない』よね、とそれが今の状況だ。

 

「でもそれさ、俺らがチクらないってなんで思った? いくら何でもレイズ決めすぎだろ」

「えへへ~。だって~分の悪い賭けって――」

 例えようによっては気持ち悪い。

 見ようによっては可愛らしい笑みを浮かべて。

 

「――『すごくゾクゾクするのよね』」

 なるほど。確かに彼女はゲーマーではない。  

 

「ギャンブラーかよ。・・・・・・無計画だと破綻するぞ?」

「しないしないよ~。だって、()()()()()()()()()()()()()()?」

「へーそう」

 つまり――隠し事なんて当たり前、と。

 

「(・・・・・・にぃ・・・・・・)」

「(・・・・・・わかってる・・・・・・)」

 もはや隠すつもりなどないらしい。

 鳩原未来は『 』(くうはく)を利用する気満々だ。

 

 ――しかも、それに『 』(くうはく)は乗るしかない。

 

「もしばれたら俺ら――てかハチに迷惑かかるんだけど?」

「大丈夫だよ~。私が~なんのために二宮隊にいると思う~?」

(権力は持ってるよってか・・・・・用意周到なこって)

 基本的に『ボーダー』は緩い。と言うより、内部で裏切りが発生するなど全く考えていないのだろう。

 

 鳩原未来は疑われても、()()()()()()()()()()()()()()()()()しか、まだ動いてないのだ。

 そして、その権限でどうにもならないほど動くときは、『()()()()()()()()()()()()()』と言っている。

 

「つまり、最悪知りませんでしたで話が通るってことか? ――足りないな、万が一嘘がばれたらどうする?」

「そうねー。だから大したことはしなくていいよ~。ただ、――邪魔をしなければそれでいい」

「・・・・・・俺らの行動に制限をかけろと?」

「・・・・・・メリット、ない・・・・・・」

 これは相手の引き出しを探る問答。

 

 ――ただで使われる気はねぇぞ、と。つまりはそういう事である。

 

「もちろんだよー!! こっちも『 』(あなた達)と敵対するつもりないしね? だからこれ――・・・・・・はーい。私が用意した正隊員100人分のデータだよ?」

 今の彼らの状況はお互いに銃を向けているのと変わらない。

 片方が引き金を引けば片方も致命傷を負う状況。

 

 ――だから、お互いに引き金を引かない建前を用意する。

 

「いやー『 』(あなた達)が用意した期間が二年で良かったよ~。ってことはまだ半分程度しか終わってないよね? これがあれば三か月は縮められるよ?」

「信用できるのかそのデータ?」

「えーと〜、その答えはねー・・・・・・『そろそろ受けとれよ。めんどくさくない?』――だよ〜」

 

 鳩原未来は人を撃てない。それが()()()()()()()()()()()。現状()()()()しかできない彼女は、『ボーダー』随一の観察眼を有する。

 撃たれる側からしたら『武器しか狙ってこない』のだ。もはや防御できない状況の方が難しい。

 

 そんなヌルゲーを決めている奴らの武器を的確に狙い撃ちするには、その人物についてとことん研究するしか道はない。

 癖から始まり好きなもの、普段の行動。言ってしまえば人間観察。

 そのことに気付いてる人物は『ボーダー』にいるか? いたとしても少数なのは確かだろう。

 

 そしてそれは、唯一『 』(くうはく)が八幡経由でしか得られない情報ですらある。

 

 そのデータを与えると言っているのだ。

 『 』(くうはく)の動きの制限とデータ。重要なのは間違いなく後者だ。 

「まっ、別にまだ手がないわけじゃないしな。それに縛りプレイは嫌いじゃない」

「・・・・・・むしろ、最近そればっか・・・・・・」

 

 肯定ともとれる二人の呟きに、鳩原未来は大きくうなずき。

 

「よ~し! それじゃあゲームを続けよーう!」

 

 まさか『 』(くうはく)が気づかないとでも思ったのか?

 いいや、むしろ気づいて欲しくてのその言葉だろう。

 

 ――つまり、裏切るからそのつもりで、と。

 彼女は、大仰に宣言した。

 

 

 




『副音声』

そら『よし、じゃあ副音声開始するか』
しろ『・・・・・・やっほー、皆さん元気? ・・・・・・白、です・・・・・・』
そら『空でーす』
空白『二人合わせて『 』(くうはく)!!――ビシッ。そうれじゃ! 今日も元気にふく――『じゃねぇよ』――ズコー』
八幡『ナニコレ? どんなテンションだよ・・・・・・。ビシッ――とか自分で効果音までつける必要あるか? 馬鹿なの? 死ぬのかよお前ら・・・・・・』
そら『はぁ、おいおいハチくん? どうしたはこっちのセリフだわ』
しろ『・・・・・・二話連続、白達の見せ場・・・・・・だった・・・・・・・』
そら『ならここはキメルしかあるまいて!! そう! 引きこもりとは元来! パソコンな前でしかイキれない屑ども! つまり俺!』
しろ『・・・・・・そして白!』
八幡『・・・・・・ここは副音声会場だから――ってツッコミは野暮なのか?』
そら『だから言おう! 叫ぼう!!――今まで待たせて悪かった。ここに、『『 』(くうはく)見参!!』』
八幡『・・・・・・終わったか? なら本編の解説に入りたいんだが・・・・・・』
しろ『・・・・・・ハチ兄、ノリ悪、い・・・・・・・これだからボッチは・・・・・・・』
そら『まぁ落ち着けよ白。ハチも俺らに出番とられて凹んでんだ。ここは大人な対応を見せてやろうぜ?』
八幡『うぜぇ・・・・・・煽り耐性高すぎだろお前ら』
そら『まっ、そんな事より本編解説だな。――とは言えほとんど語られてるから何を話すべきかわかんねぇな』
しろ『・・・・・・なら、裏話する? ・・・・・・なんで白達の相手が、鳩原未来・・・・・・・だったのか、とか・・・・・・』
八幡『まぁ良いんじゃね? 裏話も副音声っぽくていいだろ・・・・・・』
そら『そうだな。じゃあ理由その一だが、原作で唯一重要ポジションで当分出番がないことがそうだな』
八幡『キャラ崩壊が起きない唯一人物ってことか?』
そら『ああ、確かにこれから出てくる可能性は十分あるが、今現在の原作状況なら『他のキャラよりは後になる』と思うからな』
しろ『・・・・・・問題、先延ばし・・・・・・』
そら『そうなんだが、それは言わなくていいぞ妹よ・・・・・・で、二つ目だが『ボーダー』を出し抜いた事実がでかいな』
八幡『今話でも出てた、迅さんに見つからない立ち回りってことか?』
そら『そうだな。迅悠一があえて見逃したって言う見方もできなくもないが、それはまぁありえないだろうな』
八幡『・・・・・・なんで? メリットがあるなら普通にありそうじゃね?』
しろ『・・・・・・ハチ兄・・・・・・それ、鳩原未来、犠牲にしてる・・・・・・迅さん、らしくない・・・・・・』
そら『未来を見れるからこその苦悩。誰かを犠牲にすれば目先の問題は解決する。そんな選択肢をとる奴じゃないだろ。もしあるなら、説得できなかったか、それとも――『ボーダー』自身が認めた裏切りだったかの方が、まだ可能性が高い』
八幡『・・・・・・まぁ、事実はさておき、作者はそう考えたからこそ、今回の展開にしたってことだろ?』
そら『まぁ、自由に動かせるキャラってのもでかいけどな。『 』(くうはく)に合わせられる人物鳩原未来。ランク戦や解説などの仕事が存在する『ボーダー』で、迅悠一を避け続けられた人物となればそれなりに見合うだろうって話だ・・・・・・』
しろ『・・・・・・ワートリの原作開始まで・・・・・・設定を崩したく、ない・・・・・・本音』
八幡『ああ、確かに木虎の師匠も変わってないし、結構難しいことしてんな・・・・・・』
そら『さて、隠し事の多い中の解説となるとこんな程度になるか? ま、今日はこんなところでいいだろ』
しろ『・・・・・・時間いっぱい・・・・・・副音声終了、する?』
八幡『じゃ、副音声終了で』
白空『『 』(くうはく)の活躍にこうご期待!』
しろ『・・・・・・バイバイ・・・・・・』


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