やはり俺と『 』が《ボーダー》隊員なのは間違っている 作:必殺遊び人
皆さん何か月ぶりかの必殺仕事人です。
「暇になったら暇になったら」と言い訳してたら早五か月? もたっていました。
少しずつでも上げていきたいと思っているので、気長に待ってくださると嬉しいです。
さて、今回はリハビリもかねて書きました。
前話とのつながりをなるべく薄くして(してないですね)読みやすくなって、る……? かな?
わけわからんと言う方はどうか流し読みでもいいので全話を追ってくれると嬉しいです。
それではどうぞ。
【――名前――影浦雅人。年齢17歳(満年齢18)。
――ポジション『
ここまでは「ボーダー」の
――景浦雅人の素行は決して褒められたものではなく、感情のコントロールを苦手とする節が存在します。短気で粗暴、とそれが周りからの認識でしょう。
しかしその実、その攻撃性には理由が付けられ、『ムシャクシャしてやった』などと言う理不尽な暴力は存在しません。
コントロールが苦手とは、最終的に攻撃を実行に移してしまう若輩者故とお考え下さい。さて、それらの感情は彼のサイドエフェクトが原因とされ、他人の悪意やら敵意を受信してしまうそれに起因します。
――即ち、それはサイドエフェクトの切り替えができないという事であり、『特技』と言うより『病気』と言うほうがしっくりくる能力でしょう。
――彼の能力は事戦闘においてはプラスに働き、攻撃と言うアクションを意識してしまった時点でそれを察知するため、不意打ちが成立しません。遠距離狙撃にも反応でき、彼の能力範囲は相当な距離だと思われます(正確な数値は不明)。
――そんな中《スコーピオン》の扱いは「ボーダー」で最も長けており、それは彼オリジナルの技である『マンティス』からも伺えます。
補足解説、『マンティス』は、《スコーピオン》を二つ重ねることによって本来より長いリーチを持つ蛇腹剣の様なものだとお考え下さい。
――ただ、
「ボーダー」考案の攻撃手用武器は、それぞれ特殊性が付随されていますが、すべてにおいて固体化と言う部分が共通してあるのはご存知でしょう。『鞭のように振るう』とされる『マンティス』ですが、それは言葉通り鞭のようであるが鞭とは決定的な違いがあります。
――鞭とは、その柔軟性を利用し、遠心力を用いた使い方が一般的です。その付加価値として先端に行くほど威力が増すものであり、ただの縄が刃物以上の殺傷能力を持つことも不可能ではありません。
とはいえ、《スコーピオン》は変化できるとは言え柔軟性は皆無です。
――あくまで手動的にしか変化しない武器。要は、影浦雅人は、手動によって『鞭のように見せている』だけなのです。
つまるところ『《スコーピオン》を鞭のように変化するように見せている』にすぎず、それを鞭と同系統と捉えることは危険でしょう。
そして、それをできているという事実が影浦雅人以上の技術がありえない証拠なのです。
――すなわち、彼はその変化スピードのみで攻撃性を有していることに他なりません。
ご存知の通り、《スコーピオン》の攻撃力はAではありますが、それは言ってしまえばよく切れる剣と同義なのです。
剣の刃に手を添えるだけでは皮膚が傷つかないように、あくまで外的力(振るう、突き出す)の様な作用が働いてこその攻撃力と言う事だと思っていただければ良いでしょう。
――だからこそ、《スコーピオン》を変化させるだけでは攻撃性を伴わず、トリオン体に対する威力はほとんどなくなることは必須。それを影浦雅人は変化スピードのみでその威力を再現していると言えばその異常性は理解できるかと思います。
――風間蒼也などが使用する
――キレがない。とも表現できる通り、各隊員が多用しないことから、技に必要な技術が誰一人追いついていないことが伺えます。
そこに唯一到達したのが影浦雅人であり、彼以上の《スコーピオン》の使い手は存在しません。
――とは言えそれはあくまで《スコーピオン》単体において言えることであり、『《スコーピオン》を使った戦闘』では迅悠一や風間蒼也も後れを取ることはないでしょうと付け加えておきます。
――さて、影浦雅人が有するその技術は『マンティス程度よりはるかに厄介』であり、『マンティス』はあくまで、その技術から行き着いた一つの答えでしかありません。
リーチが長い――つまりそこまでの攻撃時間が弱点になりうるそれすら、その技術によって克服しています。『気づいた時には切り刻まれていた』ほどの錯覚を与えるその技術には、もはや感嘆の声を上げたくなりますね。
――あくまで手動による変化のため、その攻撃は鞭と違い、相性の悪い位置が存在することがなく、その攻撃範囲内すべてが危険区域と化します。
――ただ、変化速度を極めたためか『変化自体』は大雑把であり細かい誘導を苦手としている節があるようです。
――鞭のようにしならせるという行為も、彼の技術を後押しするイメージ付随と言えるでしょう。
攻撃までの時間が非常に短く、避けるという行為がほとんど無意味となりますが、ギリギリで避けた後も追尾するようなことはありません。
――また、効果範囲外に伸ばすことができず、その技術は自分ルールともとれるある種の決まりによって、その効果を最大まで引き上げているものと思われます。
そのため影浦雅人の擬似イメージを超えることない攻撃パターンは来る可能性がほとんどなく、あったとしても稚拙な物。そのパターンさえ覚えてしまえば『マンティス』の脅威はほとんどないと言えるでしょう。
――ただ、それを支えている変化速度はなんにでも応用が利き、単純な戦闘ですら脅威です。考えうる可能性を絞り込まず、あらゆる可能性を考慮しなければならないそれこそが最も恐ろしい技術と言えます。
彼との戦闘は、その範囲外からの攻撃を与えることこそが最も有効ととれる手ですが、それはサイドエフェクト――『感情受信体質』によって守られています。
――自身に対する意識をその性質ごとに感じとれると言われているそれは、自身に対する攻撃的意識を見極めることが可能であり、『攻撃前に攻撃を認識される』と称することができるそのサイドエフェクトによって、遠距離攻撃が無意味となっています。
――事実、影浦雅人に狙撃を成功させた事例はなく、
――ただし、対処法がまるでないというわけでもありません。彼のサイドエフェクトはあくまで自身に向けられた意識のみを感じ取るものであり、それ以外に対しては作用しません。つまり――『自身の武器に向けられた意識』を感じ取ることができないのです。
――実証結果として
狙撃、銃撃も彼にさえ意識を向けなければ潜りぬけるものであり、例えば『たまたま狙った石ころの前方に影浦雅人がたまたま通りかかった』などと言う状況が成立すれば可能です。そして、それ自体は
――《スコーピオン》の『
変化速度が悩みどころのだからこそのその行為でしょうが、逆に言えば、それを極めた影浦雅人には
続きまして、彼の性格分析からのアプローチについての――】
そして――ぐしゃりと。
そこまでそれを読んでいた者の手が、その資料を軽く握り潰した。
「・・・・・・なげーよ」
ただ一言。比企谷八幡はそれまでの沈黙をためたかのように呟いた。
▲▽▲▽▲▽
八幡が手に持つそれは数十枚にも及ぶ紙の束であり、先日空から『これ全部に目を通しとけ』と、投げ渡されたものである。
(俺がいない間に、鳩原未来と何かあったとこまでは
個人情報などは極力なくして八幡及び相手側へ配慮。事実と考察、実証実験が織り交ぜられて書かれていた。
(まだ数人しか目を通してないけどやばすぎるなこれ。まぁ情報もさることながら、量がやばい。マジで読み終わるのか? 広辞苑の方がまだ早く終わる気がするぞ・・・・・・)
「あなた、先ほどから何に目を通しているのかしら? ため息が多すぎて流石に鬱陶しいわ」
「・・・・・・ああ、悪い」
八幡がペラペラとそれを捲っていたその場所は奉仕部の部室だ。であるならその場には毒舌女こと雪ノ下雪乃様が存在する。
「一人芝居も構わないけど、ほどほどにしないと気持ち悪いわよ? 私が優しい女の子で良かったわね」
「今のどこに優しさがあったんだよ・・・・・・。むしろ胃が痛くなったんだが?」
「あら、最近の女の子はもっとひどいわよ。他人の粗を見つけては陰で周りに広めて、仲間ができると見るや今度は聞こえるか聞こえない声でそれを話すの。それにこちらが反応しないと今度はそのことについて馬鹿にされ、逆に反応して見ると、自意識過剰だと理不尽に笑われる。それに――」
「わかった。わかりました。おれが悪かったから許してください」
わかればいいのよ。と何か勝ち誇ったように笑みを浮かべ雪ノ下は再度本へと目を落とした。
「・・・・・・・はぁ」
その様子に八幡は静かに溜息吐き再度その資料へ視線を落とした。
【影浦雅人考察記録】
――と、その書類の一番上に書いてあった。
それは当然、空達が鳩原未来から半分奪い取るような形で交渉を終わらせた戦利品である。
(あと一、二週間、程度はかかるなこれ)
八幡は、残りの資料をペラペラと捲り、その人物の数に眩暈すらした。
太刀川慶、風間蒼也、嵐山准等などの古参から木虎藍、緑川駿などの新人までおおよそB級以上の人材はすべて書かれていた。
(本気度が伺えるな。
例えばの話。そう、例えばの話だ――。
鳩原未来があの場に来ることを空達が知っていたらどうだろう。
先日秘密裏に行われた密会。それらの見方が180度変わるのではないだろうか。まるで騙し絵だと気付いたその時のように。
鳩原未来から
まあもちろん鳩原未来がそれを認識できていたかは別としてだが。
ではなぜ、あのような形でそれは行われたのか。
恐らく、
とは言え、その踊らされてる可能性すらあると考えた結果が鳩原未来の最後のセリフだろう。
つまるところブラフ。
――お前たちのやり方は気づいているぞ、と。
自身の知らないあれやこれやを浮き彫りにするための一言。
結果としては失敗に終わったが、プレッシャーがゼロのわけでもないところ流石と言える。
那須達のところで八幡へ空が口にした『鳩原に対しての来るのが遅いという』発言、それは
ならば、
だが、鳩原未来も凄まじいことに変わりはない。
交渉がうまくいくタイミング(時期)を見計らい。口調や性格を演じることで『動揺』や『嘘』を隠し、
結局、八幡ですらどちらの絵が正しいのか知ることはない。
それでも問題ないと思えているところ、彼もやはり
普通なら疑い知ろうとする。
そんな当たり前を足蹴りにする例外こそが比企谷八幡なのだ。
・・・・・・
・・・・・・・・・・・。
「終わりよければすべてよし・・・・・・か。俺その言葉嫌いなんだけど」
「・・・・・・私も得意ではないはねその言葉」
目線はその書物から目を離すことなく、雪ノ下も静かに同意した。
「へー意外だな」
大事なのは結果であり過程ではないと、成功者のみ許された言葉。
「訳し方は人それぞれだけれど、どう訳しても私にはマイナスの言葉に聞こえるの。【終わりがうまくいったのなら過程もうまくいった言える】【終わりさえよければ過程に何があろうとハッピーエンド】・・・・・・何都合よく解釈しているのよって思ってしまうわ・・・・・・」
「・・・・・・なるほど。今度はお前らしい」
八幡は特に理由なく――なんとなく嫌いと言ったつもりだったが、一部納得、と雪ノ下の捻くれた思考に少し笑みを見せる。
雪ノ下の言い分は努力を否定されたようで気にくわないと言ったところだろう。
「まぁ【結果があるのならどんな過程だろうと意味はあるはず】――なんて訳すこともできるから一概にはマイナスの言葉とは言えないけどな」
「それ、自身の努力を認めてもらいたい負け犬の言葉に聞こえるわね。比企谷君にはピッタリなのではないかしら」
「・・・・・・」
最後に皮肉を混ぜるあたり流石雪ノ下だった。
本から目を離さないあたり、雪ノ下のそれは無意識ですらあるのかもしれない。
結局のところ言葉遊び。本にも飽きてきたという二人の暇つぶしでしかなかった。
しかし、この会話はこの二人だからこそだろう。二人の会話は終始『結果を出すことは大前提』として話していた。成功の道を生きてきた雪ノ下雪乃。そして敗北を知らない
互いに天才だからこその捻くれたこの考えである。
そこへ――。
「し、失礼します・・・・・・」
ガラガラ、と。静かに奉仕部の扉が開かれた。
おどおどとしているように、あるいはドキドキとして様子で、お団子髪の少女が二人の暇な時間を終わらせた。
「いらっしゃい。ようこそ奉仕部へ」
今日初めて、雪ノ下はその本から目を離した。
▲▽▲▽▲▽
『ボーダー』本部訓練場。射撃訓練用。
その風景に鳩原未来はいた。
「どこにいるのかな?」
まるで恋人との待ち合わせでもしているかのように、人の少ないその一角で壁にもたれ。携帯でもいじっているかのように《イーグレット》を持つその姿は、遠目から見れば絵になってなくもない。
「あ、あれ? これは私が間違えたかな?」
後輩
「・・・・・・ユズル~」
しゃがみこんで心細そうに俯くその様子は、先日
「鳩原先輩? 何やってるの?」
聞きなれたナイスボイス。
カチャカチャといじっていた
「・・・・・・遅い。遅いよユズル」
立ち上がって睨むようにユズルを見た。
だが、とてもじゃないが睨んでるとは言えない。ここまで目に力がない人物をユズルは自分以外初めて見たなー、と。そんな感想がうかぶほどだ。
「遅いも何もまだ集合まで一時間あるんだけど?」
「えっ? あれーやっぱり私が間違ってたのか・・・・・・・ごめん。勘違いしてた」
「・・・・・・おっちょこちょい・・・・・・」
冷めた目で見るユズルに対し、鳩原はたじろぐ。
「・・・・・・ユズルだってこんな早い時間からいる癖に」
「――ッ・・・・・・そ、それは・・・・・・・」
顔を背け、軽く赤くなっている様子に、鳩原は密かにほほ笑んだ。
間違っても「鳩原先輩との訓練が楽しみだったんです」と言えない少年ユズルは、まさに思春期真っ最中と言えるだろう。
「よし。それじゃ、行こうか」
「はい。よろしくお願いします。鳩原師匠」
彼らは師弟関係。
「それ、堅苦しいからやめるように言うことが今日初めてのアドバイスだから」
弟子のちょっとしたいたずらに、苦笑いしながらツッコム師匠。
頭を小突くその姿は楽しそうですらある。
微笑ましく。ほのぼのしく。『ボーダー』で見慣れた光景。
そんな日常の
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・。
的に向けて構えるユズルの肩を、鳩原は少し触って下へと向けた。
「ユズルは目が良いからね。感覚で大体当てちゃうけど、『見ないで当てなきゃならないとき』きっと正しいフォームが必要になるよ」
「・・・・・・はい」
そして引き金を引く。
真っすぐトリオン弾は進み。
しかし、その弾は狙った場所へは行かなかった。
「ほら、また目で見てる。目線と銃口がずれてるでしょ」
「・・・・・・難しいですね」
少し落ち込んだ様子を見せるユズルへ、鳩原は微笑んだ。
「でも体はぶれてないし、銃口も固定されてた。後は慣れからの微調整だけ。少し練習したらユズルなら使い分けられるよ」
鳩原は、絵馬ユズルの事をこれでもないほどに評価していた。
――この子は天才だと。
きっと強くなる。そんな確信めいた物すら持っていた。
「鳩原先輩に比べればまだまだです」
「そんなことない。すぐ追いつくよ」
さらには謙虚でこちらを立ててくれる。こんな可愛い後輩がいるだろうか? ――否である。
鳩原は自信を持って最高の弟子だと。自分の自慢ですらあった。
技術という面において鳩原未来を超えるものは『ボーダー』にはいない。恐らく忍田本部長ですら、ここまでの物は持っていないだろう。
ではなぜ?
答えは簡単――『人が撃てない』と言う事実がそれを封殺してしまっているのだ。
技術だけで言えば、比企谷八幡をして『限定的に並びうる』しかできないものなのに、である。
「ありがとうござます。鳩原先輩」
そんな師匠を、ユズルは心から尊敬している。
口元が上がる。そんな顔の変化を感じながら絵馬は再び引き金を引いた。
・・・・・・。
ほんの少しの休憩時間。
「あ、ところで――」
飲んでいたドリンクを口元から離して。
そんな前振りをし、ユズルは聞いた。
「鳩原先輩なら、比企谷先輩に当てられる?」
これは聞きたいと息巻いてすらあった。
ユズルの今日の目的の半分はこれですらあったのだ。
狙撃。あるいは銃弾において無敵を誇った比企谷に対して『武器破壊』を成功させることができるのか。
その質問に、鳩原は苦笑して――。
「無理、かな・・・・・・」
そう答えた。
「・・・・・・っ――。そ、それは・・・・・・どんな状況でも?」
「どんな状況でもだよ」
即答。その回答に、信じられないと言ったようにユズルは目を見開く。
自分の師匠と言う色眼鏡はあるだろう。
それでも、鳩原未来は『人さえ撃てれば』すぐにでも
それほどまでに彼女の技術は高見にあるのだ。
その彼女が不可能だと断じている。
すなわち、これがいかに異常事態かは考えるまでもなかった。
「まぁ、それ以前にできても意味ないけど」
「――? 何が?」
「仮に武器破壊できても『絶対に勝てない』からだよ」
「え?」
ユズルは言っている意味が分からなかった。ユズルが話していたのはそんな話ではない。当てれるのか当てられないのかだ。
元より、鳩原が勝てるかどうか問う質問は、それ自体が間違ってる。
「そうだね。比企谷八幡について少しだけ教えておこうかな」
少しだけ、雰囲気が変わった。
どう変わったか説明はつけられなかったが、ユズルは確かにそう感じたのだ。
「そもそもね、比企谷八幡は
「――? それって言い方は悪いけど卑怯ってこと」
そんなユズルの意見に、鳩原は首振って、
「違う違う。どっちかっていうと逆かな? 比企谷八幡が戦っているということはそれはすでに勝ちが決定してるってことなんだよ。まぁ冷水と温水ぐらいには違うんだけど・・・・・・。とらえ方って言うか見方っていうのかな」
意味が分からない。
そんな表情を浮かべるユズルへ鳩原は続けた。
「ちょっと飛ばしすぎたか。うん、さっきの質問に戻るけど、狙撃可能か不可能かと言えば恐らく『できる』」
「さっきと言ってること逆なんだけど・・・・・・」
「正確には
「――!?」
そこまで聞いて、ユズルは鳩原の言いたいことを理解した。
「そう。
言葉が出ない。
困惑するように口をパクパクさせるユズルへ鳩原は口にする。
「確実に勝利する。言葉なら簡単だけど、それには膨大な予測が必要。ぶっちゃけ無理。・・・・・・でも、できている。ならそんな当たり前は無視して考えると答えは一つになるの」
「・・・・・・、・・・・・・」
「比企谷八幡には通用『する』『しない』での議論は無意味。『したならした』で負けるし、『しないならしない』でそれでも負ける」
「そ、それは・・・・・・流石に・・・・・・」
そう思いたくなるだろう。
当たり前の感情だ。間違っていない。
だからこそ鳩原は、――勝てないんだよ。と思った。
そんなわけがない。できるはずがない。信じたくない。
その程度の思考をしている時点で負けは確定。
そりゃ自身のすべてが否定されたような状況だ。
「今はそれでも良いよ。いずれ分かるし。まぁ、ギリギリできて・・・・・・・うーんそうね。比企谷君にとって『当てられた方が都合のいい状況を作る』事ぐらいかな? ・・・・・・ね、意味ないでしょ」
そこまで聞いて、ユズルは心底師匠がこの人で良かったと思った。
この人のすごさを知ってるのは自分なのだと。
この人といれば必ず強くなれる。いや――なって見せる。
そんな感情を胸へと秘めた。
だからなのかもしれない――。
この時は思いもしなかった。
その尊敬の目には映ることはなかった。
(ごめんねユズル・・・・・・・)
悲しそうにユズルを見る目。
申し訳なさそうに光る瞳に。
どんな気持ちがあったのか、気づくことはできなかった。
――本当にごめん。
『副音声』
そら『ってことで久方ぶりの副音声解説は、引きこもり代表
しろ『……同じく
八幡『
そら『……いや、悪いな。久しぶりだから素で間違えたわ』
しろ『……にぃが片割れって言うから……白も、つられた……』
八幡『あ、うん。大丈夫、ちょっと心折ただけだから気にすんな。これぐらい日常茶飯事だから』
そら『お、おう。それはそれでどうかと思うが、とりあえずは無駄話を終えて始めるか』
しろ『……して、今回はなに……話す、の……?』
八幡『ああ、今回に関しては本編の話より、書き方についての報告書が来てるからそっちを嘘やら事実やらを織り交ぜて話せばいいらしい』
そら『え、嘘を言うの?』
しろ『……作者、白達忘れて別作品【『とある』ヒロアカの世界に迷い込んだ『幻想殺し』】とかいう別の……書いてた……許すまじ……』
そら『え、今回それなの? 別作品の応援メッセージをさりげなくするコーナーなの?』
しろ『……はッ!? ……しろ、うっかり……』
八幡『あー、お前らの漫才は置いといて、こっちはこちで解説するぞ? と言っても、別にそこまで重要じゃないらしいけどな』
そら『重要じゃないならいいんじゃね?』
八幡『……』
しろ『……にぃ、話進まないから黙って……』
そら『え? これ俺がおおられるの? 言い出したのハチなのに!?』
八幡『さて、報告と言うのは俺ガイル方面についての書き方についてだな』
そら『無視するのね』
八幡『今まではヒロイン? ……これなんだよ。――……ああ、えーっとそれを俺ガイル方面も考えていたので細かく書いていたが、メインキャラである雪ノ下、と由比ヶ浜が出てきたら他は基本流しに書くらしい』
しろ『……えーっと……つまり……?』
八幡『つまり、あくまでこれはワートリのクロスと見て、俺ガイル方面の話は書かないってことになるらしい』
そら『なるほどな。でもいいのか? それハチを出している意味なくね?』
八幡『ああ、別に全く書かないってわけじゃないらしい。俺ガイル方面の話と織り交ぜて、技の解説だとか性格分析だとか。サイドエフェクトの解説なんかを織り交ぜていくらしい』
そら『ああ、ここに来て細かい設定だとか裏設定を語る場面がほしいからそれは俺ガイル原作にぶち込むと』
八幡『まぁ、まったく書かないわけじゃないらしいけどな』
しろ『……あくまでワートリ主体……それを言いたくての、空回り……?』
八幡『そんなとこだろ』
そら『うわーなんて言うか、完全にこの作品が頭から抜けていたかが伺えるな』
しろ『……やっぱり、〆る……』
そら『……おーい、白さん怖いですよー? キャラ壊れてますよー?』
八幡『ってことで副音声の方は終了だな』
そら『オイてめぇはまた無視か? さては最初の『あれ』実は結構怒ってんだろ? そうなんだろ!!』
八幡『終了』
しろ『……ガァルル……』
そら『ちくしょー「不幸だぁぁぁぁあああああああ!!」』