やはり俺と『 』が《ボーダー》隊員なのは間違っている 作:必殺遊び人
まだペースはいいほうですが、だんだんおちてくると思います。
春休みが終わっちゃう・・・・・・(T_T)
さて、やっとプロローグが終わった感じで、今話からストーリーに入った感じです。
そして!
誤字報告をしてくださった方ありがとうございます!! なるべくなくしていけるようにがんばります。
それではどうぞっ!!
風間蒼也が、比企谷と言う男を見つけたのは本当にたまたまだった。
(あいつは・・・・・・)
自身のチーム発足のために有望そうな訓練生を探していた時だ。
「いい動きをする。すでにB級上位。いや、流石にまだ中位ぐらいか」
《スコーピオン》を使い戦うその姿は、明らかに他の訓練生とは一線を画していた。剣術を学んでいるとかではなく、単純にトリオン体の使い方を知ってる。
才能ではなくセンスが良い。
風間がつけた最初の評価はこんなところだっただろう。
そしてチームメイトを探していた風間が、有望だと判断した比企谷に声をかけるのも必然と言えた。
「おいおまえ。少しいいか?」
「・・・・・・」
有り体に言って、風間は見事に無視された。
スタスタスタ、と。振り向きもせず歩いているところを見ると、もしかしたら無視ではなく聞こえてないのかもしれない。
「おい待て、アホ毛のお前だ。さっき125ブースで戦ってただろ」
「・・・・・・!??」
そのアホ毛の男は、ビクっ、と体を震わせ、恐る恐る振り向いた。
言うまでなく、この男が比企谷八幡であり、先程の行動を解説するなら無視していたのではなく、自分に声をかけられていると考なかった結果である。
(えっえっ? 何? お、おれ? まじかよいつもの俺に声をかけてると見せかけての、本当は奥の人間だった作戦じゃないのかよ・・・・・・。あ、その作戦名つけたの俺だったわ・・・・・・)
被害妄想乙っ! と、心の中で完結していることを見ると、人見知り――あるいはコミュ障と呼ばれる類の人物なのかもしれない。
いや、まぁ、事実そうなのだが・・・・・・。
「急に悪いな、俺は風間蒼也という。今チームのメンバーを探していてな、たまたまおまえを見つけたというわけだ。とりあえずお前の名前を聞きたい」
「え、えーと。俺はひ、比企谷八幡です。あのチームって・・・・・・えっ?」
流されるように自己紹介をしたものの、八幡にはなんの話だかまるっきりわかっていない。
「――? そうか、まだ知らなかったか。・・・・・・B級に上がるとチームを作るのが一般的でな、防衛任務なんかもチームで行うのが基本になる。ソロ活動なんかもできなくはないが、上に上がるのには少しばかり厳しい。B級からA級に上がるにはポイントの確保にいささか時間がかかるからな」
「は、はぁー。えーとつまりそのチームメンバーとして俺に声をかけてくれたと?」
「そうだ。B級に上がったら俺のチームに来い。お前の力が必要だ。すでに一人の戦闘員とオペレーターは確保している。このチームならトップを目指せると俺は思っている」
断られることを想定していないのか、要件だけを口にする。
この時の八幡の考えを言うなら、素直に「どうしようかな?」と考えていた。
話を聞く限り自身にデメリットはなく、むしろメリットの方が多いようだ。風間の実力だけが分からないが、それは入隊条件として見せてもらえば問題ないだろう。
よって八幡が出した答えは――。
「お断りします。誘っていただいてありがとうございました」
「・・・・・・」
もちろんキメ顔なんで八幡は使っていないが、ほとんど考える素振りもなく断りを入れてきたは八幡に対し、風間はもわず口をつむぐ。
「それではすみません。B級になら先ほどの試合ですでになったので、その申請に行かないといけないらしく・・・・・・」
と、その場の空気に耐えられなかったのか、八幡は逃げる道を選んだ。
断った理由は意外と単純。
八幡にとって大事なのは『ボーダー』で上に行くことではなく、自身の生活をいかに崩さないかである。
風間の誘いは八幡にとってもメリットはあり、ぜひチームに入れてほしいぐらいだったが、その八幡の目的とは少しばかりずれていると判断した結果である。
(あー断っちまったよ。もうあれだ俺に声を掛けてくれる奴なんて一生いないな。そして俺から声を掛けることもできない。つまりはボッチ確定。マジか、ここでもボッチになるとはもはや才能)
すでに、八幡の中では結論がでているが、せっかく見つけた逸材を素直に手放すほど風間もおとなしくはなかった。
「――B級になったと言っていたな」
立ち去る八幡を引き止めるように。
「え? まぁそうですね。だからその申請へと――」
「なら少し俺と戦え。――ああ、勘違いするな。別に勝ち負けでどうのするではない。単純にお前の力を知りたい。チームの誘いを断ったんだ。これぐらいは良いだろう」
「・・・・・・っ――」
それを言われると辛い。
いつも通り――あれがあれであれなので、と断ってもいいが、過去同様に失敗するのが落ちだろう。「はぁ? 何言ってんのこいつ?」みたいな目で見られる率100%だ。
よって――。
「・・・・・・わかりました。それぐらいなら構いません。その代わり、風間さんの個人ポイント教えてくれませんか? こっちもまだB級になったばっかなので、負けてポイントとられるの嫌なんですよ」
今の八幡のポイントはスコーピオンで4012だ。仮にもし、風間のポイントが近かったら一発でC級に逆戻りである。
と、八幡は思っているようだが、C級に戻るには1500ポイントを切る必要があるのだ。
「それぐらいはかまわん。俺は《スコーピオン》で9340のマスタークラスだ。この点差だと一回負けると3か4ポイントほど減る計算だろう。仮に俺が負けると200ほどは持っていかれるか」
――仮に、と風間は言った。つまり先ほどの戦闘を見た段階で自身が負けることはほとんど想定していないのである。当然だ。それほどに八幡と風間のではポイントと言う見える実力差がある。
別にそれで八幡はイラついたりしない、思ったことと言えば、相手がまさかのマスタークラスだと知って驚いているぐらいだ。
「えーと、じゃあ。五本勝負ぐらいがちょうどいいですか? 時間の方もあれ何で・・・・・・?」
「・・・・・・おい、それでは五本負けた時にポイントが4000をきるぞ。良いのか?」
1500をきらなければC級には戻らない、それを知っている風間がこれを言ったのは、八幡がまだB級申請を行っててないからである。
点数はとられる上にC級には戻ってしまう。それが今の八幡の状態であるからだ。
実を言うと・・・・・・。
もしかして計算ができない馬鹿なのか? と風間が考えてたりした。
確かに事実として八幡の数学の成績はあまりよろしくない。八幡の得意分野はあくまで国語なのだ。とは言え――。
「いえ、そこは大丈夫じゃないですか? 一回勝てば200貰えるのであればあまり関係ないので」
――今回は計算ミスなどではないが。
「・・・・・・なるほどな。なら条件変更だ。一回でもお前が俺に黒星を付けられなかったらお前は俺のチームに入れ。ここまで挑発したんだ。これぐらいは飲んでもいいと思うが」
B級上がりたてのひよっこが、マスタークラスに一勝する。それがいかに難しい――いや、それを通り越して不可能な事かは、少し『ボーダー』としてやっていれば判断できる。
しかし、八幡はそれをできると言っているのだ。相手からしたらなめられているととられても仕方がない。
「えっ? ちょ、挑発? そんなつもりでは・・・・・・えっなんで?」
だが、本当のところは少し違う。八幡は『ボーダー』に入ってからまだ一週間と少しだ。平均的なB級へ上がる速度を半年とすると、そのスピードがいかに異次元的か分かると思う。風間が勘違いするのも無理はない。
要するに、八幡はマスタークラスの実力を、そこまではっきり認識していなかったのである。
「いいな」
「・・・・・・はい」
有無を言わさない風間の威光に、八幡は二つ返事以外の選択肢が見つからなかった。
▲▽▲▽▲▽
綾辻遥と三上歌歩は、比企谷隊なるチームについて聞くために、風間隊の隊室まできていた。
「風間さんいるかな? もしかして個人ランク戦してるかもしれないし」
「なら待ってようよ。さっきの麺食べて少し気持ち悪いし、ちょっと休みたい・・・・・・」
「あははは・・・・・・・」
二人は、食堂でのことを思いだしたのか、顔を見合わせて苦笑いを見せる。
するとそこへ。
「三上か・・・・・・綾辻も一緒か? どうした二人でこんなところに」
風間蒼也が顔を出す。
どうやら二人の考えは杞憂だったようだ。
「あっ風間さん。実は風間さんに用があったんですよ。いてよかったです」
「俺に用・・・・・・?」
「はい。実は来週のS級試験の実況を任されまして、それで比企谷隊の事を調べようと思ったら、歌歩ちゃんが風間さんなら何か知ってるかもと・・・・・・」
比企谷隊と聞いた時、風間の眉がピクリと動いたことから、風間も相当来週の事を意識しているらしかった。
「なるほどな。確かに、あいつはすぐにS級に行ったからな・・・・・・。ランク戦に顔を出したのもC級の時だけだと言ってたか? お前らが知らないのも無理はない」
「えーと風間さん? その言い方だとその比企谷って人はC級からS級になったみたいなんですけど・・・・・・。ブラックトリガーって、扱える人たちで争奪戦を行うんでしたよね? そんな初期のころから強かったんですか? その人」
「――? ・・・・・・ああ、勘違いさせたな。そもそも比企谷はブラックトリガーじゃない。『ボーダー』が持ってるブラックトリガーは迅と天羽の二つだけだ。結論から言うなら、あいつは――いいや、比企谷隊はその隊全員でS級の称号を持ってるんだ。あえて言葉にするならS級チームってところか」
「「――えッ!!?」」
二人からしたらもはや意味すら分からないだろう。どうやら比企谷個人ではなく、比企谷隊としてS級と言う称号を持っているらしい。さらには、ブラックトリガー持ちでもないときた。
「確かに。S級試験には『比企谷隊』が出るって発表されたけど・・・・・・。私はあくまでオペレーターがいるからそう言ってるだけだと思ってた」
「いやいやいや。歌歩ちゃん重要なのはそこじゃないでしょ!? ブラックトリガーなしにS級なんだよその人たち!! 普通A級までしかないんだからどう考えてもおかしいでしょ!!」
歌歩の「あっ確かに・・・・・・」と言う言葉を聞く限り、もしかしたら歌歩と言う少女はいささか天然が混じっているのかもしれない。
「あの風間さん。もう少しちゃんと説明してほしいんですけど・・・・・・。はっきり言って余計分からなくなりました」
「そうだな。俺が知ってることと言ったらそこまでないが、それでもいいか?」
「「はい、お願いします」」
二人の返事は早かった。
もうなんか餌を待ちきれない犬の用だと表現してもいいだろう。
そんな二人に、風間は開口一番こういった。
「はじめから話すとなるとそうだな・・・・・・。俺は負けたんだ。その比企谷にな・・・・・・」
「「――え?」」
一瞬なにを言ってるか理解できなかった。
――負けた? あの風間さんが?
「比企谷がB級になりたてのころ、俺のチーム入隊をかけて戦ったんだが、ものの見事に負かされた」
「「はっ!!??」」
今度こそ理解の範疇を超えた二人の声の大きさに、風間はわずかに顔をしかめた。
▲▽▲▽▲▽
風間が入ったのは179ブース。
それを確認した八幡は――もう逃げちゃおうかな、なんて最低なことを考えていた。
もちろんそんなことをする度胸は八幡にはない。
(オイオイ、なんでこんなことになってんの? 俺の人生基本的に負けしかないんだけど・・・・・・)
こんな時でも、卑屈に笑って何かしらの方法でやり過ごすのが八幡なのだが、今回ばかりは笑えない。
「『準備できたか? 出来次第俺のブース番号を指定しろ。訓練生とは違い、正隊員は黒色になっているはずだ』」
「了解です」
どうやらもう逃げ場はないらしい。腹を決めるしかないようだった。
八幡は、イヤイヤ――本当にイヤイヤ、相手への申請ボタンを押した。
『市街地区A。正隊員5本勝負。――開始』
転送された八幡は、店内放送のように空に流れるそれを聞いた。
市街地区A。八幡からしたらAもBもCも違いなど分からないが、簡潔に言ってどこにでもありそうな住宅街。そんなイメージを抱いた。
トリオンで構築されたこの空間は、トリガーなんてものよりよほどすごい技術なのではないだろうか? なんてことを、八幡は訓練生初期のころは思ったものだ。
個人ランク戦のステージはチーム戦よりも狭く、一辺一キロメートルの正方形だ。
仮に、500mの距離を狙撃できるスナイパーがいた場合、真ん中に陣取れば、ほぼ全員を狙撃できる計算だ。もっとも、高低差やら気候によっても変わるためそんな単純ではないのだが。
「とりあえず一本目は様子見するしかないか・・・・・・」
八幡はその場からじっと動かず、風間が自身のところまでやってくるのを待っていた。
面積1キロ平方メートルと聞けば、「待ってたら時間がかかりすぎる」と考えるかもしれないが、トリオン体での移動は通常の場合とは一線を画す。
単純な計算だと生身の5倍から10倍。それほどの差があるのだ。個人によって性能に差が出てしまうのはトリオンの差とは別に、精神面が大きな理由の一つだろう。
トリオン体ではビルからの落下にも耐えられる。と言うより、トリオン体にはトリオンでしか傷つけられない。
しかし、だからと言ってビルの上からダイブできるか? そう問われれば恐らくできない。
よく漫画などでは、空を飛ぶ力を得た主人公が平気で屋上から飛んだりするが、現実の世界の人間がそんなことを平気でできるだろうか? 考えるまでものなく不可能だ。飛べるとわかっていても、もしもの事に恐怖し足がすくんでしまうのが落ちだろう。
トリオン体での性能の差とはそういうことだ。いかに傷つかない体でも刃物は怖いし、銃は向けられたら動けなくくなるものだ。家の上をポンポン飛べないし、拳を本気で振るうのはためらうものだ。
もちろん、慣れれば問題ないし、慣れなければ『ボーダー』としてやっていけないだろう。逆に言えば、精神にためらいがある奴は上に上がれないということだ。
「隠れもしないか・・・・・・。余裕だな」
八幡の背後からそんな声がした。
振り向くまでもなく、その声の主は風間であり、それ以外はありえない。
「別に余裕とかではないですよ。風間さんのメイントリガーは《スコーピオン》だと言っていたので、どうせ近接戦闘になるならと動かなかっただけです」
「俺が
してるとは考えなかったのか?」
そんな当たり前の疑問に・・・・・・。
「えっ? 持ってるんですか?」
「いや、俺は近接専門だ」
「なら――その質問意味ないですよね」
「・・・・・・、」
なるほど、と。風間は少しだけ比企谷八幡と言う男を理解する。
(俺の質問に対して、自身の考えを口にしないか。結論を言わず、スルリとかわす。面倒な思考だ)
本質。ではなかったが大かたその認識は間違っていない。
八幡からしたらわざわざ敵に自身の思考を披露する必要はないし、そこから自身の戦闘スタイルを予測される恐れがある。適当にあしらった方が楽なのだ。八幡からしたら『俺は近接専門だ』という言葉――情報を引き出した時点で得したともいえる。
「じゃあとりあえず開始ってことでいいですかね」
「律儀なやつだな。真正面からの戦闘が望みか?」
そんな戦闘中とは思えない会話をし――・・・・・・次の瞬間。
二人は動いた。
ガキンッ! と、二人の《スコーピオン》がぶつかり・・・・・・そのまま――八幡は地面を蹴り後方へ下がる。
一瞬の攻防。
「当たったと思ったんだがな・・・・・・」
それは風間の声だった。
両手に持つ《スコーピオン》。どうやらそれが彼の戦闘スタイルということだろう。
「当たってますよ。もう少しで首を持ってかれるところでした」
「それを俺は当たったと言わん」
パクリ、と。八幡の首から切れ目が生じる。
訓練生用のトリガーは一つしかセットできない。武器一つの相手しか経験したことない八幡へこの不意打ち。どうやら風間と言う男も、こと戦闘においてなかなかに性格が悪いらしい。
(マジかあの人。剣速が訓練生の比じゃねーぞ。しかも二刀流とか・・・・・・ちょっとかっこいいな)
実はこいつ余裕なのではないのだろうか? 八幡の無駄思考は最悪だが、一合とは言え風間と斬り合って生きてる訓練生は珍しい。
流石は風間が見つけた隊員とでも言うべきだろう。
「次、いくぞ」
もちろん、風間がここで手を休める理由はなく、真っ直ぐ八幡へと飛び出した。
先ほどと同じ状況。であるなら、八幡に二度目はない。相手はあの風間蒼也なのだ。二度も同じ方法で逃げることなど叶わない。
風間の攻撃は――同様に一撃目の剣は止められた。
「・・・・・・おッ――」
八幡は間抜けな声と共に、体を無理やり後退させられた。つまるところ、風間はその剣を押し込んだ。より簡単に言うなら体重を乗せたのである。
そして、そのまま二撃目。これでもう避けられない。体重が後ろに乗った状態で、後ろへの退避はほぼ不可能。
これは風間の思考による対策と言うより経験だ。こうすればああなる、ああなればこうする。数百にも及ぶ戦闘経験値が、その場その場での最適解を無意識に検索する。
(これで一本だ)
風間のそんな心の声は、次の瞬間否定される。
「――ッ!!?」
グッと。風間の剣が動きを止める。止めたのではない。止められたのだ。
八幡の持つ、二本目の《スコーピオン》によって。
(まて、訓練生にはトリガーは一つしかセットできない。こいつはB級申請をしていない。ならこれは・・・・・・――なるほど)
「
「・・・・・・?」
どうやら八幡はその名前を知らなかったらしいが、行ったことは同じである。
体の中で《スコーピオン》を分岐させ、刃を増えたように見せるそれは、簡単そうに見えて使いどころが難しい技である。
(だがおかしい、ここまでの長さに分岐させた《スコーピオン》で俺の刃をうけれるのか? それとも相当トリオンがあるのか・・・・・)
そう。もともと耐久性が低い《スコーピオン》では
そして、初めに明確にするならば、八幡のトリオンはそこまで多くない。
風間よりは確かに高いだろう。しかし、上位の方ではあるがトップクラスではない。『
「考え事ですか?」
八幡の蹴りが風間を襲う。
「・・・・・・グッ!? ――ちっ・・・・・・!」
無理やり風間は後退を余儀なくされる。だが、それだけでは終わらなかった。
(・・・・・・ッ!! 斬られた? いつ?)
風間の体に刃が貫通したようにトリオンが漏れる。
「
八幡は両腕に分岐させたそれと――
「そういう事か。あの蹴りの時に」
風間が気づかなかったのも無理はない。ただでさえ両腕分まで《スコーピオン》をのばしていたのだ。風間の刃に対する耐久力を維持しつつ、足からも出すとは考えずらかったのだろう。
単純に舐めていたともいえる。
(スコーピオンの刃を潰して耐久力を上げたといったところか・・・・・・。器用なやつだ)
「なるほど。強いな」
「・・・・・・どうも」
「なら、俺も本気で相手をしよう」
「・・・・・・?」
どうやら本気ではないらしかった。――マジかよ、と言う絶望の声を八幡はおし殺し、それでも黙って《スコーピオン》を構えた。
しかし。
「・・・・・・えっ」
風間の姿が消えた。文字通り世界に溶け込むように消えたのだ。
――いったいどこに・・・・・・? そんなことを考えていた八幡は――次の瞬間。
その首が宙へ待った。
『トリオン体活動限界。
機械的なその声を、八幡は最後に耳にした。
『副音声』
そら「・・・・・・、」
しろ「・・・・・・、」
八幡「おいどうした? 副音声開始だぞ?」
そら「・・・・・・。いやな、俺たち今回出てないから必要なくねと思ってな・・・・・・」
しろ「しろたち・・・・・でばんない――作者、ひどい・・・・・・」
八幡「いや、流石に仕方ないだろ。それはお前らが引きこもってるから悪い」
空・白「ぐっ・・・・・・」
八幡「まぁ、確かに出番ないやつを呼ぶのもあれだな・・・・・・俺も出番なかったら出たくないし」
そら「なら次回からあれだな・・・・・・。出番があったやつを呼んで副音声やればよくね?」
しろ「・・・・・・あぽ。誰が――とる、の?」
全員「「「・・・・・・、」」」
八幡「ま、まぁそこらへんはまた今度考えよう」
そら「そ、そうだな。・・・・・・して、今回は何を話すんだ? 特に新しい設定と言ってもこれだ!! ってのはないしな」
しろ「・・・・・・それよりも、にぃ」
そら「ああそうだな。・・・・・・おいハチよ。お前、何風間って奴に負けてんだよ。『 』(くうはく)に敗北はないって言ったよな」
しろ「・・・・・・ハチ兄、うそ・・・・・・ついた?」
八幡「おい。流石にそれはないだろッ。これお前らと出会う前なんだぞ・・・・・・。しかも当時まだ訓練生を終わったばっかだし」
そら「へっ、それなら戦わざる状況へ持っていかれたお前の負けだろうが。言い訳かな? 言い訳なのかな?」
八幡「このやろう・・・・・。それならお前らだって二人が出会う前に負けが一回もなかったって言えるのかよ。・・・・・・ほらジャンケンとかさ――」
そら「はっ、愚問だな」
しろ「・・・・・・『 』(くうはく)に、ジャンケンなん、て・・・・・・」
空・白「「する友達なんていなかった・・・・・・」」
八幡「・・・・・・Oh、――なんか悪いな・・・・・・」
そら「いや、気にするな。俺らも少しこじつけ気味だったしな」
しろ「・・・・・・にしても、ハチ兄――しろたちと合う前から・・・・・・人間やめて、た?」
八幡「なんなの? 今日は俺が責められる日なの?」
そら「おい白。確かにB級を一週間でなったのは完全に異次元だが。人間やめたかどうかの話はネタバレだ」
しろ「・・・・・・わすれて、た。時系列・・・・・・難し、い」
八幡「ねぇ・・・・・・俺の意見無視? 俺ここにいない設定なの?」
そら「まッ今回の目玉情報は、ハチと『 』合わせてS級って事実だな」
しろ「・・・・・・これ以上ネタバレ、だから言えない――けど。これ、目玉・・・・・・」
八幡「わかった。俺の事は無視なんだな? ・・・・・・帰っていいんだな?」
そら「ってことで、次回を楽しみにしてくれると助かる」
しろ「・・・・・次回また――会おう、ね」
八幡「・・・・・・副音声終了だ」