黄金の力でヒロアカ無双   作:アルアール

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二十話 最終種目終結 エイミィVS金成

『最終種目決勝戦、エイミィ・グランドーラ対、来栖金成!もう説明は不要だよな!普通科の期待の星である彼らがこの体育祭の頂点を決める戦いが始まるぜ!』

覚めぬ熱気に再び火を灯す様に、観客へ向けて声を発するプレゼントマイク。

彼も興奮を隠し切れていない。

 

 

金成とエイミィはすでにフィールドに上がっており、共に向かい合う形で佇んでいる。

どちらも観客の好奇な視線など物ともせず、自然体でいられる様子は見る人に強さを感じさせる。

観客席は人で埋め尽くされ遂には上空に中継ヘリまで飛んでる。

普通の中継カメラでは物足りなく思った報道局が、少しでもいい絵を他より撮ろうとヘリを出していた。

なんて言ったって普通科同士の決勝だ。

中継チャンネルが数多くある中全てを合わせると視聴率は40%を超えており、これは前代未聞である。

オールマイトが雄英高校に居ると言った噂の為随分と宣伝効果があっただろうが、それでもこれは多い。

 

「ボス、ついに来ちゃったね!どうしよっか、ボスと戦ったら大惨事だよ」

 

「それだよなぁ、正直言って俺とエイミィが戦うならこの10倍の広さが欲しいよなぁ」

エイミィも金成も経験からこれだけのフィールドでは到底足りないと思っている。

エイミィが本気を出せばあたり一帯はマグマ地帯に姿を変え、それに対処する金成の戦法はマグマを覇気で吹き飛ばす、もしくは縦横無尽に動いての攻撃。

そうである為共に広さが欲しいと思っている。

 

プレゼントマイクは決勝であるためか、口の動きから彼らが話しているのがわかったため、彼らの話が終わるまで待っている。

 

「よし、じゃぁ俺らで追加ルール決めるか。俺は鎧と武器のみ使用の、大きさも制限。で、エイミィはフィールドを覆い尽くすような大きさのマグマ使用不可で、後はなんでもあり」

これは会社の地下施設での戦闘時のルールである為、難しいことはない。

「うーん。そうだね!じゃぁそれで!」

このくらいであれば周りの被害は出ないだろうし、ちょうどいいのではないかと思いエイミィも同意する。

エイミィとしてはもう少し力を使って戦いたかったが、そこまでわがままを言うわけにはいかないが、それ以上にこのフィールドで対戦できる為それで十分である。

 

ある程度ルールを決めると、二人は準備に入る為適切な距離をとる。

そろそろ始めてもいいと思った金成は視線をプレゼントマイクへ向けて合図する。

 

 

彼らが準備を終えたことを察したプレゼントマイクはテンションマックスで開始の合図を述べる。

 

『じゃぁ、いくぜぇ!レディィィーーーー!!STARY!!!!』

静寂を保ったフィールドに戦いの合図が響く。

はじめに動いたのはエイミィ。初めから全力で行くとばかりに全身をマグマにして攻撃態勢に入る。

 

「じゃぁ、いくよー!どうするよ、ボス!」

腕から溢れ出るマグマを緑谷戦で使ったように弾幕のように大量のマグマを飛ばした。少し違うと言えば、容赦などないと言わんばかりに数十では聞かないほど一斉に発射する。

 

「はぁっ!」

気合を込めて腕を振った。

 

観客もこれにはどう対応するかと固唾を飲んで金成を見つめていると、突如黄金のような輝きが彼から漏れるのが見えた。

 

ーーーなんだあれ?

 

ーーー光?いや、なんか持ってるぞ!!!

 

金成は体から瞬時に液体状の黄金を生み出し、それで形成された大きな盾を持っていた。全長2メートルはありそうな巨大な盾があり、無機質な形ながらもその黄金の美しさが、華美な印象を与える。

 

 

金成はまるで羽を持つかの様に自在に動かすと、腰を下げて地面に盾を固定する。

「こうするんだよ!」

 

ドンッと明らかに重い音を立てて置く様子を観客は驚き見た。

 

ーーーめっちゃ重そうじゃねーか!

目前まで迫ったマグマは全て盾で防御されて盾に少しの焦げを残すも地面に落ちていく。金成はそのまま盾についたマグマを黄金を再び液状にすることで払い落とす。

 

その液状の黄金はそのまま空中で蠢くと、次第に直径2メートル程の槍を形成した。形状はやり投げに使われる様な細身ながらも、持ちやすい様に取っ手がつけられている。

 

金成はそれを掴むと、感覚を確かめる様に器用に振り回す。

 

「こっからが本番ってやつだ」

彼は吹っ切れた様に笑った。

 

 

「やっぱボスには通用しないかぁ。まぁしょうがないか」

あまり悔しそうではないため、エイミィもそのことはわかっていたのだろう。

 

「あとボスそれ出しちゃっていいの?」

今更ではあるが、彼女は今まで隠していた力を使っていいのかと心配になる。

エイミィはその力が個性であることは前から何となく察していた。

それに、あれが何なのかも。

直接言われたことはないが、戦闘訓練時度々使っている為考える機会は多くある。

まぁ、同じこの力を見たことがある幹部連中は、暗黙の了解であることがわかっている為、その力について口に出すことはない。

 

「まぁ、別にそこまで絶対隠したいわけじゃないしな。それに、エイミィもある程度強くなった。それに日陰がいつも俺たちの事‘観てる’だろ?」

本当は隠した方がいいには良いが、それまでだ。絶対ではないし、この場で隠して闘うなんてつまらない。

こんな楽しい状況で妥協など彼が許さなかった。

 

『な、なんだぁ?!いきなり来栖の体から金色の液体が出たかと思うと盾や槍のような形になったぞ?!もしかして’個性‘か?!』

 

ーーー身体強化系の個性じゃねぇのかよ!

 

ーーーじゃぁあの腕が黒くなるやつと、気絶させるやつは別口か?!

 

今まで金成の’個性‘を勘違いしていた、会場にいるほとんどの観客は驚きの声を上げている。

 

 

「そんな...!じゃぁあの身体能力はなんなんだ。いや、あれも‘個性’?いやでも個性は一つしか持てないし、二つ目な訳がない。じゃぁ一体あれは何だ。もしかして自前の力なのか?でもそこまで筋肉質には見えないけど、いやまさか個性による副作用での力なのか。ブツブツブツ」

目を見開く緑谷の様子は彼の奇行に慣れていないと不気味な印象を与えるが幸いなことにここは学生用の観客席だ。

 

「うぉー、金色だねー!デクくん!って、またか、あはは...」

 

「やっべぇよ!なんだありゃぁ!」

 

「あれは個性でしょうか?でも始めの時の威圧感やあの身体能力は何でしょうか?」

観客席に交じった緑谷一行は驚きの表情を浮かべている。

隣に座っていた麗日は興奮気味に立ち上がり目を見開く。

近くで上鳴と一緒にいた切島も小並感ではあるが感想を述べ、八百万が小さく声を漏らす。

 

 

「じゃぁ、時間もそんなかけられねぇし、さっさと行くか!」

金成は大きな黄金の槍を構えてエイミィへ向けて駆け出す。その走りは驚くほど軽やかだ。

エイミィの方も牽制の意味で大量のマグマの弾幕を仕掛けるが金成は避けられる分は避け、残りはやりで弾き飛ばし前へ進む。

 

 

ここで武装色を使えば簡単だろと思うかもしれないがそれはあの世界の話である。

武装色はもともと悪魔の実に対抗できるだけであって’個性‘に通用するわけじゃない。

いや、完全に意味ないかと言うとそうではないが、それでも攻撃は入るがあちらと比べれば十分の一程とかなり少なめだ。

殴ればマグマを貫通する訳ではないが水風船を殴ったような鈍い効果しかなく、掴めば粘土を掴んだような緩い影響しか与えない。

される側も鈍い痛みのため、そこまで致命傷ではないが数で攻められたらきついと思う。

 

まぁそんな事もあり、今回の金成の基本戦法は黄金に武装色を纏わせての体力を削りきる事だ。

 

金成が目前に迫るとエイミィは自身の背後で作っていた大きな拳状のマグマを金成めがけて殴りかかった。

それでも、通用しないとわかっているため、そのまま横へずれて金成との距離をとる。

金成も槍を即座に溶かし黄金の小盾を作るとそれでマグマをガードし、もう一方の手で黄金を高速でエイミィ目掛けて噴出する。

先は鋭く尖っており、明らかに肉体的損傷を伴う攻撃だ。

 

「うぐっ!」

血は出ないが黄金が体に刺さった場所から鈍い痛みが身体に走る。

すぐにマグマを動かし黄金の槍を抜く。

その槍は意思があるかのごとく金成の腕の中に収まるように飛んで行った。

「もー、ボスずるいよ!それ!ちょっと痛かったよ!」

 

「これ使わないと、エイミィにダメージ入んないじゃねぇか!ズルじゃねぇよ!!」

若干痛がりながら抗議するエイミィだが、金成もそれでは自分に勝ち筋がないと思うため意味がなかった。

 

それからも、エイミィはマグマ状の弾幕を作ったり、マグマの腕で殴りかかったりと攻撃して行く。

一方の金成も体から黄金を自在に生み出し、武器を生成し反撃して行く。

 

 

会場は彼らの攻防に目を奪われて興奮の声を上げている。

 

ーーーすげぇ!動きが速すぎだろ!

 

ーーー後ろに目でもあるのかよ!

 

金成達の体の動きは準決勝とは比べようがないほど早く、鋭い動きをしている。

 

ーーー普通科って戦闘訓練ってなかったよな?

 

ーーーあ、あぁ。そのはずだ。

 

プロヒーローもうまい格闘技、素早い動きや反射神経などに驚きを表すが、それ以上に驚いているのがこれだけの激しい動きをしながらも、マグマやあの金色の液体を正確に操り、ミスをしていないことが驚きだった。

未だ高校1年生であり、15歳であれだけのコントロールや集中力、それと明らかに戦闘慣れした動きに将来性を見出していた。

 

 

十分ほどの攻防を行いエイミィの体力は順調に減っていっている。

金成は、エイミィに攻撃を与えてはいるが、自分は器用に対処しているため、実質的に動いた分の疲労しかなく、それだけでは全然体力が尽きそうもない。

たった十分ではあるが、フィールドはマグマの溶岩が所々にあり焦がされている。

 

『もうすでに十分もの攻防が続いているが、グランドーラは体力切れか?!息が荒れてるぞぉ!』

 

「エイミィそろそろ終わらせるか!全力で来いよ!!」

時間的にこれ以上は単なる冗長になる為、ここで終わらせようと決める。金成は快楽主義者であるが、元エンターテイナーである。ちゃんと見せ場や盛り上がり時を考えて戦っている。

 

「わ、わかったよ!」

エイミィの体力も減ってきているのがわかったので、最後は派手に決めようとエイミィに暗に知らせるように言葉を発すると、エイミィも意味がわかったらしく疲れた表情を見せながらも広角をニィッとあげる。

 

「まぁ最後は派手に行くか」

金成は今まで生成した黄金を一つの球状に一旦まとめるとすぐに形を変えていく。そうして出来たのは直径3メートルほどの巨大な拳だ。

それを観たエイミィも、金成の意図を察したのか同じようにマグマで巨大な拳を作り出した。

 

これは派手だ。

 

二つの巨大な拳が出来上がる光景を、観客達が固唾を飲んで見守っている中、二人は同時に動き出す。

 

 

「黄金の拳!!」

 

「大噴火!!」

 

二人ともエンターテイメント性を考えて技名を叫びながら繰り出した。

二人に恥ずかしさなどは無い。

金成じゃ単純に前世では技名を叫ぶの人が多くいたし、一方のエイミィは単純に羞恥心が薄い。

 

空中に浮かんでいた拳同士が磁石のように急接近して衝突したのだ。

二つがぶつかると同時に、衝撃波が生まれ爆風を巻き起こす。

 

『巨大な拳がぶつかったぁ!!!フィールドは煙でよく見えないぞ!』

マグマの巨大な熱量により出来た煙によってフィールドが見えないでいたが、次第に見えるようになってきた。

 

 

 

 

 

「エイミィ・グランドーラ場外!よって勝者、来栖金成!」

霧が晴れるとそこにはフィールドに立っている金成と、場外で座っているエイミィがいた。

あの爆風により、体力が減っていたエイミィは風に耐えたが、金成は拳の陰に隠れる様に小さな黄金の拳を隠していた。

それを蒸気に乗じて、見聞色でエイミィの位置を察すると目元を腕で隠すエイミィを投げ飛ばしていた。

 

状況を把握した審判のミッドナイトが声を上げた。

 

『以上で全ての競技が終了!今年度雄英体育祭一年優勝は、D組来栖金成!!!』

ミッドナイトの声を合図にプレゼントマイクが締めのセリフと言った。

 

今大会の優勝者が決まると同時に、会場から拍手喝采が上がった。

 

ーーーよくやったぁ!かっこよかったぜ!

 

ーーーエイミィちゃーん!かわいいよー!

 

ーーー最後の熱かったぜ!

 

 

「大噴火って何だよ」

 

「ボスこそ黄金の拳って安直」

 

「うっせ」

金成は座り込んでいるエイミィの腕を引っ張り立ち上がらせる。

 

それを見た観客はそれに熱い気持ちを感じ取りより歓声が巻き起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先ほどのフィールドがあった会場はプロヒーローによってフィールドが取り除かれ、初めて同じような形戻され、されど中央には表彰台らしき、高さが違う台が三つ置かれている。

 

「それではこれより!!表彰式に移ります!」

校舎裏からの大量の花火が打ち上がり、ミッドナイトの合図により今大会のメダル授与が行われることになった。

 

「三位には爆豪君の他にもう一人飯田君がいるんだけど、ちょっとお家の事情で早退になっちゃったのでご了承くださいな」

表彰式の台に立っているのは上から順に金成、エイミィ、爆豪である。

金成とエイミィが嬉しそうなのに反し、爆豪の方は何やら鎖で体がつながれ、口を塞がれていながら暴れている。

 

「何だあれ?あいつ何してんだ?」

 

「ボス、きっとあれがヤンキーの習性だよ!」

隣で暴れる爆豪をナチュラルに煽っていくエイミィに少し引きながら、まぁいいかと忘れることにした。

 

 

ーーー爆豪あいつ何やってんだよ。

 

ーーーA組恥ずかしいなぁ。

流石の生徒も異様な爆豪に引き気味にボヤいている。

 

「メダル授与よ!今年メダルを贈呈するのはもちろんこの人!」

 

私がメダルを持って来「我らがヒーローオールマイトォ!」

メダルを持って来たのはやはり今世間に通目されているオールマイトであった。

「む、むぅ...」

強靭な肉体でいつも笑顔な表情ではあるが、今はミッドナイトとセリフが被り少ししょんぼりしていた。

 

気を取り直したオールマイトは表彰台に近づき、爆豪の前に立ち止まると口を押さえている拘束具を外した。

 

「さて、爆豪少年!見事に伏線回収とはいかなかったが、三位とて素晴らしい成績だ誇って良いぞ!」

爆豪は開会式で自分が一位になると宣言していたことを言っているのだろう。

 

「オールマイトォ...!こんなんじゃ意味ねぇ、圧倒的一位じゃなきゃこんな三位なんて意味ねぇんだよ!!世間がどれだけ評価しようが俺が認めなきゃゴミなんだよ!」

今にも血管がブチ切れそうなほどに怒りで顔を歪ませて、腹の底からくるような低い声を出している。

 

「うむ!相対評価に晒され続けるこの世界で普遍の絶対評価を持ち続けられる人間はそう多くない。受け取っておけよ!傷として!君が三位を認めなければ次で一位を取れば良い!これは忘れないための鎖と思っておくと良い!」

爆豪は、そのままクビに掛けようとするオールマイトに抵抗するが結局は口に引っ掛けられる形で収まる。

それからも文句を垂れるが次へ移る。

 

「さて、グランドーラ君!二位おめでとう!強いな君は!本当に強いが君のその強力な‘個性’ももっと周りに被害が出ないような調整が必要だな!まぁそれでもおめでとう!」

 

「ありがとうございます!」

オールマイトは必ずエイミィの試合後に残る巨大な溶岩の固まったものを思い出し若干頬をひくつかせていた。

それでも、これだけの多くの強敵を抑え、ヒーロー科ではないにもかかわらずここまで勝ち上がった力を純粋に評価している。

 

 

「よし、じゃぁ最後に来栖少年!優勝おめでとう!第一種目で見せた力、第二種目で見せた連携能力、そして最終種目で見せた純粋な戦闘力!文句なしだったよ!来栖少年、楽しかったか?」

 

「えぇ、楽しめました。本当に。今回体育祭に出れて本当よかったです」

オールマイトは金成が純粋にこの体育祭を楽しんでいたことがわかったため聞いたが、金成は一瞬キョトンとしながらも今までにないくらいのキラキラとした表情で述べる姿を見て、この子ならいい方向に向かうだろうと思った。

 

表彰を終えたオールマイトはクルッと後ろを向いて生徒に向き直る。

 

 

「さぁ今回は彼らだった!しかし皆さん!今回一位と二位に普通科が入ったのを見て分かったと思うが、この場には誰でも立つ可能性があった!競い!高め合い!さらに先へと登っていくその姿!!次代のヒーローは確実にその芽を伸ばしてる!

てな感じで最後に一言!みなさんご唱和ください!

せーの、お疲れ様でした!!」

 

オールマイトが後ろを振り返り、全生徒へ激励の言葉を送った後に声を揃えようとしたが、生徒がこの高校の校訓であるplus ultra と言おうとしたのに対し、オールマイトが普通に挨拶したために若干の締まりのなさで今体育祭が幕を下すことになった。

 

 

「ボス!!楽しかったね!」

 

「あぁ、楽しかった。またこんなイベントがこねぇかなぁ」

 

「あはは、そんなすぐには来ないよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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