黄金の力でヒロアカ無双   作:アルアール

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三話 400万円の純金

エイミィに連れられ裏路地を歩いていくと、次第に人が増えてきた。

 

ーーーまぁ、真っ当な人かって聞かれると口を閉じるしかないが。

 

幅二メートルほどの裏路地を進んでいくと少し大きめの広場に出た。

 

そこには酒場にあるような丸テーブルが所々に置かれていて、昼間から酒を飲んで仲間達と話に興じている男たちがいる。

金成(かなる)の格好が怪しいのか、年齢的にも注目を浴びている。

彼らにも縄張りがあるのだろう。新入りと見られているのかもしれない。

 

金成が彼らの横を通り過ぎようとするとき声がかかった。

 

「おい、お前。新入りか?ならまずわよぉ、挨拶があんだろ?だせ」

脚をびろんと伸ばし彼らの道を封鎖する。

酒に酔っているらしく顔を赤くしながらニヤニヤとしている。

 

「あぁ、そうだな。俺も挨拶が必要と思ってたんだよ。ここのボスはどこにいる?」

金成はすでに案内人ががいるので、これ以上絡まれるのは面倒な為さっさとけりをつけたいと思ってる。

 

「あぁ?!なに言ってんだてめぇ!いいから金出せや!!」

男はばかにされたと思ったのか、先ほど以上に顔を赤くして殴りかかろうと椅子から立ち上がる。

 

「おいおい、ここまで低レベルなのか?こりゃぁここのボスもたかが知れてるなぁ」

 

「んだとこらぁ!お前らやるぞ!」

金成の見え透いた挑発に乗ったのか、周りにいたチンピラ達も‘個性’を発動して戦闘態勢に入った。

 

「ご、ゴルディ!!やばいよ!あ、謝ろう?ね?」

 

「ん?あぁ、ちょっと黙ってろ。ここで舐められたら終わりだ」

エイミィが慌てて金成に近寄ってくるが、ここまで挑発して引いたんじゃぁ、意味がない。

 

先程まで金成と話していた男は殴りかかろうとしてきた。それに合わせるように周りも一斉に飛びかかる。

「くそががあああっっっ.....!」

 

 

「頭が高いんじゃないのか?」

金成が男が動き出すと同時に覇気を発動させると、体から蒸気のようなオーラが溢れ出し、一瞬にして周りへ広がる。

 

 

覇気が広がり、それに触れたものから白目を向いて気絶していく。

何人か気を失わないようとしているが、覇気をもう一段強めに放つと耐えられなくなったのか、そのまま気絶した。

 

「な、なんだこれ...!くっそ...!」

 

先ほどの男が倒れながらも気絶せずにいた。

 

「へぇ、お前もちょっとは出来そうだな。まぁこれくらいで倒れるようじゃぁ、億越えすら無理だがな」

彼以外わからないであろうことを言ったが、今倒れている男にとってはどうでもいい。

 

何故自分が倒れているのか。

何故これほどあの少年からの威圧が凄いのか。

 

気絶寸前の状態の頭をフル回転させ思考するが、結局はそれに結論を出すことなく意識を落とした。

 

「あーあ。落ちたか。まぁいい。おい、エイミィいくぞって、お前も気絶してんのかよ」

先ほど耐えた程度に覇気を抑えていたが耐えられなかったらしい。

 

ーーーこいつが耐えられる様に抑えたんだがなぁ。

 

後ろを振り向いた時には、エイミィは周りの男達同様に白目をむいて気絶していた。

 

「まぁいい。よっと。たく、取り敢えずいくか」

金成は気絶しているエイミィを肩に担いで行こうとしていた道を進んでいく。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「ここか?換金できるところは」

 

「そうだよ。ここなら価値のあるものなら少し安いけど買ってくれる」

 

途中で起きたエイミィに連れられてやってきたのは、古い駄菓子屋のような一軒家だ。

金成らがガラガラと扉を開けて中に入ると一人の老人が座っていた。

 

「なんじゃ、エイミィか。ん?そこの隣のやつはなんじゃ?」

 

流石にグレーで取引されているところにいるためか、金成を見つけると不審そうに鋭い視線を送る。

 

「いや、特に怪しいものじゃないけどさ、ここはなんでも換金してくれるっていうのは本当か?身分証なしで」

 

「あぁ、金になるもんなら買い取ってやるわ。ただし、若干安めに買い叩くがのぉ」

老人が意地悪そうな笑みで金成を見つめるがどうって言うことはない。

いくらで買い取られても必要な額だけ()()()()()()()

 

「そうか。じゃぁ換金を頼む。因みに上限はいくらだ?」

 

「なんじゃ。そんな大層なもの持ってきたのか?一億くらいまでならいけるがのぉ」

この店の様子から全くわからないが矢張り相当儲かっているらしく、外見から不相応な金額を言われた為若干驚いてしまう。

精々一千万まで買取できたらいいと思っていたくらいだ。

 

 

「わかった。じゃぁ換金を頼む」

金成はそう言いながらパーカーのチャックを開いて前を開くと、懐に手を伸ばす。

勿論そんなとこに入れていたわけでない。

服の中で即座に液状の黄金を受けて生み出し、延べ棒状に形成してあたかも初めからあったかの様に取り出した。

 

「...ほう。ちょっと待っとれ。いま検査しとくる。お前さんらはそこらへんに座っとれ」

金成が取り出した金の延べ棒を見て冷やかしでないと分かると真剣な眼差しになり、金成たちに近くにある椅子を指差して、査定する為に延べ棒を持って奥の部屋へ行った。

 

「ゴルディ、あんなの持ってたんだね。ボクと年齢変わんないのに凄いね!」

エイミィは隣に座る金成の事を尊敬の眼差しで見てくる。

エイミィは純金の値段などわかりはしないがものすごく高いということだけは理解している。

 

「まぁな。あぁそうだ。仲介料はいくら欲しい?」

 

「そ、そんなのいらないよ!道案内しただけだし」

エイミィが慌てて断りを入れてくるが、金成はタダより高いものはないと以前に散々思い知らされてきたため、ここはしっかり清算しておく為に無理にでも金を受け取らせるつもりでいる。

 

「いや、だめだ。いくらだ?希望の金額言ってくれ」

 

「ううぅぅ、じゃ、じゃぁ一万円」

エイミィにとっては万を超えるだけで大金という認識である為、それは烏滸がましいだろうと、ビクビクしながらもこちらの様子を伺ってくる。

 

「.....。わかった。それでいい」

ここまで謙虚、いやものを知らないのか?と若干不安になるがそこまで親しくはないため別に何かを言うことはない。

 

「あ、ありがとう!やったぁ!美味しいご飯が食べられる!」

ここまで純粋に感謝されるといっそ憐れみすら生まれてくる。

それにこのような性格でよくこれまで生き延びていたもんだと思う。

 

「....。なぁこれからも裏道案内してくれるなら金払ってもいいぞ」

流石にこの年齢で哀れだと思った金成は、チャンスではないがここで一つ手助けをしてやろうと思った。

 

ーーーそれに、見込みがありそうだし一旦様子みるか。

それに、エイミィは一度だが金成の覇気を耐えてみせた実績がある。

それを省みると、ここで手駒にして育てたら裏切らない強い私兵が出来る可能性がある。

 

「ほ、ほんと?! うん! わかった! するよ!」

その台詞を聞いたエイミィは、危ない仕事をせず、しかもいつも以上にお金がもらえることに興奮を止められない。

 

「....これからよろしく」

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「おい、そこの子供。換金できたぞ」

奥の襖を開けて現れた爺さんが査定の結果を告げにきた。

あれから一時間ほどは経っていて既に午後の四時は過ぎていて、金成はそろそろ門限があるため帰りたかった。

 

「で、いくらだった?」

 

「そうじゃの。純金の延べ棒1キロ。まぁ、400万てところじゃのぉ」

 

「...そうか。それでいい。じゃぁ換金を頼む」

 

「わかった。ちとまっとれ」

 

換金に来る前に少し調べていたが、一キロの延べ棒を売る場合は平均四百八十万だった。

グレーな店で八十万を搾取するのは安いのか高いのかわからないが、そこまで騒ぎ立てることはないためその額で満足している。

 

 

それから爺さんから日本円を受け取るとエイミィに札束の中から一枚を取り出し渡す。

受け取る時に、エイミィは面白いくらいに飛び上がり興奮を表していたため少し笑ってしまった。

 

それから彼女を連れて換金屋を出ると、そのまま今来た道を戻る。

 

「じゃぁねー!ゴルディ!また明日!」

エイミィをあった場所まで戻ってくると、次に会う為に時間と場所を決めてそのまま別れる事になった。

初めの頃には考えられない程、エイミィは親しげに接して来て大きく手を振っている。

 

「あぁ、またな」

金成がそれを見てなんとちょろいのかと驚きながらも、初めにきた道を戻って行った。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

金成が孤児院へ帰宅するとすでに孤児院の子供達は学校から帰って来ていて、みんなでリビングにあるテレビを見ていた。

 

「ただいまー」

 

「あ、金成。おかえり」

「金成くんおかえり〜」

「おう、お前もこっち来てテレビ見ようぜ!」

リビングに入った金成が挨拶すると、子供らしく元気な声が帰ってきた。

 

テレビの前には五人の子供がいた。

男の高校生が一人。

男女の中学生が二人。

男一人と女二人の小学生が三人。

 

この孤児院は金成を合わせて子供が六人、院長と職員一人ずつの計八人で住んでいて生活をしている。

その為この孤児院は大家族用に広く作られていて、未だに部屋数が少し余るほどの大きさだ。

 

「うん!ちょっと部屋に行ってからくるねー!」

 

金成はリビングから立ち去ると自分の部屋に入った。

この部屋は三人の男たちと共同で使用している部屋だ。

15畳ほどの大部屋で、二段ベットが二つにデスクが四つあり本棚が一つあるが、ちゃんと動けるスペースが残されている。

 

「んー。まぁ取り敢えず、屋根裏でいいか」

屋根には隅の方に天井を開けられる取っ手があり、そこを開けて天井に札束を隠しておくことにした。

天井に向かって思いっきりジャンプをして取っ手を掴むと、天井板を蹴り上げてそのまま両手を使って天井裏によじ登り、一番奥にある木の支柱の陰に札束の入った袋を置いた。

再び天井裏から降りる時にそのまま取っ手をしめつつ、部屋に降りる。

 

その後は、隠し終わると怪しまれないためにリビングへ戻り、他の子供らと戯れて過ごした。

 

この数週間で子供の口調もだいぶ慣れ、違和感を感じなくなった。

子供らもこちらを気にすることなく話しかけてくるので大丈夫だろうと金成は判断した。

これで、怪しまれることもないため良かったと思う金成であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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