黄金の力でヒロアカ無双   作:アルアール

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四話 マネトリアカンパニー

「えー、じゃぁこの問題は来栖(くるす)くん。答えてみて」

 

「はい」

 

金成(かなる)は椅子から立ち上がり黒板の前まで移動すると、目の前の数式を解いていく。

カタカタとチョークの音が教室に響く。

 

彼、金成は今自分が通っている学校の教室にいた。

今は入学してから一年ほどが経っていて、二年も半ばに迫ろうとする頃だ。

 

「はい。よくできました。戻っていいですよ」

男の若い教師に言われて金成は席に着く。

 

「あぁ、退屈だなぁ」

続きを教師が解説する声が教室に響く中、金成は窓の外を眺め、あまりの平和、退屈さに声が漏れてしまった。

幸い声が小さかったので誰かに聞こえることはなかったが、本当に退屈していた。

今まで何かを学べる機会がなく、初めのうちは楽しんでいたが一年が経つ頃には飽きていた。

これを後五年も続けるのかと。

しかし、今の時代高校、大学と進学しないと社会人としてやっていけない。それを考えると、後十年以上は学ばなければいけないだろうが、金成ならいつだってやめられる。

前世から慣れ親しんだ力で順調に、彼の勢力が増えていってる。

その紹介はまた後でするが、経験談より圧倒的速度で彼の手がこの街へ浸透していった。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

彼は授業が終わり帰りの時間になると、孤児院に帰ることなくある場所へ向かっている。

途中で駅のコインロッカーにカバン類を入れて中にしまってあった衣服を取りトイレで着替える。

 

彼は人通りが少ない所に来ると、誰からも見られていないことを見聞色の覇気を利用して確認すると、手に持っていた目元しか見えない仮面をかぶる。真っ白な丸い仮面をベースに、黒色をしたバラやツルの模様が描かれていて少し不気味さを感じさせている。

 

仮面を被った後は誰かに居場所を知らせるように覇王色の覇気を微弱に発しながら街を歩く。

 

彼がそのまま人気の少ない道を歩いていると馴染みのある気配を感じたので声をかけることにした。

そのまま近くの路地裏に入ると自身の影に向かって声を発する。

 

日陰(ひかげ)か」

 

彼がそう声をかけると、金成の影が一瞬揺らぎを作るとそのまま影が浮き上がり人の形を形成していき、そのまま真っ黒の人影が色付くように女性のシルエットが浮かび出していった。

 

出て来た女性は黒子のような衣装のため顔はよく見えないが、唯一見える鋭い目元が力強い印象を与え、そして少しばかり覗かせた白い肌がまだ若い女性という事を知らせていた。

 

「ボス、お迎えにあがりました」

 

「あぁそうか、じゃぁ行こうか。連れていってくれ」

金成の許可を得た黒子服の女性は金成に触れて共に影の中に入った。

 

彼らが次に現れたところはあるビルの一室。

ビルの窓枠でできる影の中から二人が出るとその一室にいたメンバーは揃って一列に並んだ。

 

「あぁ、ご苦労。自由にしてくれ」

金成が影から出ると一番大きなデスクにある椅子に座ると整列していたメンバーに声をかけた。

 

この中に小学生であるからと彼を侮るやつなどいない。

経済力でもそうではあるが、そもそも納得しない奴は力でねじ伏せた。

裏の世界じゃ力があれば結構自由がきく。

この‘個性’が普通となりつつある社会において、裏社会ではその傾向が顕著に現れている。

 

 

この部屋にいるメンバーは全て彼がこの1年弱で集めたメンバーだ。

普通に雇ったのではない。

勿論、路地裏にいるようなメンバーから厳選して金で雇い入れた奴らだ。

まぁ簡単に雇い入れたわけではなく、それぞれ色々と大変な目にはあったが。

黒子を合わせて総勢五人。

男が二人で女が三人だ。

その中にはやはりと言ったところか、エイミィの姿が見える。

前より若干身長が伸び、赤い髪も伸ばしているのか肩を越えたあたりまで伸びていた。

彼女は自分の戸籍を持っていないので小学校には通えていないため、普段は事務所の一部屋を生活スペースとして確保し、そこで寝てもらっている。

まぁここにいるメンバーはそんな訳ありが多いんだが。

 

今この事務所にはいないがほかに手下となるメンバーはいる。

しかし、そのどれもが金で一時的に雇うのみで、所謂正規社員は彼らのみだ。

 

ここの部屋は事務室として使用している。

金成は自由に自分の金を捌くために質屋という名目で企業として立ち上げた。会社名はマネトリアカンパニーだ。見てわかる通り、前世の名前を利用した。

 

まぁ小学生なので代表はこの中にいる比較的まともな人物で通したが。

 

 

「じゃぁ、今日の報告を始めてくれ」

金成の合図とともにそれぞれが報告を上げていく。

 

「では私から。今月売りさばいた金塊、総量100キロについてですが、怪しまれないよう全国の質屋に回って売りさばいて来ました。

手数料を全て抜いての総額は、4億円となります」

黒子姿のまま日陰が報告をあげる。

彼女の役割は主に金塊の売却だ。

彼女の個性である影を操る能力を応用して、影の中からの自由移動、所謂ワープを行ない、全国各地へ足を運んでいる。

 

それを利用して全国か各地にあり正規問わず、金塊を売りさばいている。

彼女も出所は知らないが、毎月100キロもの金塊が一企業から売りさばかれていたら不審すぎる。

彼女もその不気味さがわかっているため、全国を回って怪しまれないように売っている。

彼女自身もその金塊がどこから来るのか興味はあるが、世の中には知らないほうが良いことがある。

彼女はそれをよく知っているため、出所を聞くことなく仕事を全うしている。

 

 

「ふむ。わかった。じゃぁ来月分の金塊はいつも通りの所に置いておく。次」

 

 

「では次、僕で。先日やっとこの区のヴィラン、チンピラ達との顔合わせが終わりました。一応指示された金額で納得しないもの達については死なない程度痛めつけておいたので、多分大丈夫だと思うっす」

彼の仕事は主に、裏に通じてるヴィラン、チンピラ、ヤクザなどの面通しだ。自分の縄張り広めるために近くの者達から回っている。

ざ・チンピラといった傷んだ茶髪をワックスで決めたチャラい系の男である。

 

「あの金額で納得しない奴がいたのか。まぁいい。あまり鬱憤を溜めさせるようにするなよ?荒戸(あらと)の役割は橋渡しだ。なるべくこちら側に抱き込め。じゃぁ次」

 

 

「はい。次は私ですが、やはり正規の企業を抱き込むのは無理ですねぇ。実績、信頼ともに足りないですね。全部門前払いです。金だけじゃぁきつかったです」

10代後半といった見た目のキリッとした印象を与える黒髪の女性だ。

 

彼女の仕事は正規の企業に質屋として挨拶に回るだけだが、できれば賄賂ができるやつを探すのが仕事だ。

まぁ、正規の会社に関わることがないのだが、一応表向きは質屋だ。

怪しまれない程度には動かなくてはならない。

 

「やはりそうか。まぁ表にはそこまで手を出さないから気にしない。それにまだ1年だ。美流(みる)はそのまま続けてくれ。次」

 

「じゃ最後に俺が。一応部下達の教育はある程度順調です。まぁ反抗的な奴らもいますけど、大体は拳で解決です。」

大柄のいかつい顔の男が報告をあげる。低い声とその見た目と相俟って、初対面の人に必ずビビられる見た目だ。

 

「ふむ、どのくらいの戦力になりそうだ?」

 

「人数だと大体10人ほどですが、一応ヒーローの相棒(サイドキック)並には使えるくらいです」

 

「そうか。よし。剣司(けんじ)はそのまま部下の教育を続けていくれ。今月の定例会は以上だ。各人仕事へ戻ってくれ」

 

「「「はい!」」」

 

エイミィ以外のメンバーは金成の合図で、それぞれが仕事へ戻るため部屋から出ていく。

 

「ね、ねぇ私ここにいていいのかな?何もできないんだけど」

 

「ん?訓練はしてるだろ。一応お前はうちの最高戦力だ。今の体格で剣司とまともにやり合えるのはお前くらいだろ。期待しているぞ、うちの最高戦力」

 

「そ、そうかなぁ?えへへ、じゃぁ私もっと強くなるから!!訓練して来るね!!」

エイミィは金成に褒められる嬉しくなり、テンションを上げて訓練へ向かった。

 

本当に大した拾い物だった。

初めは哀れみの感情で付き合ってはいたが彼女の個性が本当に強力であったため、アメ、アメ、アメを与えてこちら側に来るようにした。

 

「本当に、強いなぁ。あれ。あの伝説の海軍並みに強くなるか?」

金成は500年前の有名な海軍を思い出しなら彼女の個性を思い出していた。

まぁいい、今世でのスタートはすでに始まった。

 

今度はどんな結末を迎えるのか。

 

「本当に、楽しくなってきたよ」

金成は事務室を見渡しながら笑顔になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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