ベルがサイヤ人なのは間違っているだろうか   作:ケツアゴ

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第二十一話

「わざわざ俺を呼びだしたかと思えば、女に襲われて怖いから知恵を貸してくれだと? 愚か者がっ! 貴様もサイヤ人の王子ならば自分で解決せんかっ!」

 

 昼間に返り討ちにしたアマゾネス姉妹に(性的に)襲われそうになったベルは逃げ出した先でバトルアリーナを発動、兄を指名して相談するも怒られてしまう。吐き捨てるように言って背を向けて去ろうとした兄の足に涙目のベルがすがりついた。今まで親しい女は団員のナァーザとリリ、そして友人のティオナしかおらず会ったばかりの相手に体を求められるという恐怖は男女関係ない。逃がしてなるものかとすがりつくが、そもそも戦うための異空間なので実際は去りようがなかった。

 

 兄弟揃って気がついていないが……。

 

「この前、ブルマさんが呼び出されて、戦うわけにも行かないから兄さんとの馴れ初めとか、ビルス様の機嫌を取る為に頑張った事とか聞いたんです! 今の兄さんがどの時点かは知らないけどお願いだから知恵を貸してください!」

 

「彼奴余計な事を吹き込みやがって! って言うかビルスに貴様の踊りについて文句を言われたんだぞ、俺はっ! ……もうアレだ。適当な相手に恋人役でも演じてもらえ。どうせ貴様一人で楽に勝てるなら危なくなっても守ってやれるだろう?」

 

「流石兄さん! すっかり父親らしくなったって聞いただけあります!」

 

「……余計な事は言わんで良い。まあ、上手くやれ」

 

 少々ぶっきらぼうな言い方だが彼なりに弟の心配をしてのアドバイスであった。尚、彼の場合は据え膳を食った結果に散々苦労して至った領域に幼い息子が簡単に到達したり、金を稼いでいないのに誕生日プレゼントを買ってあげたり、お好み焼きを作る歌を歌ったりしているのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「もー! ベルったら何処に行ったんだろ? それにしても偶々出掛けた先が一緒なんて運命だよね~」

 

「はいはい。今は調査が先でしょ?」

 

「はーい。早く終わらせて探しに行こうっと。水着誉めてくれるかな~?」

 

 ダンジョンと地上を繋ぐ別の出入り口を探すべく港町までやって来たロキ・ファミリア一行(ただし女性陣のみ)。水中のモンスターが抜け出た穴の封印に向かったティオネとティオナであったが、ティオナは他のことに気を取られていた。

 

 

 

 

 

「むっ。ロキか。お前達も旅行か?」

 

「なんや、ミアハか。まあ、そんな所や」

 

 来て早々にミアハ達と出会した時、ティオナは即座にベルの姿を探す。だが、他の二人は居るのにベルの姿だけは見えない事に少し落胆し、他のメンツも彼だけが居ない事を疑問に思ったのが伝わったのだろう。ミアハが少し困った様子で口を開いた。

 

「どうもベルが朝食前に宿を抜け出してな。こうして探しているという訳だ。……昨日、少し揉め事に巻き込まれたと言っていたが」

 

「なんや、喧嘩か? あの坊主、見た目は大人しいのに怒ったら別人やさかいな。売られた喧嘩の始末に行ったんちゃうん? それに単純な力ではLv.5相当やろ、心配いらんって」

 

「いや、襲われて返り討ちにしたそうだ。それにベルが朝食を食べずに出掛けるなど尋常ではない。何処かで食べていれば目立つはずだしな。……では、見掛けたら教えてくれ」

 

 挨拶もそこそこに去っていくミアハ達。ティオナも心配するもベルだから大丈夫だろうと気持ちを切り替える。彼の強さを身を持って体験したからこそアマゾネスの本能を刺激されたのだから当然だ。少なくても自分が子を産む相手が生半可な事で危機に陥るなど有り得ないと楽観視した。

 

 

 

 

「うーん。リリは昨日戦ったのがアマゾネスだって言うのが心配なんですよね」

 

「あっ、やっぱり?」

 

 

 

 

 聞こえてきた会話に別の危機感を感じるのだったが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ティオナ、あれ見てっ!」

 

 封印に綻びが無いことを確認した二人が戻ろうとした時、目前を泳ぐ食人花を発見する。推定Lv.3から4相手ではオラリオ外の住人では太刀打ちできないと即座に始末しようと向かった時、水中を飛来する光の円盤が二人が仕掛けるよりも前にモンスターの胴体を両断して絶命させた。飛来した方向を見た瞬間、ティオナは発展系アビリティさえも活用して一気に突き進んだ。

 

 

「ベルーっ!!」

 

「ちょっとっ!?」

 

 喜色を顔一面に浮かばせ全速力でベルに向かっていく妹を止めようと手を伸ばすティオネだが、遠征で漸くランクアップを果たした彼女よりも遠征前にランクアップしたティオナの方がステイタスが体に馴染んでいる。悔しかったので遠征から帰ってランクアップするなりベートと組み手をして慣れさせはしたが妹を止めるに及ばない。

 

 Lv.5の時でもタックルのダメージが大きかったのだから、このまま何時もの勢いで突撃すればベルが受けるダメージは尋常でないと判断するティオネ。だが、ティオナは一切の遠慮無しにベルに突撃し、ベルは楽々と彼女を受け止めた。

 

「ティオナ! 丁度良かった。君に会いたかったんだ」

 

「ベルも? わたしも凄く会いたかったよ」

 

「わっぷっ!?」

 

 言葉を聞くなり全力で抱き締めて体を密着させてくるティオナに赤面するベルを見ながらティオネは驚いていた。まさかランクアップしたのかと。アポロン・ファミリアを一人で撃退してもランクアップしなかった彼が功績と認められる程の何があったのかと。

 

(イシュタル・ファミリアが解散したって噂だったけど……まさかね)

 

 流石にそれは無いと首を横に振った彼女は取り敢えず陸に上がることを提案するのだった。

 

 

 

 

「それでどうしたのよ? アンタの所の仲間が探していたわよ」

 

「あっ! 慌てて宿を出たから……」

 

 ミアハ達が心配している事を告げられたベルは途端に慌てだし、自分にくっついたままのティオナの方を向いて手を合わした。

 

「ティオナ! お願いがあるんだっ!」

 

「え? 何々? ベルのお願いだったら何だって聞いてあげちゃうよ? 遠慮せずに言って」

 

 自分がフィンと進展しないからか若干イライラしながらも表面上は押し殺すティオネ。ベルの言葉に甘えるように体をすり寄せる妹の姿にギリギリの所で踏みとどまるも限界は近かった。

 

(此奴ら爆発しないかしら?)

 

 それを見て、ほーら、ご覧なさい。綺麗な花火ですよ、とでも言ってやろうかと思った彼女が顔を逸らすと物陰で此方を伺っていたアマゾネスの少女と目が合う。

 

 

 

 

 

 

 

「お願い! 今日だけで良いから僕の恋人(役)になってっ!」

 

「うん! 良いよ! じゃあ、早速……」

 

「ええ!? どうして脱いでっ!? 」

 

「別に恋人ならこの位普通だって」

 

 

 

 ……取り敢えず二人……というより駄妹を止めようと思うティオネであった。

 

 




他にも書いてるのでそっちも宜しくお願いします

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