【完結】ボボボーボ・ボーボボ ハジケウォーズ/フォースの覚醒 作:春風駘蕩
突然の事態に、ビュティは大きく目を見開いて驚愕をあらわにしていた。
「あ、あれって毛狩り隊の残党⁉ 何でこんなところに⁉」
ボーボボたちの行く先に現れたのは、もはやその大半が壊滅したと思われていた狼藉者たち―――毛狩り隊の平隊員たちだった。
「ようやく見つけたぞボーボボォ!!! 貴様に壊滅させられたマルハーゲ帝国の恨み、今ここで晴らしてやる!!!」
「聞けば貴様ら、何か企んでいるらしいな‼ だったら俺たちがそいつを邪魔してやるわ!!!」
どこから情報を得たのか、毛狩り隊はボーボボたちが先に進むことを阻もうとしている。
刻一刻と宇宙鉄人の魔の手が迫っている中、この展開は非常に迷惑であった。
「かかれぇ――――‼」
一人の隊員の号令で、集まりに集まった隊員たちが一斉に襲い掛かってくる。
しかし、まるで黒い津波のように押し寄せてくる隊員たちを前にしても、ボーボボに狼狽する様子は見えなかった。
「鼻毛真拳奥義…」
両腕を目の前で交差し、ボーボボは内なる力をため込んでいく。
そして毛狩り隊の波が目前にまで近づいた瞬間、サングラスがキラーンと光を放った。
「『ザコキャラが余計な文字数稼いでんじゃねーよアターック』!!!」
「ぐわらばあ!!!」
「相変わらず容赦ね―!!! てか技ですらねー!!!」
デカイ修正液を持ったボーボボが、大勢の毛狩り隊に向けて中身をぶっかけた。
敵どころか、描き間違いのような扱いに、さすがにビュティも毛狩り隊を哀れに感じてしまった。
「ぐっ……やはり手ごわい‼」
「だが……今の我らに負ける理由はない‼」
「おい、だからザコキャラがでしゃばるなって……」
生き残った隊員たちが何かもくろんでいるのを見て、天の助が呆れた様子でため息をつく。
「‼」
だが、隊員たちが取り出したものを見て、その表情が激変した。
数人の隊員たちが取り出したものは、かつてボーボボたちが見た事のあるもの。人をゾディアーツに変える悪魔の道具だったからだ。
「なっ…⁉ それはゾディアーツスイッチ‼ なぜ貴様らがそれを持っている!!?」
「知れたこと…お前たちを叩き潰すためだ!!!」
血相を変えるイザヨに、正面にいる隊員が自信満々に答えた。
ほかの隊員たちも次々にスイッチを取り出していくのを見て、ビュティは事の重大さに慌て始めた。
「マズいよ、ただでさえ強いゾディアーツがあんなに出てきたら…!」
「心配すんなって! 所詮は毛狩り隊の平隊員ばかりなんだぞ? ヨユーヨユー♪」
ビュティは冷や汗を流してそう告げるが、首領パッチや天の助はさほど気にした様子はない。
そうこうしているうちに、隊員たちは各々の持つスイッチを押し、その体を闇で包み込む。
すると、彼らの姿は見る見るうちに変化し。
「「「「うおおおおおおお!!!!」」」」
巨大な剣とゴルゴンの顔の盾で武装した戦士ペルセウス・ゾディアーツ。
強靭な足と翼をもつ白馬ぺガスス・ゾディアーツ。
鋼の爪と牙と鱗の鎧を備えたドラゴン・ゾディアーツ。
ひと際恐ろし気な外見を持つ凶悪な怪人達へと、それぞれ姿を変えていった。
「ぎゃあああああああああああ!!!! 見るからにやばそうな奴らになった―――――!!!!」
数あるゾディアーツの中でも屈指の力を持つ異形たちが現れ、先ほどまで楽観視していた首領パッチたちは悲鳴を上げる。
「「「ゾディアーツ真拳超奥義『トレミー南天大星群』!!!」」」
「ぎゃああああああ!!?」
そんな彼らに、ゾディアーツと化した隊員たちは体の各所についた宝玉から光を放ち、次々に爆発させていく。
その威力に首領パッチたちはすっかり翻弄されてしまった。
「くっ! やべぇぞ、ただの隊員がスイッチの力でここまで厄介に‼」
紙一重で攻撃をかわした破天荒やソフトンが、敵の力が跳ね上がったことを察して苦渋の表情を浮かべる。
すると、我が物顔で暴れまわる隊員たちの前にイザヨが立ちはだかった。
「なんのー! 修行を終えた俺たちの力を舐めるんじゃね―――!!! 変身‼︎」
イザヨとメテオが急いでベルトを装着し、スイッチを押してレバーを押す。
ベルトから白い煙と青い光が放たれ、二人を一瞬にして戦士の姿へを変えさせた。
「宇宙キタ―――――!!!」
「お前達の
【
「いくぞ首領パッチ‼」
「えっ⁉︎ 俺スか⁉」
イザヨは右腕に鎖付きのトゲ鉄球を、そして左腕にはフック付きのワイヤーを取り付け、その先にさらに首領パッチをぶら下げた。
この時点ですでに、首領パッチを嫌な予感が襲っていた。
「バカ+コズミック真拳協力奥義『
「おやび―――ん‼」
「当たり前のように武器にされた―――――!!!」
鋼鉄のトゲ鉄球と首領パッチのトゲが、流星群のように隊員たちに襲い掛かる。
本人がボロボロになっていくのにも構うことなく、イザヨは猛攻を隊員たちに降り注がせた。
「イザヨてめー後で覚えてろよ―――――!!!」
「これ重い‼」
「ぎゃあ!!!」
怒り心頭でイザヨを睨む首領パッチは、そのままペルセウス・ゾディアーツに向けて投げ飛ばされた。
「ぐおおおおお!!!」
「だが、新たな力を手に入れた俺たちはこんなものでは止まらんぞ――――!!!」
最初の勢いがやや削られた様子の隊員たちであったが、すぐにまた力を放出させて迫っていった。
「隊長たちに続け―――‼」
「おおおお――――!!!!」
するとほかの隊員たちも同じようにスイッチを取り出し、その体を異形のものに変えていく。
あっという間に、辺りは怪物たちの巣窟へと変貌してしまった。
「いやどんだけお前らスイッチ持ってんだよ!!?」
普通なら一体ずつ戦うであろう怪人達が、もはや害虫の群れのように夥しい数で襲い掛かってくる。
これにはヘッポコ丸もツッコまざるを得なかった。
「どうしよう…このままじゃ宇宙鉄人の攻撃が始まっちゃうのに‼」
身動きが取れず、焦りを抱き始めるビュティ。
その時、まるでボーボボたちを背に庇うように、あるいは押しのけるようにして破天荒が前に出た。
「ボーボボ、ここは俺たちに任せて先に行け」
「天兄⁉」
危険な役目を買って出た兄貴分に、イザヨは思わず声を上げる。
しかし破天荒はそんな彼女に、にやりと不敵な笑みを浮かべてみせた。
「奴の思いを無駄にするな! 早く代わりの車に乗れ!」
「でも乗り物なんてどこに⁉︎」
瞬時に判断を下したソフトンがそう仲間達に告げる。
バスに変わる乗り物は一体どうするのかとビュティが尋ねれば、ソフトンと天の助の背後に二つの影が見えた。
「「車ならある!!!」」
「やっぱりロクな車ね――――――!!!!」
とぐろを巻いた茶色の乗り物と、プルプルした半透明の乗り物に、ビュティとヘッポコ丸が同時に絶叫する。
だが、今は選り好みしている暇などなかった。
「行きましょうソフトンさん」
「またウンコに負けた!!!」
迷うそぶりも見せずにソフトンの用意した乗り物に乗りこまれ、天の助は愕然とした様子で膝をつく。
紆余曲折ありながらも、戦士たちを乗せた乗り物が発進すると、隊員たちは一斉にそのあとを追いかけ始めた。
「こっから先へは行かせねーぜ」
それを、破天荒は許さない。
鍵で敵の一人の動きを止めながら、乗り物が通り過ぎた道をふさぐように立ち塞がった。
「てめーらごときに全力使うのもシャクだが、おやびんを行かせるためなら仕方がねぇ…」
破天荒の鍵が、彼の首筋に突き刺され、ガチャンと回される。
その瞬間、彼の体に施された封印が凄まじい勢いでかき消された。
―――封印解除‼
「カギ真拳超奥義『無限錠』!!!!」
本来の能力の100%を発揮させた破天荒は、周囲に無数の鍵を出現させてゾディアーツの軍団に突き立てていく。
一瞬にして停止させられたペルセウス・ゾディアーツたちを見て、残った隊員たちの間に動揺が走る。
「おやびんたちの尻拭い、この破天荒がつとめてやるぜ」
その場に、先ほどとは比較にならない緊張が走る。
まだまだ残っている異形の隊員たちを睨み、破天荒は獰猛な笑みを見せつけた。