【完結】ボボボーボ・ボーボボ ハジケウォーズ/フォースの覚醒   作:春風駘蕩

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奥義12:ザコキャラと呼ばないで

 突然の事態に、ビュティは大きく目を見開いて驚愕をあらわにしていた。

 

「あ、あれって毛狩り隊の残党⁉ 何でこんなところに⁉」

 

 ボーボボたちの行く先に現れたのは、もはやその大半が壊滅したと思われていた狼藉者たち―――毛狩り隊の平隊員たちだった。

 

「ようやく見つけたぞボーボボォ!!! 貴様に壊滅させられたマルハーゲ帝国の恨み、今ここで晴らしてやる!!!」

「聞けば貴様ら、何か企んでいるらしいな‼ だったら俺たちがそいつを邪魔してやるわ!!!」

 

 どこから情報を得たのか、毛狩り隊はボーボボたちが先に進むことを阻もうとしている。

 刻一刻と宇宙鉄人の魔の手が迫っている中、この展開は非常に迷惑であった。

 

「かかれぇ――――‼」

 

 一人の隊員の号令で、集まりに集まった隊員たちが一斉に襲い掛かってくる。

 しかし、まるで黒い津波のように押し寄せてくる隊員たちを前にしても、ボーボボに狼狽する様子は見えなかった。

 

「鼻毛真拳奥義…」

 

 両腕を目の前で交差し、ボーボボは内なる力をため込んでいく。

 そして毛狩り隊の波が目前にまで近づいた瞬間、サングラスがキラーンと光を放った。

 

『ザコキャラが余計な文字数稼いでんじゃねーよアターック』!!!

「ぐわらばあ!!!」

「相変わらず容赦ね―!!! てか技ですらねー!!!」

 

 デカイ修正液を持ったボーボボが、大勢の毛狩り隊に向けて中身をぶっかけた。

 敵どころか、描き間違いのような扱いに、さすがにビュティも毛狩り隊を哀れに感じてしまった。

 

「ぐっ……やはり手ごわい‼」

「だが……今の我らに負ける理由はない‼」

「おい、だからザコキャラがでしゃばるなって……」

 

 生き残った隊員たちが何かもくろんでいるのを見て、天の助が呆れた様子でため息をつく。

 

「‼」

 

 だが、隊員たちが取り出したものを見て、その表情が激変した。

 数人の隊員たちが取り出したものは、かつてボーボボたちが見た事のあるもの。人をゾディアーツに変える悪魔の道具だったからだ。

 

「なっ…⁉ それはゾディアーツスイッチ‼ なぜ貴様らがそれを持っている!!?」

「知れたこと…お前たちを叩き潰すためだ!!!」

 

 血相を変えるイザヨに、正面にいる隊員が自信満々に答えた。

 ほかの隊員たちも次々にスイッチを取り出していくのを見て、ビュティは事の重大さに慌て始めた。

 

「マズいよ、ただでさえ強いゾディアーツがあんなに出てきたら…!」

「心配すんなって! 所詮は毛狩り隊の平隊員ばかりなんだぞ? ヨユーヨユー♪」

 

 ビュティは冷や汗を流してそう告げるが、首領パッチや天の助はさほど気にした様子はない。

 そうこうしているうちに、隊員たちは各々の持つスイッチを押し、その体を闇で包み込む。

 すると、彼らの姿は見る見るうちに変化し。

 

「「「「うおおおおおおお!!!!」」」」

 

 巨大な剣とゴルゴンの顔の盾で武装した戦士ペルセウス・ゾディアーツ。

 強靭な足と翼をもつ白馬ぺガスス・ゾディアーツ。

 鋼の爪と牙と鱗の鎧を備えたドラゴン・ゾディアーツ。

 ひと際恐ろし気な外見を持つ凶悪な怪人達へと、それぞれ姿を変えていった。

 

「ぎゃあああああああああああ!!!! 見るからにやばそうな奴らになった―――――!!!!」

 

 数あるゾディアーツの中でも屈指の力を持つ異形たちが現れ、先ほどまで楽観視していた首領パッチたちは悲鳴を上げる。

 

「「「ゾディアーツ真拳超奥義『トレミー南天大星群』!!!」」」

「ぎゃああああああ!!?」

 

 そんな彼らに、ゾディアーツと化した隊員たちは体の各所についた宝玉から光を放ち、次々に爆発させていく。

 その威力に首領パッチたちはすっかり翻弄されてしまった。

 

「くっ! やべぇぞ、ただの隊員がスイッチの力でここまで厄介に‼」

 

 紙一重で攻撃をかわした破天荒やソフトンが、敵の力が跳ね上がったことを察して苦渋の表情を浮かべる。

 すると、我が物顔で暴れまわる隊員たちの前にイザヨが立ちはだかった。

 

「なんのー! 修行を終えた俺たちの力を舐めるんじゃね―――!!! 変身‼︎」

 

 イザヨとメテオが急いでベルトを装着し、スイッチを押してレバーを押す。

 ベルトから白い煙と青い光が放たれ、二人を一瞬にして戦士の姿へを変えさせた。

 

「宇宙キタ―――――!!!」

「お前達の運命(さだめ)は……オレが決める‼︎」

Chain array On(チェーンアレイ・オン)】【Winch On(ウィンチ・オン)

「いくぞ首領パッチ‼」

「えっ⁉︎ 俺スか⁉」

 

 イザヨは右腕に鎖付きのトゲ鉄球を、そして左腕にはフック付きのワイヤーを取り付け、その先にさらに首領パッチをぶら下げた。

 この時点ですでに、首領パッチを嫌な予感が襲っていた。

 

バカ+コズミック真拳協力奥義『星屑回想録(スターダストメモワール)』!!!

「おやび―――ん‼」

「当たり前のように武器にされた―――――!!!」

 

 鋼鉄のトゲ鉄球と首領パッチのトゲが、流星群のように隊員たちに襲い掛かる。

 本人がボロボロになっていくのにも構うことなく、イザヨは猛攻を隊員たちに降り注がせた。

 

「イザヨてめー後で覚えてろよ―――――!!!」

「これ重い‼」

「ぎゃあ!!!」

 

 怒り心頭でイザヨを睨む首領パッチは、そのままペルセウス・ゾディアーツに向けて投げ飛ばされた。

 

「ぐおおおおお!!!」

「だが、新たな力を手に入れた俺たちはこんなものでは止まらんぞ――――!!!」

 

 最初の勢いがやや削られた様子の隊員たちであったが、すぐにまた力を放出させて迫っていった。

 

「隊長たちに続け―――‼」

「おおおお――――!!!!」

 

 するとほかの隊員たちも同じようにスイッチを取り出し、その体を異形のものに変えていく。

 あっという間に、辺りは怪物たちの巣窟へと変貌してしまった。

 

「いやどんだけお前らスイッチ持ってんだよ!!?」

 

 普通なら一体ずつ戦うであろう怪人達が、もはや害虫の群れのように夥しい数で襲い掛かってくる。

 これにはヘッポコ丸もツッコまざるを得なかった。

 

「どうしよう…このままじゃ宇宙鉄人の攻撃が始まっちゃうのに‼」

 

 身動きが取れず、焦りを抱き始めるビュティ。

 その時、まるでボーボボたちを背に庇うように、あるいは押しのけるようにして破天荒が前に出た。

 

「ボーボボ、ここは俺たちに任せて先に行け」

「天兄⁉」

 

 危険な役目を買って出た兄貴分に、イザヨは思わず声を上げる。

 しかし破天荒はそんな彼女に、にやりと不敵な笑みを浮かべてみせた。

 

「奴の思いを無駄にするな! 早く代わりの車に乗れ!」

「でも乗り物なんてどこに⁉︎」

 

 瞬時に判断を下したソフトンがそう仲間達に告げる。

 バスに変わる乗り物は一体どうするのかとビュティが尋ねれば、ソフトンと天の助の背後に二つの影が見えた。

 

「「車ならある!!!」」

「やっぱりロクな車ね――――――!!!!」

 

 とぐろを巻いた茶色の乗り物と、プルプルした半透明の乗り物に、ビュティとヘッポコ丸が同時に絶叫する。

 だが、今は選り好みしている暇などなかった。

 

「行きましょうソフトンさん」

「またウンコに負けた!!!」

 

 迷うそぶりも見せずにソフトンの用意した乗り物に乗りこまれ、天の助は愕然とした様子で膝をつく。

 紆余曲折ありながらも、戦士たちを乗せた乗り物が発進すると、隊員たちは一斉にそのあとを追いかけ始めた。

 

「こっから先へは行かせねーぜ」

 

 それを、破天荒は許さない。

 鍵で敵の一人の動きを止めながら、乗り物が通り過ぎた道をふさぐように立ち塞がった。

 

「てめーらごときに全力使うのもシャクだが、おやびんを行かせるためなら仕方がねぇ…」

 

 破天荒の鍵が、彼の首筋に突き刺され、ガチャンと回される。

 その瞬間、彼の体に施された封印が凄まじい勢いでかき消された。

 

 ―――封印解除‼

 

「カギ真拳超奥義『無限錠』!!!!」

 

 本来の能力の100%を発揮させた破天荒は、周囲に無数の鍵を出現させてゾディアーツの軍団に突き立てていく。

 一瞬にして停止させられたペルセウス・ゾディアーツたちを見て、残った隊員たちの間に動揺が走る。

 

「おやびんたちの尻拭い、この破天荒がつとめてやるぜ」

 

 その場に、先ほどとは比較にならない緊張が走る。

 まだまだ残っている異形の隊員たちを睨み、破天荒は獰猛な笑みを見せつけた。

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