【完結】ボボボーボ・ボーボボ ハジケウォーズ/フォースの覚醒 作:春風駘蕩
空港の入り口に陣取ったインガは、ボーボボたちを見て不敵な笑みを浮かべる。
無論首領パッチたちは、そんな彼女の態度に怒りを覚え食ってかかった。
「また邪魔をするのか!!!」
「しつけーぞ‼」
「私も本当は忙しいの……だからあなたたちの相手は、こいつらに任せるわ」
そういってインガは、持っていたアタッシュケースを開くと目の前で乱暴に開く。
すると中に収められていた、12個の異様な気配を放つスイッチが転がり出て、地面に落ちると同時に黒い光を放つ。
瞬く間にそれらは、黄道十二星座をモチーフにした凄まじい気迫を放つゾディアーツたちに変貌した。
「うそーん⁉︎ さっきの毛狩り隊がなったゾディアーツよりもっとやばそうなやつじゃん!!!」
「あれはホロスコープスの幹部の連中⁉︎ 何でこんなところに⁉︎」
思わず敵の出現で悲鳴をあげる天の助。
その横でイザヨとメテオは、見覚えのある敵たちに驚愕で大きく目を見開いていた。
「ククク……どういう因果だろうな。フォーゼ…貴様に倒された我らがこんなところで復活するなど……」
「喋った‼︎」
無言のまま立っていたゾディアーツたちのうち、天秤座を模した一つ目の怪人が声を放ち、ビュティを驚愕させる。
同じように羊座の怪人と蟹座の怪人が、イザヨたちを見て殺気を放ち始めた。
「余の王国を崩壊させた罪、万死に値する‼︎」
「あたしらの怨み、きっちり受け取ってもらいましょうかねぇ」
特徴的な話し方をする二体を見て、イザヨは確信を持つ。
向けられる敵意や外見、そして口調から見える性格に覚えがあったからだ。
「あの喋り方……間違いねぇ、あたしたちが戦ってきた奴らだ!」
「そんな…」
「だったらなんで⁉︎」
なぜかこの敵が蘇ってきているのか、とヘッポコ丸が身構えながら尋ねる。
するとイザヨは懐からハンバーガーの形をしたアイテムを取り出し、スイッチとともにメテオに手渡した。
「バガミール! メテオ、頼む!」
「ああ!」
【
「コズミック真拳奥義『真実の眼』‼︎」
ハンバーガーにスイッチが装着されると、変形して宇宙人のような外見のロボットに変わる。
レンズの目が可愛らしいそのロボットは、並び立つゾディアーツたちをじっと見つめて、観測したデータを映し出した。
「わかったぞ! こいつらに実体はない‼︎ 特殊なスイッチで作り出されたコズミックエナジーによる
「そうか!」
メテオの説明で察したのか、首領パッチと天の助が手をならす。
が、その脳裏に浮かんでいるのは軒下に吊るされた無数のてるてる坊主だった。
「つまりこう言うことだな⁉︎」
「全然違う‼︎」
バカに構っている暇のないメテオに代わり、ビュティがツッコミを入れる。
構わずメテオは、理解のありそうなソフトンやヘッポコ丸たちに説明を続けた。
「実体をエネルギーで補っているために、その体は非常に脆い! その上余分なエネルギーを消費しているからパワーもそれほど強くはないんだ‼︎」
ニヤリと笑みを浮かべてそう告げると、そこだけ都合よく理解した首領パッチと天の助、田楽マンがやる気を出し始めた。
「よっしゃー‼ ザコが相手なら問題ねぇ‼︎ オレ様がサクッと倒してやるぜ―!!!」
前回いいところをボーボボとイザヨにかっさらわれた反動か、いつにも増して戦闘意欲が増している。
今度こそ目立ってやるぜと喜び勇んで挑みかかっていくが。
「ゾディアーツ真拳奥義『シャウト・オブ・カプリコ―ン』!!!」
「ぎゃああああああああ!!!!」
ゴミのようにボロボロにされるバカたちに、メテオは平静を保ったまま淡々と告げた。
「でもさっきの奴らよりははるかに強いから気をつけろ!」
「先に言いやがあぎゃああああああ!!!」
ぬか喜びさせやがってとやられながら怒りをぶつける首領パッチたちだが、はっきり言って自業自得である。
彼らの突撃が合図となったのか、他のゾディアーツたちがボーボボたちの方へと攻め込んできた。
「ゾディアーツ真拳奥義『ハマルの寝息』‼」
「ぐっ‼︎」
奇妙な光に包まれたボーボボの左腕は、その直後不自然に力を失って垂れ下がった。
「左肩が動かん‼」
「しまった! アリエス・ゾディアーツの能力は相手を眠らせることなんだ‼ 全身に食らったら動けなくなるぞ‼」
イザヨに言われ、ボーボボは自分の肩をぱかっと開いて確認する。
その中では、なぜかバスケットゴールにはまった小さなボーボボがイビキをかいていた。
「本当だ」
「何だ、その左肩は⁉」
「NBAなんかに勝てっかよぉ~~…」
「しかも起きてる‼」
尻をゴールに入れたまま意味のわからないことを話すミニボーボボに、ビュティのツッコミが炸裂する。
アリエスはブルブルと肩を震わせ、ボーボボを憎々しげに睨みつけた。
「余を愚弄しおって…‼ ならば両手両足にも喰らうがいい‼」
「なんの…『まくら投入』‼」
重い衝撃がボーボボの四肢に襲いかかるが、ボーボボは体内に管を通し、布団に入ったミニボーボボたちにまくらを落としていく。
するとボーボボたちは、就寝時間なんぞ知ったことかとテンションマックスではしゃぎ始めた。
「わ―――い♪ まくら投げだ――♪」
「復活!!!」
「貴様人間か!!?」
「そのまま鼻毛真拳奥義『大修学旅行』!!!!」
「わ――――い京都だ――♪」
「ぐわあああ誰が京都だ―‼」
驚愕するアリエスに、ボーボボのアフロから放たれたミニボーボボたちが笑顔で突撃していく。
全く意味がわからなかったが、アリエスは凄まじいダメージを負わされていた。
「金閣寺……金閣寺はっと………ここかな?」
なにやらサラリーマンの格好になった天の助が、アリエスの肩にかけられたマントをめくる。
びきっとアリエスの額に血管が浮き立ち、天の助に強烈な殺意が向けられた。
「アリエス・タックル‼︎」
「ぎゃああああああ!!!」
異様な勢いでヘイトを集めた天の助はそのまま、怒れる羊の突進力で吹っ飛ばされていった。
すると今度は、
「ならばこれを食らえ‼︎ ゾディアーツ真拳奥義『ハサミギロチン』‼︎」
「バカめ‼︎ 先にチョキを出すとは駆け引きがわかってねーな!!!」
鋭く研ぎ澄まされたハサミが迫るも、首領パッチは微塵も恐れていない。
勝利を確信した笑みを浮かべると、突き出された
「じゃんけんポーン…ってあれ――――!!?」
「
硬い岩が簡単に真っ二つにされ、同時に首領パッチまで真っ二つにされる。
目を向くビュティを退かせると、ボーボボが険しい顔で前に出た。
「バカヤロウ‼︎ カニ相手ならこれだ‼︎ 奥義『鼻毛版・さるかに合戦』!!!」
「それ復讐される側ですよ!!?」
そしてなぜか猿の格好で突撃していくボーボボに、ヘッポコ丸が待ってくれとツッコミを入れた。
そこに、同じく猿の格好をした、どことなくヤクザっぽい雰囲気になったイザヨと首領パッチが続いて行った。
「カニ一家との全面戦争じゃ―――!!!」
「柿の木はわしらのシマなんじゃぁぁぁぁ!!!」
「ええ⁉︎ これそんな極道っぽい昔話だったの!!?」
「わしらの忠誠は猿のオジキのもんじゃあ‼︎」
「カニの小僧がしゃしゃり出んなぁぁぁぁ‼︎」
「ぐわああああああ!!!」
「カニ側の味方が誰もいね―――――!!!!」
悪さをした猿がカニの味方のウスたちにしばかれる勧善懲悪の昔話のはずなのに、まるで任侠映画のような光景が広がっている。
ツッコミどころ満載の状況に、アリエスたちは困惑気味に引いていた。
「くっ…さっきからフザケた技ばかり出しおって‼︎」
「思ったよりタフだな」
思わず呟くメテオの前を通り過ぎ、首領パッチがアリエスたちの前に立った。
「これっくらいの♪ おべんっと箱に♪」
突如踊り出した首領パッチをポカンとした様子で見下ろし、アリエスたちは沈黙する。
その間お首領パッチは、可愛い顔でちょこちょこと踊り続けた。
「おにぎりおにぎりちょっとつめて♪ ……おにぎりとおべんと箱は別だろが!!!」
歌の途中で突如豹変した首領パッチが、近くにいたカプリコーンを殴り飛ばした。
防御も何もできない間に殴られたカプリコーンは、遠く吹き飛ばされて壁に頭から激突していった。
「さぁて……こっから先は主人公のオレに任せな」
「主人公気取り⁉︎」
「だからボーボボだって‼︎」
パキパキと拳を鳴らしてドヤ顔を決める首領パッチに、ビュティとヘッポコ丸は何度繰り返したとも知れないツッコミを入れるのだった。