【完結】ボボボーボ・ボーボボ ハジケウォーズ/フォースの覚醒   作:春風駘蕩

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奥義16:燃える闘魂伝説

「ククク……流石に幹部の中でも格下相手では話にならなかったようだな。では、そろそろ我々もいくとしようか」

 

 コキコキと首を鳴らし、錫杖を打ち鳴らす天秤座(リブラ)のゾディアーツ。

 その前に泰然と構えるのは、勇ましく構えるボーボボとイザヨだ。

 

「貴様の相手はオレたちだ」

「かかってきやがれ、この野郎」

 

 蠍座(スコーピオン)乙女座(バルゴ)の怪人の前に出るのは、首領パッチ、メテオ、ソフトン、ヘッポコ丸の4人。

 凄まじい殺気を放つ異形たちを前にしても、その雄姿は揺らいではいなかった。

 

「おもしれぇ‼︎ まだまだハジケ足りなかったところだ‼︎」

「ではボクもやりましょうか…」

「いくぞ、ヘッポコ丸。まだいけるか?」

「もちろんです!」

 

 続々と対戦相手が決まる中、残った一帯の前で立ち尽くすのは、天の助と田楽マンのペア。

 二人の前に立ちふさがるのは、ビジュアル的にもまったく敵う気のしない、凶悪な形相の獅子座(レオ)の怪人だった。

 

 ―――よりによって一番やばいところに当たっちまった……。

    天ちゃん田ちゃん大ピンチ……!!!

 

 一噛みでK.O.しそうな相手に、生食品二人は早速走馬灯を見始めていた。

 しかしそんなことはよくあることなので、仲間達は特に心配したり助けに行こうとしたりはしなかった。

 

「上等だ‼︎ こっちも本気モードだ‼︎」

「っしゃあ! 行くぜみんな‼︎」

 

 ボーボボの合図で、イザヨが構える。

 普段は封印されている力が解放され、それは世界そのものにまで影響し始めた。

 

コズミック真拳究極奥義『聖宇宙領域(フォーゼ・ワールド)』!!!

 

 イザヨが天に向かって叫んだ瞬間、イザヨを中心とした空間が大きく書き換えられる。

 瞬く間に広がっていく、宇宙空間の様な奇妙な世界に、ビュティやヘッポコ丸は見覚えがあった。

 

「こ…これはボーボボや破天荒さんが使ってたのと同じ…⁉」

「これは天兄の究極奥義と対をなす奥義! 精神を解放した連中は、その性質をHOT(ホット)へと変えるぜ‼︎ というわけで……」

Fire On(ファイアー・オン)

 

 自信満々に語ったイザヨが、新たなスイッチを取り出す。

 赤いそれをベルトの右端に装着し、横についたリング上のスイッチを引っ張った。

 その直後、イザヨの体を真っ赤な炎が覆い、あたりに撒き散らされた。

 

「もっと熱くなれよおおおおおおおおお!!!!」

「大惨事だ―――――‼︎」

 

 敵どころか味方にまで炎は引火し、イザヨの体も変化する。

 赤くなった学ランにはアーマーが追加され、手には消火器に似た火炎放射器が装着される。

 強烈な炎の力が、イザヨに宿っていた。

 

「く…なんと暑苦しい空間だ!!?」

 

 リブラも炎の熱さに顔を歪ませ、イザヨを忌々しげに睨みつける。

 一方炎の中心に立つイザヨが、熱で苦しむ様子は微塵もなかった。

 

(すごい炎……‼ まるでイザヨさんの心がそのまま現実世界に現れているみたい…‼)

 

 襲いくる熱気から顔を守りながら、ビュティはゴクリと息を飲む。

 戦闘の場に出ないビュティにも、なぜか力が湧いてくる様な感覚があった。

 

「うおおおおおおおお!!!」

「ボンバ――――――!!!」

 

 が、それはボーボボ達の方が顕著に現れていた。

 全員が目からボッと炎を噴き出させ、普段を超えた異常とも言えるテンションで騒ぎ始めていたからだ。

 

「っていうかみんななんかおかしくなってない!!?」

 

 ボーボボの究極奥義は精神の解放の特殊能力を持っているが、イザヨのこれは人を強制的に暑苦しくさせるものらしい。

 ある意味敵よりも恐ろしく感じられた。

 

「そしてこの奥義の発動により、オレの鼻毛真拳も無条件で封印が解除できる!!! いくぞ、三大鼻毛極意の一つ『熱炎漢浪漫』!!!!!」

 

 その身に心の炎を纏ったまま、ボーボボが拳を突き上げて吠える。

 そして、リブラに向かって両手を突き出し、猛烈な速度で突進を開始した。

 

 風林火山風林火山風林火山風林火山風林火山風林火山

 

 大地を砕き、風を吹き飛ばす猛烈な突進でボーボボ達が敵に接近する。

 ボーボボはイザヨから力を受け取りながら、リブラに向けて大きく拳を振りかぶった。

 

「この拳砕けようとも貴様らを倒す――――!!!」

「こ、この技は…‼」

 

 業火を纏った拳のみならず、両手両足をリブラに向けて突っ込むボーボボ。

 その結果凄まじい威力をぶつけたが、代わりにボーボボの四肢は骨だけを残して粉砕された。

 

「漢拳四倍だ―――――!!!!」

「ぐわあああああああああ!!!」

「力が漲る!!! 魂が燃える!!! 俺のマグマが迸る!!!!」

 

 後ずさるリブラに、今度はイザヨが真っ赤に燃える拳を振りかぶり、勢いよく振るった。

 

「この命持っていきやがれ―――――!!!!」

「ぎゃあああああああ!!!」

 

 地面さえも燃やし尽くす威力の拳を受け、それでもリブラは倒れず、ボーボボとイザヨを戦慄の視線で凝視した。

 

「なんという力だ……‼︎」

「調子に乗っていられるのも今のうちだ‼ ゾディアーツ真拳奥義『戦乙女の演舞』!!!」

 

 思わず呟いたリブラの敵討ちのように、バルゴが翼を羽ばたかせて前に出る。

 それを迎え撃つのは、両腕に黒炎のタトゥーを刻んだソフトンだった。

 

「この手に宿るは万象を灼き尽くす逆様の太陽、生れ出づるのは闇に祝福されし破壊の申し子。聖なる神と忌児の力交わりし今、我が敵を討ち果たす刃が顕現する‼」

 

 黒太陽バビロン

 

 かつての強敵(とも)の力を借りた、黒い太陽の力を宿したバビロン神の力により、バルゴは技をかき消された上に自身もダメージを負った。

 

「ガハッ…‼」

 ―――あの男……‼

    やはりただものではなかったか…!!!

 

 致命傷は避けたものの、無視できない威力にバルゴはソフトンに対する警戒を数段引き上げる。

 そこへ、腹の中に力を溜めたヘッポコ丸が突撃した。

 

「くらえ、爆炎オナラ真拳!!!」

「ぐわあああああああ!!!」

「オナラに引火してえらいことになってる!!!」

 

 ヘッポコ丸の放った強烈なオナラ攻撃が、イザヨの炎と混ざってとんでもない被害を及ぼす。

 黒焦げになるバルゴに目を剥きながら、ビュティは感嘆のため息をこぼしていた。

 

「すごい…‼ イザヨさんの力が、みんなに強い力を与えているんだ…!!!」

 

 ただ一人が強いのではなく、仲間と力を合わせることで強くなる真拳使い。

 その頼もしさに、ついつい笑みがこぼれていた。

 

「とけました…」

「二人とも――――!!!」

 

 が、生食品ペアにはありがた迷惑だったようで、ドロドロに溶けてしまった姿は哀れでしかなかった。

 

「ザコ共がイキがるな!!! 奥義『獣王の咆哮』!!!!」

「「ぎゃああああああ容赦ねぇこのライオン―――!!!」」

 

 そこに強烈な攻撃を加えるレオのせいで、天の助と田楽マンは血反吐を吐きながら吹っ飛ばされる。

 踏み潰されて涙目になる二人を見て、ようやくこの女が動いた。

 

「今助けるぞ二人とも――――‼」

 

 イザヨは赤いスイッチを火炎放射器に装着し、レオに向けて構え、銃口に火炎を収束し始めた。

 

「コズミック真拳超奥義『ライダー爆熱シュート』!!!!」

「ぐおわああああああああ!!!」

「「ありがた迷惑だ――――!!!!」」

 

 その一撃はレオを軽々と吹っ飛ばすことに成功したが、至近距離にいた天の助と田楽マンまで巻き込んでいた。

 が、やはりいつも通りなので誰も何も言わなかった。

 

「くっ…‼ まさか、ただの人間がここまでの力を……!!!」

「うおおおおおおおおおおお!!!」

 

 高い戦闘能力を誇るレオまでもが圧倒され、流石にリブラたちに焦りが見え始める。

 おののく彼らに向かって、ボーボボとイザヨが並んで突進して行った。

 

「くっ……来るなぁぁぁぁぁ‼」

 

 リブラとレオ、スコーピオン、バルゴが苦し紛れにはなった攻撃も、鼻毛と火炎に打ち消されて何の意味もなさない。

 目を見開く彼らに、ボーボボたちはとどめの一撃を放った。

 

 毛烈(タマシイレボリューション)

 

「ぎゃあああああああああああ!!!」

 

 四体の怪人たちは、強烈な鼻毛と宇宙の一撃をくらい、血反吐を吐きながら宙を舞う。

 どさどさと崩れ落ちる怪人たちに目もくれず、ボーボボとイザヨはギンッと最後の一体を睨みつけた。

 

「残るはテメーただ一人!」

「覚悟しやがれ!」

 

 凄まじいオーラを放つ射手座(サジタリウス)の怪人を前に、二人が拳を突き出す。

 その両者の間に立ち、田楽マンが両腕を交差させて吠えた。

 

「続行! ファイッ!!!」

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