【完結】ボボボーボ・ボーボボ ハジケウォーズ/フォースの覚醒   作:春風駘蕩

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奥義17:嵐を呼ぶバカ

「いい加減君たちは目障りだ……‼︎ ここでこれまで邪魔してくれたことへの罰を与えるとしよう」

 

 弓を構えたサジタリウスが、物騒なことを言いながらボーボボたちを見据える。

 

「ナメたこと言ってくれるじゃないか。偽物だろうが本物だろうが関係ねぇ、ぶっ潰してやるよ!!!」

 

 それに相対し、バキボキと拳を鳴らすイザヨが勇ましい声で宣戦布告する。

 

「『ベイブ』のビデオ、返却し忘れたんだよバカヤロォ!!!」

 

 最後のボーボボが、状況に全く関係のないことを言いながらピキパキと血管を浮き立たせ、凄まじい形相で睨みつけた。

 三者三様のオーラを纏い、戦士たちは一呼吸置くと一斉に激突を開始した。

 

「ゾディアーツ真拳超奥義『賢者の嚆矢』!!!!」

「ぎゃああああああ!!!」

 

 サジタリウスの弓から無数の暗い光の矢が放たれ、ボーボボや天の助たちに降り注ぐ。

 それらに耐え、イザヨが火炎放射器を構えた。

 

「コズミック真拳超奥義『バーニングマイソウル』!!!!」

「ぐわああああああ!!!」

 

 イザヨによっていくつもの火炎弾が放たれ、またしても天の助を巻き込んでサジタリウスに炸裂する。

 それをかいくぐり、ボーボボがさらなる一手を放った。

 

「鼻毛真拳超奥義『毛植え』!!!! オラ‼︎ オラ‼︎」

「これだけ明らかにショボい―――!!!」

 

 田植えのように、毛を一本一本植えていくボーボボ。

 全く意味がわからないし、実際に意味のない攻撃であった。

 

「奥義‼︎」

 

 サジタリウスが弓を振るい、衝撃波を放ってあらゆるものを吹き飛ばす。

 

「奥義‼︎」

 

 業火を右足に纏ったイザヨが、サジタリウスに向けて蹴りを放つ。

 

「奥義‼︎」

 

 ボーボボがサジタリウスとイザヨの間の割って入って、自分の鼻毛をつかんで鞭のように振り回す。

 ボーボボとイザヨがタッグを組んだ連携だったが、サジタリウスは一歩も引く様子を見せなかった。

 

「ボーボボとイザヨさんの本気の攻撃と渡り合ってる…! どうなるのこの戦い⁉︎」

「二人とも負けないで‼︎」

 

 好転しない戦況に、ビュティたちはハラハラしながら成り行きを見守る。

 仲間たちからの応援を受けながら、ボーボボとイザヨは同時にサジタリウスに攻撃を放った。

 

「奥義‼︎」

 

 とてつもない衝撃で後退した二人は、ふと違和感を覚えて下を向いた。

 敵と激突したボーボボの手には、サジタリウスの弓が握られていた。

 

「奥義――――⁉︎」

「ぎゃああああ⁉︎」

 

 思わぬ展開に、サジタリウスの真下にいた天の助が悲鳴を上げて踏み潰される。いつの間にか武器を奪われ、大変ご立腹の様子だった。

 

「奥義――――いっちゃえぇぇぇ!!!」

 

 オロオロと辺りを見渡していたボーボボは、あろうことかその弓を構え、自身の鼻毛を矢の代わりにして撃ち放ち始めたのだった。

 

「人の武器使っちゃった―――!!!!」

 

 敵の武器のため特に文句はなかったが、ほとんどためらいなく異形の武器を使い熟すボーボボにビュティのツッコミが響き渡る。

 ああいった武器は本人にしか使えなさそうなイメージがあったが、全くそんなそぶりは見せなかった。

 

「フン……無駄なあがきを。そんな武器で私を倒せるものか!!!」

「ごばぁ!!!」

「ボーボボ!」

 

 しかしサジタリウスは別段困った様子など見せず、普通に近づいてボーボボを殴り飛ばす。

 その際にちゃんと弓を弾き飛ばして奪い返している辺り、抜け目がなかった。

 

「ヤベェ‼︎ あいつ本当に強ぇぞ!!!」

「…こうなったら、とっておきのアレを出すしかないな」

 

 焦る天の助や田楽マンたちの前で、首領パッチが覚悟を決めた様子で呟く。

 そのセリフで何をするつもりか察したのか、ボーボボも頷いて首領パッチの元に歩み寄っっていった。

 

「行くぞお前ら‼︎」

「おう‼︎ 協力奥義―――」

 

 倒すべき標的サジタリウスを見据え、ボーボボたちは真剣な表情で身構える。

 いつもと異なる彼らの様子に、ビュティもゴクリと息を飲む、そして。

 

 ホンダラポーイのホゲホゲポー

 

 画風が崩壊するほどふざけた格好になったボーボボたちが、意味のわからない呪文を口にする。

 ヘッポコ丸らが思わずこけそうになる姿だったが、ビュティだけは戦慄の表情を浮かべていた。

 

「この技は確か…魚雷さんを呼んだ時の!!?」

「マジで!!?」

 

 いつだったか、ボボボーボ・ボーボボ内で最強と謳われた最恐キャラ、魚雷ガールが再登場したときのことが思い出される。

 すると途端に、どこからともなく地鳴りが聞こえてきていた。

 

 来るぞ…!

 来るぞ…‼︎

 魚雷ガールが…!!!

 

 誰もがその顔に恐怖をにじませ、小さく身を震わせる。

 緊張をあらわにする一同の脳裏に、裁判台に立たされる魚雷ガールの姿が思い浮かんでいた。

 

「何このイメージ!!?」

 

 思わずビュティが叫ぶが、もはや誰もかまっている余裕などない。

 全てを破壊しうる最強の登場を、今か今かと待たされることとなった。

 

「……………………さない」

「え?」

 

 が、その声は思ったよりも近くから聞こえてきた。先程から聞こえていた地鳴りも、そこを中心に響いていたようだった。

 その音源に立っていたのは、うつむいたまま肩を震わせ立っているメテオだった。

 

「おふざけは……許さない‼︎」

「メテオさん⁉︎」

 

 カッと上げられたメテオの目に、ギラリと危険な光が灯る。

 口をついて出たそのセリフに、ボーボボたちはゾクリと背筋を震わせた。

 

「なぜなら俺はメテオだから‼︎」

 

 聞き覚えのある言葉を叫んだメテオは、そのままボーボボとイザヨとサジタリウスに向かって跳躍し、青く輝く隕石の拳を連射し始めた。

 

 星心大輪拳!!!

「ほあたああああああ!!!」

「ぎゃあああああああ!!!!」

 

 凄まじい力を誇る拳をもろに受け、ボーボボたちはサジタリウスごと大きく吹っ飛ばされてしまう。

 メテオの突然の暴挙に、首領パッチたちはガタガタと震え上がっていた。

 

「ま、まさかあいつ………魚雷先生と同じボケ殺しの生き残りなのか!!?」

「ひぃいい……‼︎ 一人でもヤベーのにとんでもない奴を目覚めさせちまった〜!!!」」

 

 全てのおふざけを敵とみなし、殲滅する最強の種族ボケ殺し。

 なぜか魚雷ガールは登場しなかったが、もし成功していたら最強の存在が二人も現れていたかもしれない。

 縮こまるボケキャラたちに目もくれず、メテオは辛辣な目でサジタリウスを睨みつけた。

 

「全てのおふざけを俺は許さない!!! なぜなら俺はメテオだから!!!!」

 

 吠えるメテオの右腕の周囲に、土星や火星、木星がエネルギーの塊として出現し、回転を始める。

 小規模の銀河を右拳に纏い、メテオは再びボーボボたちに襲いかかった。

 

極悪斬血真拳奥義『銀河無双大戦FOREVER』!!!!

「ぎゃあああああああああああ!!?」 

 

 メテオを中心とした、強烈な惑星軌道の嵐が放たれる。

 ちょっとした宇宙戦争並みの被害をきたし、メテオはボーボボとイザヨ、首領パッチたちごとサジタリウスを滅多打ちにしてしまった。

 

「ボーボボたちも巻き込まれてる―――――!!!」

「やっぱ魚雷の血筋だやることがムチャクチャだ!!!」

 

 仲間であろうとともであろうと、問答無用でボケを殺しにいくメテオに、ビュティとヘッポコ丸が目を剥く。

 姿形は大きく違えど確かに魚雷ガールの同族で、よく今までボケに対して耐えてこられたなと素直に思ってしまった。

 

「く……まさかこれほどとは」

 

 サジタリウスも流石に焦りを見せ、大きく跳躍して距離を稼ぐ。

 何はともあれ、互角かそれ以上の力を持っていた敵がようやく隙を見せ始めていた。

 

「ハッ…‼ 僕は一体何を…」

「よしよくやった! あとは任せろ!」

 

 正気に戻り、辺りを見渡すメテオの後ろからボーボボが告げる。

 そして彼は巨大な戦車に乗り、猛スピードで走り出してサジタリウスに突撃して行った。

 

「鼻毛真拳奥義『突撃・隣のレオパルド』!!!!」

「ぐばはぁ!!?」

「これ完全にさっきの仕返しだ―――!!!」

 

 その途中でメテオも跳ね飛ばされている光景を目にし、あまりの心の狭さにビュティが愕然とする。

 一方でサジタリウスは、膝をつきながらボーボボたちを鋭く睨みつけていた。

 

「く……初めてですよ。この私がここまで追い詰められているなど‼︎」

 

 これほどまで見せていた、見下すような態度は徐々になくなってきている。ボーボボたちを確かな脅威として認識し始めたようだった。

 が、当の本人たちはそんなことなど露知らず、互いにメンチを切り合っていた。

 

「君さっきはよくもやってくれたなこの‼︎」

「ああ⁉︎ テメーにやられた分を返してやっただけだろうが!!!」

「自業自得だ隕石野郎!!!」

「何やってんのさみんな!!? 喧嘩してる場合じゃないでしょ!!?」

 

 メテオ一人をソフトンを除く全員が責めるが、メテオも負けじとうざったそうな視線で罵り返す。

 そんな彼らを見て、イザヨが大きくため息をついた。

 

Hopping On(ホッピング・オン)

「落ち着け」

「ぎゃあああ!!!」

 

 バネのおもちゃのような装備を使ったイザヨが、ものすごい跳躍によって諍い合うボーボボたちを踏み潰す。

 ペラペラになったボーボボたちを見下ろし、イザヨは腰に手を当てて厳しい声で告げた。

 

「誰か一人だけじゃアイツは倒せない。力を合わせなきゃどうにもならないぞ」

「チッ…仕方ねぇ」

「もう少し付き合ってやるよ」

 

 叱られたボーボボたちとメテオは、不機嫌そうにしながらも一理あるとして、渋々にらみ合いをやめてサジタリウスに視線を戻す。

 改めて戦いが始まりかけた時、どこからかか細い声が聞こえてきた。

 

「まだだ…まだ私はやられていないぞ……‼︎」

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