【完結】ボボボーボ・ボーボボ ハジケウォーズ/フォースの覚醒 作:春風駘蕩
聞こえてきた声に、ソフトンがハッと振り向く。
目を向ければ、先ほど地に伏したと思われていたスコーピオンとキャンサーが膝をついているのが見えた。
「ヤツは…! まだ倒せていなかったか!」
スコーピオンたちはボーボボたちを睨みつけ、ブルブルと拳を握りしめて怒りをあらわにしていた。
「クズどもが…‼ こんな所で、またしても敗北するなどぉ……!!!」
「ザコ助が――――‼︎」
「土下座して謝りな‼︎」
這いつくばる二体に対し、首領パッチと天の助、田楽マンがここぞとばかりに煽り倒す。
すると二体は、仁王立ちするサジタリウスの元にすがりついて行った。
「サジタリウス…‼︎ あなたの力を……我々にもう一度チャンスを…!!!」
「この屈辱…倍にして返さねば気が済まないんだよ!!!」
恥も捨てて懇願するスコーピオンらを、サジタリウスはじっと見下ろし、やがてフンと鼻で笑って見せた。
「フフ…いいでしょう、受け取りなさい」
「ぐおおおおおおおおおおお!!!」
足元に跪く二体の怪人に、サジタリウスは片手から星の光のような怪しい光を放ち、怪人たちの身に纏わせていく。
その瞬間、怪人たちの様子が劇的に変わり、凄まじい威圧感を放つようになった。
「「超……新星‼︎」」
二体の怪人たちは、みるみるうちに巨大化し、その外見を凶悪なものに変えていく。
黒い奇妙な光を纏った二体は、ついには戦車並みの大きさを持つ蠍と蟹の化け物へと変貌した。
「「ゴメンナサイ」」
調子に乗っていた首領パッチたちは、即座に三人並んで土下座の体勢に入る。
が、怪物と化したスコーピオンとキャンサーはそんな三人をまとめて踏み潰し、理性を失ったように暴れ出し始めた。
「ぐおおおおおおおおおおお!!!!!」
「うわあああこいつらメチャクチャに暴れ出しやがった‼︎」
慌てて押さえ込もうとしたボーボボたちだったが、暴走したスコーピオンたちの力は凄まじく止めることができない。
手負いの獣と化した二体は、もはやまともな状態ではなかった。
「クソ! メチャクチャ強ぇぞこいつら‼︎」
「…………こうなったら、俺のマブダチの大先輩に応援に来てもらう他にないな‼︎」
「大先輩⁉︎」
距離をとったイザヨがそう告げると、彼女はその場で大きく息を吸い込み始める。
そして天に向かって、溜め込んだ息を一気に声に変換した。
「お―――い‼︎ アマゾン先輩――――――い‼︎」
そこかしこで反射するほど凄まじい声が、あたり一帯に響き渡る。
その声がしばらく反響し続けると、次の瞬間、青空のど真ん中でキラリと光が灯った。
「来た‼︎ アマゾン先輩だ‼︎」
「マジで⁉︎」
かなり原始的な方法で、本当に有力な助っ人を呼ぶことができたのかとビュティが目を剥く。
すると彼女たちの前に、上空から三つの人影が勢いよく降り立った。
何処と無く機械的で野生的な印象を抱かせる外見の、
「……ふしゅるるるる……‼︎」
「バイオレンスな方の
元祖を超える凶悪さで有名な別世界の戦士たちの登場に、ビュティとヘッポコ丸が驚愕と恐怖で悲鳴をあげる。
とても味方とは思えないビジュアルの三体に、イザヨは頼もしげに笑みを浮かべた。
「来てくれたなアマゾン先輩! さぁ、一緒に戦ってくれ‼︎」
「年代的には後輩だぞそいつら⁉︎」
【
「いくぜ‼︎」
天の助のツッコミも聞かなかったことにし、イザヨは両腕両足に武装を展開していく。
特に殺傷能力の高い武器の数々を構え、イザヨは
「コズミック真拳友情奥義『アマゾン・ハザード』!!!」
「ぎゃあああああああああ!!!」
「子供に見せられないR15規制全開のエグすぎる奥義だ―――――!!!!」
イザヨとアマゾンたちの操る刃が、スコーピオンたちの全身を切り刻んで大量の体液を撒き散らさせる。
友情とは名ばかりの超残虐ファイトであった。
「イザヨに続け―――‼︎」
「よし! じゃあオレたちも……」
イザヨ一人に目立たせまい、と一歩引いた所にいたボーボボたちも突撃を始める。
同時に全員が、懐からカラフルな立方体の箱……ルービックキューブを取り出した。
「本能覚醒だ――――!!!」
ルービックキューブをガシャンガシャンと回し、色を合わせると、たちまちボーボボたちにも変化が現れる。
あっという間に、ボーボボたちは牙や爪で武装した異形の集団へと変貌してのけた。
「うおおおおおおおおお!!!!」
「きゃああああああああ!!!!」
かろうじてサングラスやトゲなどの面影が残るだけの異形たちの登場に、流石のビュティもドン引いて叫ぶ。
ボーボボたちはそのまま、アマゾンたちに滅多斬りにされるスコーピオンたちの元に突っ込んで行った。
「鼻毛真拳㊙︎奥義『ばけものフレンズ』!!!!」
「もはやお前らは誰だ―――――!!?」
そこはもう地獄であった。
スコーピオンとキャンサーのハサミが引きちぎられ、叩き割られ、おびただしい量の体液があちこちに四散する。
完全にボーボボたちの方が悪役のような光景が広がっていた。
「すっご〜い! キミは血祭りに上げるのが得意なフレンズなんだね♪」
「そんなフレンズ嫌だよ⁉︎」
美少女アニメのような目になった首領パッチが、微妙に可愛くない声ではしゃぐとすぐにビュティが苦情を入れる。
そうこうしている間にも、アマゾンとボーボボたちはザクザクぶちぶちと大暴れし続けていた。
「いっけー‼︎ やっちまえアマゾンズ‼︎」
調子に乗った天の助が、戦いをサボって煽る声をあげる。
すると唐突にアマゾンたちが動きを止め、三人ともギョロリと天の助の方に振り向いた。
「えっ⁉︎ 何する気⁉︎ 何する気⁉︎」
天の助も異変に気付くが、その時にはすでに周りをぞろぞろと集まってきたアマゾンたちに囲まれてしまっていた。
そして次の瞬間、怪人達の返り血で濡れた刃が天の助に襲いかかるのだった。
「ぎゃああああああああああ⁉︎」
バラバラにされて悲鳴をあげる天の助だったが、やっぱり誰も助けようとはしない。ビュティやヘッポコ丸でさえ、自業自得だと呆れた目を向ける始末であった。
「トドメだ‼︎」
「オウ‼︎」
【LIMIT BREAK】
まだ化け物のままのボーボボに向けてイザヨが告げ、ベルトのレバーをガコンと倒す。
するとイザヨの四肢に備わった凶器が、光を放って一斉に切れ味を増し始めた。
鼻毛コズミック超協力奥義『
「ぎゃあああああああああああああああ!!!!」
三体の獣と怪物の力を纏ったボーボボたちにより、スコーピオンとキャンサーは真っ二つにされて爆発四散してしまう。
爆風に押されたサジタリウスは、忌々しげにボーボボたちを睨みつけた。
「くっ…まさか覚醒したあの二体を…⁉︎」
「よっしゃ―――デカブツ二匹倒したぞ!!!」
「今度こそテメーだけだ―――――!!!」
厄介だった敵が倒されたことで、天の助と田楽マンがまたしても調子に乗り始める。
それが気に障ったのか、サジタリウスは殺気を増しながら目を鋭くした。
「…いいでしょう、ホロスコープスの真の恐ろしさを教えてあげましょう。見なさい…私の『超新星』を」
「あっ! さっきのサソリとカニと同じだ、パワーアップする!!!」
サジタリウスの掌の上に現れる星に似た輝きを見て、ビュティが焦りの声をあげる。
比較的弱かった二体があれほど困難だったのに、サジタリウスが強化されて仕舞えば一体どれだけの脅威となるのだろうか。
「したきゃ勝手にしろ。どのみちテメーらはぶっ潰してこの先に進む」
しかしボーボボもイザヨも、そして仲間たちの誰も狼狽する様子など見せなかった。
勇ましく告げるボーボボの前で、サジタリウスは射手座の形に光を放ち、その身に纏った。
「超…………新星!!!!」
サジタリウスの体にヒビが入り、内側から全く印象の異なる姿が現れる。
真紅の体に黒い角を生やした、悪魔か宇宙人のような姿に変貌したサジタリウスは、とてつもない威圧感を放ちながらボーボボたちを見据えた。
「誇るがいい……君たちはこれから、決して私には勝てないのだという心理を目の当たりにできるのだから」
ビリビリと大気が震えるような覇気が、ビュティたちに襲いかかる。
しかしこの男たちは、一歩たりとも引こうとはしていなかった。
「フン。大したことねぇな」
「何ですと…⁉︎」
「テメーじゃしょせん本物には程遠いってこった」
馬鹿にされ、怒りをオーラとして噴出させるサジタリウスに、ボーボボとイザヨは不敵な笑みを浮かべて、拳を鳴らした。
「ならば見せてやろう」
「鼻毛と宇宙の力、その真髄をな」
ファイヤーステイツのままで、右腕を他のモジュールには変えられないだろうとは思いますが、映画でコズミックステイツのままロケット使ってたんで使えることにしました(笑)。