【完結】ボボボーボ・ボーボボ ハジケウォーズ/フォースの覚醒   作:春風駘蕩

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ウィルスの馬鹿野郎!!!


第三章 真・敵・降・臨
奥義21:さらば地球よ…


 漆黒の世界を、銀色の船が光の軌跡を描きながら進む。

 その中に集った、地球の命運を背負った戦士たちは、ようやく一旦肩の力を抜くことができた。

 

「な、何とかここまで来れたね……」

「ああ。でもロケットの中って、意外と窮屈なんだな」

 

 思わぬアクシデントに見舞われたが過ぎたことと割り切り、乗り込んだ乗り物の内部を見渡して、ヘッポコ丸が呟いた。

 外から見ると結構大きく思えたが、エンジンや耐久性を考えるとなかは狭くなってしまうらしい。

 

「いや……オレたちには十分な広さだ」

 

 だが、ボーボボは不敵な笑みを浮かべてそれを否定する。

 乗り合わせた仲間たち全員で、様々なスポーツ競技を競い合いながら。

 

「オリンピックを開くには!!!」

「いや無理だよ狭すぎるよ!!! ソフトンさんまで

 

 陸上やら卓球やら水泳やら、とにかく手当たり次第に手を出したような、全く統一感のない格好のボーボボたちがドタバタガシャーンと狭い船内で暴れまわる。

 常識人であるはずのソフトンまでもが参加しているのが地味にショックだった。

 

「第一の競技『田楽飛ばし』!!!」

「ぎゃあ‼」

「第二競技『メテオ投げ』!!!」

「ぐばっ!!?」

 

 そして案の定、競技とは言葉ばかりの仲間への過剰などつきあいに発展してしまい、収集がつかなくなっていく。早くもロケットが保つかどうか不安になるレベルだった。

 しかしやった側もやられた側も全く気にせず、日の丸の旗を振り回して大騒ぎするのだった。

 

「日本ガンバレ――――――!!!!」

「こんな応援絶対イヤだよ!!」

 

 ボロボロになりながらも、世界一を目指して戦う選手たちのために、2020と書かれた旗を振り回して叫ぶボーボボたち。

 しかしこんな応援ならば、正直選手たちも迷惑だろうとビュティは思った。

 

「気合いだ気合いだ気合いだ―――!!!」

「チョーキモチイ――――!!!」

「ぎゃあああああ!!?」

「古いよ‼」

「…ん?」

 

 調子に乗った首領パッチや田楽マンが、どこかで見たことのある格好ではしゃぎまくる中、ふと天の助が窓の外を見る。

 

「おい! あれを見ろ!」

 

 声を上げた彼に反応し、ボーボボたちも慌てて窓に張り付き、ロケットの前方に見える巨大な影に目を見張った。

 

「あれが衛星兵器『XVⅡ(エックスブイツー)』だ!!!」

 

 それは、まさに圧巻の光景だった。

 立方体に近い鉄の塊に、翼のようなソーラーパネルが大きく広がり、鈍色の輝きを反射している。

 その巨大さたるや、小さな惑星と見間違えたほどだ。

 

「で、でかい……あれが本当に衛星なのか……?」

「まるで一つの都市みたい………」

「えー、間もなくー、XVⅡ-、XVⅡでー、ございまーす」

 

 戦慄の表情で固まるビュティたちのそばで、なぜか車掌の格好になった首領パッチが放送でふざける。

 

「お降りの方はー、お忘れ物のー、ございませんよー、ご注意ー、くださ……」

 

 妙に間延びした声に加え、イラっとくるやる気のなさそうな顔で、首領パッチが放送を続けていたときだった。

 XVⅡの表面のあちこちに生えた機関銃がゆっくりと動き、ロケットに向けて無数の砲撃を開始したのだ。

 

「ぎゃああああああメチャクチャ撃ってきた―――――!!!!」

 

 とんでもない大きさと熱が一気にロケットに襲いかかり、ボーボボたちは悲鳴をあげて狼狽する。

 自動操縦のために回避できず、このままではいずれ撃墜されることは明らかだ。

 

「ヤロウ、どうしても俺たちを中に入れないつもりだな⁉」

「上等だ‼ なにがなんでも強行突破してやるぜ‼ 鼻毛真拳奥義―――」

 

 手厚い歓迎に、俄然やる気を出したボーボボが何やらロケットのスイッチを押す。

 すると、突如ロケットの前方に一門の砲台が展開し、弾を装填してすぐさま発射してみせた。

 

『迎撃☆バカミサイル発射』!!!!

「ボーボボてめ―――――!!!」

「案の定矢面に立たされた!!!」

 

 砲弾の代わりに発射された首領パッチが、涙目で叫びながらXVⅡに向かって飛ばされていく。

 向かってくる砲弾や宇宙空間に放り出される恐怖に苛まれながら、首領パッチはXVⅡを睨みつけた。

 

「うわああああちくしょおおおお!!! やったらあああああ!!!」

 

 覚悟を決めた首領パッチは、目前に迫る砲弾の雨に向けて拳を構える。

 一発でも食らえば即死もののそれに向けて、首領パッチは修羅の形相で渾身の拳を連続で放った。

 

『オヤビン・ヤケクソラッシュ』!!!

「パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!」

「スゲ――――‼ 全部撃ち落とした―――!!!」

 

 向かってくる砲弾のことごとくを、首領パッチの拳の連打が相殺していく。

 首領パッチに庇われる位置にあったロケットは、その間に一発も被弾することなく進むことができた。

 

「よし、このまま突っ込むぞ!」

「ぎゃああああ俺まだ外にいるんすけど――――!!!」

 

 いまが好機と、ボーボボがしれっとロケットのブースターを加速させてロケットを進める。

 命がけで頑張った首領パッチを顧みることなく、ロケットはXVⅡの一角に向かって猛スピードで突っ込んでいった。

 

「ダイナミックお邪魔します!!!!」

「ぎゃらぱああああああ!!!!」

 

 ボーボボたちを乗せたロケットは鋼鉄の壁を突き破り、思いっきり首領パッチを撥ね飛ばして突入を成功させる。

 だが勢いが強すぎたのか、内部の空間に入ったロケットはものすごい速さで地面を滑っていった。

 

「ヤバイ! 速度を殺しきれない! このままだと壁に激突するぞ‼︎」

「俺に任せろ!」

Aero On(エアロ・オン)

 

 焦るヘッポコ丸に、イザヨが左脚に吸引機のような装備を装着する。

 それを使い、大量の空気を吸い込ませると、イザヨはそれを天の助の口の中に突っ込んだ。

 

「コズミック真拳奥義『ライダーセルフエアクッション』!!!」

「ふごふごふご!!?」

 

 大量の空気を一気に吹き込まれ、天の助の体が風船のように膨れ上がっていく。

 発動した協力奥義はロケットの勢いを大きく削ぐことに成功したが、その代償はあまりに大きかった。

 

 パーン!!!

「ダメだった―――!!!」

 

 過剰な圧力が加わったせいで、哀れにも天の助は破裂してバラバラの破片になってしまう。

 仲間たちのあまりにも悲しい最期に、ボーボボとイザヨが号泣しながら思わず絶叫した。

 

「首領パッチぃぃ―――‼︎ 天の助ぇぇ―――‼︎」

「いったい誰にやられたんだ―――‼︎」

「「お前ら」」

 

 ボロボロになった二人は、いけしゃあしゃあと心配するボーボボたちに、ビュティが微妙な表情を浮かべる。

 するとボーボボとイザヨは、ボロ雑巾のようになってしまった首領パッチたちを思いっきりXVⅡの外に蹴り飛ばしてしまった。

 

「証拠隠滅‼︎」

「うわあああ二人とも―――!!!」

 

 懸命に頑張った二人が、文字通り宇宙の藻屑となってしまったことでビュティが悲鳴をあげる。

 が、それに対して首領パッチたちが全く気にしてない様子で反応を返した。

 

「何?」

「え? あれ⁉︎ じゃあさっきのは⁉︎」

 

 いま先ほど蹴り飛ばされていた当の本人たちが、逆に訝しげに見つめてくる光景に軽くめまいがする。

 そんなやりとりを横目に、ボーボボはロケットを降り、広がる闇の空間を鋭く見据えるのだった。

 

「とにかくこれで、XVⅡに突入できたぜ‼︎」

「いや突入ってこう言う意味で⁉︎」

 

 あまりに無茶苦茶な行動に、慣れたと自負していたビュティも流石に叫ばざるを得なかったのだった。




このネタを合わせたくて2020年に投稿しようって決めたのに…。
とにかくなるべく犠牲者が増えることのないよう気をつけつつ、早く事態が収束することを願います。
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