【完結】ボボボーボ・ボーボボ ハジケウォーズ/フォースの覚醒   作:春風駘蕩

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奥義22:スゴイ・セカイ・ヤバイ!

 壁の残骸が散らばる中を、ボーボボ達は進んでいく。

 しかし歩けど歩けど、周囲の景色は殺風景な鉄の壁から変わることはなかった。

 

「衛星の中って初めて見たけど………やっぱり機械がたくさんなんだね」

「こいつをブッ壊すのは相当手間だぜ?」

「だから散々作戦を立ててきたんだろうが。ここまできたんならしっかり働け」

 

 あちこち見渡してみると、用途のよくわからない様々な機械がいくつも繋がっている。ボーボボ達では検討もつかない規模だ。

 

「そもそもよ、宇宙鉄人共は何者なんだよ。ナントカ連邦ってところで作られたのは知ってるけど、なんで裏切って人類抹殺しようとしてんだ?」

「どうやら……開発の途中の段階で自我が芽生え、暴走したらしい」

 

 疑問を投げかける天の助に、メテオが説明する。

 OSTOLegacyから聞いた情報は全員に伝えれたが、ちゃんと理解しているのはメンバーのうち半分だけだった。

 

「開発者はブリンク博士という科学者だったそうだが、覚醒した宇宙鉄人によって殺害されたらしく詳しい情報は手に入らなかった。ただ一つ言えるのは……奴らもまた、とてつもない力を有しているということだ」

「油断は禁物、ということか」

 

 ソフトンが噛みしめるように言うと、ビュティとヘッポコ丸も息を飲む。

 するとそのすぐ後ろで、天の助がところてんセットを手渡す練習を繰り返していた。

 

「よし‼︎ ならオレも気合い入れて頑張らないとな‼︎ お願いします‼︎ どうかこれでお願いします!!!」

「いきなりコビ売りの練習してる!!!」

「裏切りっていけないこと?」

「ダメに決まってるでしょ!!!」

 

 なぜか女装する田楽マンにもツッコむが、もはやいつものことであるためにそれ以上は何も言わない。

 そこで、全員が緊張していることを察し、ボーボボが全員に声をかけた。

 

「よし‼︎ 開戦の合図だ、恒例のアレやるぞ‼︎」

「え? アレって?」

 

 訝しげに振り向くビュティの前で、ボーボボは中腰になる。

 そしてビュティを除く全員が一斉に集まって、ボーボボとともにスクラムを組んだ。

 

「打倒宇宙鉄人!!!!」

「初めてやったよこんなの!!! 宇宙鉄人自体初対面だし」

 

 いつの間にかラグビー選手の格好になった彼らが、ONE TEAM(ワンチーム)の精神を高め合う。

 そしてボーボボが鼻毛を伸ばし、乗ってきたロケットに巻きつかせると、スイッチを押したイザヨにも鼻毛を結びつけた。

 

【Rocket On】

「いくぜオラ―――!!!」

 

 ロケットの武装を腕につけたイザヨが発進し、とんでもないスピードでXVⅡの内部を突き進む。

 が、爆走するロケットの後ろではとんでもないことになっていた。

 

「ぎゃああああああ特等席――――!!!」

「きゃあああいつも通り雑な扱いされてる――――!!!」 

 

 縄をくくりつけられた首領パッチと天の助、田楽マンがまたしても拷問のごとく引きずられていた。相変わらずの酷い対応である。

 

「首領パッチ――‼︎ 天の助――‼︎ 大丈夫か――⁉︎」

 

 流石にヘッポコ丸が三人の心配をし、大きな声で呼びかける。

 が、当の三人はなぜかファーストクラスの席についているかのような落ち着きぶりを見せていた。

 

「ほーら、おっぱいの時間でちゅよ〜♡」

「今日の記事は…と」

(またくつろいでる―――――!!?)

 

 それぞれ引きずられながら、優雅にコーヒーを飲みながら新聞を飲んだり子守をしたり、全く堪えている様子がなかった。

 そのうち、闇の中を突き進んでいたロケットの前方から光が差し込み始めた。

 

「見えてきたぞ! XVⅡのメインエリアだ‼︎」

 

 イザヨが叫ぶと、ロケットはついに眩しい光の下に飛び出す。

 そこに広がっていたのは、無数の巨大なビルのようなものが立ち並ぶ、近未来的な大空間だった。

 

「スゲ―――‼︎ 外から見てもむちゃくちゃデカかったけど、中もめっちゃ未来的な都市が広がってた―――!!!」

「ウッヒャ――楽しそうなとこだな――オラ、ワクワクしてきたぞ!」

 

 戦慄で目を大きく見開く天の助の横で、どこぞの戦闘民族の顔になった首領パッチが歓声をあげる。

 他の面々も同じかそれ以上に、XVⅡの内部に広がる異様な光景に目を奪われていた。

 

「あの都市みたいな場所って……?」

「おそらくは研究施設だ。アリシア連邦は最強の衛星兵器XVⅡという最も安全な場所で武器の研究・開発に取り組む気だったんだろう」

「胸くそ悪いぜ…‼︎」

 

 これほど巨大な施設ならば、相当強力な武器が作られたことだろう。それが戦争に使われようものなら、引き起こされる惨劇の凄まじさは想像もできない。

 だがそんな中、ビュティだけが違和感を抱いていた。

 

(それにしてはなんだろう……軍事施設っぽくないような)

 

 メテオを疑うつもりはなく、機械に詳しいわけでもない。

 しかしビュティにはなぜか、周囲の施設の数々が兵器開発などと言う悪意に満ちた代物には思えなかったのだ。

 ただ一人首を傾げていた、その時だった。

 

 ビーッ! ビーッ!

 

 その時、あたりにけたたましい警報音が鳴り響き、イザヨがとっさにロケットを逆噴射させて急停止した。

 

《侵入者、発見‼︎ 侵入者、発見‼︎》

《直チニ排除シマス‼︎》

「な、何⁉︎ 何なの⁉︎」

「こいつらは…XVⅡの警備システムか⁉︎」

 

 慌ててロケットの外に飛び出したすと、突如無数の丸い形状のロボット達が現れ、ボーボボ達を包囲する。

 赤くランプを点滅させるその姿は、明らかに友好的には見えなかった。

 

「オレに任せろ…」

「イザヨ…!」

 

 戦闘体制に入ろうとした仲間達を制し、イザヨが自信に満ちた表情で前に出る。

 イザヨはロボット達の前で膝をつき、慈愛に満ちた微笑みを見せながら手を差し出した。

 

「大丈夫……怖くない」

「ナウシカ⁉︎」

 

 ロボット相手に、母性で説得するつもりらしいスケバンに彼女以外がツッコミを入れる。

 案の定、ロボット達はイザヨに向けて、ガシャンッと一斉に銃口を突きつけた。

 

「怖くなおわあああああああ!!!」

「ぎゃああ何してんだテメー!!!」

「予想通りの結果が待ってた‼︎」

 

 とっさにイザヨが避けたために、ロボット達の放った銃弾が後ろにいた首領パッチ達に襲いかかる。

 ボーボボ達はすぐさまロケットを盾にし、苦々しい表情になった。

 

「くっ…! やはり一筋縄ではいかんか‼︎」

 

 あれだけ派手な登場をしたのだから、向こうも迎撃体制に入っていてもおかしくない。

 ハジケリスト達に忍べなど、最初から無理な注文だったのだ。

 

「ならば当初の作戦通り行くしかない‼︎ ソフトン!!!」

「わかった」

「ボーボボ‼︎」

 

 ボーボボに言われ、ソフトンはビュティを抱えて銃弾の雨の中を突っ切る。

 イザヨはそれをかばいながら、新たなスイッチを入れた。

 

「じゃあなお前ら‼︎ あとで合流だ‼︎」

Smoke On(スモーク・オン)

 

 イザヨの片足についた噴煙装置により、真っ白な煙があたりに蔓延し視界を遮る。ロボット達のセンサーにも有効だったようで、突然の自体に動きがピタリと止まった。

 

「じゃあ僕達も別の場所へ…」

「ウンコウンコー‼︎」

「お前たちには仕事がある…」

「「‼︎」」

 

 これ幸いと逃亡しようとした首領パッチと天の助は、後ろからがっしりと頭を掴まれて目を見開く。

 ボーボボは固まった二人を、思いっきりロボット達の方へと投げ飛ばした。

 

「囮だ――!!!」

「こんな役ばっかり―――――!!!!」

 

 あまりの理不尽さに絶叫する二人だが、ロボット達はそんな悲しみなど汲んではくれない。

 わざわざ姿を現した敵を、ロボットは総出で追いかけ始めた。

 

「ぎゃああああああ!!!」

「メチャクチャ来た―――!!!」

 

 悲鳴をあげながら逃げ回る二人は、囮にふさわしい働きを見せる。

 そんな二人にさっさと背を向け、ボーボボはともについてきたヘッポコ丸に向き直った。

 

「あっちはバカどもに任せて、先へ行くぞ」

「はい!」

 

 仲間に対してひどくドライな作戦にツッコミを入れないあたり、常識人であるはずの彼もかなり染まりつつあった。

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