【完結】ボボボーボ・ボーボボ ハジケウォーズ/フォースの覚醒 作:春風駘蕩
『たかが人間ごときが……この超銀河王に勝てると思っているのか!!!』
「バカが‼︎ このオレを差し置いて王なんて名乗ってんじゃねぇ!!!」
「もしもしピザ屋か。MIXピザ1つ!!! チーズ、多めで頼む」
凄まじい覇気を放ちながら、ボーボボと超銀河王が睨み合う。
すぐそばで首領パッチが電話をかけているのも無視し、それぞれで全身に力をみなぎらせていった。
『ならば見せてやろう。王の力をな!』
超銀河王の両目が赤く輝き、力が目に見えるオーラとなってあたりに広がる。
しかし危険な予感をもたらされながらも、ボーボボたちは一歩も引こうとはしなかった。
「かかってこいやぁ!!!」
威勢良く首領パッチが吠えた直後、超銀河王の姿が突如消失する。
それを理解するよりも先に、ボーボボたちは謎の衝撃を受けて大きく吹き飛ばされた。
「ごばぁ!!?」
「なに⁉︎ ぐわああああ!!!」
何が起こっているのかもわからないまま、ボーボボと首領パッチたちは血反吐を吐いて地面を転がる。
イザヨは忌々しげに顔を歪めると、体を起こして超銀河王を睨みつけた。
「ボーボボさん! イザヨさん!」
「くっそ…時間停止能力は健在かよ!」
「厄介な能力持ちのようだな!」
とてつもない速さかと思えば、時間を止めて攻撃してきたのだと聞かされてボーボボは眉間にシワを寄せる。
イザヨは少し考えると、新たなスイッチを取り出して立ち上がった。
「ならこっちも搦め手で行くぜ!」
【
イザヨの片足にピンク色の網が装着され、イザヨはそれを携えて走り出す。
その後を、麦わら帽と虫かごを持った田舎の子供の格好になったボーボボが続いた。
「虫捕りじゃああああ!!!」
「奥義『純情夏休みボーイズ』!!!」
能力を使われる前に捕らえるつもりか、別々の方向からボーボボとイザヨが突撃していく。
だがそんな二人の前に、左右から巨大な異形が口を開けて襲いかかった。
爆竜砲!!!
「ごべらあああ!!?」
とんでもない威力の火炎に包まれ、ボーボボたちは火だるまになって地面を転がる。
黒焦げになったボーボボたちを見下ろし、超銀河王は見下すように笑みをこぼした。
『銀河の王たるこの私に……死角などあるはずがないだろう?』
「ヤベェ…こいつら強ぇぞ!!!」
「あれ? 天の助は?」
首領パッチが慌てる中、ヘッポコ丸は仲間が一人見当たらなくなっていることに気づく。
見れば、いつの間にか天の助が超銀河王の元に擦り寄り、肩を揉んで媚を売っていた。
「さすが銀河王様♪ もはや奴らなど敵ではありませんな!」
「早速寝返ってる!!!」
『邪魔だ下等生物が!!!』
「あばあ!!?」
しかし超銀河王には微塵も通じず、鬱陶しそうに振るわれた腕で粉々にされる。自業自得だがあまりにも哀れだった。
「ボボ兄‼︎ やつは時間をかけると自分の能力を進化させる‼︎ 短時間で決着をつける必要があるぞ‼︎」
「そうか…ならばこちらも高速での戦闘が必要だな」
やや焦りを見せるイザヨに、ボーボボは険しい表情で何かを考え込む。何か策があるような反応だった。
『フン…! 貴様ごときが私に追いつくことなど不可能だ‼︎』
超銀河王は、自分よりも劣る存在が策を講じようとする姿が滑稽に見えるらしく、見下した態度を崩そうともしない。
その姿に、ボーボボは怒りでサングラスをギラリと輝かせて顔をあげた。
「やってみなきゃわかんねーだろ――――が!!!」
「うわああああなんだこの乗り物!!?」
頭以外が奇妙な形の車になったボーボボを前にし、ヘッポコ丸が絶叫する。
するとボーボボは、後ろに搭載されたブースターを起動させ、見た目に似合わぬ超高速移動を成し遂げてみせた。
「鼻毛真拳超速奥義『ボクセルワールド』!!!!」
音速さえも超えたボーボボが、空間の中を縦横無尽に走り回る。
もう目でも負えないほどに加速する彼を、やはり超銀河王は見下した目で見やっていた。
『バカめ…! その程度の加速で私に追いつけるわけがあるか!』
さっさと片付けてしまおう、と時間を止める能力を行使しようと手を伸ばした時だった。
「ゴキブリ駆除ザマス――――!!!!」
『ぐわあああああああ!!!!』
なぜかマダムの格好になったボーボボが放った、無数のゴキブリホイホイの雨により超銀河王の体は押しつぶされる。
突然のことに、能力を使う暇さえなかったようだ。
「それほど自由には使えないみたいだな」
イザヨが気づき、作戦を考え込みながら呟くと、ゴキブリホイホイの山の中から這い出した超銀河王が膝をつく。
そして突如、不気味に笑い始めた。
『クッ…フフフ…! この程度か。人間よ、私が言ったことを忘れてはいまいな』
「MIXピザのことか―――!!!!」
『ぐおっ!!!』
戦いの主導を握る不穏な雰囲気を醸し出そうとしていたが、いきなり背後からバイクに乗った首領パッチに吹っ飛ばされそれも叶わない。
流れを遠慮なくぶった切った首領パッチは、勝手に一人二役でコントを始めた。
「すいません奥さん遅くなって‼︎ いいのよ‼︎ てっきり忘れちゃったのかと思ってたわ!」
「消えろゴミが!!!」
「ぎょえー!!!」
話のオチにも届かず、首領パッチは激昂した超銀河王によって殴り飛ばされる。
しかしそれは、超銀河王に致命的な隙を作らせていた。
「今だ‼︎ 星心大輪拳奥義『流星連弾』!!!」
『ぐあああああ!!!』
メテオの放った、青く燃える隕石のような連撃により、超銀河王はうめき声をあげて後退させられる。
地面を滑り、見下していたはずの超銀河王はボーボボたちを凝視し始めた。
『ば…バカな! この私が……再び下等生物ごときに一方的に…!!?」
思わぬ反撃を受け続けることに、超銀河王は驚愕を隠しきれない。
主人の窮地を救おうと、サドンダスたちがボーボボ達に迫るが、その前に新たなスイッチを用意したイザヨが立ちはだかった。
「ゴアアアアアアアア!!!」
「テメェの相手はこっちだ‼︎」
【
「いくぜ、首領パッチ‼︎ 天の助‼︎」
「え!!? オレ達も!!?」
左足にスクリューを装着したイザヨが、首領パッチと天の助をつかんで水中に飛び込む。
そして水中から、サドンダスの片割れを狙って首領パッチ達を蹴り飛ばした。
「コズミック真剣奥義『ぐらんぶるぅいんぱくと』!!!」
「ぎゃあああああとばっちり――!!!!」
「グギャアアアア!!!」
魚雷のように発射された二人は、異形の腹に激突して吹っ飛ばす。
龍のような巨体が血を吐いて宙を舞うと、それを目の当たりにしたもう一体の目に怒りの火が灯った。
「ダスダス‼︎ 兄弟の仇ダス‼︎」
「てめーにはこれだ‼︎」
【Rocket s•s•s•super】
ざばっと水中から飛び出したイザヨは、また新たなスイッチをベルトに取り付けて発動させる。
その直後、イザヨの全身をオレンジ色の光が覆い、その姿をあっという間に変えさせた。
【Rocket On】
全身がオレンジ色に染まり、両目が青く輝く。
そして両手に備わったロケット型の装備が、猛烈な火炎を吐いてイザヨを急速に加速させた。
「コズミック真拳超超奥義『ライダーきりもみクラッシャー』!!!!」
「ダスゥゥゥ―――!!!!」
ロケットの加速に加え、自らがドリルのように回転することで生み出された破壊力が、サドンダスを勢いよく吹き飛ばす。
ザブン、と水中に沈んでいく異形達を見下ろし、ボーボボ達は勇ましい表情で敵を睨みつけた。
「どうだ! まだ力の差がわからないか⁉︎ 超銀河王!!!」
『…………あまりふざけるのも大概にしろよ、下等生物ども…!!!」
これだけやられても、超銀河王の傲慢な態度に変化はない。
それどころか、思わぬ醜態を晒されたことでさらなる怒りを募らせていた。
「後悔するがいい…‼︎ この私を怒らせたことをな!!!」
超銀河王の目が、先ほどよりも強く眩しく輝きを放つ。
何か得体の知れない変化が起こり始めている、そう直感したボーボボとイザヨが再び身構えた、そのときだった。
「おふざけは許さない――――――!!!」
「ぬおっ!!?」
突然、ボーボボ達の目の前の地面がぶち抜かれ、鋼鉄の何かが叫びながら派手に侵入してくる。
その姿を目にしたボーボボ達は、恐怖と絶望に彩られた顔で凍りついた。
「なぜなら私は魚雷だから!!!」
「めんどくさいタイミングで魚雷が登場してキタ――――!!!!!」
この世のおふざけの全てを滅ぼす、伝説の種族の最後の末裔。
ジャンプのインフレさえ凌駕する最強の女が、予想外のタイミングで登場してしまった。
(次回は…!!! 地獄だ!!!!)
ボーボボ達の脳裏に浮かんだのは、避けられぬ悲劇の予感だけだった。