【完結】ボボボーボ・ボーボボ ハジケウォーズ/フォースの覚醒 作:春風駘蕩
スタッと軽々と、天井をぶち破ってきた少女が降り立つ。
金属的なセーラー服を纏った少女に、ヘッポコ丸たちは目を丸くして立ち尽くしていた。
「あれは……」
「あいつはなでしこ。宇宙の生命体で……前に一緒に戦ったことがあるんだ」
現れた少女についてイザヨが紹介する。かくいう彼女も、なでしこと呼ばれた少女がこの場にいることに、驚愕を隠しきれていないようだった。
「お前、宇宙中に旅に出てたんじゃなかったのかよ⁉︎」
「えへへ、イザヨが大変だって知って、彗星にくっついて近くまでよってきたの」
詰め寄るイザヨに、なでしこは悪戯っぽい笑みを浮かべて応える。
その横に魚雷ガールが歩み寄ると、なでしこは誇らしげに彼女と固く握手を交わした。
「そしたら魚雷さんと会って、仲良くなったから一緒に来たの!」
「なかなか見所のある娘ギョラ」
「なぜよりにもよって…‼︎」
妙に登場が遅いと思ったら、番外でそんな出逢いを果たしていたのかとヘッポコ丸が戦慄の表情を浮かべた。
だがそんな和気藹々とした雰囲気は、空気を読まない異形の声によって遮られてしまった。
『…おのれ次カラ次へト…‼︎ たかガ小娘、王たるワタシを足蹴にすルトハ無作法な…‼︎』
「ん〜? 何あの変な奴」
声を荒げて怒鳴る超銀河王に、振り向いたなでしこが訝しげな目を向ける。
イザヨはそんな彼女に、フンと鼻息荒く言ってのけた。
「あれが今のオレの敵だ。そんでこのデカイ宇宙船は、人類抹殺を狙ってるとんでもない奴だ」
「へぇ…なるほどね」
自分がぶち抜いてきた穴を見上げ、さらに辺りの機械の山を見渡し、なでしこが何度もうなずく。
その目が再び超銀河王に向けられた時、なでしこは好戦的な笑みを浮かべていた。
「だったら、早いとこぶっ潰さないとね!」
「おうよ!」
にやりと笑みを浮かべるイザヨとなでしこの隣に、ボーボボたちも並び立つ。
しかし、いざ再戦の時だとボーボボたちが気合いを高めていた時、突如すさまじい震動と轟音がどこからか響き渡ってきた。
「何事だ⁉︎」
「もう爆弾が爆発したのか!!?」
明らかな異常事態に、天の助とメテオがハッと振り向く。
そんな二人や、右往左往し始める首領パッチの耳に、超銀河王から耳障りな笑い声が届けられた。
『クククク………お前達ノ仲間も、今頃ハタだでは済まなイダロウな』
「何⁉︎ どういうことだ⁉︎」
『知れタコと………ここハ巨大要塞XVⅡの内部、つまリハ兵器の中‼︎ 豆粒ノヨうナ下等種族の数匹、どうトデモデきるに決まっテイよう‼︎』
超銀河王が何を言わんとしたのか察したのか、ボーボボが表情を変える。
まさかあの爆発は、仲間が作戦に成功したのではなく、返り討ちになってしまった音なのかと、嫌な予感を覚えてしまった。
「ビュティ‼︎ ソフトン‼︎ あとついでに田楽」
「おいおいヤベーんじゃねーのか!!?」
哄笑を上げる超銀河王、その余裕の態度に気圧されたのか、首領パッチが頭を抱えだす。
キッと眉間にしわを寄せたボーボボは、急いで仲間達の方へ振り向いた。
「ビュティとソフトンが気がかりだ‼︎ コイツを速攻で倒してXVⅡをブッ潰すぞ‼︎『
「待ってました――!!!」
ボーボボの号令に、いち早く首領パッチと天の助が反応する。
カパッとボーボボがアフロを開き、スタンバイする姿を見た超銀河王は、その手に凶悪なオーラを纏って走り出した。
『何ヲスる気かは知ランが…………さセルト思うか⁉︎』
「邪魔はさせない‼︎」
「私の生徒に手は出させないギョラ‼」
何かの準備を始めるボーボボを狙い、接近してくる超銀河王の前になでしこと魚雷ガールが飛び出す。
なでしこは右腕にロケット型の籠手を、魚雷ガールはエンジンを点火させ、超銀河王に向かって突撃していった。
「ライダーロケットパーンチ!!!」
「魚雷往くところ乱あり―――!!!」
『小癪な‼︎』
凄まじいオーラを放った超銀河王は、二人の突撃をたやすく防ぎ、弾き飛ばす。
しかしそれでもなでしこと魚雷ガールは止まらず、向かってこようとする超銀河王を押しとどめ続けていた。
「なでしこが時間を稼いでる間にパワーアップを終わらせるぞ‼︎」
「わかった!」
二人の懸命の援護を見て、イザヨとメテオが互いに頷き合う。
その後ろでボーボボは、首領パッチと天の助をアフロの中に納めていた。
「鼻毛と♪ バカを♪」
笑顔のボーボボのアフロの中で、ファンシーな顔になった首領パッチと天の助がはしゃぐ姿を見せる。
しかしアフロが閉じられ、二人が中に入った時、ボーボボのサングラスがギラリと妖しく光を放った。
「レッツ・ラ・まぜまぜ――――――!!!」
「ぎゃあああああああああ!!?」
「うわあああ首領パッチ天の助―――!!!」
突然ボーボボのアフロがガタガタと震えだし、二人の絶叫がこだまする。
隙間からオレンジと水色の液体が漏れ出す光景に、ヘッポコ丸は大きく目を見開いて固まっていた。
その直後、ボーボボの全身から凄まじいエネルギーが放出され出した。
「三強融合だ―――――!!!!」
鼻毛、バカ、ところてん。三つの力を融合させ、ボーボボは全く別の存在へと変化を開始する。
それを見たイザヨとメテオも、自身のパワーアップにやる気を漲らせた。
「オレも行くぜ‼︎」
イザヨは一本の奇妙な携帯電話を取り出すと、開いて左右に引っ張り、分解する。
そして、それぞれの先端部分をベルトの両端に装着して、スイッチを押した。
【
電子音声が鳴り響き、イザヨの周囲で磁力が発生する。そして、イザヨの両側に磁石の形の幻影が浮かびあがる。
その横で、メテオは金色の渦のような装飾のついた大きなスイッチを取り出し、ベルトに装着する。
【
そんな声が響き渡ると、メテオは装飾を回し、凄まじい嵐を生み出させる。
融合と磁力と嵐、三つの種類のエネルギーが吹き荒れ、戦士達が集う空間をビリビリと震動させる。
その風が止んだ時、戦士たちの姿はまるっきり別物のように変化していた。
「―――融合完了」
「ジャジャーン‼︎」
「オレの
中央には、黒い派手な鎧を纏った美男子。右には、大砲を両肩に備えたロボットのような格好のイザヨ。左には、金色の肩当と仮面を纏ったメテオが立ち、超銀河王を睨みつけていた。
驚愕の視線を向ける超銀河王に、冷酷な目を向けた黒い鎧の男、ボーボボと首領パッチと天の助が一体となった融合戦士が口を開いた。
「オレ様の名はボボパッチの助。この姿でいられるのは1分が限界なんでな、さっさとケリをつけるぞ愚民共」
『ふざケルなよ下等生物が!!!!』
見下すように告げるボボパッチの助に、激昂した超銀河王が吠える。
さらにその構図を見たヘッポコ丸が、なぜか眼鏡をかけてマイクを握り始めた。
「出た‼︎ 三強融合戦士ボボパッチの助‼︎ 超電磁の戦士マグネットステイツ‼ 宇宙嵐の使い手メテオストーム‼ 進化した超銀河王に立ち向かえるのか…!!? 三人の協力が鍵だ‼︎」
「いきなり何!!?」
突然解説を始めたヘッポコ丸に、退避したなでしこが目を剥く。バトルになると変貌するバトルオタクに、なでしこは戸惑わされるばかりだった。
そんな彼らを放置し、ボボパッチの助が背中に備えた剣、田中ソードを引き抜き、一気に駆け出した。
田中斬り!!!!
『ぐおおおお!!?』
先端に謎の人の顔がついた剣による一撃が決まり、超銀河王が血反吐を吐く。
だが衝撃で多少後退ったものの、さしたるダメージを受けた様子はなく、超銀河王は余裕の笑い声をこぼした。
『ク、ククククク‼︎ この程度カ⁉︎ やはリ私を倒スコとは不可能のヨウだな!!!』
「黙れ。さっさとケリをつけると言ったはずだ。これから先は……その頑丈さが仇になるぞ」
渾身の一撃を虚仮にされても、ボボパッチの助に怒りを抱いた様子はない。
ただただ冷酷に、自分の目の前の敵を討ち取ることだけを考えていた。
「いくぞ究極奥義、マ・ジ・デ!!?」
その目がカッと見開かれ、キレのある奇妙なポーズが取られる。
それと同時に、とんでもないエネルギーが放出され、ボボパッチの助の周囲の空間を大きく歪め始めた。
「
次の瞬間、ボボパッチの助たちと超銀河王は、広大な宇宙空間のド真ん中に立たされていた。