【完結】ボボボーボ・ボーボボ ハジケウォーズ/フォースの覚醒 作:春風駘蕩
突如として広がった、謎の宇宙空間。
それを目の当たりにした超銀河王は、鋼鉄の顔を驚愕の形に変えて立ち尽くした。
『な…何だこの空間は!!?』
「マジデ・タイムは宇宙次元!!!『マジで!!?』なことがキサマを襲う!!!テンション低いと窒息死するぞ!!!」
『どういうことだ!!?』
狼狽する超銀河王は、自身の敵として立ち塞がった三人が融合した存在、ボボパッチの助に問う。
その瞬間、超銀河王に向かって無数の巨大な物体が高速で迫っていった。
「こういうことだ―――――!!!!」
『ごばあっ!!!?』
「ぎゃあああああああマジでええええええ⁉︎」
一つ一つが巨大な『マジで』の形をした流星群が、超銀河王やメテオに向かって突っ込んでいく。
予想外の攻撃に、直撃を食らった者はみんなまとめて血反吐を吐き、吹っ飛ばされていった。
「ぐわあああああああ!!!」
敵味方を巻き込む強烈な一撃。超銀河王は何とか耐え、宇宙空間にもかかわらず立ち止まる。
そのすぐそばで、目を輝かせたなでしこと魚雷ガールが騒ぎ始めた。
「みんな! 流れ星だよ流れ星‼︎ お願いごとしないと‼︎」
「マジで!!? この状況で!!?」
少女漫画のような目になったなでしこが、ヘッポコ丸を巻き込んで降り注ぐマジで流星群に顔を向ける。
そして、二人はかたく指を組ませ、一心不乱に祈り始めた。
(ボーボボのレギュラーになりたい…なりたい…なりたい…‼)
(ソフトン様LOVEソフトン様LOVEソフトン様LOVE…‼︎)
「ロクな願いごとね――――!!! マジで⁉︎」
表紙絵を乗っ取りポーズをとる自分、ソフトンと結婚した未来を夢見る二人に、思わずヘッポコ丸がツッコミを入れる。
そんな時、突然三人のもとに強烈な光が当てられた。
『その願い叶えよう…‼︎』
「マジで!!?」
宇宙空間の闇の向こう側から、光に照らされた何者かが威厳のある声で語りかけてくる光景に、ヘッポコ丸が絶叫する。
が、よくよく見るとそれは。
【Flash On】
右手に電球型のモジュールを備えた、イザヨだった。
「ってお前だったのかよ⁉︎」
「引っかかったな馬鹿どもが―――!!!!」
「うわああああ目がああああ!!?」
騙されたことに驚愕する三人に、イザヨは電球の光量を全開にして目を潰しにかかる。
そんな騒ぎをよそに、超銀河王はいまだに降り注ぐ流星群を相手に必死に耐え続けていた。
『グオオオオオオオオオ!!! き…効かん、効カンぞォォォ!!!!』
両腕から発したオーラで相殺し、襲いくる流星群を片っ端から粉砕する。
その破片と、超銀河王に当たらなかった流星は、周りにいるメテオやヘッポコ丸たちに向かって言った。
「ぎゃあああああこっちにもきた―――!!!」
「加減しろバカヤロウ‼︎」
「テンション低いやつから死ぬと言ったはずだ‼︎ オレにも決して止められない!!!」
「マジで⁉︎」
思いっきり味方が被弾しているのに一切心を痛める様子を見せず、ボボパッチの助は攻撃を敢行し続ける。
ようやく流星群から抜け出した超銀河王は、戦慄に目を光らせた。
『くっ…何なんだこいつらのこのテンションの高さは…‼︎』
ただの人間ではありえない、凄まじい力をもって追いつめようとしてくる融合戦士に、先ほどの余裕はもう残ってはいなかった。
そこへ、新たなスイッチを構えたイザヨがジェット噴射で接近した。
「隙だらけだぜ超銀河王‼︎ 宇宙ならではのとっておきのを食らいやがれ!!!」
『しまった‼︎』
右腕に緑の光が灯り、イザヨに新たな武器を備えさせる。
イザヨはそれを振りかぶり、超銀河王に向かって思い切り振り下ろした。
【Schop On】
「奥義・撲殺アタック!!!」
『がばあ!!?』
「宇宙全然関係ね――――!!!! マジで!!?」
スコップを装備した腕で、イザヨは超銀河王を殴りつける。
道具といい攻撃方法と言い、最早ただの暴力事件にしか見えなかった。
「上り列車が参りま―――す!!!」
『ぐばあっ!!!』
「マジで!!?」
かと思えば、機関車の煙突を頭につけたなでしこが凄まじい速度で突進し、超銀河王にロケットパンチを叩きつける。
しかも、無邪気な子供のような実にいい笑顔だった。
『ぐ…くそ……こんなことが…‼︎』
「下り列車も参りますギョラ――――!!!!」
『ごばああああ!!!』
さらにその真下から、ジェットを全開にした魚雷ガールが凄まじい速度で接近し、顎に体当たりを食らわせる。
こちらもとんでもなく清々しい笑顔だった。
『ぐぬ……いい加減に…‼』
【LIMIT BREAK】
「コズミック真拳超超奥義『ライダー超電磁ボンバー』!!!!」
「究極奥義『メテオストームパニッシャー』!!!!」
『がはあああああ!!!』
さらには、両肩の大砲から砲撃を放つイザヨと、棒の先端のコマを発射するメテオに強烈な一撃を食らい、また吹っ飛ばされる。
攻撃に次ぐ攻撃、次から次へとやってくる刺客。ここまで一切、超銀河王はボーボボたちに反撃できずにいた。
『バカな…‼︎ なゼコの私が、下等生物ゴトきに……!!?』
「そろそろ決着をつけるとしようか」
次々に容赦のない攻撃を受け、よろよろとよろめき始めた超銀河王。
そんな彼に最後の一撃を食らわせようと、ボボパッチの助が再び立ち塞がった。
昭和によく登場する、三輪トラックに乗って。
「マママママジでカッコ悪ぃ――――――!!!!」
何をどう言いつくろってもカッコ良さとは無縁の乗り物に、決め顔で座るボボパッチの助に方々からツッコミが跳ぶ。
構わずボボパッチの助は、三輪トラックのエンジンをふかし、最初から猛スピードで走らせ始めた。
「うおおおおおおおお!!!」
『や……やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』
「ママママママママ‼︎」
迎撃しようと、超銀河王は無数のエネルギー弾を雨のように放ってボボパッチの助を狙う。
その尽くを躱し、目を見開いたボボパッチが一気に迫り、そして同時に自身のマツ毛を長く太く伸ばしていった。
マツ毛真拳アルティメイタム
『ぐわああああああああああああああああ!!!!』
強烈な力を持ったマツ毛の鞭が、超銀河王の全身を打ち付ける。
全身に罅を入れられた超銀河王は、絶叫の声を上げながら元居たXVⅡ内の空間の地面に向かって落下していく。
その途端、ボボパッチの助は元の三人に分離し、地面に降り立った。
「元の世界に戻った‼︎」
「身の程がわかったか、鉄くず野郎‼︎」
「ぶへ!」
ヘッポコ丸たちが歓喜の声を上げ、首領パッチと天の助が着地に失敗して顔から落下する中、不敵にボーボボが告げる。
だが、ヘッポコ丸はその顔を驚愕に固める。
斃れたはずの超銀河王が、ゆっくりと立ち上がってみせたからだ。
『……ハ、ハハハハ。耐エキッタ、ゾォ…!』
「ば、バカな……あれだけの攻撃を受けたのにまだ…⁉︎」
ありえないほどの耐久力を誇る超銀河王に、ヘッポコ丸は戦慄の声を上げる。
三強融合戦士の最大の一撃を受けてなお立ち上がるなど、一体どうやって倒せばいいというのか。
『今度ハァ、コチラノ番ダァ…‼︎』
「何言ってんだ。まだまだオレたちのターンは続くぜ」
だが、ボーボボたちに絶望した様子はない。逆に、勝利を確信した、あるいはまだ攻撃できることを喜んでいるような声で笑って見せた。
不敵な笑みを浮かべたボーボボの目が、背後に立つイザヨに
「こっちもようやく、イザヨがコズミックエナジーを溜めきったところだぜ!」
ボーボボの言葉に、ヘッポコ丸はハッと目を見開いて振り向く。
そこには力強く仁王立ちし、両拳を左右に広げて唸るイザヨの姿があり、その周囲に凄まじいエネルギーが集まり、渦を巻いているのが見えた。
「なんてすごいエネルギーだ…‼︎ 戦闘中、ずっとこの力を溜めてたのか…⁉︎」
「準備万端‼︎ いつでも撃てるぜ‼︎」
イザヨが告げると、イザヨの両肩の大砲が外れ、ボーボボのアフロにまるで角のように合体する。
そしてその間、開いたアフロの中に、収束されたエネルギーが見る見るうちに濃縮されていった。
『マ、マサカキサマラ…‼︎ 最初カラコノ一撃ヲブツケルタメニ…⁉︎』
超銀河王は、すでにボロボロの体を揺らして愕然となる。
マジでタイムという謎の茶番、絶えずくらわされたふざけた攻撃。そのすべてが、この一撃を食らわせるために時間稼ぎだったという事実に。
ボーボボは前後左右を首領パッチと天の助、ヘッポコ丸とイザヨに支えられ、まるで砲身のように宙に横たわった。
「マグネットキャノン、セット‼︎」
「いくぞみんな‼︎ オレのアフロに入れ!!!」
「おう!」
「いくぞ‼︎」
「がってん魚雷‼︎」
開いたアフロの入り口を超銀河王に向け、ボーボボは仲間に叫ぶ。
すぐに魚雷ガール、メテオ、なでしこがアフロの中に飛び込み、充満していくエネルギーにその身を任せ、解放される時を待った。
『コンナ…バカナァァァァァ!!!』
絶叫する超銀河王だが、もう彼に抗う力は残っていない。
最後だと思っていた一撃を耐えることに全てのエネルギーを使い果たした今、放たれる最大の一撃を耐えることは不可能だった。
超協力合体奥義『とあるハジケの
アフロの中から光があふれ、仲間達を砲弾として発射する。
膨大なエネルギーを纏った戦士たちは、超銀河王の体をまっすぐに貫き、大きな風穴を開けてみせた。
『ぐわああああああああああああああ!!!!』
断末魔の悲鳴を上げ、超銀河王は爆散する。
巨大な爆発によって生じた轟音は、空間に長い間反響し続けるのだった。