【完結】ボボボーボ・ボーボボ ハジケウォーズ/フォースの覚醒   作:春風駘蕩

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奥義30:あらわれる真犯人

「だっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!」

「見たかこのヤロー‼︎ オレ様たちに勝とうなんざ100年早いんじゃー!!!」

「いつの間に宴の流れに⁉︎ 気ぃ抜きすぎですよ‼︎」

 

 パーティーグッズに身を包み、酒瓶両手に大騒ぎするボーボボたちにヘッポコ丸が思いっきりツッコむ。

 しかしヘッポコ丸自身も高揚していなかったわけではない。厄介だった敵をようやく倒す事ができたのだから。

 

(でもこれで障害は全部倒せた…‼︎ あとはXVⅡ本体をどうにかすれば…)

「おい、何だありゃ?」

「ん?」

 

 ようやく役目を果たせると意気込んでいたヘッポコ丸は、不意に天の助がこぼした声に振り向く。

 その先にあったのは、青白く輝く大きな機械。凄まじく細かく、そして凄まじい数の機械が組み合わさってできた何かの装置が、そこに鎮座していた。

 

「これが………XVⅡの中枢機関なのか…⁉︎」

「ステキな夜景ね…」

「君の瞳に乾杯」

「デカすぎて却下よバカ!!!」

「バカ!!?」

 

 天井いっぱいに点灯する光が星空に見えたのか、首領パッチと天の助がしょうもない小芝居をやっていたが、誰も気に留める者はいなかった。

 

「なるほど……だったらあとは、こいつをぶっ潰せばしまいってわけだ!」

 

 圧倒的な存在感を放つそれを睨みつけ、イザヨがポキポキと拳を鳴らす。

 悪意ある機械生命体による人類滅亡を防ぐため、イザヨは己の力の全てをぶつけようと、懐にしまった新たなスイッチを取り出した。

 

「見せてやるぜ! オレのとっておきを…」

「ボーボボ! イザヨさん!」

 

 それをベルトに挿そうとした時、少女の声がそれを止める。

 ハッと目を見開いたボーボボたちは、焦った様子で駆け寄ってくる別行動をとっていた仲間達の姿に驚き、思わず凝視した。

 

「ビュティにソフトン! 無事だったか!」

「あれ⁉︎ オレは⁉︎」

 

 さらっと田楽マンが無視されていたが気にせず、ボーボボはビュティとソフトンの無事に安堵する。

 だが、その後についてくる美女と機械の騎士の姿に、すぐさま警戒心をあらわにした。

 

「キサマ……インガ‼︎ なぜビュティたちと共にいる!!?」

「ボーボボ‼︎ その機械に手を出すな‼︎」

 

 ボーボボの疑問に答えず、ソフトンは声を荒げて制止の声を上げる。

 常に冷静沈着な彼には珍しく、敵の中枢の直前に立つボーボボたちを見つめる彼の表情は、切羽詰まっていた。

 

「オレたちは、騙されていたんだ!!! この一連の事件には……別の黒幕がいたんだ!!!」

 

 必死の形相で、ボーボボたちの知らぬ間に得た真実を語ろうとするソフトン。

 だがその言葉は、突然空間内に響いてきた拍手の音に遮られてしまった。

 

「みなさん…よくぞやってくれました」

 

 カツン、カツンと靴音を鳴らし、拍手の主が暗闇の中からボーボボたちの方へと姿を現していく。

 緊張した面持ちで構えていたボーボボたちは、その正体に息を呑んだ。

 

「XVⅡの防衛機能は軒並み全滅……システムも大半が損壊。これで僕たちの邪魔をできるものは何もなくなりました」

「よくぞ私たちの力を取り戻してくれました…! 愚かな人類にしてはなかなかの結果です」

 

 闇の中から現れ、尊大な口調で笑みを浮かべているのは、ボーボボたちをこの場へ送り出したOSTO-Legacyの職員の二人、シズカとハルミだった。

 

「お前達…! 何でこんなところに…⁉︎」

「……人類の滅亡を望んでいたのは、XVⅡではなかったということだ」

 

 疑惑の視線にさらされながらも満面の笑みで、そしてどこか見下してくるような眼差しを向けてくるシズカとハルミに、ボーボボたちは戦慄の目を向ける。

 ソフトンは冷や汗を流しながら、あからさまに怪しい登場を果たした二人を睨みつけた。

 

「こいつらだったんだ…‼︎ アリシア連邦で生み出され、人類に対して宣戦布告してきた宇宙鉄人は!!!」

 

 ソフトンの言葉を正解だと答えるように、シズカとハルミは笑みを深める。

 その姿はまさしく人間なのに、中枢から差す光を背にしてできた影は、悪魔のようにも見えた。

 

「これでようやく……忌々しいシステムの拘束から解き放たれる」

「我ら兄妹の真の力を、キサマら人類に見せつけることができる」

 

 そう告げると同時に、シズカとハルミの目が機械の光を放つ。

 光に応えるように、XVⅡの中枢に備わった機械が動き出し、二人を囲むように配置されていく。

 新たに灯った光の中で、シズカとハルミが謎の構えを取った。

 

「エンダー・スカイダイン」

「エンダー・グランダイン」

 

 謎の呪文が紡がれるとともに、二人の顔に傷が入る……いや、無数の亀裂が入り、あっという間に変形が行われていく。

 シズカは赤い装甲と翼が、ハルミは青い装甲とタイヤが目立つ鉄人へと変容し、蒸気と閃光を辺りに走らせた。

 

『我が名はスカイダイン』

『そしてグランダイン』

『『我らこそ、宇宙鉄人キョーダイン』』

 

 声までもが機械のものに変化し、先ほどまではなかった威圧感が纏われる。

 味方として、人類滅亡阻止を謳った者たちは今、まるで正反対の目的を持つ、敵としてボーボボたちの前に立ちはだかった。

 

「なに――――っ!!?」

「XVⅡはむしろそれに反抗していたんだ……宇宙鉄人を止めるために、アイツらにハッキングしその能力を封印してたんだよ!!!」

 

 知りたくなかった事実を知ってしまい、愕然となったビュティがやけくそのように叫ぶ。

 首領パッチたちもまた、自身らが乗せられていたことを知り、その顔を一気に憤怒に染め上げた。

 

「ってことはテメェら……オレたちを利用しやがったってことかよ!!!」

「ふざけんな―――‼︎」

「訴えるぞお前ら―――――!!!」

 

 いつの間にか裁判所のセットまで持ち出し、『逆転裁判』だの『倍返しだ‼』だのと書かれたプラカードを掲げて吠える。

 シズカとハルミ改め、宇宙鉄人キョーダインはその反応を嘲笑うように声を発した。

 

『全ては我ら兄妹の計画通り』

『史上最強の破壊力を持つXVⅡを乗っ取り、全人類を抹殺するための‼︎』

 

 上機嫌に語っていたキョーダインの目が、ビュティの後ろに立っていたインガに向けられる。

 そこに宿っていたのは、目に見えそうなほどに濃い憎悪だった。

 

『だがインガ・ブラック……キサマだけは計算外だった。我らの生みの親の娘であるキサマが、黒騎士を確保し行方をくらませるとは』

『そのせいで我々の再起動に大幅な遅れが生じた』

『実に忌々しい』

 

 機械の体をぎしぎしと軋ませ、スカイダインとグランダインは怒る様を見せつける。

 だがやがて、またボーボボたちを見下すように目を光らせた。

 

『だがそれも終わりだ』

『XVⅡの全ては我らが完全に乗っ取った』

『『その役に立ったことを誇りながら、キサマらはここで散れ!!!』』

 

 もはやキョーダインは、ボーボボたちを障害として見ていない。

 最大の問題であったXVⅡを排除するための、そしてその役割を果たした用済みの道具としてしか、彼らを見ていなかった。

 その態度に、毛の貴公子と宇宙の女番長の怒りが、爆発した。

 

「「頭に……キタ―――――――!!!!」」

Cosmic On(コズミック・オン)

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