【完結】ボボボーボ・ボーボボ ハジケウォーズ/フォースの覚醒 作:春風駘蕩
「超・宇宙キタ―――――――――――!!!!!」
純白の特攻服をはためかせ、プラネタリウムのように煌びやかな紫の学ランと金の鎧を纏い、別人のような雰囲気に変わったイザヨが力強く吠える。
その凄まじさたるや、宇宙全体が歓喜に打ち震えているかのような迫力だった。
「うわあああああ!!?」
「なんだ、このパワーは!!?」
ビリビリと、イザヨの声が衝撃波のように周囲に伝播する。
その強烈な波に、宇宙兄妹はおろかビュティたちでさえも圧倒され、大きく目を見開いて絶句していた。
『何なのだ…!!?』
『キサマは一体…何なのだァ!!?』
「今のオレたちは……地球の戦士たちの力を受け取って生まれた超戦士!」
背中に背負ったフォーゼの紋章を誇り、イザヨはカッと貫くような目線で宇宙鉄人を睨みつける。もはや一片の曇りもない、真っすぐな眼差しで。
「仮面ライダーフォーゼ、ハジケフュージョンステイツだ!!!」
ドドン、と雄々しく胸を張り、新たに誕生した融合戦士は己の名を示す。
金色に染まった両目と、立派にその存在を誇示するリーゼントに入った、黄、橙、青、白の四色のメッシュが、イザヨの中で渦巻くパワーの凄まじさを示していた。
「ハジケフュージョンステイツ⁉」
「出た―――‼ 数多の戦士の力を一身に集結させた新形態‼ 前人未到の四強融合戦士だ―――!!!」
「また出たバトルオタク‼」
いつの間にか眼鏡をかけ、マイクを持ったヘッポコ丸が頼まれてもいない実況を始める姿に、ビュティが呆れながらも目を剥く。何度見ても慣れない、真面目なはずの少年の豹変だった。
「スゲ――」
「それでこそ私の生徒」
「だが、本当にやってのけたのか…⁉ 四強融合を‼︎」
仲間達はボーボボとイザヨたちの変貌に驚愕し、同時に懸念を抱く。
ボーボボが有する融合の力は、これまでの戦いで幾度も使われてきた。だがその最大数は三人まで、四人の融合など、これまで一度も見たことがなかったのだ。
『バカな!!! ただのこけおどしだ!!!』
『究極の力を持つわれら兄妹にかなうものなどいるものか!!!』
『『そのハリボテを粉々に粉砕してくれる!!!』』
目に見える変化を前にしながら、宇宙鉄人たちはそれをさしたる脅威ととらえず、見下した態度のまま突撃していく。
今度こそ叩き潰し、絶望の淵に墜としてくれると、渾身の力で左右から拳を振り下ろした、だが。
イザヨはそれを、指先一つで簡単に押しとどめてしまった。
『『な…何ぃいい!!?』』
「今度はこっちからいくぜ…」
予想外の事態に、思わずその場で停止してしまうスカイダインとグランダイン。
その決定的な隙が、戦況を完全にイザヨの方へ傾けてしまった。
星心大輪拳+バビロン真拳+米真拳超合体奥義『超連撃・流星神聖拳』!!!!
「ホアタタタタタタタタタ!!!」
『ガッ…ゴワアアアアア!!?』
白い炎を纏った両拳が、無防備に立ち尽くす宇宙鉄人たちに襲い掛かる。
聖なる炎は正確に二体の急所を狙い撃ち、そして米粒のように無数に放たれたそれが、鉄人たちの装甲に傷をつけていった。
「⁉︎」
「あの技は…!!!」
見覚えのある技、それを目撃したソフトンとメテオが、遠目から驚嘆の声を上げる。
最後に一発強烈な拳を食らいながら、鉄人たちはなんとか距離をとり、思わぬ反撃を食らわせたイザヨを忌々しげに睨みつけた。
『く…‼︎』
『調子に……‼︎』
だが、イザヨはまだ止まらなかった。背中のロケットに加え、両腕に巨大なロケットのモジュールを備えると、猛スピードで鉄人たちに接近し、今度は両足に凄まじいエネルギーを集め始めた。
プルプル真拳+田楽+ハンペン超合体奥義『生食品夢饗宴「
「どらららららぁ!!!」
「つ…強ぇ!!!」
天の助のように捕らえられない、田楽のようにおいしいところを責め、ハンペンのように硬く強烈な蹴撃が食らいつく。
体から微かに破片をこぼしながら、鉄人たちはXVⅡの壁を突き破り、大きく吹き飛ばされていった。
『おのれ………やられてばかりだと思うな!!!」
「まだまだぁ!!!」
宇宙空間に追い出されるも、スカイダインは負けじと自身を変形させ、ジェット機のような形態に変化し飛び立つ。
超スピードで接近してくる赤い鉄人を、イザヨも鋭く睨みながら迎え撃った。
スカイ・トマホーク!!!
オナラ真拳+オブジェ真拳+ポリゴン真拳超合体奥義『
ガシン‼と凄まじい衝撃を響かせ、二つの影が激突しすれ違う。
しかし一秒も絶たないうちに、赤い影の方ががくんと失速し、人型に戻りながら火花と破片を撒き散らした。
『ガハッ!!? ぐっ…小癪な‼︎』
「ロケット顔が衛星に変形してる!!!」
流線型の尖った顔が、すれ違いざまに殴られ丸く変形した姿に、ビュティが思わずツッコミを入れる。
変わり果てたスカイダインの姿に、同じく宇宙空間に出されたグランダインが怒りをあらわにした。
『よくもやってくれたな!!! 我が妹の仇だ!!!』
グラン・ジェノサイドミサイル!!!
グランダインが一瞬にして戦車のような形状に変わり、全身からミサイルやキャノン砲を発射しイザヨを襲う。
しかし、四方八方から向かってくる弾頭を前にするも、イザヨは全く顔色を変えることはなく、両腕から金色の光を放ち始めた。
夏真拳+ゴージャス真拳+黒太陽真拳超合体奥義『強欲テンペスト』!!!!
金色の光の正体、無数の金貨がそのまま氷や黒い炎に変化し、嵐のような勢いで広がっていく。そして近付いていたミサイルを呑み込み、もろともに爆破し無効化してしまう。
その中心で、全くの無傷のイザヨが不敵に笑って見せた。
『何!!? 相殺しただと!!?』
「まだ終わらねぇぞ…‼︎」
スネ毛真拳+ワキ毛真拳+鼻毛真拳+我流鼻毛真拳超合体奥義
驚愕し、硬直するスカイダインとグランダインに、イザヨがロケットを全開にして再び接近する。
次の瞬間イザヨの脚、そして脇から無数の体毛の刃が伸び、そして鼻からボーボボと同じサングラスをした紫の何かが飛び出し、宇宙鉄人に突撃していった。
『毛王国大同窓会』!!!!
「夢にまで見たこのオレの二次創作出張――――!!!!」
『『ぐわああああああああ!!!!』』
出番が欲しくてたまらなかった、しかし報われることの少なかったKING鼻毛が、泣きながら自ら鞭となってぶつかっていく。
そんな凄まじい光景に、ビュティたちは声すら上げられず、ただ茫然となるばかりだった。
「ま、まさかあの力は…⁉︎」
「ボーボボが………みんながこれまで出会ってきた強敵達の力が…!!?」
イザヨの見せる全ての技、全ての力が、ビュティたちの記憶の中にあるものと同じだった。
敵として、仲間として相対してきた強者達の力。それが今、イザヨとボーボボ、首領パッチと天の助に力を貸しているのだと、彼らは痛感していた。
『バカな…‼︎』
『なぜ急に…これほどまでの力が!!?』
人間が、それも先ほどまで自分達に押されていた者達が急激な強さを見せたことに、宇宙鉄人は狼狽を見せる。
手を止めたイザヨは、鋭く尖らせた目の中にどこか、寂しげなものを見せながら語りかけた。
「宇宙鉄人…お前達の言う通りだ。人間じゃないオレが人間を守るのはおかしな話かもしれない……でもな、俺はそれでいいんだ。それでよかったんだよ」
自分の胸に手を当て、イザヨは苦笑を浮かべる。
たった一言、自分の知らない過去を言われただけで狼狽えて、自分はどれだけ滑稽だったのかと。
「ボボ兄は、そんな俺を思い切り殴り飛ばしてくれた……甘ったれてんじゃねぇってな!!!」
「アレそんないい話じゃなかったよ!!?」
「俺はこの星で目覚め、この星で生きてきた。そこには何の間違いもない……どこで生まれようが、どうでもいい‼ お前らになんて言われようが、知ったこっちゃねェんだよ!!!」
ビュティが思わずツッコミを入れるが、イザヨは全くへこたれない。
そんな些細な違いよりも、大きな勘違いをした鋼鉄の兄妹に自分が得た答えを教える事だけで、頭がいっぱいになっていた。
「人は弱く、儚い塵のような存在だ。だが………決していなくてもいい存在じゃない!!! 小さな命の積み重ねの上に……今の地球はある!!! 今の世界を作り出してんのが、お前たちの言うちっぽけな命だ!!!」
向けられる鉄人たちの視線は、先ほどとかわらぬ冷ややかなもの。
しかしそれにもめげることなく、熱い思いを胸に抱いたイザヨは、感情の赴くままに語り掛け続けた。
「命と命はいつしか出会い、ぶつかり、さらなる強さを生み出していく…!!! それが…生きるって言うことだ!!!!」
『ふざけるな!!!』
『そんな戯言…誰が聞くものか!!!』
「戯言なんかじゃねぇさ………‼︎」
言いながらイザヨは、スッと目を閉じる。
その脳裏に浮かぶのは、自分が、そしてボーボボたちがめぐってきた、地球においての出逢いの数々……軍艦やハレクラニ、ギガ、お茶づけ星人やメソポタミア文明という、数々の生きとし生ける命の姿だった。
―――それがオレたちの
…数多の
「何人かおかしな奴が混じってるぞ!!!?」
誰かの指摘が入っても気にしない、数々の記憶が蘇り、融合したイザヨにもその熱さを伝える。
そしてイザヨはカッと目を見開き、目の前に立ちはだかる命を踏みにじる者達に凄まじい気迫を見せつけた。
「キサマらには俺たちの……あまねく生命の輝きを知る旅に行ってもらう‼︎ いくぞおおおおおお!!!」
凄まじい咆哮を放ち、宇宙そのものを震わせながら、イザヨが両拳を頭上に掲げていく。
そして次の瞬間、まるで世界そのものが書き換えられるような膨大なエネルギーが、イザヨの全身から迸った。
「コズミック真拳最終奥義『