【完結】ボボボーボ・ボーボボ ハジケウォーズ/フォースの覚醒   作:春風駘蕩

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奥義6:黒騎士、襲来

 ガシャン、と黒騎士と呼ばれたロボットの両腕が展開し、巨大な砲身が現れる。

 その砲口が、ゾディアーツを撃退して浮かれているボーボボたちに向けられた。

 

 鉄人奥義『メテオグレネイド』!!!

「ぎゃあああああ‼︎」

 

 放たれたロケットミサイルが着弾し、凄まじい爆発を引き起こしてボーボボたちを吹き飛ばした。

 校舎の屋根の上に飛ばされた首領パッチと天の助は、斜面を滑りながら互いの手を伸ばした。

 

「ローズーーー!!!」

「ジャーーーーック!!!」

 

 どこぞの豪華客船に乗るカップルのように叫ぶも、結局二人は誰にも助けてもらうことなく、あ〜…と落ちて行った。

 

「何だ? どこから攻撃が来た⁉︎」

「みんな大丈夫⁉︎」

 

 突然の事態にヘッポコ丸は戸惑い、ビュティが全員の無事を確かめる。

 そんな彼女に、地面からそれぞれ腕や足、首など体の一部だけを出したボーボボたちが答えた。

 

「ああ」

「何でそんなんなっちゃってるの!!?」

 

 ありえない体勢にビュティが叫ぶ。

 いつの間にか復活した天の助が、突き出したボーボボの両足を必死に引っ張り上げた。

 

「ボーボボしっかりしろーーー‼︎」

 

 しばらく力んでいると、ずぽっと株になったボーボボが逆さまで顔を出し、天の助の度肝を抜かせた。

 

「一体キサマ達は何者だ?」

 

 豊作じゃー、と喜ぶ天の助をよそに、ボーボボは挨拶も無しに攻撃してきた相手をサングラスの下から睨みつける。

 視線を受けたその相手、黒騎士とそれを従える、露出度の高いレザースーツを纏った美女が、堂々と立ちふさがった。

 

「私の名はインガ・ブラック。そして彼は黒騎士。目的は…ここであんたたちを潰すこと‼」

「俺たちに何の恨みがあるっていうんだ⁉︎」

「恨みなんてないわ……強いて言うなら、私たちの計画の邪魔になりそうだから排除するだけよ」

「なんだとぉ!!!」

 

  勝気そうな目を鋭くし、はっきりとした敵意を見せる女性、インガ。

 身勝手な宣戦布告に、首領パッチたちもいきり立った。

 

「いって、黒騎士」

「ヴォオオオオオオ!!!」

「ボーボボ!」

 

 咆哮のような唸り声をあげ、鋼鉄の拳を振りかぶってボーボボに迫る黒騎士。

 その一撃が決まる寸前、ボーボボのサングラスがキラリと光った。

 

「鼻毛真拳奥義『笹の葉ジャ――――ンプ』!!!」

 

 突然地面から伸びた長い竹にしがみつき、黒騎士の攻撃を躱す。

 拳が空を切った黒騎士は、両腕をバルカン砲に変形させて頭上のボーボボを狙い撃ちし始めた。

 

「ぎゃあああ‼︎」

 

 爆発に飲まれ、真下に向かって落下していくボーボボ。

 しかし地面に激突する寸前、三匹のパンダに受け止められてことなきを得た。

 

「ダメージ相殺」

 

 ダメージを極限に抑えたボーボボに、黒騎士が再び向かっていく。

 すると、一方的に攻撃する黒騎士に対し怒りを燃やしたヘッポコ丸が憤怒の表情で駆け出した。

 

「野郎、何しやがる‼︎ オナラ真拳!!!」

「待て、うかつに近づくな‼︎」

 

 尻で黄色いガスを集め、黒騎士に向けて連続で放つ。

 しかし無数のオナラの弾丸が炸裂しても黒騎士に動じた様子はなく、安易に近づいてしまった彼に強烈な一撃をお見舞いした。

 

「ぐわああああ‼︎」

 

 凄まじい力で殴り飛ばされ、ばたりと倒れ伏すヘッポコ丸を目にし、仲間たちは戦慄の表情を浮かべた。

 

「な…一撃⁉︎ あのロボ強ぇぞ‼︎」

「オナラ真拳も全然きいてなかったぞ⁉︎ なんてやつだ!!!」

 

 ヘッポコ丸の安否を案じ、狼狽する天の助と田楽マン。

 

(へっくんヤダよ…こんなのってないよ、ビュティこんなのやだよ……)

 

 なぜかビュティのかつらをかぶった首領パッチは、ぱっちりした目に涙をやめてヘッポコ丸にすがりついたかと思うと。

 気絶した彼の背中に乗り、両足を抱えて思いっきりのけぞらせた。

 

「ビュティのために負けないでへっくーーーん!!!! ビュティおもわずかんせつ技‼︎

「何やってんのよ⁉︎ いい加減にしないとひっぱたくよ!!!」

 

 自分の格好をして逆エビ固めを決めるという謎の屈辱的な行動に、ビュティがいまにも襲い掛かりそうな剣幕で怒鳴りつける。

 そんな彼女たちを放置し、イザヨは険しい顔で黒騎士を睨みつけた。

 

「くっ…どうすれば」

「あの女はボクがやる……」

「メテオ!」

 

 イザヨが反応するよりも先に、メテオは黒騎士の後方に立っているインガに向かって駆け出した。

 

「ほあちゃああああああ!!!」

 

 強烈な正拳を突き出し、一撃で仕留めてやろうと急所を狙う。

 しかしインガは、メテオと全く同じ構えで正拳を放ってむせた。

 

『星心大輪拳』!!!!

 

 ガシン!と激突する拳と拳により、二人が立っている地面が陥没する。

 互いの体にビリビリと走る振動に、メテオもインガも眉間にしわを寄せた。

 

「殺されたくなかったら大人しくここを去ることね!」

(コイツ……オレと同門か⁉︎ なぜこんな真似をする!!?)

「どうやら他にも聞かなければならないことがあるようだな…」

 

 同じ技を使われたことに内心で驚いているメテオ。

 その時、睨み合う二人の頭上から破天荒がカギを手に飛びかかった。

 

「スキだらけだぜ!!!」

 

 カギを突き刺し、インガの動きを止めようと腕を突き出すが、触れる寸前に割って入った鋼鉄の腕に防がれてしまう。

 破天荒とメテオは同時に跳びのき、忌々しげに舌打ちした。

 

「チッ…あのポンコツがいちいちあの女を守ってやがる‼︎」

「そこが最大の壁か……」

 

 騎士の名にふさわしい防衛能力を発揮している黒騎士を前に攻めあぐねるボーボボたち。

 しかしインガも、まだ誰も戦闘不能に追いやれていない状態に苛立ちを見せていた。

 

「まだ立場がわかっていないみたいね。次はあいつよ」

「ヴォオオオオオ!!!」

「ええっ‼︎ 今度はオレかよ!!?」

 

 ぼーっと突っ立っていた天の助が狙われる。

 ほとんど他のやつに任せるつもりであった天の助は、慌てながらも黒騎士を迎え撃った。

 

「ならば自称プルプル真拳奥義『くねくねします』!!!」

 

 骨のない柔らかボディを生かした不規則な動きで、黒騎士を翻弄する。

 が、普通に顔面に拳が突き刺さって盛大に吐血する羽目となった。

 

 今日の教訓『クネクネするだけじゃ奥義にならない』

 

「どうやら話し合いは無意味のようだな」

「仕方がない……拘束してから改めて聞くとしよう」

 

 敵の能力を図っていたソフトンが、まずは黒騎士を機能停止させようと奥義の構えを取る。

 向けられる敵意に気づいたインガは、この一味の唯一の弱点に目を向けた。

 

「させると思う? 黒騎士!」

 

 インガの命令に従い、黒騎士が一直線に走り出す。

 その拳と銃器が向けられる先にいるのは、非戦闘員のビュティだった。

 

「危ないビュティ‼︎」

「きゃあああ!!!」

 

 まさかか弱い女子供を狙われるとは思っていなかったボーボボたちは、予想外の事態に慌てて駆け寄ろうとする。

 しかし離れた場所では間に合わず、誰もが最悪の事態を覚悟した瞬間。

 

Shield On(シールド・オン)

「コズミック真拳奥義『盾の勇者のライズアップ』!!!」

 

 ビュティの前に立ちはだかったイザヨが、左腕にスペースシャトル型の盾を装備して黒騎士の一撃を受け止めた。

 

「ボボ兄の仲間に手出しはさせねぇぜ」

「イザヨ‼︎」

 

 不敵な笑みを浮かべ、卑怯な手段に出たインガたちを鋭く睨みつけるイザヨ。

 その肩からは、宇宙のエネルギーが怒りとなって立ち昇っているように見えた。

 

「てめーらが何者なのかなんてどうでもいい……だがオレの母校で好き勝手は許さねぇ!!!!」

「よく言ったぞイザヨ」

 

 勇ましく吠えるイザヨの横に、ボーボボたちが並び立つ。

 インガと黒騎士に怒りを抱いているのは、彼らも同じであった。

 

「こうなれば徹底的にやるとしよう」

「ぶっ潰してやるぜ!」

 

 相手はたった一人と一体。しかし決して侮ることはできない力を秘めていると、ヘッポコ丸を除いた七人が不敵な笑みを浮かべた。

 相対するインガもまた、好戦的な笑みを浮かべて挑戦を受け取った。

 

「あくまでも抵抗するっていうのね……いいわ、相手になってあげる」

「ヴォオオオオオオ!!!」

 

 ピリピリと走る緊張感の中、両者の間に入った田楽マンがダンディな顔で両手を交差させた。

 

「ファイッ!!!」

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