【完結】ボボボーボ・ボーボボ ハジケウォーズ/フォースの覚醒   作:春風駘蕩

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奥義7:美女とロボとアフロとスケバン

 ―――完膚なきまでに叩き潰す!

 ―――狙うはホタテ!

 

 向かい合う二つの陣営が火花を散らす。

 片方の陣営の考えていることは非常にアホなことであったが、ピリッと緊張感が張り詰めていることは確かだった。

 

「いくぜ!!!」

 

 ほぼ同時に、両者が走り出し攻めに入る。

 先制攻撃に入ったのは、鼻毛の勢力の方であった。

 

「プルプル真拳奥義『ところてんトレイン』!!!」

「わああ―――‼ バカ! まだオレ達も前にいるだろ!!!」

 

 どデカい直方体の塊となった天の助が、高速で走り出して突撃を始める。

 前にいるヘッポコ丸たちのツッコミもおかまいなしに、敵に向かって一直線に突っ込んでいった。

 

「突撃――!!!!」

「ぐわあああああああ!!!」

「まだまだ行っけ―――‼」

 

 中にボーボボを乗せた天の助が、他の仲間たちを撥ね飛ばしながら突き進む。

 インガには避けられたが、真正面で仁王立ちする黒騎士に向かって、根性でしがみつく首領パッチとともに迷いなく突進していった。

 目前に迫る水色の壁を前に、黒騎士はゆっくりと己の拳を構えた。

 

『アルティメットフォース・ギャラクティック・ノヴァVSX』!!!!

 

 勢いよく突き出された黒騎士の拳から、突如眩しい光の槍が発射される。

 それは天の助の顔面に突き刺さり、ところてんボディを溶かしながらボーボボたちにも炸裂した。

 

「ぎゃあああああすごいのきた―――!!!」

 

 あまりの威力で天の助はバラバラにされてしまい、ボーボボと首領パッチも強烈な熱で全身を焼かれてしまう。

 しかしすぐに体勢を立て直し、キッと黒騎士を睨みつけた。

 

「野郎! そっちがロボでSFなら、俺たちも乗ってやるぜ‼︎ 鼻毛真拳奥義『江巣衛腐(えすえふ)』!!!!」

「いやいやいやいやいや‼︎」

 

 SFに乗っかると言いながら、なぜか侍の格好になったボーボボがポスターのようにキメ顔を見せる。

 全く逆の見た目の技に思わずビュティが声を挟んだ。

 

「アハハハハ‼︎ それのどこがSFなのよ‼︎」

 

 クールビューティを貫いていたインガも嘲笑の声をあげ、ボーボボに襲いかかる。

 正拳で一思いに仕留めてやろうとした彼女だったが、バタンとボーボボのアフロが開くと大きく目を見開いた。

 

「SFだった―――――!!!」

 

 秘密基地のようにメカメカしくなったアフロの中から、戦闘機に乗ったチビボーボボたちが出撃する。

 若干キャラ崩壊を起こしたインガの顔のスレスレを、ボーボボたちが飛び抜けていった。

 

「ッシャア‼︎ 敵をぶっ潰すぞオラ―――!!!」

「危なっ!!?」

 

 慌ててのけぞるインガを放置し、ボーボボたちが戦闘機を駆る。

 向かう先は、全身からスチームを噴かせて立ちはだかる黒騎士だった。

 

『敵本陣を発見! 攻撃開始‼︎』

 

 黒騎士を包囲するように展開し、全戦闘機が武装を解放する。

 しかしそこで戦闘場面は急に妙に画質の荒い映像に切り替わり、その上頭上からの視点による平面的な風景へ変わっていた。

 

「わあああああああああああ!!!」

「これただのシューティングゲームじゃん!!!!」

 

 やや懐かしい光景に、ビュティのツッコミが入る。

 要塞のように表記された黒騎士に向けて、ピュンピュンと安っぽいエフェクトでビームが発射されていたが、しばらくして黒騎士の体がガシンガシンと変形を始めた。

 

 ―――アンゴル・インパクト!!!

 

 巨大な砲台となった黒騎士から、画面のほとんどを埋め尽くすほどのビームが放たれる。

 避けようもない攻撃に、ボーボボ軍は一瞬で全滅させられてしまった。

 

「ぎゃああああああああ!!!!」

「最終ステージにありがちな超理不尽な全範囲攻撃きた―――!!!」

 

 クソゲー確定な理不尽展開にヘッポコ丸が目を剥き、ズタボロになったボーボボが倒れこむ。

 

「ふざけんじゃないわよ!!!」

「はいまたなぜかボクちゃんが身代わりに!!!」

 

 そしてアホなことに付き合わされたインガが、なぜか天の助の顔に正拳を叩き込んでいた。

 

「くっ…これは一筋縄ではいかないな」

「ボーボボ、イザヨ。オレが奴らに隙を作らせる。合図をしたら一斉に攻撃しろ」

「任せるぞ」

「頼んだ!」

 

 くいっと自分を指差し、首領パッチがインガと黒騎士の前に出る。

 決死の覚悟を決めたような表情に、ビュティはゴクリと息を飲んでいた。

 

(いつになく真剣……一体どうやってあんなロボの注意を引く気なんだろう)

 

 無言でゆっくりと近づいていく首領パッチ。

 目と鼻の先まで近づくと、彼はカッと目を見開いて動いた。

 

「あ、チュピチュピチュ〜チュピチュピチュ〜」

 

 と、パッチリおめめで変な踊りを始めた首領パッチに、ビュティとヘッポコ丸が同時にズッコケた。

 ピクピクと頬を痙攣させるメテオをよそに、首領パッチはその奇妙なアクションを敢行し続けた。

 

「チュピチュ―――チュピチュ―――」

 

 敵がなんの反応も見せず、痛々しいくらいの沈黙が少しの間続いたところで、バッと首領パッチが振り向いて叫んだ。

 

「よしスキを見せたぞいまだやれ―――‼︎」

「ええええ⁉︎ どこに!!?」

 

 ただただあっけにとられているだけだと思うが、実はものすごく真面目だったらしい首領パッチが必死に促す。

 ある意味捨て身の行為に、イザヨとボーボボは涙ながらに答えた。

 

Gatling On(ガトリング・オン)】【Launcher On(ランチャー・オン)

「わかった―――‼︎ 超協力奥義『デリートコマンド』!!!」

「ぎゃああああああああ!!?」

「おやび――――ん‼︎」

 

 仲間たち全員で、それぞれがミサイルやらマシンガンやら数々の兵器を持ち出し、首領パッチごと黒騎士たちに向けて撃ち放つ。

 破天荒を除いた容赦のない攻撃に、首領パッチは泣きながら爆発に飲み込まれた。

 

「機械っぽい相手にはコイツだ!!!」

Elec On(エレキ・オン)

 

 押されはじめている黒騎士に、イザヨが黄色い透明なスイッチを取り出して装着した。

 途端に稲妻が全身に走り、イザヨの格好を金色に染めて新しい装甲を生み出した。手に装備された警棒のような武器が、バチバチと眩しく放電した。

 

「姿が変わった!」

「エレキステイツは電気の力を体に宿した強化形態‼︎ ナメてかかるとシビれるぜ!!!」

「カッケー♪」

 

 雷の力を身に宿し、イザヨが黒騎士に挑み掛かる。

 振るわれる警棒の先から飛び出た電気の刃が、無数に黒騎士とインガに襲いかかった。

 

「コズミック真拳奥義『エレクトリカルパレード』!!!」

「くっ…!」

「畳み掛けるぜ! …ってあ、あれ? なんか力が抜けてくような……」

 

 勢いづいてきたイザヨだったが、急激に体が気だるくなってきたことに首をかしげる。

 その足元では、畳に座った首領パッチ父さんと天の助母さんがちゃぶ台を囲んで茶を飲んでいた。…イザヨの背中にコンセントを突き刺して。

 

「勝手にコンセントさして電気使ってる―――!!?」

「母さんや、テレビをつけてはくれんか?」

「お父さんったら、これ以上つけるとブレーカーが落ちますよ」

「いや十分電気持ってかれてるから!!!」

 

 すでに扇風機やら何やら電化製品を使っている二人に、ビュティから待ったがかかる。

 そこへ、ボーボボが静かに近寄っていった。

 

「コンセント・オン‼︎」

「あばばばばばばば!!?」

「コズミック真拳超奥義『ライダー百億ボルトブレイク』!!!!」

 

 どこからか持ち出した電源から、ボーボボが首領パッチに電流を流す。さらに流石に気づいたイザヨが、警棒の先端を首領パッチの脳天にズブっと突き刺した。

 

「いくぞおおおおおお!!!」

 

 バリバリと帯電する首領パッチを、ボーボボがコードを振り回して勢いをつけさせる。

 そしてそのまま黒騎士とインガに向けて投げ飛ばした。

 

「協力奥義『ライトニング・バカグレネード』!!!!」

「良い子は絶対マネすんな!!!!」

「当然の結果が待ってた―――――!!!!」

 

 真正面から受け止めた黒騎士に、恐ろしいほどの電流が襲いかかる。

 機械の体である黒騎士もこれには耐えられず、身体中のいたるところから煙を吐いて沈黙した。

 

「チッ…ここまでやるなんてね」

 

 小さく舌打ちしたインガは、ボーボボたちを睨みつけるとうなだれる黒騎士に近づいていく。

 背中に触れ、何か操作すると黒騎士はたちまち再起動し、ゆっくりと立ち上がってインガを守るように構えた。

 

「一旦あんたたちのことは見逃してあげる…でも、私たちの邪魔をした時は、容赦はしない」

 

 そう言い残し、インガは黒騎士にお姫様抱っこの形でしがみつく。

 大事そうにインガを抱えた黒騎士は、足裏から噴き出したジェット噴射で宙に浮き上がり、目にも留まらぬ速さで飛び立っていった。

 

「待てこの野郎!」

「インガ……黒騎士……いったい何者だったんだ」

 

 ボーボボたちに匹敵する力を持つ、謎のロボと美女。

 大きな爪痕を残していった二人組を、ボーボボたちは呆然と見送るしかできなかった。

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