ハイスクールD×D ~神(兄)と悪魔(弟)~ 作:さすらいの旅人
アーシアには
んで、俺はアーシアからかなり離れた誰もいない山で精神統一する為の瞑想をしている。言うまでもなく俺自身の鍛錬だ。
知ってのとおり、
「……さて、始めるか」
瞑想を終えた俺は閉じていた両目を開けて、本格的な鍛錬の準備を始める。
先ずは
「お前は引き続き瞑想。お前は
「「「分かった」」」
それぞれの
何故分身拳を使って鍛錬をするのには当然理由がある。以前やった合宿の時、
それを使って分かったんだが、四人になってた俺達が元の一人に戻った直後、それぞれの記憶が一斉に集約された。同時に修行を行った時の経験も含めて。
そこで俺は考えた。四人がそれぞれ違う行動をする事で、鍛錬による経験と記憶が一気に得られるんじゃないかと。それを試す為に会談を行う数日前、イッセーの剣術修行とギャスパーの修行を同時にやろうと分身拳を使った。結果は俺の思ったとおり、イッセーとの剣術経験+ギャスパーの修行経験を同時に得る事が出来た。
これによって俺は確信した。二人でやれば経験が二倍、四人でやれば四倍と凄く効率の良い鍛錬が出来ると。まぁその分、分身する事で力が半減されるが、それでも経験を得られる事でお釣りが来るから問題ない。
とまあ、ちょっと長ったらしい理由だが、今こうして分身拳で一度に複数の経験を得ようという訳だ。分身拳を使う事が出来る自分ならではの方法だが。
さて、アーシアから呼び出しを受けない限り、今日一日は内容が濃密な鍛錬を行うとしよう。この二十日間、果たして
そう言えばイッセーの奴、タンニーンとの修行は上手くやれてるかな?
☆
夏休み。
俺――兵藤一誠は(兄貴の修行を除いて)今年こそ彼女を作ってエロエロな夏休みを過ごそうと思っていたのだが……。けれど現在、地獄の山で怪獣決戦の空中バトル戦をしている。
「くっ! ドラゴン波ぁぁ!!」
ドッガァァァァァァァァンッッッッ!!
俺は怪獣――ドラゴンのおっさんの強力なブレスをドラゴン波で相殺していた。
目の前の巨大ドラゴンと戦って数日が経ち、今もずっとガチンコバトルが続いている。精神世界で戦ったドライグ戦を嫌と言うほどに思い出すぜ。兄貴との実戦修行と違って、マジで死ぬんじゃないかと思うほど嫌なスリルを感じるよ!
「どうした、兵藤一誠。龍帝拳とやらの出力をもっと上げろ! お前の力はこんなものじゃない筈だ!」
「はぁっ! はぁっ! ったく、無茶言うなよ!」
さっきからやってるっての! あのおっさんは俺が龍帝拳を使う度、それに合わせるよう実力やブレスの威力も上げてるし!
初めて戦ったあの頃と違って、そこそこ実力が付いたと思ってたのに、それをタンニーンのおっさんは面白そうに戦ってるよ! どんだけバケモノなんだよ、このおっさんは!
………まぁ、実力差があるのは初めから分かってた事だ。あのおっさんにとっちゃ、俺との修行は遊びに等しいからな。
今の俺がどんなに頑張ったところで、タンニーンのおっさんに勝てる要素は万に一つどころか、億に一つもねぇし。だけどせめて一矢だけは報いたい。
俺がおっさんにダメージを与えられるとしたら――!
「うおおぉぉおおおおおおおっっっ!!!」
ドドンッ!!
「ほほう。またさっきより上がったな」
龍帝拳の出力を上げ、俺の
いい加減、その余裕面を壊したい気分になってきたぜ!
「はぁぁぁぁぁぁぁぁああああああっっっ!!」
「む? これは……少しばかり気を引き締めないといけないようだ」
全ての
次に口を思いっきり開けると、そこから炎の玉が大きく収束していき、見るだけでかなりの威力がありそうだ。以前に戦ったライザーの極大炎の玉とは全然違う。どうやらおっさんは俺の攻撃を見て、少しマジになってくれたようだな。
だったら見せてやるぜ! 今の俺の全力をな!!
「行くぜぇぇぇ!
適当に命名した技名を言いながら、猛スピードでタンニーンのおっさん目掛けて突進する。
極悪人キャラの技なんて使いたくないが、目の前の相手にそんな悠長な事を気にしてなんていられない。タンニーンのおっさんに一矢報いるには、今の俺だとこの技しか思いつかない。
「受けてみよ! 兵藤一誠! ガァァァァァァアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!」
タンニーンのおっさんは口で収束されてた炎の玉を俺目掛けて撃ってきた。
そして――
ズオッッ!!!!
俺を纏ってる
「ぐおおおおおお………!!!」
「オオオォォォォオオオ!!!」
踏ん張るような体勢をしながら前に進もうとする俺に、それを阻むように炎の玉を撃ってるタンニーンのおっさん。
知っていたが、マジで凄ぇ威力だぜ! 下手に気を抜いちまったら、俺の身体が一瞬で骨も残さず灰になっちまいそうだ!
だがそれでも! 赤龍帝として、絶対に一矢報いるって決めてんだ!」
「うおおおおおおおおお!!!!」
「ぐぐっ! 小僧、調子に………乗るなぁぁぁぁ!!!!!」
ゴアアアアアアアアァァァアアアアアアッッッッ!!
げっ! ここにきておっさんが速度と威力をまた上げやがった! 俺が押しはじめてる事に少し頭にきたってか!?
「ぎ、ぎぎぎぎ………!! かかったな!!」
「?」
俺が苦しそうな声を出していたが、急に笑みを浮かべながら言った事にタンニーンのおっさんは顔を顰める。
けれど俺は気にせず、炎の玉目掛けて突進していたのを……急遽横にずらして旋回した!
「何っ!?」
俺が猛スピードで旋回しながら突進体勢となる。その直後――
ドグアッッッ!!!
「ぐおおおおおおおっっっっ!!!」
タンニーンのおっさんの腹部へとクリーンヒットした。それによっておっさんは地面のある山へ向かうように吹っ飛んでいく。
ダァァァァァァアアアアアアアンッッッッッッ!!!
地面に激突したタンニーンのおっさんの周囲から大きな粉砕音と土煙が舞った。
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……へっ、どんなもんでい! 見たかドライグ! あのタンニーンのおっさんに一矢報いてやったぜ!」
『これは驚いたな。まさかあのタンニーンを相手に一撃を決めるとは。また面白い技を思いついたな。』
感心するように言うドライグ。
『
ああ。タンニーンのおっさんに一撃当てるにはこれしかないと思ったんだ。
『そんな技を咄嗟に思い付けるなら、初めに覚えてくれ。
ほっとけ! あの技は俺のお気に入りの技なんだ!
ったく。どうして俺の『
グゴゴゴゴゴゴゴッ!
すると、タンニーンのおっさんが激突した山が大きく揺れ始めた。
………分かっちゃいたけど、思っていたより復活早いな。
『当然だ。タンニーンがあれくらいの攻撃で参る訳がないだろう』
あ、やっぱり?
ドォォンッッッ!!
けたたましい音を立てながら何かが飛んできた。大きな土煙からタンニーンのおっさんが現れる。しかもダメージを全く受けてねぇし。
「ハハハハハハ! 今のは少しばかり効いたぞ、兵藤一誠! この俺に一撃当てるだけでなく、更に地を付けた人間はお前が初めてだ!」
おおう。どうやら俺は元龍王様に一撃を当てた人間第一号のようだ。それは大変名誉な事なんだろうが、俺からすれば全然嬉しくねぇけど。
「よし。この俺に一撃を当てた褒美として、もう少し力を上げるとしよう」
「げっ!」
恐ろしい事を言い出すタンニーンのおっさんに俺は思いっきり顔を顰めた。
「じょ、冗談じゃねぇ! アンタとはただでさえ実力差があり過ぎるのに、そこまで上げられたら俺が死ぬ!」
あのおっさんはパワーだけは魔王級だが、それでもヴァーリより強い。そんなおっさんが更に力を上げたら俺がマジで死ぬぞ!
「そう言うな。俺もダメージを負った所為か、久しぶりに高揚してるんだ」
「勘弁してくれよ! アンタがそうなったら俺が修行中に死んじゃうよ!」
「安心しろ。そこはちゃんと加減する」
「その顔で言われても安心出来ねぇ!」
だって今のおっさんの目がギラギラしてて、俺を殺すんじゃないかって思うほどに恐ろしいほどのオーラを出してるんだよ!
おいドライグ! どうにかあのおっさんを説得してくれ!!
『あんなに楽しそうな顔をしてるタンニーンは久しぶりに見たな。確かアレは――』
過去を思い出してる場合じゃないだろう! ああくそ! こう言うとき当てにならねぇな!
ちくしょう! こうなりゃ自棄だ! この修行を乗り越えたら、限定版エロDVDが貰えんだ! 何が何でも生き延びてやる!
そう思った俺は再び龍帝拳を使おうとしてると――
「おー、随分と派手にやってんな。どうよ?」
突然聞き覚えのある声がした。俺とおっさんが振り返れば、そこには堕天使の総督様がいた。