ハイスクールD×D ~神(兄)と悪魔(弟)~   作:さすらいの旅人

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 先に言っておきますが、今回はフライング投稿です。


第十二話

 次の日の夕刻、俺は駒王学園の冬の制服に身を包んで一足早く会場に向かっていた。リアス達はもう少し後になってから到着する予定だ。

 

 因みにイッセーとアーシアはリアスの眷族として同行する事となっているから、俺のみ別行動だ。今回行うパーティーは悪魔メインだが、種族は関係無く参加出来るものとなってる。だからイッセーとアーシアはリアスと別行動する必要がない訳だ。

 

 んで、俺がリアス達より早く会場に向かって別行動をしてる理由だが、グレモリー夫妻からの頼みで同行する事となった。何でもフェニックス家が俺に話があるんだと。

 

 イッセー争奪戦に関しての話かと思いながらもグレモリー夫妻と共に会場に到着し、別室で会った直後――

 

「兵藤隆誠殿、この場は敢えて聖書の神と呼ばせて頂く。聖書の神よ。以前に私の愚息――ライザーが貴殿にとんでもない無礼を仕出かした事に、フェニックス家の代表として是非とも謝罪させて頂きたい!」

 

「先の件につきましては、誠に申し訳ありませんでした!」

 

「…………はい?」

 

 フェニックス夫妻が俺を見て早々に深く頭を下げてきた。いきなりの謝罪に俺は思わず首を傾げてしまったよ。理由を尋ねてみると、以前ライザーが駒王学園に来た時の行動についてだった。

 

 確かあの時のライザーは俺を不快な人間と見て、灸を据える為に火達磨にしようと炎を当てたな。まぁ俺自身は大したダメージが無いどころか即行で消してやったけど。

 

 その後は散々見下すような態度を取った挙句、更にはレーティングゲームで俺を殺そうと宣言もしていた。結局はイッセーとリアスに負けてソレは叶わなかったが。

 

 そしてフェニックス家はレーティングゲーム後にイッセーをレイヴェルの婿に迎え入れようと準備をしてた際、和平後に俺の正体が聖書の神だと知った途端に大騒ぎとなったそうだ。理由は言うまでもなく、レイヴェルの義兄となる予定の聖書の神(わたし)に、ライザーがとんでもない程の無礼極まりない態度を取った事だ。

 

 因みに聖書の神(わたし)に喧嘩を売るという事は即ち、全ての天使達を敵に回す行為に等しい。だからもしライザーの言動にキレた俺が正体をバラして天使達を呼んでいたら、再び三大勢力の戦争が起きていたかもしれない。俺はそんな事をする気は微塵も無かったけどな。アイツの言動に少し頭にきた程度だし。

 

 ライザーが聖書の神(わたし)に仕出かした事を知ったフェニックス夫妻は大激怒し、アイツを朝から晩まで説教し続けたようだ。説教の内容を端的に言えば、危うくフェニックス家だけでなく悪魔存亡の危機に陥るところだったと。

 

「えっと、もう過ぎた事ですし、聖書の神(わたし)はもう気にしてませんよ。あの時は正体がバレないよう人間として振舞っていましたし」

 

「だとしても、もし熾天使(セラフ)や他の天使の方々の耳に入っていたら大事になるところです」

 

「それは、まぁ……」

 

 確かにフェニックス卿の言うとおりかもしれない。もしミカエル達が聞いたら絶対に黙っちゃいないだろう。アイツ等は今でも人間に転生した聖書の神(わたし)に忠誠を誓っているし。

 

 それはともかく、この夫妻に俺はもう気にしてないと言っても埒があかないので、とっとと話を終わらせるとしよう。

 

「……はぁっ。分かりました、その謝罪は受け取っておきます。お二人の事ですから、それだけで納得されないと思いますので、聖書の神(わたし)から一つ要求をさせて頂きます」

 

「その要求とは?」

 

 頭を上げるフェニックス卿が尋ねてくる。

 

「聞けばフェニックス家はグレモリー家と同様、聖書の神(わたし)の弟を婿に迎え入れようとしているようですね。もし仮に一誠がフェニックス家の婿になった場合、その時は決して蔑ろな扱いをしないこと。これが聖書の神(わたし)からの要求です」

 

「……え? そ、それだけで、本当によろしいのですか?」

 

 余りにも予想外な要求だった事にフェニックス夫人はキョトンとしながら尋ねる。近くで聞いてるグレモリー夫妻も同様の反応だ。

 

「ええ。断罪や賠償とかは一切求めません。家族愛を知った聖書の神(わたし)としては、貴方たち家族を不幸にするような事はしたくありませんので」

 

「「……………………………」」

 

 嘗て戦争で殺しあった聖書の神(わたし)が意外過ぎる理由を言ったんだろうか、今度は放心しているフェニックス夫妻。

 

 確かに昔の聖書の神(わたし)だったら、悪魔相手に容赦の無い要求をしていたかもしれないな。そう考えると我ながら随分と甘くなったもんだ。自分で言うのは凄く変だけど。

 

「まぁとにかく、そちらが聖書の神(わたし)の要求に応えてくれるのでしたら、何の文句は言いませんので。但し、グレモリー家と同様に弟を無理強いで婿にさせようと分かった場合、即行で無かった事にさせて頂きますので。良いですね?」

 

 これはフェニックス家だけでなく、グレモリー家にも言える事だ。だから俺はこの場で敢えてもう一度釘を刺しておいた。そうでもしないと、以前のライザーとリアスのような政略結婚になり兼ねないからな。

 

「………分かりました。それが聖書の神のお望みであるならば」

 

 フェニックス卿は両手で俺の手をガッシリと握り――

 

「我々フェニックス家は、決して貴殿の弟の一誠くんを蔑ろにしない事を誓います!」

 

 力強くイッセーを大事にする事を了承してくれた。随分と熱の篭った誓いだな。

 

「は、はぁ……。まぁイッセーを婿に迎え入れたその時は、どうかよろしく頼みます」

 

 俺の返答を聞いた途端、フェニックス卿は突然目が光ったような気がした。

 

「それで聖書の……っと。ここからは隆誠くんと呼ばせて頂こう。隆誠くん、一誠くんがレイヴェルと結婚する事についてだが――」

 

「お待ち頂こうか、フェニックス卿」

 

「それ以上はルール違反ではなくて?」

 

 フェニックス卿が言ってる最中、待ったを掛けようとするグレモリー夫妻。ヴェネラナさんなんか威圧感のある笑みを浮かべてるし。

 

「いえいえ、これはちょっとした質問です。私は一誠くんがレイヴェルの事をどう思ってるかを聞こうとしただけですよ、グレモリー卿」

 

「そうですわ」

 

「え、えっと……」

 

 だがフェニックス夫妻はグレモリー夫妻の追及を物ともしない。寧ろコッチも威圧感バリバリだよ。両家の間に挟まれてる俺としては凄く居辛い。

 

 俺は手を握ってるフェニックス卿からさり気なく離れると――

 

「私は隆誠くんに誓ったのですから、グレモリー卿も相応の誓いを立てる必要があるのでは?」

 

「いやいやフェニックス卿、我がグレモリー家はそのような事をせずとも、一誠くんを大事にしますので」

 

「そうだわ、ヴェネラナ。良かったら今度は兵藤一誠さんをこちらにお借りしても宜しいかしら? 挨拶も兼ねて貴族としての振舞いを教える必要があるので」

 

「あら、それは必要無くてよ。一誠さんは私がしっかりと教えていますから」

 

「………………………」

 

 両家の夫妻は和やかな会話をしてるんだが、俺からすれば互いに一歩も譲らないと言わんばかりのピリピリした空気を醸し出している。まぁ、両家がイッセーを婿に入れたがる気持ちは分からなくもない。

 

 前にも言ったが、イッセーは以前のレーティングゲームでレイヴェルを口説いて惚れさせ、リアス(とアーシア)には大事な女と言って完全ベタ惚れ状態とさせた。それを見た両家は是非ともイッセーを婿に迎え入れようとしてるからな。加えてイッセーはドラゴン最強の一角――赤龍帝でもあるし。

 

 両家をこうさせた原因は弟のイッセーにあるから、聖書の神(わたし)がどうこう言える立場じゃない。だけどここまで躍起になってるのを見てるとちょっとなぁ……。まぁそれだけイッセーを迎え入れたい熱意があるって事にしておこう。

 

 取り敢えずこれ以上付き合ってられないので、俺は両家に同行してる使用人に先に会場へ言ってると伝言を残して別室から出た。

 

「ったく、ああ言う会話をするんなら俺を巻き込まないで欲しいよ」

 

 悪態を吐きながら会場へ着くと、大勢の悪魔がいた。ついでに美味しそうな食事も。

 

 気配を消して入場したので、誰もが俺の入場に気付いていない。俺が誰も連れずに入場したら面倒な事になるからな。

 

 さてさて、リアス達は………オーラが感じられないのでまだ入場してないみたいだ。それまでは食事を楽しむとしようか。さっきの両家の会話に少し圧倒された所為か、急に腹が減ってきたし。

 

 そう思いながら大き目の皿を片手に持ち、いくつかの料理を少し頂く。ある程度の料理を更に乗せた俺は何処か落ち着いて食べる場所を探してると――

 

「あ、あなたは……!」

 

「ん? ああ、君か。久しぶりだねぇ。会ったのは駒王学園以来かな?」

 

 ライザーの妹――レイヴェル・フェニックスと鉢合わせた。




 原作路線でやるとダラダラ感が出そうだったので、今回リューセーは別行動させました。

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