ハイスクールD×D ~神(兄)と悪魔(弟)~   作:さすらいの旅人

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ようやく書けたので、今回はフライング投稿することにしました。


第十六話

「な、え……りゅ、リューセー! あなた、小猫に何を……!」

 

 俺が小猫にビンタしたのを見たリアスが予想外のように放心してたが、数秒後には憤慨しながら俺に詰問しようとする。

 

「悪いがリアスは少し黙っててくれ」

 

「ッ!」

 

 俺が威嚇するように殺気を込めた睨みによって、憤慨していたリアスは急に押し黙って足を止める。

 

 リアスが動かないのを確認した俺は、ビンタされた頬を手で押さえてる小猫に視線を移す。

 

「小猫、いつまでそうやって逃げてれば気が済むんだ? 俺から言わせれば、今の君は駄々を捏ねてる子供の言い訳にしか聞こえないよ」

 

「っ……!」

 

 駄々を捏ねてる子供と言われた小猫は抗議するように強く睨む。俺が小猫の辛い過去を侮辱してるも同然の発言をしたから、彼女が睨むのは当然とも言えるだろう。

 

「姉の黒歌が起こした行動の所為で辛い日々を送っていた事はリアスから聞いた。確かに悲しい話で、俺も君に凄く同情したよ。力を使いたくない気持ちも充分に理解してる。だが、そんな個人的な事情を戦いにまで持ち込んだのは頂けないな。現に君は――」

 

 俺はリアスや、戦いを中断してこちらを見てるイッセーと黒歌を無視するように説教を始める。

 

 もしも小猫が過去に囚われずに猫又の力を使っていたら、今までの状況が変わっていたかもしれない。

 

 例えばライザー戦であった『戦車(ルーク)』イザベラとの戦いで、俺が教えた魔力の使い方と猫又の力を使っていればすぐにケリがついていた。更にはコカビエルとの戦いでリアス達を上手くサポートしたり、会談中にギャスパーを捕らえようと襲撃した魔術師達も迎撃出来ていたかもしれない。

 

 それらは全て今更な話だが、それでも小猫が頑張っていれば何かが変わっていただろう。尤も、それは小猫だけじゃなく朱乃にも言える事だが。

 

 とまあ俺が言いたいのは、過去にこだわって仲間を危険な目に遭わせるなって事だ。もしも力を使っていれば仲間を守れた筈なのに、過去を理由に見殺しにしたなんて事になれば、大きく果てしない後悔をする事になるからな。

 

「もうついでにこれも言わせてもらおう。君はイッセーと力の差があり過ぎて劣等感を抱いてるようだな」

 

「ッ!」

 

 今言われたくない台詞だったのか、小猫は再び俺を睨んできた。図星を突かれてるのが良く分かるよ。

 

 リアスと同様に小猫が以前からイッセーに対してコンプレックスを抱いているのは知っていた。何故人間のイッセーと圧倒的に力の差があり過ぎるんだと、部室で呟いていたのを偶然聞こえたからな。

 

「おいおい兄貴、何勝手に俺を引き合いに出してんだよ!」

 

「確かに今の君じゃイッセーの相手にすらならないよ。格闘戦に関してはイッセーの方が遥かに上だからな」

 

「……何が、言いたいんですか」

 

 イッセーの発言を無視しながらも俺は更に話を続ける。

 

「イッセーが強いのは聖書の神(わたし)の弟で赤龍帝だから、と言えばそれまでの話だ。けれどソレを抜きにすれば、アイツは特別な力なんか一切持ってない極普通の一般人だ。術や格闘の才能に溢れてる小猫とは格が違う。どちらが強いと問われれば、普通に考えて小猫の方が強いと子供でも理解出来る。だが結果としては全くの逆と来た。何故そうなったのかが分かるか、小猫?」

 

「………………………」

 

 俺の問いに小猫は答えない。と言うより、分からないと言った方が正しいか。

 

 本当なら小猫の口から言ってほしかったが、生憎と今は黒歌達と戦闘中なので俺が答える事にした。

 

「答えは簡単。イッセーは自分の事を理解し、そして受け入れてるからだよ。特別な力や才能が全く無いのを分かってる上で、今も必死に聖書の神(わたし)が課した厳しい修行に音を上げず強くなっている」

 

 傍から聞けば単なる弟自慢をしてると思われるだろうが、生憎これは事実だ。

 

 過去に俺が修行によって傷だらけで倒れてるイッセーを治療してる時、『修行が辛くて嫌なら、もう止めても良い。明日から元の日常生活に戻るか?』と、さり気なく元の平穏な生活の場へ帰そうとした。因みにドライグは俺の考えを見抜いていても、敢えて何も口出ししなかった。

 

 だがイッセーは――

 

『冗談じゃねぇ! 俺はドラグ・ソボールの空孫悟みたいに強くなるって決めたんだ! 確かに俺はバカで何の才能も無くてどうしようもない変態だけど、一度決めた事は男として絶対に曲げたくないんだ!』

 

 と、強く言ってきた。

 

 自分を理解しても強くなろうとする姿勢に、聖書の神(わたし)は思わず感動したよ。

 

「それに比べて君はどうだ? 辛い過去を理由に自分を理解しようともせず、更には自身の力を一切使わずに借り物の力だけで強くなろうとしている。そんな君とイッセーを見れば、力の差が歴然としてるのは当然と言えば当然だ。自分を理解してる、理解してないだけで全然違うからな」

 

「……………………」

 

 小猫は何も言い返さないどころか、身体を震わせ、顔を俯かせて涙を流している。

 

「イッセーに負けたくない、もしくは強くなってリアスの力になりたいなら、いつまでも否定してないで自分を受け入れろ。黒歌のように暴走してしまうのが恐いなら、俺が制御出来るように君をサポートするよ」

 

「……え?」

 

 予想外な台詞だったのか、小猫は涙を流すのを止めて顔を見上げて俺に視線を移す。

 

「困ってる後輩を助けるのが、先輩の役目だからな。安心しろ、姉の黒歌ほどではないが、君が使う術は俺もそれなりに理解して――ん?」

 

 

 ドガァァァァンッッ!

 

 

 俺が小猫に言ってる最中、何かが俺の結界に当たって爆発した。突然の事にずっと静観していた小猫やリアス、そしてイッセーが何かが向かってきた方へ見る。その先にいるのは、こちらへ片手を向けている黒歌だ。しかもかなりご立腹の様子。言うまでもないが、さっき結界に当たったのは黒歌が撃った魔力弾だ。

 

「いきなり何のつもりだ、黒歌。君の相手はイッセーの筈だが?」

 

「ちょ~っと、聞き捨てならない台詞が聞こえたのよね。あなたが白音の力を制御出来るようにサポートするなんて……私の前でよくそんな事が言えるわね」

 

 まるで自分だけが小猫の力を制御出来ると言いたげな感じだな。

 

「事実を言ったまでだ。聖書の神(わたし)はこれでも妖術や仙術を一通り知ってるんでね。猫又の術もそれなりに応用出来るよ」

 

「生憎だけど、私や白音が使う術はそんな簡単なものじゃないわ。いくら聖書の神といえども、白音の術を扱うなんて無理にゃん♪ 白音の力を理解してるのは姉の私だけよ」

 

「ふ~ん。その言い方だと、大事な妹を奪われないように必死に牽制してる過保護な姉のような台詞にも聞こえるねぇ。そんなに小猫が大事かな?」

 

「っ………。何を言ってるのかが分からないわね」

 

「そうかい」

 

 必死に誤魔化してるような気がするけど……ま、今の黒歌に追求したところでずっと否定されるな。

 

 ともあれ、黒歌が戦っているイッセーを無視してまで俺に狙いを定めた以上、小猫の返答は一旦後回しにするか。

 

「それはそうと、イッセー。お前いつまで惚けてるんだ? さっさと戦闘に集中しろよ」

 

「俺をそうさせたのは兄貴が小猫ちゃんに手を上げたからだろうが!」

 

 人の所為にしないでくれよ。まぁ確かに戦闘中の時に俺が小猫を説教すれば、誰だって惚けるのは無理もないかもな。

 

「はいはい、俺が悪かった。ってか、いい加減にさっさとケリをつけたらどうだ? いくら相性が悪いからって、梃子摺りすぎだぞ」

 

「そうは言っても、このお姉さんの幻影達がどれも本物と同じオーラなんだから、そんな簡単には――」

 

「少しは頭を使え。と言うより、何でお前は一つだけに狙いを定めてるんだ?」

 

「――え?」

 

 俺が助言を与えると、さっきまでやばそうな顔をしていたイッセーが急に落ち着くように静かになった。

 

「それらが全部本物と感じるんなら、纏めて相手すれば良いだけだろう」

 

「ソレが出来りゃこんな苦労は――」

 

「ヒントを一つだけ与えてやる。以前のレーティングゲームでの戦いを思い出せ」

 

「え? ………え~っと」

 

 仕方なくヒントを教えると、イッセーはすぐに思い出すような仕草をする。

 

 そして数秒後――

 

「……っ! 兄貴! 悪いけど結界の強度を上げてくれ!」

 

「はいはい」

 

 漸く答えを見つけたのか、俺にそう言ってきた。

 

「リューセー、どう言うこと? イッセーは黒歌を倒す方法を見つけたの?」

 

「ま、見ていれば分かるよ」

 

 リアスにそう言いながら結界の強度を上げてる中、イッセーは急に闘気(オーラ)を解放しながら両腕を交差する。

 

「はぁぁぁぁぁ……!」

 

 イッセーの身体からバチバチと赤い電流が流れてる。かなりの闘気(オーラ)の量だ。

 

「ッ! あ、あれはまさか……!」

 

「……あの技は……!」

 

 リアスと小猫は気付いたようだ。イッセーが今からやろうとしてる事を。

 

「何をするのかは分からないけど、本物の私を捉えなければ意味はないわよ。尤も、赤龍帝ちゃんが私を捉えるのは無理だけど」

 

 何をしたところで無駄だと言う黒歌に対し、イッセーは不敵な笑みを浮かべる。

 

「ああ、そうだな。確かに今の俺じゃ本物のお姉さんを捉えられねぇよ。だがなぁ」

 

「?」

 

「結界で囲ってるこの森一帯吹っ飛ばせばどうなるかなぁ!?」

 

「っ! まさか……!」

 

 黒歌が気付くも――

 

赤龍帝の怒り(ブーステッド・バースト)!!」

 

 イッセーが交差した両腕を思いっきり伸ばした瞬間――

 

 

 カァッ!! ドガァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァンッッッッッッ!!!!!!!!

 

 

 森一帯を覆うほどの光と大爆発が起きた。

 

「どわぁぁぁ~~~! な、何だこの爆発は!?」

 

「これは!?」

 

 あ、いけね。タンニーンに爆発に巻き込まれないよう構えておけって言うの忘れてた。




中途半端ですが、今回はここで区切らせていただきます。

もうついでに感想と評価もお願いします。
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