ハイスクールD×D ~神(兄)と悪魔(弟)~ 作:さすらいの旅人
俺――兵藤隆誠はイッセーの脱落を見て嘆息していた。
「これはこれは。まさかご自慢の弟君がルールを破って脱落とは」
「いけませんなぁ。こちらが課したルールを守って頂かなければ困ります」
「まぁ、致し方ありますまい。いかに赤龍帝が強いとはいえ、精神の方が未熟なのですから」
「そう考えると、ソーナ・シトリーが一枚上手だったという事ですな」
イッセーが脱落した事に、悪魔側の重鎮達が好機と言わんばかりな感じで呟き始めた。しかも俺に聞こえるように。
呆れた連中だ。さっきまでイッセーが匙をドラゴンカリバーで倒したのを見た直後、俺に向かって『あんなのは反則だ』とか『ルール違反だ』とか喚いていたのに。その時は俺が――
『イッセーに「
『ぐっ……!』
――と言って黙らせた。予想してた通り、奴等は
しかし、それが逆転するようにソーナがイッセーを脱落させた為、悪魔側の重鎮達が息を吹き返した感じで俺に嫌味を言ってきた。
立場が変わった途端強気に出てくる連中の姿勢に、俺は内心呆れまくったよ。まぁ向こうからすれば、非公式とは言え前回あったゲームで人間のイッセーが大活躍していたから、それが今回脱落したとなれば気分も良くなるだろう。今回のゲームで払拭出来たんだからな。尤も、連中の行動に四大魔王が俺を見ながら非常に申し訳無さそうな顔をしていたけど。
他の勢力の重鎮達がどう思っているかは知らないが、少なくとも北欧勢のオーディン達は馬鹿馬鹿しいような目で悪魔側を見ていた。フレイヤは何か言いそうだったけど、オーディンが咄嗟に彼女の口を手で塞いでいる。アイツは公の場でも思った事を平然と口にするからな。
まぁ、それはそれとしてだ。今回のゲームでイッセーの弱点が発覚したな。イッセーが直情な性格で挑発に乗りやすい相手だと言うことを。『実力で勝てないなら、挑発による誘導で
今後はイッセーに精神統一の修行も本格的にやらせる必要がありそうだ。でないと、ソーナの挑発によって考えなしで行動するかもしれないし。
「
「お気遣いどうも」
近くにいたアザゼルが俺にそう言ってきた。言うまでもなくアザゼルはオーディン達と同様の考えだから、こうして俺のフォローをしている。
「あのお偉方はイッセーがさっきまでどんだけ凄い事をしてたのかを全く理解してないな。
「連中からしたら過程より結果を重視しているからな。イッセーがどんなに頑張っても負ければそれまで、って考えなんだろう」
もしもイッセーが正式な転生悪魔になってれば、掌を返すように褒め称えていると思うけどな。……と、そろそろゲームの方を見ないと。
イッセーの脱落にリアス達が今後どう動くかが気になる。アイツ等もまさかイッセーが脱落するなんて予想外だろう。だが、ここで気落ちしているようでは勝てる戦いも勝てなくなる。
特にリアス。ここから先はお前の『
と、最後まで試合を見届けた試合の結果は……一先ずはリアス達の勝利で幕を下ろす事となった。
各個人の結果としてはこうだ。
ギャスパー……監視中に嫌いなニンニクを使われて捕獲され即行リタイヤ。
ゼノヴィア……真羅の
イッセー……『
小猫……戦術で『
朱乃……イッセーが脱落した事で逆鱗に触れたのか、雷光の力を解放。それを見た『
祐斗……ゼノヴィアとの連携後、彼女から借りたデュランダルを使って『
アーシア……俺が渡したアイテムを使う場面が無く、回復要因としてリアスを補佐。
リアス……屋上にいる『
以上、今回のゲームでリアス・グレモリーと眷属達が残した結果だ。
俺の個人的な見方だが、今回の功労者は『
祐斗は隠しているつもりなんだろうが、俺は偶然目撃してしまった。前回のライザー戦が終わった後、誰もいない旧校舎の教室で悔し涙を流していた祐斗を。けれど他にもあった。
加えて、リアスの本当の『
アザゼルからコッソリ聞いたが、祐斗は剣術の修行を一から徹底的に鍛え直したらしい。本当に一からで、剣の基本を再び始めてたそうだ。
夏休み前に俺が祐斗に、『才能の無いイッセーが強くなったのは、今もやっている地道な修行を続けているからだよ』と教えた。多分だが、それを聞いた祐斗は一から鍛え直したんだろう。今の剣術と
ご褒美とは言い難いけど、人間界に戻ったら祐斗には少し多目に修行時間を作るとしよう。それを祐斗が了承するかどうかは別だが、多分即行でOKするだろう。
それと功労者の祐斗とは別に……ギャスパーには今後の為、是非ともニンニクを克服してもらおうか! あんな情けない結果を見せられた所為で、俺とアザゼルは少しばかり居た堪らなかったよ! アイツは俺が直々に手を下してやる! 人間界に戻ったら覚悟しておけ、ギャスパー!
イッセー脱落後の話を書くとダラダラ感が出てしまうので、敢えてすっ飛ばしました。