ハイスクールD×D ~神(兄)と悪魔(弟)~   作:さすらいの旅人

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やっとエピローグまで行きました。


エピローグ

 八月後半。

 

 俺やグレモリー眷族(+イッセーとアーシア)は、本邸前の駅で冥界とのお別れの時を迎えようとしていた。

 

 因みにアザゼルは各勢力トップ達との会談が他にもある為に、もう暫く冥界に滞在する予定だ。聖書の神(わたし)もその一人で滞在すべきだと思うだろうが、兵藤隆誠(おれ)はリアス達と同じ学生なので、以降の会談は全て辞退させてもらった。これ以上会談に参加してたら、聖書の神(わたし)が身を引いた意味が無いからな。まぁ、セラフ達が俺が参加しないのを聞いて寂しそうな顔をしていたけど。

 

「それでは、隆誠くんに一誠くん。また会える日を楽しみにしているよ。いつでも気兼ねなく帰ってきてくれて構わんよ。グレモリー家をキミたちの家と思ってくれたまえ」

 

 大勢の使用人達を後ろに待機させ、グレモリー卿がそう言ってくる。

 

「アハハ……元神である自分としては場違いな気がしますが……」

 

「ありがとうございます! で、でも、ちょっと恐れ多いというか何と言うか……」

 

 苦笑いする俺たち兄弟だが、ヴェネラナさんは肯定していた。

 

「そんなことありませんわよ。隆誠さん、一誠さん、人間界ではリアスをよろしくお願いしますわね。娘はちょっと我がままなところがあるものだから、心配で」

 

「お、お母さま! な、何をおっしゃるのですか!」

 

 顔を真っ赤にしているリアス。随分と可愛いじゃないか。

 

「ご心配には及びません。今のリアスは完全にもうイッセーにゾッコン――」

 

「リューセー!」

 

「?」

 

 俺が言ってる途中にリアスが遮るように大きな声を出した。その所為でイッセーは聞こえなかったみたいで首を傾げている。

 

 すると、イッセーが――

 

「大丈夫です! 部長は、俺がお守りします! 俺にとって部長は大事な女性(ひと)ですから!」

 

 無自覚なのか、グレモリー夫妻の前でとんでもない事を言ってしまっていた。

 

 そう言えばコイツはこの前、黒歌と戦ってる時に赤龍帝の怒り(ブーステッド・バースト)を使ってたんだった。ライザー戦の時に使った後、完全無自覚で敵味方の女を口説いてべた惚れにさせたからな。

 

 リアスは久々に聞いたイッセーの口説き文句に、顔が自分の髪みたく紅色になってるし。もう恥ずかしいのか、イッセーに顔を見せないよう両手で顔を覆いながら背を向けている。見てて面白いわぁ~。

 

「……うぅ、私も涙もろくなったものだ。我が家の将来は明るい……!」

 

「ちょっと、あなた。そこは父親として『娘はまだやらん!』ぐらい言って返すものですわよ? フェニックス家も絶対に黙ってはいませんし」

 

「そんなことを言ってもだな。二人はもう完全に両思いなのだ。そして一誠くんは人間でありながらも私の力を超えそうなのだから、もう充分だろう? フェニックス家には申し訳ないが、私もそろそろ落ち着いてもいいのではないかと思ってな」

 

「隠居めいたことを仰るのは、せめてリアスが高校を卒業してからにしてください。それに両思いとはいえ、向こうはそう簡単に諦めてくれるとは思いませんし」

 

 ちょっとちょっとグレモリー夫妻、そういう話は俺達がいない時にしてくれませんかねぇ? 貴方達の会話でイッセーが理解不能のように首を傾げてるんだからさ。イッセーもイッセーでいい加減に気付いてほしいけど。

 

「リアス、残りの夏休み、手紙ぐらいは送りなさい」

 

 サーゼクスがリアスにそう言う。そのすぐ後方にはグレイフィアさんが待機していた。

 

「はい、お兄さま」

 

 さっきまで顔を赤くしていたリアスだったが、元の顔に戻って兄のサーゼクスの言葉に頷く。

 

 それと――

 

「リューセー兄さま、もう行っちゃうんですか?」

 

 さっきから俺の傍にいるミリキャスが凄く寂しそうな顔で見ていた。この子は昨日、俺が今日帰る事を知ってからずっと離れなかったんだよな。

 

 因みに昨日サーゼクスがいたんだが、息子のミリキャスがずっと俺の傍にいたから少し睨まれた。睨まれたと言うより、大事な息子を取られた父親としての嫉妬だ。今もちょっとサーゼクスに睨まれてるけどな。

 

「今度は君が家に遊びに来ると良い。その時は俺が町を案内してあげるよ」

 

「っ! はい! 絶対、絶対に遊びに行きますから!」

 

 頭を撫でながら言うと、ミリキャスは力強く返事した。

 

 そして俺達は列車に乗り込み、窓からサーゼクス達に最後の別れを告げる。

 

 

 

 

 

 

「ほらイッセー、人間界に着く前にせめて現国ぐらいは終わらせとけ」

 

「喧しい! ってか何で兄貴はいつの間に宿題終わらせてんだよ!?」

 

 帰りの列車。

 

 俺は前にやっていた栽培プランをノートに記載してる中、隣で宿題に手をつけているイッセーに早く終わらせておけと指示していた。

 

 夏休みの大半を冥界で過ごしていたので、イッセーは宿題の事をすっかり忘れていたようだ。ま、宿題なんか気にしてられないほどの濃密な日程だったからな。

 

 二年生のイッセー達と同様に、三年生の俺も学校の宿題はある。けれど、俺はもう既に終わらせていた。修行が終わった休息日の時に。

 

「修行が終わった後、グレモリー家で終わらせた。分身拳を使ってな。あっと言う間に終わったぞ♪」

 

「きったねぇ~~! 天津丼の秘奥義を便利に使いやがってマジきたねぇ! やっぱりあの技、俺にも教えてくれよ!」

 

「却下だ。お前が分身拳なんて覚えたら碌な事にならん」

 

 もしイッセーが四人になったら恐ろしい事になってしまう。エロの権化と言われてるコイツが分身拳を使ったら、学園の女子達にとんでもない迷惑を被る事になってしまう。兄として、そんな事は絶対に覚えさせる訳にはいかない。

 

 例えばムラムラした四人のイッセーがリアスや朱乃を襲ったら……例えを間違えた。あの二人だったら抵抗しないで受け入れるどころか、四人のイッセーの性欲を満たす為に纏めて相手するだろう。好きな男相手なら尚更な。

 

「それはそうと、今回の合宿で何か目標でも出来たか? ヴァーリを倒す以外の最終目標とか」

 

「え? え~っと……」

 

 話題を変えると、喚いていたイッセーは静かになって急に何か考えるような顔つきになる。

 

「まぁ、最初は部長の眷族になってハーレム王になろうって思ってた。タンニーンのおっさんにも教えたけど、それを最終目標にするのは勿体ないって。ま、ハーレム王になる前にやる事あるけどな。ヴァーリに勝った後、聖書の神(あにき)を越えてぶっ倒すってデケェ目標が」

 

「…………ふっ。楽しみに待ってる」

 

 師である聖書の神(わたし)を超える、か。中々良い目標じゃないか。それでこそ俺の弟だ。

 

「そうそう。夏休み中は宿題とか色々あると思うからやらないが、二学期に入ったら、久々に俺直々の修行をやるぞ。ついでに精神統一も兼ねて、時々ローズさんも加える予定だ」

 

「げっ! あの人も!?」

 

 ローズさんと聞いたイッセーが物凄く嫌そうな顔をする。

 

「この前のレーティングゲームで、お前には感情のコントロールも必要だと実感してな。ローズさんほど適任者はいない」

 

「勘弁してくれよ! 俺、あの人と相手するの嫌なんだけど!?」

 

「だからローズさんが適任なんだ」

 

 近い内にイッセーの修行相手をしてもらうよう、昨日ローズさんへ連絡したところ――

 

『了解したわぁ。うふっ♪ イッセーちゃんとのお相手をするときは是非ともワタシにま・か・せ・て♪』

 

 嬉しそうに了承してくれたからな。ま、流石にお店の事もあって時間取るのは難しいけど。

 

 すると、小猫がいきなり現れて……何故かイッセーの膝に座った。

 

 突然の事にイッセーや俺は何が起きたのか分からなかったが、小猫はイッセーの膝の上に座って、猫耳をぴこぴこ動かしていた。

 

「こ、小猫ちゃん……?」

 

 イッセーが恐る恐る小猫の顔を覗くと――

 

「にゃん♪」

 

 満面の笑みで微笑んだ。

 

「ど、どうしたんだ、小猫……?」

 

 俺も恐る恐る見ると――

 

「にゃん♪」

 

 こっちにも満面の笑みで微笑んできた。

 

 余りの可愛さに俺は思わず頭をナデナデすると、小猫は気持ち良さそうな顔をしている。

 

 小猫がイッセーの膝の上に座ってる所為か、アーシアが涙目だったり、リアスが半目で睨んでいたり、朱乃が無言の笑みでプレッシャーを放っていた。

 

 ――なぁ兄貴、これはどゆこと?

 

 ――さぁ……? まぁ、愛くるしさがあって良いんじゃないのか?

 

 ――それは同感! 可愛いは正義です!

 

 視線で訴えてくるイッセーだが、小猫の行動に今も戸惑ってる俺は余り気にしないでおく事にした。

 

 もしかしたら、小猫は完全に心を開いてくれたかもしれないな。特にイッセーに対して。どうやらリアスのライバルはもう一人追加のようだ。

 

 そんなこんなで、列車は俺達の住む人間界へと向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

「ん? アイツは……」

 

 人間界側の地下ホームに列車は辿り着き、俺がリアス達より少し遅れて出ると、その先に不可解な光景が映っている。見覚えのある男がアーシアに詰め寄るも、イッセーが間に入って阻止していた光景が。

 

 アイツは確か……若手悪魔の会合でいたディオドラ・アスタロトだ。何故あの悪魔が人間界にいてアーシアの前で跪いて、その手にキスしてるんだ?

 

「………よし、殺そう」

 

 大事な妹分のアーシアに手を出す愚かな悪魔には、聖書の神(わたし)が死の鉄槌を下さないとな。

 

 ……何て冗談は止めて、何故アイツが此処に来てるのか問い詰めるとしよう。

 

 俺が来た事にイッセーやリアス達が気付くも、ディオドラは気にせずアーシアに言った。

 

「アーシア、僕はキミを迎えにきた。会合のとき、あいさつできなくてゴメン。でも、僕とキミの出会いは運命だったんだと思う。だから――僕の妻になって欲しい。僕はキミを愛しているんだ」

 

 奴は俺やイッセーの目の前でアーシアに求婚していた。

 

 ……前言撤回だ。やっぱり殺そう。

 

 暑かった夏が終わりを告げ、長くなると思われる秋が後少しで始まろうとしていた。




やっと五巻の内容が終わりました!

次は漸く六巻です!

けどその前に……番外編どうしようか。
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