ハイスクールD×D ~神(兄)と悪魔(弟)~   作:さすらいの旅人

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今回はいつもよりちょっと短いです。


三十三話

「と、取り敢えず一勝って事で」

 

 俺とゼノヴィア、戦い損ねたが小猫ちゃんとギャスパーは『兵士(ポーン)』八名と『戦車(ルーク)』二名に勝利した。

 

 不利な戦況かと思いきや、思っていた以上にアッサリと完勝しちまったぜ。

 

 やっぱり前のシトリー戦の時に背負った俺達のハンデが凄くでかかったな。俺だけじゃなく、ゼノヴィアまであれ程の威力をぶっ放したんだ。恐らくだが、この戦う予定の部長や朱乃さんも派手にやるかもしれないな。

 

 それはそうと、俺が気絶させた敵の『兵士(ポーン)』は小猫ちゃんの仙術で魔力を練られないようにし、念の為にギャスパーのヴァンパイア能力で魔力を吸い取って柱に縛り上げた。

 

 残りの敵は『女王(クイーン)』、『騎士(ナイト)』二名、『僧侶(ビショップ)』二名、そしてディオドラ。あちらはフルメンバーだから。あれ? そう言えばアイツ、さっきアーシアを眷族にしてたみたいだが、もうフルメンバーだから出来ない筈じゃ……?

 

「行きましょう」

 

 俺が疑問を抱いてる中、部長の掛け声と共に俺達は次の神殿へ足を進めた。

 

 二番目に俺達を待っていたのは……敵三名の姿だ。

 

「……映像の一件から僕の記憶が正しければ、『僧侶(ビショップ)』一名、『騎士(ナイト)』一名、『女王(クイーン)』です」

 

 祐斗がそう言う。祐斗の奴、よく分かるな。ひょっとして俺と同じく相手の魔力を探ってるのか? それとも背丈か? どっちなのかは分からんが。

 

 しっかしまぁ、二番目に『女王(クイーン)』を出すのかよ。最初の相手といい、序盤に主力クラス出すってアイツは一体何考えてんだ? まさかとは思うが、もう不要な眷族だから捨て駒扱いしてるんじゃねぇだろうな?

 

 取り敢えず『僧侶(ビショップ)』と『女王(クイーン)』は別として、『騎士(ナイト)』の方は祐斗の敵じゃないな。映像記録で見ても祐斗とは比較にならないほどの実力差がある。

 

「待っていました、リアス・グレモリーさま」

 

 ディオドラの『女王(クイーン)』がフードを取り払って顔を見せる。中々の美人だな。ブロンドで碧眼が綺麗なお姉さんだ。

 

 あと『僧侶(ビショップ)』と『騎士(ナイト)』も女性だったな。どちらもフードを深く被って顔を見せないけど、『騎士(ナイト)』の方は剣を取り出していた。

 

 ついでに『僧侶(ビショップ)』の魔力とサポートはかなり優秀だったな。魔力だけを言うなら、アーシアやギャスパーを超えているかもしれない。サポートに関しては、こっちの『僧侶(ビショップ)』二人が断然上だ。回復と時間停止だしな。因みにアーシアの自衛スキルはまだ未公開だけど。

 

 取り敢えず俺は再び参加なので、一歩前に出るとしよう。

 

「あらあら、『女王(クイーン)』が出るのでしたら、ここは私が出ましょう。イッセーくんの体力温存も兼ねて」

 

 おお、朱乃さんか! 今度は見せ場を奪わないようにしないとな!

 

「あとの『僧侶(ビショップ)』と『騎士(ナイト)』は祐斗と連戦中のイッセーが出ても充分ね。私もイッセーの体力温存の為に出るわ」

 

 と、部長もか!? 俺、二大お姉さまと共闘する事になったよ。ってか別に、まだ体力有り余ってるから大丈夫なんだが……ま、ディオドラとの戦闘で無駄な体力を使わせないようにする、お二人の優しい気遣いなんだろう。

 

「あら、部長。イッセーくんの温存は私だけでも充分ですわ」

 

「何を言ってるの。いくら雷光を覚えたからって、無茶は禁物よ? イッセーの援護をするのであれば、ここは私たち二人が堅実にいって最小限の事で抑えるべきだわ」

 

 雷光と滅びの力か……どちらも強力で恐い気がする。まぁ二人がメインで戦うんなら大丈夫だけどな。

 

 あ、そう言えば昨日の夜に兄貴が――

 

『イッセー、今度のゲームの時に朱乃をパワーアップさせる方法があるぞ。まぁこの方法は多分リアスにも通じるだろうが』

 

『はぁ? どう言う事だ?』

 

『取り敢えず今回は朱乃にだけ言っておいてくれ。そうすればリアスも食いつくから』

 

『だから、何を言えば良いんだ?』

 

『それは――――って事を朱乃に言え』

 

『そ、そんな事で本当に朱乃さんがパワーアップすんのか?』

 

『間違いないって断言しておく。とにかく、朱乃が前に出たら必ずそう言え。その後にアレを渡すから』

 

『あ、ああ、分かった……』

 

 ――ってな事を言ってたんだよなぁ。今でも本当に朱乃さんがパワーアップするのかが信じがたいけど。

 

 まぁ、兄貴があそこまで言い切ったんだから、取り敢えず言うだけ言ってみよう。

 

「朱乃さん、ちょっと良いですか?」

 

 俺が呼ぶと朱乃さんが振り向く。

 

「えっと、無事にこの戦いが終わったら、今度の日曜俺と二人っきりで遊園地に行きませんか? 兄貴から『遊園地のチケットやるから朱乃と二人だけで行け』と言われまして―――って、こんな時に変なこと言ってすいません! いくら朱乃さんでも、俺みたいなどスケベ野郎と二人っきりなんて嫌でしょうし――」

 

 

 カッッッ!! バチバチッッ! バチバチバチバチィィィッッッ!!!

 

 

 俺が言ってる途中、朱乃さんの全身から凄まじい雷光のオーラを放出していた! ってか、すげぇオーラの量だよ! 俺の龍帝拳ほどじゃないけど、それでも凄まじいオーラじゃねぇか!

 

「……うふふ。うふふふふふふふふふふふ! 二人っきりで遊園地にいく、これは即ち……イッセーくんとデート! そしてこれはリューセーくんも公認!」

 

 うおおーう! 朱乃さんが迫力ある笑みを浮かべながら、周囲に雷が走り出してるよ! ってか更にオーラの量が上がってるし! マジで兄貴の言ったとおり凄まじいパワーアップしてるよ!

 

「酷いわ、イッセー! 私と言うものがありながら、朱乃にだけそんな事を言って! それに何でリューセーも朱乃を贔屓してるのよ!? これは余りにも不公平すぎるわ!!」

 

 おいおいおいおい!? 今度は部長が涙目で俺に訴えてきたよ! 更にこの場にいない兄貴も含めて! ってか何なのこれ! 何で二人がこんな反応をしてるのかが全くわからねぇぇぇぇえっ!

 

「うふふ、リアス。これも私の愛がイッセーくんに通じた証拠よ。更にはリューセーくんも私を応援しているんだから、もう諦めるしかないわね?」

 

「な、な、何を言っているの! ゆ、ゆ、遊園地に行くぐらいの事で雷を迸らせる卑しい朱乃になんか言われたくはないわ! リューセーだって、そんなことで応援するわけないでしょう!」

 

 ……おい此処にいない兄貴、何か予定外な事が起きてるぞ。部長と朱乃さんが口論してるんだけど?

 

「なんですって? いまだ抱かれる様子もないあなたに言われたくないわ。その身体、魅力がないのではなくて? それを知ったリューセーくんが見限ったんじゃないの?」

 

「そ、そんなことはないわ! こ、これはリューセーが知らない事よ! この間だって!」

 

「この間だって?」

 

「……イッセーがベッドの上で胸をたくさん触ってくれたわ」

 

「……それ、イッセーくんの寝相が悪くて結果的にそうなっただけではなくて?」

 

「……………き、キスしたもん。二回も」

 

 あ、今の部長がヤバイくらいに可愛い。完璧に普通の女の子だったぞ。

 

「なら、私も今すぐイッセーくんと舌を絡ませるわ。三回連続リアスやリューセーくんの目の前で」

 

「朱乃! ダメ! ダメよ! あの子の口にあなたの舌が入るなんて想像もしたくないわ! あの子の口は私のものなんだから! リューセーだってそう思ってるはずよ!」

 

 ……ちょっとちょっとお姉さま方、揃ってなんつー会話をしているんですか。もし兄貴がいたら、付き合ってられんみたいに無視すると思うんですけど。

 

 何か俺を巡っての口論? なのかは分からんが、それでも嬉しいような恥ずかしいような……。

 

 お姉さま方の口論に、相手の『女王(クイーン)』と『僧侶(ビショップ)』と『騎士(ナイト)』も完全に困惑している様子。そりゃ当然だ。

 

 けれど、このおかしな空気に耐えられなくなったのか、『女王(クイーン)』が全身に炎のオーラを纏いながら激昂する。

 

「あなた方! いい加減になさい! 私たちを無視して、そんな下等な人間の取り合いなどと――」

 

「私の可愛いイッセーを下等呼ばわりするなんて、万死に値するわ!」

 

「イッセーくんを下等な人間? ふざけた事を言う方にはお仕置きが必要ですわね!」

 

 

 ドッゴォォォォオオオオオオオオオオンッ!!!

 

 

 部長と朱乃さんが最大級の一撃を『女王(クイーン)』と『僧侶(ビショップ)』と『騎士(ナイト)』に撃ち放った! その威力は間近で見ている俺でも寒気がするほどの膨大さだったよ!

 

 滅びの魔力と雷光の魔力が同時に巻き起こり、うねりとなって、敵を容赦なく包み込んでいったよ! 以前のライザー戦に備えた身体能力強化の修行をやった事もあってか、前方の風景を木っ端微塵にぶっ飛ばしてるし!

 

 敵の三名はプスプスと煙を立ち上げながら、床に倒れこんでいたのは言うまでもない。もう瞬殺レベルの威力だったからな。

 

 しかし、今回は俺の見せ場が全く無かったな。完全に部長と朱乃さんの独壇場だったし。

 

 試合が終わったにも拘らず、この二人の口論は未だに止まらずだった!

 

「だいたい朱乃はイッセーの身体を全部知っているの!? リューセーからイッセーを眷族候補にしていいって許可をもらったから、私は細部まで知っているのよ!?」

 

「たかだかそれだけで、触れた事や受け入れた事もないのでしょう? リアスは口ばかりですものね! リューセーくんだって呆れている筈よ! 私ならいついかなる時でもイッセーくんを受け入れる準備をしているんだから!」

 

「うぬぬぬ! ………まあ、いいわ。それはアーシアを救ってからゆっくりと話し合いましょう。先ずはアーシアの救出よ。そうしないと、リューセーに怒られそうだわ」

 

「ええ、わかっていますわ。リューセーくんほどじゃありませんが、私にとってもアーシアちゃんは妹のような存在ですもの」

 

 お二人ともやっと意見が一致してくれたか。

 

 一先ず『女王(クイーン)』と『僧侶(ビショップ)』と『騎士(ナイト)』を撃破した俺達は、更に神殿の奥へと進んでいくのであった。




原作と大して変わらない流れでした。
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