普段通りの通り道――――――いつもの帰り道。
そこでは不変が常に通っていたがその日だけは不変は通っておらず、
“異常”が立っていた。それに遭遇した少年。
不変の日常生活が“異常”の日常生活へと変化した。


※※※※この作品は小説家になろうにも掲載しております。

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この作品は小説家になろうにも掲載しております。


不変リバース異常

学校からの帰り道――――普段通りの通り道――――引っ越してからずっと使っていた道。

その道の上で金色の鎧を纏ったものとどこかの学校の制服を着ている少年が

互いに視線をぶつけあっていた。

少年の名は夜上士(やじょうつかさ)

夜上士は驚きのあまり、言葉を放つこともガタガタ震えている足を後ろに向けて

この場から一目散に逃げることもできずにいた。

目の前にいるのは今の時代には似つかわしくない格好をした人物。

全体の八割が金色であり、残りの部分――――主に顔を隠している面、肩、腕の

部分に黒い装飾が施されていた。

そして、その指には通常サイズのスーパーボールと同じくらいの大きさの

金色に輝く宝石がはめ込まれている指輪をしている。

「あ、あんた誰だよ」

ようやく吐きだせた言葉はそれだった。

『この状況にてその行動を選択したか……決めた。貴様にしよう』

「うわっ!」

金色の鎧を身に纏った存在が士に指輪をしている腕を向けた瞬間、突然、

士の足もとに金色に輝く円が出現し、そこから竜巻が発生して

士の身体をいとも簡単に浮かばせた。

平衡感覚を失い、グルグルと回転続ける士の耳に声が聞こえてくる。

『これで完了だ』

「くそぉ!」

士が手を伸ばした瞬間、彼の視界が眩い光によって潰された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ん」

「あ、目覚めた」

意識が戻りかけた時、額に何か冷たいものが乗せられた感じがした。

それがキッカケとなり士は完全に目を覚まし、両眼をあけると

見慣れない白い天井が見えた。

少し、視界がぼやけている状態のまま体を起こし、周囲を見渡すと

赤い髪をした少女が士が横になっていた寝台の傍に座っていた。

「どう? 気分は」

「あぁ……最悪だな。ていうかあんた誰?」

「こっちのセリフ。水汲みに行ってたらあんたが

倒れているのを発見してここまで運んできたのよ」

と、そこで士は疑問を感じた。

技術が発展した現代で水を汲むなどと言うのはほとんどない。

そりゃ、どっかの奥の地域に行けばあるのかもしれないが少なくとも

田舎と呼ばれている地域にさえ水道ある。蛇口をひねれば水が流れてくる。

そして、ふと周りを見渡した時に気づいた。

今、いる場所の周囲にあるものが現代では一切見ることのなかった

物ばかり置かれていた。

冷蔵庫やテレビなどの技術の結晶などはなく、床に肉らしきものが

置かれてるのが見えたがその下に青色に淡く輝いている円形の陣のようなものから

冷気と思わしき煙が出ており、さらに壁にも大きな陣があり、そこからまるで

ラジオのように音が流れていた。

そして極めつけは少女の指にもあの金色の鎧を纏っていた奴と

似たような指輪がはめられていた。

「なあ、外出ていいか?」

「良いけど。こっちよ」

少女に案内されながら周りをもう一度見渡して見るがやはり、

現代とは全く異なる家の感じがした。

「はい」

「……ドアねえじゃん」

少女に言われた場所を見てみるとそこには二メートルほどの長方形が

描かれている壁であり、外に出るための扉はないように見えた。

「何言ってんの? ていうかあんたリングは?」

「リング?」

とりあえず、ズボンや上着のポケットの中を探してみる。

すると。

「なんだこれ」

上着のポケットに一つの指輪が入っていた。

少女が付けている指輪にはめられている宝石とは違い、色は白だった。

「もしかして混乱してる?」

そう言い、少女が指輪をつけている方の手を長方形の中心に手を置くと

長方形を描いている線に光が一瞬だけ入り、先ほどまであった壁がなくなって

外への出口が生まれた。

生まれた出口を出るとそこに広がっている光景は今まで見てきたものとは

明らかに違っていた。

周囲には背が高い木が生い茂っておりその木に今まで見たことのない生物が

乗っており、さらに下を見るとコンクリートの道路ではなく土の地面の道路が

ずっと向こうにまで広がっていた。

周りには少女と同じように指輪をはめている者たちが薪を斧で割ったり、

でかい猪のような動物を解体していたりしていた。

着ている服はそう大差なかった。

「なあ、ここどこなんだよ」

「どこって言われてもねえ。王都・ロンテグロールとしか言いようがないけど」

聞いたことのない名称だった。

さらに周りにいる人々は手に小さな陣を展開して、そこから炎だったり

水だったりをだして生活をしていた。

そこで士は一つの結論に至った。

―――――“あぁ、俺。魔法の世界にトリップ”したんだと。

「さ、山賊だぁ!」

そう考えていた時に向こうの方から声が聞こえ、少女が険しい顔をして

声が聞こえた方向へと走っていった。

とりあえず、この場にいても不安しかないので士も少女に付いていく。

「また、あんたたちか!」

数メートル走ったところで少女が止まると前方に斧やら剣やらを持った男たちの集団が家屋らしき

物を破壊したりしており、その手には指輪がいくつかあった。

「こんな小さな村がリング持ってても意味がねえんだよ!」

その時、士は男性が集団の陰に隠れている男がこちらに向けてリングを

翳したのが見え、少女の腕を引っ張ってその場から退くと二人がいた場所に

バスケットボールサイズの火球がいくつか落ちてきた。

「あ、ありがとう」

「ああやって陰に隠れてコソコソやる奴もいるから気をつけろよ……ん?」

その時、先ほどまで白色だった宝石が赤く輝いているのに気付き、

なんとなく手に力を込めると宝石から炎が噴き出し、山賊達が放った

ものよりも五倍ほど大きい火球が出来上がった。

「う、うおぉぉぉ! アチアチアチアチ!」

「バ、バカ! あんたどんな頭してんのよ!」

「ど、どうすりゃいいんだよ!」

「取り敢えず投げなさいよ!」

少女に言われ、すぐさま腕を振るうと火球がそのまま山賊めがけて飛んでいく。

山賊達はあまりに大きい火球を見て恐れ慄き、逃げようとするが間に合わずに

地面に着弾した火球が大爆発を起こした。

「うわっ!」

凄まじい爆風と熱風が士達にも襲いかかり、吹き飛ばされそうになるが

なんとかその場に踏みとどまった。

黒煙を上げている場所を見てみると先ほどの山賊達が気を失った状態で

地面に倒れ伏していた。

「やり過ぎよあんた!」

「い、いや俺知らねえし!」

「もうちょっと魔力量を抑えてから発動しなさいよ。たっく、あんたが

発動した魔法のレベルが低かったから良かったものの」

そう言いながら少女は山賊が持っていた指輪を没収して円形の陣を

目の前に展開するとそこから鎖が排出され、倒れ伏している山賊達を

雁字搦めに拘束した。

 

 

 

 

 

 

 

「ハ、ハァ!? ここで働け!?」

「そうよ。あんたが家屋を木っ端微塵に破壊しちゃったからその

建て直しができるまであんたが手伝いなさい。住居は空き家を

貸してあげるから」

「いやいやいやいや! あれは仕方がない」

「い・い・わ・ね」

少女の後ろに控えている鬼の形相をした住人らしき人物たちにも

迫られた士は首を縦に振るしかなかった。




初めて重複投稿しました。
これがこちらのサイトでの初のオリジナル作品です。
それでは。

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