艦娘(?)を匿うことにした   作:肉羊

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スレンダーな美人を拾った元社畜君!


第二話 鎮守府がブラックかと思ったら……

犬も歩けば棒に当たるという諺をご存じだろう。

何かをしようとすれば不幸な目に遭う事が多い、という意味で使われたり、真逆の意味で

出歩けば幸運に巡り合う、という意味で使われたりもする。

 

ところで疑問だが

慣れない散歩をして、海で美人な艦娘(?)を見つけた挙句に保護する羽目になった俺に対してこの諺を使う場合、どっちの意味で使えばいいのだろうか。

 

 

 

「モウ!叫ブナンテ……酷イジャナイノ」

「いやぁ、すいません本当に、でもこっちもビックリしたんですよ?ええ、人生でもトップレベルで、でも助けたのは俺ですからね?」

 

思いっきり驚かせた艦娘さんに問い詰められる俺、だがしかーし!意識混濁して危なそうな所を助けたのは事実だからその分マウント取れるのだ!コラそこ、厚かましい上に恩着せがましいとか言うんじゃありません。

 

「フーン?トコロデ、ココハドコカシラ?」

「ここは俺の家ですよ、貴方が倒れてた海の近くでですね、一応病院とか連れて行こうとは思ったんですけど、その時には連絡手段が無くてですね、放置してると危なそうなんで一旦家に運び込んだ次第です」

「ソウ……」

「本当なのにぃ」

 

胡散臭いと思ってるのかジトーっとした目で見てくる女性。

 

事実なのにジト目で見られたよ、何で?視線なら「まだ」下の方に行ってないよ?

 

「ドウデモ良イノダケレド、貴方ハ私ヲドウスルツモリナノ?」

「いや、どうもしませんって、お体の調子がよろしいなら別に構いませんが」

「本当ニ何モシナイノネ?」

「いや、本当ですって、なんなら今お帰りになられてもよろしいですよ」

 

全く、なんでこうも人を疑ってくるんだろう、俺が乱暴するような奴に見えるのか!

 

いや、シチュエーションは完全に危ない人だけどさぁ・・・いや、100%善意だったからね?おい待て警察は呼ばないで!二回も社会的に死にたくないんだって!

 

「ひとまず鎮守府に連絡してもいいですかね?あっちも心配してるでしょうし」

「チンジュフ?……!」

「え?何か問題がイテッ」

体は大丈夫そうなので、ひとまず鎮守府に連絡しようと電話番号を調べるべく、スマホで鎮守府の検索を掛けようとしたが、何故か腕をがっしり掴まれた(しかし力強いなオイ)

 

「鎮守府ニ連絡スルノハ止メナサイ!」

「え?いやでもあっちも探してると思いますよ?」

「イイカラ!連絡ハシナイデ、オ願イヨ……」

 

なんか知らないが哀願されたよ、嫌な予感はしてたが……もしかして訳有りか?(脱兵とか)

確かにクジラと神話生物の混血みたいな化け物と延々戦ってたら嫌になるのも分かるし逃げたくなるのも分かるが……いやでも俺にどうしろってんだよ畜生めぇ!

 

それとも労働基準法ガン無視なブラック企業、いや、ブラック鎮守府って奴だったのか?

 

なら、上司に馬車馬みたいに使われて、ほんの少し問題が起こったらポイされた者同士仲良く出来そうだ。

 

一つ言えるのは……だ、か弱い小市民の俺をどうか巻き込まないでくれ。

 

「ええ、分かりましたよ連絡はしませんとも、はいはい、それで?もうお帰りになるんで?」

「アリガトウ、ソレト、ココニ住ンデモイイカシラ?」

「ええ、分かってますとも勿論……Huh?いや今なんて?」

「ココニ住マワセテ」

 

さらっと、爆弾発言をぶち込んでくる艦娘。

 

噓だと言ってよバァァァァァニィィィィ!倒れてる美人が艦娘になって艦娘が面倒事になったよ!一回社会的に死んでるおじさん相手に何を要求してるんだ此奴はぁ!?

 

絶対に駄目だぞ!?こんなの面倒事以外の何事でもないんだが!?

 

「いやいやいやいや、無理ですって!訳有なのは分かるんですが、巻き込まないでくださいよ本当に!」

「ココガ私ノ部屋ネ、ソコモ私ノ部屋、貴方ノ部屋ハソコトソコデ良イカシラ?」

「おい待て何一人で交渉進めて部屋割りしてんだ、修学旅行の陽キャか」

「アア、コレ(布団)気ニ入ッタカラ明日カラ使ウワネ」

「ま る で 話 が 通 じ な い」

 

これが会話の砲雷撃戦か、いやはや、理不尽ですなぁ……ざけんな!

 

「いい加減にしてくれよ、もういいからさ、鎮守府に、いや警察に連絡すっからな……おい何するんだ返せ!」

「コレデ……連絡ヲスルノネ?」

 

余りに横暴だったので、俺も流石にプッツン来て、脅し抜きにスマホを取り出して警察にダイヤルをしようとするも、信じられない速度でスマホを奪われてしまった

 

「モウ一度言ウケレド、コレカラ此処ニ住ムワ、良イワネ?」

「何言ってんだそういうのは……ヒィ!?」

 

何か言い返そうとしたが、頭に浮かんできた反論は、恐ろしい力で握り潰されたスマホを見てもれなく反抗する意志共々消沈した。

 

どんな握力だよ、花山かな?

 

「貴方ニハ感謝シテルワ、ダカラ余リ乱暴ナ事ハシタクナイノ……ネ?」

「いえすまむ」

 

感謝の言葉じゃなくてどう見ても脅しだが、相手が言うには感謝されてるらしい、やったね!こんな美人に感謝された挙句に同居できるなんて夢みたいだぁ!いや、むしろ夢であってくれ、そして早く覚めてくれお願いだから。

 

「万ガ一助ケヲ呼ンダラ、貴方ヲ協力者トイウ事ニスルワ」

「そ、そうなると俺はどうなるんだ……ですか」

「サァ?ドウナル事デショウネ、貴方ガ上手ニ弁明スレバ、モシカシタラ処刑ハサレナインジャナイカシラ?」

「あはは、御冗談を……冗談だよね?」

 

やっぱりこうなったよ、これはブラック鎮守府じゃなくて、脱兵の方だな間違いない

 

一時的にとはいえ家に連れ帰って保護したのは事実だし、どれくらいの期間保護していたのか分からないんじゃ、最悪仲間扱いされて今度は物理的に首が飛びかねない。

 

いやこのご時世だ、俺みたいな消えても問題にならない奴に対しては「疑わしきは罰せよ」の精神で来るだろう。

あれ?外堀埋められるどころか、一手で王手決められてね?俺詰みすぎワロタwwwワロタ……

 

「私ノ名ハ戦艦棲姫、コレカラドウゾヨロシクオ願イネ、協・力・者・サ・ン・?」

 

センカンセイキさん(名前的に戦艦の艦娘か?)は、俺が困惑と絶望と恐怖で吐きそうになっていることを知ってか知らずか、唇に手を当てながらクスクスと悪戯っぽく笑った。

 

凄く色っぽいよ畜生……




別嬪さんと同居だなんて羨ましいなぁ(ゲス顔)
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