艦娘(?)を匿うことにした   作:肉羊

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艦娘(?)を匿うことにした・・・というより、匿う羽目になった?
タイトル変えた方がいいかな


第三話 我が家の姫様(貧乏舌)

深海棲艦共の脅威は、以前に比べれば大分収まってきたとはいえ、まだまだ油断のできない状況、依然として深海棲艦の攻撃は止まず、戦況は未だ艦娘頼りと言える。

そんな台風の目ともいえる艦娘様(?)の一人は今現在・・・

 

「ネェ、コレデ終ワリナノ?マダマダ食ベ足リナイノダケレド」

「一円でも俺に貢いでから言ってくれよ、この女版ぬらりひょんが」

「ヌラリヒョンッテ……何ヨ?」

「妖怪の総大将扱いされたりする高貴な妖怪だよ」(あっちはすぐ居なくなる分マシだがな!)

 

人様の家で家主よりも家主らしく振舞っていた。

 

先程の一方的すぎる交渉(脅迫)から数十分、早くも飯をねだり始めた戦艦棲姫(漢字で書くとこうらしい)

 

最初は怒りの余り軒先に生えてる雑草でも食わせてやろうかと思ったが、下手に機嫌を損ねたくないので(命に係わるし)買い溜めしていたパスタを作ることにした。(ナポリタンの魔術師とは俺の事よ)

 

結構作った筈なんだが、この艦娘型ブラックホールはあっさり平らげやがったよ!

おまけにまだパスタを要求してきやがる。

 

「総大将ネェ……フフン、上位種ノワタシニ相応シイ呼ビ名ダワ」

「へ、へぇ……上位種って?」

 

キレそうになりながら追加のパスタを茹でていると、「戦艦ぬらりひょん」が気になることを言ってきたので、聞き返してしまった。

 

上位種?HR4位で解放されたりするんだろうか?狩猟できるものなら、目の前の高慢ちきを今すぐにでも討伐してやりたいが。

 

「私ノヨウナ強大ナ力ヲ持ッテ産マレタ者ハ、下位種達カラ畏敬ノ念ヲ込メテ、姫ト呼バレルノヨ、ドウ?凄イデショウ」

「実力主義なのかよ、ブラックの典型じゃないか」

「(ブラック?)姫ノ中デモ私ミタイナ特ニ、強力ナ潜在能力ヲ秘メテイル者ハ、特殊ナ改造ガ施サレルノヨ、フフフ……ソンナ私ノ直近ノ部下ニナレルナンテ、本当ナラ凄イ栄誉ヨ?貴方ノ料理ノ腕ハ気ニ入ッタカラ専属ノ料理人トシテ雇ッテアゲヨウカシラ?」

(訳:一部のエリートは姫と呼ばれるよ!貴方ご飯美味しいから雇おうかな!)

 

「はいはい、機会があれば是非お願いしたいもんですね~ほれほれ、追加のパスタだぞ~味変えてみたからね~」

「アラアリガトウ、……!コレモオイシイワネェ」

 

鎮守府って実力主義の上にカースト制度付きかよ、その組織構成的に人類の正義の味方ってよりも黒幕組織の方が似合ってそうなんだが、んで、こいつは敵幹部の噛ませポジションか?

いやいや、それ以前に業務スーパーで買ったスパゲティに舌鼓を打ってるこいつが姫とか片腹痛いわ。

もしかすると、海岸で行き倒れになってたのもこの自己中心的な性格が災いしてなのかもしれないなぁ……何か黒歴史を見てるようで哀れになってきた、ほんの少しだけ優しくしてやるかぁ。

 

「フゥ、オ腹一杯ニナッタワ、ゴ馳走様、本当ニオイシカッタ」

「あい、お粗末様でした」

謙遜抜きに粗末な食事。だのにここまで喜んでくれるんだ、ちゃんとした料理食わせたらどんな反応するのだろうか?

やばい……ちょっと興味が沸いてきたぞ。

 

「ネェ、次ハデザート作ッテ」

「は?」

「デザート」

「ティッシュでも食ってろよ、甘いぞ?」

 

前言撤回だこの野郎、次からこいつの主食はドクダミにしよう。

 

 

_ _ _ _  

 

 

 

戦艦棲姫にとってはご機嫌な昼食を終え(ティッシュは食わなかった)今度は俺が昼食を取る番だ、チャーハンでも作ろうかなぁ……と、作るのを決めた瞬間からチャーハン作りの鬼才(自称)の俺の腕が光る!意味もなく鉢巻をすると腕を捲りながら戸棚からもう一つのフライパンを取り出す。

 

俺様の圧倒的なチャーハン作りの気迫に圧倒されろぉそして酔いしれるがいい!

フハハハハハァ!ゲハハハハハハハァ! (絶叫チャーハン作りは現実逃避したい時におすすめです)

 

「ネェ、何作ッテルノ?」

発狂しながらチャーハンを作っていると、悪魔が再び顔を出して来やがった。

お前ついさっきお腹一杯って言ったじゃん、ねえってば!

 

「うん、何でもないからそこで待ってろよ、お前パスタ食っただろうが」

「ネェ、一口ダケダカラ・・・ネ?良イデショウ?」

「あらあら随分浅ましい姫だこと!ああ・・・もう、一口だけだからな?」

 

猫みたいな性格してる癖にこういう所だけ犬っぽいんだなこいつ。

 

 

 

_ _ _ _  

 

 

 

 

 

うるさい奴が部屋の物色を始めたので、これからの事を改めて熟考、ちょっとドタバタしたが、ハッキリ言おう、俺は戦艦棲姫の事をなめ始めている。

 

最初の一局で絶望させられたが、こいつは正直な所、恐らく頭の方は余り宜しくない。

 

演技して懐柔しようとしている可能性も勿論あるが、俺を手駒にするなら恐怖で支配した方が手っ取り早いだろう、だがしかし仮に恐怖で支配するなら俺に口答えなんて絶対にさせない筈だ。

 

いやでも、万が一本当に馬鹿ならもっと決定的な隙を見せてそうなんだよなぁ……

 

一貫性が無さすぎて行動できねぇぇ!

 

いっそ賭けで一回逃げてみるか?奴にとっては一つしかない駒だ、一度の逃亡くらいじゃ殺しは……

 

いや駄目だ、恐らく隙を突いて逃げても追いつかれる可能性大だ、あいつが俺のスマホを盗った時の異常な身体能力を思い出せ。

 

だがしかし、そんな分が悪すぎる賭けよりも確実なチャンスが一つある。

 

物資の補給だ、そう、それしかない。

奴は大食い、この調子で行けば今日か明日にでも買い物に行かないと食糧が尽きる。

 

このまま完全に懐柔されたフリをして世話をする、そして完全に油断したタイミングで物資を買いに行くことを名目に外へ出て、そのまま高飛びだ!行ける・・・もしかして俺って天才か?(最後の恩情で鎮守府に連絡するのは勘弁したらぁ)

 

 

よし、そうと決まれば早速……!??!?!?

背中に気配を感じたが、今度は振り返れなかった、いや怖すぎて。(殺気ってこの感覚の事だったんだぁ……)

 

「貴方ハ私ノ事ヲ簡単ニ欺ケルト思ッテイルノデショウ?」

 

!?後ろから耳元に優しく囁かれた、いや、優しく聞こえるだけで思いっきり釘刺された。

完全に凍り付いて喋れなくなってる俺の正面にゆっくりと回り込んでくる、そして吐息が当たるような距離まで顔を近づけると、甘ったるい声で続ける。

 

「カマヲ掛ケタツモリダッタノダケレド、図星・・・ネ?本当ニ残念ヨ・・・」

まずい、まずい、どうしよう、逃げなきゃいけないのに足が固まって動かない

弁明しなきゃいけないのに舌が張り付いて機能しない。

駄目だこうしてる間に相手は手を上げて、その手を振り降ろ・・・されなかった。

 

「貴方ハ恩人ダカラ……貴方ガドウ思ッテテモイイノ、イツカ・・・私モ恩ヲ返スカラ、()()()()()()()()()()()()

 

代わりに俺の頭を優しく撫でると、さらに顔を近づけてきた、そのせいでこっちの額に相手の角が当たる。

 

そうして俺の目を見ながら、あくまで諭すようにそう言った。

まるで俺の目を通して心の奥を見られているようで、視線を逸らしてしまいたくなったのに、何故かできなかった。

 

こっちが緊張と恐怖で固まる一方で、どれほど時間が経っただろうか・・・どうやら俺は解放されたようで、戦艦棲姫はまたあの悪戯っぽい笑みを浮かべると、部屋の物色に戻って行った。

 

 

お父さん、お母さん、俺が赤ん坊のころはおしめを取り換えてくれたね。

今は自分で処理できるようになったけど、二十数年ぶりに完全に漏らしたよ・・・

 

あいつ強かすぎんだろぉ!9割方馬鹿だと思ってた危ねええええええええええ!

あんな切れ者なのになんで脱兵なんかしてんだよぉ!

 

不平不満はいくらでも沸いてくるが、今度はあの自称姫の艦娘に軽口を叩く勇気は無かった。あいつめ、覚えてろ……

 

ちなみにヤツの角の感触はあれだ、生えかけのシカの角みたいだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




深海棲艦の台詞、最初は原作通り全部カタカナでも行けるかな?と、思ったんです。
無理でした、書いてる時にもう混乱して読めない。なので漢字+カタカナの、自我持ちスタンド形式の喋り方にさせていただきました。

【悲報】主人公君、同棲してるのに死亡フラグ以外のフラグが建たない
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