三人称だったり時任の一人称だったり変わります。三人称でもコロコロメインとなる騎馬が変わるので、分かりづらいと思いますが許してください。
第2種目、騎馬戦。それは実質1000万ポイント––緑谷チームのポイントの争奪戦だ。
開始直後から狙いに行くか、終盤に掠めに行くか。1位通過を狙う各チームは選択を迫られる。
「3! 2! 1! スタート!」
プレゼントマイクのカウントダウンで戦いが幕を開ける。初動で1000万ポイントを狙いに行ったのは鉄哲チームのみだった。
各地では他の上位チーム–––轟、爆豪チームが標的になっている。
「いきなりの襲来とはな……まずは1組だ。選択しろ! 緑谷」
「もちろん逃げの一択……って何これ!」
緑谷チームが戦いを避けようとした時、鉄哲チームの骨抜の個性により地面が柔らかくぬかるみ、足が沈んでいく。
「麗日さん! 発目さん! 顔避けて!」
足を取られた緑谷チームは、サポート科の発目のアイテムで空中に退避。鉄哲チームから逃走する。
「飛んだ⁉︎ サポート科のか! 塩崎!」
鉄哲の合図で塩崎が頭のツルを伸ばす。ハチマキを奪おうとするも、それは黒影に妨害された。
「黒影、常に俺たちの死角を見張れ。任せたぞ」
「アイヨ!」
逃げ続ける緑谷たちは常闇の個性を使って死角を潰し、鉄壁を作り出している。
意地でも1000万ポイントを取られないように、ひたすら逃げるようだ。
「着地するよ!」
緑谷の掛け声でアイテムのスイッチを切り、周囲に騎馬のいないエリアに着地。それを鉄哲チームは諦めずに追いかけていた。
フィールドの一部で鉄哲チームと緑谷チームの追走劇が始まっている中、葉隠チームは影を薄くして戦場を観察していた。
「1000万が取れたとしても、保持するのが難しい……狙うなら後だね!」
「おうよ! とりあえず背後だけは取られねぇように掠めに行こうぜ」
葉隠は自チームのポイントを守りながら、各所の戦いに割り込むことを選択する。
彼らの騎馬は周りを妨害する個性持ちがいない。葉隠はその透明さゆえにリーチを読ませないという隠密性があるが、騎馬となっている砂藤、口田は屈強な男止まりだ。小細工は中々難しい。
「轟がB組騎馬と交戦中! 行くか?」
「ダメだよ! すぐに轟たちがポイントを取る、そしたら狙われるだけ!」
「なら……あそこ! B組のやつらが小競り合いしてる!」
彼らが選んだのは拳藤チームと小大チームの小競り合いだ。お互い牽制し合っていて、かなりの隙が見て取れる。
「唯! 同じクラスだからって容赦しないからな!」
「……ん」
拳藤が個性の「大拳」で風を起こし小大チームの体勢を崩す。
しかし小大チームの騎馬をつとめる凡戸が凝固性の粘液を出し、拳藤たちの足元を固めようとかかる。
拳藤たちはそれを後ろに引いて回避、小大たちが追い打ちをかけようと迫る。
『小大! ハチマキ取られてるぞ!』
「えっへへー! 隙あり!」
小大たちが背後を確認していなかったその隙に、葉隠チームがハチマキを奪い取る。個性「コミック」の吹出が個性でそれを伝えるものの、砂藤と口田のフィジカルで彼らは既に逃げ去っていた。
『二人とも! もう失うものはない、拳藤たちを攻めるぞ!』
「……ん!」
『逃がさないぞ! 拳藤!』
「……私らは、逃げる!」
所有ポイント0の小大たちとやりあってもメリットはない。ここは逃げ一択だ。
しかし小大チームは凡戸の個性で妨害し、拳藤チームを追いかける。
緑谷チームと鉄哲チームの他に、ここでも追走劇が始まっていた。
「よし、思った以上に上手くいった! あとは逃げて1000万を掠める!」
「周囲の偵察だけは怠るなよ! 口田も何かあったら合図しろ!」
一方小大チームのポイントを掠め取り、中位に食い込んだ葉隠チーム。砂藤の言葉に口田が勢いよく頷き、偵察しながらフィールドの端を移動していく。
その時、上方から葉隠を呼ぶ声が聞こえた。
「葉隠!」
「うえっ⁉︎」
葉隠が反射的にそれに応えた瞬間、葉隠の思考が靄がかる。
敵がいたのは地上ではなく空中だった。葉隠たちの頭上にいたのは蛙水チーム。尾白の尻尾を使って遠距離から一気に詰め寄ってきたのだ。
「……動くな」
「蛙水! 行くよ!」
「ケロッ!」
心操の個性で葉隠を洗脳し、命令で一瞬動きを止める。砂藤も口田も心操の個性は知らないから、衝撃を与えて解除することもできない。
「ちょ⁉︎ 葉隠!」
砂藤と口田が焦って移動するも、蛙水の舌で器用に2本のハチマキが奪われる。移動、拘束、奪取が完璧に揃った策だった。
「ごめんね葉隠さんたち! 恨みっこなし、だよ!」
「……蛙吹さん、ナイスだ」
尾白はそう言うと、一気に尻尾で後方に退く。ハチマキの数は3本あるものの、得点としては4位に残れるか分からない。まだ攻める必要性があった。
「おい葉隠! 葉隠!」
砂藤と口田が必死に葉隠を揺さぶる。そのうちの何かが洗脳が解ける衝撃になったのか、葉隠がハッと目を覚ます。
「え……? 私今、何してた…?」
「多分相手の個性だ! 意識を奪うとかそういう系だと思う!」
「せっかく奪ったのに、ごめん……でももう失うものはない! 全力で攻めるぞぉー!」
「お、おう…」
葉隠チーム、現在0ポイント。しかしまだ諦めてはいない。ここから全力で不意打ちを狙いに行くのだ。
–––––
騎馬戦開始直後、峰田チーム。
障子が青山、耳郎、峰田をすっぽりと覆うようにして騎馬を作った彼らは、 戦場の様子を分析していた。
「青山の一発逆転の策はラストに使うとして……今は峰田が妨害、ウチがハチマキを取る、青山は後方の警戒、って感じかな」
「……そうだな。最初に狙うなら轟か爆豪あたりか?」
「待て、周囲を巻き込む大攻撃を仕掛けそうなのは轟チームだろ? 上鳴に轟なんてヤベェじゃん。狙うなら爆豪だろ」
峰田チームは比較的ハチマキを取られづらい騎馬であるため、じっくりとフィールドを見渡しながら狙い目を決めていく。
「爆豪くんなら、絶対に緑谷くんの1000万を狙いに行かないかい? その隙に爆豪くんのハチマキを奪えればいいと思うな…☆」
「それ、採用」
上位チームとタイマンを張ってポイントを奪いにいくのは中々難しい。やはり狙うべくは横取りである。
「……待て、前半はフィールドを回って奪えるところから奪いに行ってもいいんじゃないのか」
「緑谷チームは逃げ、爆豪と轟は他のとことやり合ってる……そこを横取りはキツイ。そうしよっか」
障子がフィールドを走り、手頃な場所にいたB組騎馬に目をつける。
「先手必勝!」
こちらに気づいていないB組騎馬に対し、峰田が妨害のもぎもぎを投げつける。それが終わった瞬間、耳郎がイヤホンジャックで敵のハチマキを奪い取った。
「名前も知らないけど、ゴチになります!」
「うわっ、何だよこれ! 動かねぇ!」
『峰田チーム! 圧倒的体格差を利用しもはや戦車だぜ!』
ポイントを奪取し、障子はすぐに逃げに入る。耳郎と峰田もにんまりである。
青山は障子の複製された目とともに背後の警戒を続けている。彼が活躍するのは、もう少し先。
そして轟チーム、開始早々1組の騎馬からハチマキを奪い取った彼らは、早速ある問題に頭を悩ませていた。
「A組のやつらが全く近寄ってこねぇ…」
「B組の方々も交戦中ですわ…」
そう、ダントツで警戒されていたのだ。
A組面々は、上鳴轟八百万という組み合わせの時点で「放電からの氷結」で確実に足止めをしようという魂胆を見抜いていたらしく、近くにいたら巻き込まれると全く近寄ってこない。
B組はそこまで考えていないが、他と交戦中で近くには誰もいなかった。
「どうする? 轟くん。緑谷くんをもう狙いに行くか?」
「……いや、まだだ。他に邪魔されないような環境を作れねぇ」
「それなら戦闘に割り込むしかねぇよ! そこら辺行くぞ!」
彼らが目をつけたのは逃げる拳藤チームに追う小大チーム。小大チームは0ポイントなものの、まとめて行動不能にして損はない。
『凡戸! 撃て!』
「あぁもう! しつこいなぁ!」
「……これなら氷結だけでいける」
拳藤チームも小大チームもお互いに夢中で周りが見えていない。この状況なら確実に氷結が決まる。
轟が足元から地面を凍らせて、2チームの動きを封じる。
「っ嘘! マジかよ!」
『これはしてやられたな!』
「……頂いてくぞ、ポイント」
轟チームが3本目のハチマキを手にした。ポイントも上々で、取られることさえ無ければ決勝進出は間違いない。
(けど、狙うは1000万だ)
目標は決勝進出ではない、1位通過なのだ。
–––––
「7分経過した現在のランクを見てみよう!」
プレゼントマイクの実況で、モニターに途中経過が表示される。1位から順に緑谷チーム、轟チーム、物間チームと続き、4位に蛙吹チーム、鉄哲チーム、峰田チームと続いていた。
「ちょ、待てよこれ……爆豪チーム、0ポイントじゃねぇか!」
A組の子がいる騎馬は爆豪チームと葉隠チームが0ポイント、他は今言った通りで、4位までに3チーム入っていた。
「B組の騎馬は物間、鉄哲チーム以外0ポイントだぞ……! 頑張れB組!」
(しかし物間くん、やらかしたな)
爆豪くんは先ほど、物間くんに不意を突かれてハチマキを奪われていた。
しかしその時に要らない挑発をしてしまったようで、爆豪くんを完全にブチギレさせている。怒った爆豪は相当しつこいから、彼は0ポイントになるまで追い回されるだろう。
それにしても、A組は全体的に調子がいい。1000万を死守している緑谷チームはもちろんのこと、2本のハチマキを奪った轟チーム。ハチマキを奪った葉隠チームから2本丸ごと掠め取った蛙吹チーム。そして障子チーム。
先ほどハチマキを奪われた葉隠チームは残念だったが、まだ挽回のチャンスはある。ここからどうして行くかだろう。
「オールマイトさん、蛙吹チームの作戦、どう思います?」
「完全に初見殺しだね。3人騎馬だけどバランスがいいし、あれはかなり対応が難しいね」
蛙吹さん、尾白くん、心操くんで組まれた蛙水チームは、人数は少ないもののとにかくチームワークがいい。
尾白くんの機動力を生かして一気に近づくと、心操くんが騎手に声をかけて洗脳。動きを止めて騎手が無抵抗になった状態で蛙吹さんがハチマキを掠めとる。いい作戦だ。
いくら騎馬が動いていても、騎手が抵抗しなければハチマキは動く的のようなものだ。蛙吹さんも奪いやすいだろう。
「私としては障子チームが気になるな。青山少年の働きが見受けられないのが気がかりだが…」
「あそこも凄いですよねー、峰田くんの妨害がうまく機能してるし、耳郎さんのイヤホンジャックの利便性がいいですから」
「障子少年のおかげでガードが固いのがまた強みだね。青山少年は後方の見張りかな?」
オールマイトと騎馬について盛り上がっているうちに、フィールドの様相が大分変わっていた。
爆豪チームは物間チームと相対している。ハチマキも1本奪還していて、もう1本奪われるのも時間の問題だろう。
フィールドの端では轟チームが氷壁を作り、緑谷チームとタイマンの状況を作り出していた。緑谷チームはその状況でも何とか逃げ回っている。緑谷くんの分析力と判断力、常闇くんの個性が上手く作用していた。
小大チーム、拳藤チームは凍らされて動くことができず、0ポイントのままもがいている。他のB組0ポイント騎馬、角取チームと鱗チームが峰田チームを取り囲み、何とかハチマキを取ろうとしていた。
しかし峰田くんのもぎもぎの妨害でなかなかうまくいっていない。
そして蛙吹チームは鉄哲チームに攻め込まれ逃げ回っている。骨抜くんと塩崎さんの個性に翻弄されつつも、何とか距離を取ってハチマキを死守していた。
「あそこ、大丈夫ですかね? いくら尾白くんの機動力が優れていても、骨抜くんと塩崎さんの組み合わせは相性最悪じゃないですか?」
「むむむ……鍵を握るのは心操少年だろうね。一人だけ個性が分からないという強みがある」
体育祭も残り5分、終わりが近づいていた。
(俺のいない間の成長、見せてよね)
できれば決勝という大きな舞台で。
–––––
「どうする! 囲まれて中々動けない、他にハチマキ取らないと決勝は厳しい!」
「……そろそろあの作戦に出るとするか?」
「ノンノン! あれはタイミングが重要さ。大事なのは周りのチームの動き、今はその時じゃないね」
「あれが成功すればオイラたちは決勝進出間違いなし……今はこのまま凌ごうぜ!」
峰田チームが2組の騎馬からの攻勢を防いでいる時、蛙吹チームもまた鉄哲チームからの攻撃に耐えていた。
「二人とも、近づかれたらツルの本数が多くて凌ぎきれないわ」
「後退してるんだけど、このままだと追いつかれる…っ!」
「……俺に任せろ。あと少し耐えてくれ」
心操は相手を観察する。鉄哲はすぐに反応してくれそうだが、他3人はそう簡単ではないだろう。洗脳するためには確実に返事をしてくれるようなことを言わなければならない。
「おいお前ら! ハチマキ取られてるぞ!」
「なんだと!」
「なんですって!」
「マジで⁉︎」
「嘘だろ!」
「お前ら全員、止まれ」
不幸にも心操の嘘に全員反応してしまった鉄哲チームは、完全にその動きを止めた。
「ナイスよ、心操ちゃん」
蛙水がハチマキを取ろうと舌を伸ばす。しかし舌がハチマキに届く寸前、そのハチマキは姿を消した。
「んなっ…! 葉隠たちか!」
「へっへっへー! いっただきー!」
「口田! 逃げるぞ!」
心操の手柄を完全に横取りした葉隠チームは、そのまま勢いよく逃げ出した。
追おうにも鉄哲チームの真後ろを逃げられたため、接触し洗脳が解けることを避けるために迂回しなければならない。
「二人とも、大丈夫! あと少し時間はある!」
「そうね、あと少し。頑張りましょう」
「……あぁ、行くぞ」
ギリギリ4位に滑り込んでいるものの、まだ油断できない。できるだけ多くの得点を取って、決勝を目指す。
「緑谷と轟はあの氷の中だ。爆豪と物間がやり合ってて、他に得点を持ってるのは峰田と葉隠。どこを狙う?」
「タイミングが合えば氷壁の中も狙える! 攻めよう、1位狙いだ!」
心操チームが氷壁の中の2チームの元へ向かい、残すは1分程度。
氷壁の中では飯田のレシプロバーストで轟チームが1000万ポイントを奪い取り、緑谷チームが急転直下の0ポイント。最大のピンチに追い込まれていた。
そして爆豪チームは物間からポイントを奪い取り、2位に浮上。
葉隠チームは峰田チームの元へとやって来ていた。
「峰田くーん! ハチマキもらいに来たよー!」
「青山! 葉隠も来た! 3組は流石に厳しい!」
「もう少しだよ! あと10秒……タイミングは彼が飛んだ時だ!」
「オイラはお前を信じるからな! 合図は頼んだぞ!」
「峰田! 葉隠チームにもぎもぎ! どうせならハチマキ取ってやるよ!」
峰田チームはタイミングを伺う。一気に上位に躍り出るために、あと少しだけ時間が必要だった。
「デクくん、取りに行こう!」
「……あぁ! 」
緑谷チームは起死回生を狙って、轟チームに最後の猛攻を仕掛けに。
「次! デクと轟んとこだ!」
物間を完全に打ち負かした爆豪チームも、氷壁の中の2チームの元へ。
「そろそろ時間だ! カウントダウンいくぜ、エヴィバディセイヘイ! 10!」
プレゼントマイクによるカウントダウンが始まっても、生徒たちはまだ足掻く。
「爆豪くんが飛ぶ! ……3人とも、飛ぶよ☆」
「……了解!」
「9! 8!」
「蛙吹! お前に託した!」
「ケロ、任せておいて」
「うし! 飛ぶよ!」
「7! 6! 5!」
「上鳴! 放電!」
「うぇ、うぇ〜い」
「今ですの!?」
「4! 3! 2!」
「黒影!」
「アイヨ!」
「1! タイムアップ!」
ラスト10秒で順位が大入れ替わりした波乱の騎馬戦が、終わった。
–––––
「早速上位4チーム見てみようか!」
騎馬戦が終わった。が、ラスト10秒の展開が混戦過ぎて状況が理解できていない。
峰田チームは飛んでいて、蛙吹チームは不意をついて、緑谷チームは特攻をしかけて……ダメだ、情報が多過ぎてわからない。
「1位! …あら? これ不具合じゃないよね?」
「……何言ってんだマイク」
「いやだってこれ……1位! 蛙吹チーム!」
「えっ」
「マジで?」
思わず隣のオールマイトと顔を見合わせる。客席も数秒ポカーンとした後、大歓声をあげた。
「はぁ⁉︎ 今の展開で1位取ったって何があったんだよ! すげぇな!」
「しかも3人だぜあいつら…どうなってんだよ!」
グラウンドの轟チームを見ると呆然としていた。気づかぬうちに1000万ポイントを取られていたらそうなるだろう。
一方取った側の蛙吹チームの3人も呆然としている。自分たちが取ったのが1000万だと思っていなかったのかもしれない。
事実に追いつかず、まだ喜びというより驚きの方が強いようだ。
「2位! ってマジかよ! 峰田チーム!」
「えっ?」
「マジで?」
オールマイトと再び同じやり取りをする。怒涛の展開すぎて理解ができない。
峰田チームの4人は狂喜乱舞だ。障子くんでさえ喜びを前面に出していた。
「3位! 轟チーム! そして4位! 緑谷チーム!」
俺の目がおかしくなければ、ラスト10秒までは轟チームと爆豪チームが1位2位だったはずなのだ。
それがラスト10秒でこれである。たかが10秒、されど10秒ということか。
緑谷チームもなんとか決勝に進出できたことに喜んでいた。緑谷くんの目から滝のように涙が出ている。脱水症状が心配だ。
一方最後の最後で決勝進出圏外になった爆豪くんはもはや怒り狂って凄いことになっている。誰か止めてあげた方がいいんじゃないか。
上位が発表されてからすぐに、5位以下も表示される。そこには驚きの結果が出ていた。
5位以下全てが0ポイントなのだ。爆豪チームは? 葉隠チームは? といった状況である。
「……分からないやつも多いと思うから、解説を入れるぞ」
そこから相澤先生によって説明されたことには、こうだ。
まずは緑谷チームが轟チームから1本だけハチマキを奪い取った。常闇くんの黒影が終了間際に頭のハチマキを奪うことに成功したのだ。こうして緑谷チームはギリギリ上位4チームに食い込んだわけだ。
次に蛙吹チーム。ラスト10秒、緑谷チームと轟チームが競り合っている間に、蛙吹チームは氷壁を超え轟チームの真後ろに陣取る。そしてハチマキを1本掠め取った。これがなんと1000万ポイントだったわけである。
そして峰田チーム。峰田くんのもぎもぎと耳郎さんのイヤホンジャックで葉隠チームのポイントをかっさらった直後、障子くんが飛び上がった。
それに合わせ、青山くんがビームを噴射。ものすごい勢いで空中を移動した峰田チームは、緑谷轟の2チームを狙って飛び上がった爆豪チームのハチマキを2本まとめて奪い取ったわけである。
正確にハチマキを掠め取った耳郎さんのイヤホンジャックも流石だが、青山くんのビームをそこで持ち出した考え方が凄い。作戦勝ちのチームだと言ってもいい。
最後に轟チームは、残った1本のハチマキで緑谷チームの得点に勝ち、3位。なんとも納得いかない結果だろう。
「い、いやぁ、ちょっとまさか、って感じですね」
「私も驚きだよ……」
オールマイトと二人してただ驚くことしかできない。周りの先生方も目を丸くして見ていた。
体育祭第2種目、騎馬戦
第1位 蛙水 尾白 心操
第2位 峰田 耳郎 青山 障子
第3位 轟 八百万 上鳴 飯田
第4位 緑谷 麗日 常闇 発目
以上15名、そして繰り上がりで爆豪チームから爆豪くんが決勝進出となった。
あの…ほらさ、A組が強くなったからさ…はい。
B組だと泡瀬くんが好きです。