雄英で保健医(見習い)やってます   作:メロンパン派閥

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副担任、テストを見守る

入学式当日、待ちに待った新入生がやってくることに、俺の心は浮き足立っていた。

受け持つA組の生徒たちの名簿は暗記済み。名前から個性までしっかり把握してある。抜かりはない。

 

朝の職員室でデスクに座り、俺の直属の上司である相澤先生と軽い打ち合わせをする。

 

「……時任、1-Aは入学式は不参加だ」

「了解です、相澤先生。早速何かやるんですね?」

「グラウンドで個性把握テストでもやろうかと」

「わかりました、お手伝いさせてもらいますね」

 

流石相澤先生、初日から合理的なことをしていくようだ。

入学式に不参加なんてそうそうあることではないが、雄英ならありうる。生徒については全て教師に一任されているからだ。それにしても相澤先生くらいしかこんなことはやらないが。

 

時任秀(ときとうしゅう)、養護教諭兼1-A副担任。それが俺の名前と肩書き。

俺はヒーローとしてはあまり有名ではない。ヒーローネームそのものよりも、世間的には"リカバリーガールの弟子"という覚え方をされている……はずだ。自信はない。

メディア露出はほとんどないし、対ヴィランが専門のヒーローではないためやはり知名度はない。俺の専門は災害救助だが、個性柄様々な現場のサポートにも行くため同業者とは幅広い繋がりがある。

 

師匠のように医師免許は持っていないけれども、個性を使った治療はプロヒーローの資格に基づいて許可されている。手術なんかはできないが、現場でプロヒーローの治療をすることは少なくない。

 

1-A副担任となった今年は、午前中は保健室で書類仕事をし、午後はA組のヒーロー科専門科目の補助、放課後は保健室にいたりいなかったりと、1日のスケジュールがぎっしり詰まっていた。

入学式である今日はA組につきっきりになれ、相澤先生による個性把握テストも見ることができるというわけである。

 

「いきなり個性把握テストなんて、みんなびっくりしちゃうんじゃないですかね。反応が楽しみだなぁ」

「雄英高校ヒーロー科に入った以上、怠けてる時間はない。時間は有効的に活用すべき、ってことを分かってもらわないとな」

「ふふ、みんなが立派なヒーローになるための第一歩ですね」

 

相澤先生はとにかく合理的なことを好む。厳しいが生徒の実力は伸びるし、なんだかんだいって優しいところもあるいい先生だ。生徒にそこが伝わればいいなぁ、と思う。

 

(でも、最初に見たらびっくりするよなぁ)

 

ボサボサの髪に伸びきった髭、見慣れた今となっては愛嬌さえあるが、初対面では本当に先生なのかと驚いてしまうだろう。

 

「先生、髭とか剃りません?」

「……合理的じゃないな」

「むむ、生徒からの受けを良くしようと思ってですね……」

「そういうのはお前の担当だ。俺はアイツらを甘やかすつもりはないからな」

「俺だって甘やかしませんよー、なんたって雄英ですからね」

 

雄英は日本のヒーロー科の最高峰だ。無駄に厳しくするつもりはないが、彼らが伸びるように最大限しごく。それが仕事である。

教師生活の中で初めての生徒たちだからと言って甘やかすつもりは毛頭ない。

 

「そろそろ行くぞ」

「初日くらいは寝袋やめません……?」

「……合理的じゃないな」

 

結局寝袋に入ったままの相澤先生に促されて職員室を出る。写真や名簿、入学試験の時の様子は確認しているが、実際に生徒たちを見るのはほとんど初めてだ。

 

手脚ををバッキバキに折っていた緑谷くんと、思いっきり吐いていた麗日さん。この二人は怪我の治療で会ったことがある。緑谷くんは気を失っていたから覚えていないだろうけど。

 

もぞもぞと廊下を移動する相澤先生についていく。すれ違う生徒がギョッとしているから、正直やめたほうがいいのではないかと思う。が、相澤先生はそんな周囲に構うことなく進み続けた。

 

しばらく進むと、1-Aが近づいてきた。中からはガヤガヤと楽しそうな声が聞こえてくる。

これは相澤先生が一言言いそうだなぁ……と思ってると、相澤先生は寝袋のままクラスの入り口へと移動して言った。

 

「お友達ごっこしたいなら他所へ行け」

 

相澤先生の気怠るげな声に、教室中が静まり返る。そしてゼリー飲料を一瞬で飲み干しながら言った。

 

「ここは……ヒーロー科だぞ」

 

言っていることはもっともなのだけど、どうやってゼリー飲料を飲みながら発声しているのか、気になって仕方がない。相澤先生とは俺がサイドキックだった時代からの付き合いだが、未だに分からないところだらけだった。

 

寝袋からもぞもぞと出ながら教室に入る相澤先生に続く。

生徒は目を丸くさせながら驚いていた。そりゃ驚くよね、と思いながら教室の端に立つ。

 

「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね」

 

手前にいた緑谷くんが「この人もプロヒーロー……?」と呟く。相澤先生は露出を嫌う人だから、見た目だけでは分からないかもしれない。

 

「担任の相澤消太だ。よろしくね」

「あ、副担任の時任秀です。よろしくお願いします」

 

生徒たちに向けて軽くお辞儀をすると、みな相澤先生が担任だという事実に驚いているようだった。先生らしくないからかな。だから髭剃ろうって言ったのに。

 

「早速だが、体操服着てグラウンド出ろ」

 

相澤先生が寝袋から体操服を取り出すと、すぐに教室を出ていってしまった。

 

「みんなの分は机に掛かってるから、それを着てくださいねー」

 

俺もグラウンドに向かおうと踵を返したその時、女子がどこで着替えれば、と話しているのが耳に入った。

 

「更衣室の場所は分かるかな? 女子は更衣室で着替えてもらって、男子はここでも更衣室でも大丈夫。更衣室の鍵だけは注意してねー」

 

クラスに一声かけ、それじゃ、と混乱している教室から出る。生徒たちは「入学式は!?」とか「朝からいきなり体操服!?」とか、いきなりの急展開に戸惑っていた。

 

「あ、あのっ! 更衣室の場所を案内してもらってもいいですか!」

「あれ、やっぱりまだわかんないか。いいよー、雄英は広いもんね」

 

勢いよく立ち上がった麗日さんに声をかけられ、A組女子たちを更衣室へと案内する。目的地までの道はそれなりに長く、沈黙は精神にくる。俺は少しでも生徒たちの緊張をほぐそうと声をかけた。

 

「えーと、芦戸さんに蛙吹さんに麗日さん、耳郎さんに葉隠さん、八百万さんだったかな?」

「ケロ、私たち初対面だから、まだ名前が分からないの。私は蛙吹で合っているわ」

「私も、麗日です!」

 

そういえば彼女たちは今日会ったばかりで自己紹介もしていないから、お互いの名前は分からないだろう。

 

彼女たちを見てみると、もう覚えてるんだ…!みたいな顔をしていたから、全員間違ってはいないみたいだった。

 

「あの、入学式ってどうなるんですか?」

「うーん……ここは自由な校風が売りだからね。担任によっては出ないこともあるよ。流石に体操服を着て入学式はやらないんじゃないかな?」

 

本当は個性把握テストをやる、と知っているが、まだ相澤先生が発表していないので秘密にしておく。

やはり生徒としては入学式に出たいのだろうか。

 

A組女子たちは、歩きながら後ろで自己紹介をし合っている。まだ初々しくて微笑ましい。

 

「ついた、ここが女子更衣室ね。戸締りには注意すること! それじゃあグラウンドでね」

 

無事に女子更衣室を案内するというミッションを終えた後、そのままグラウンドに向かう。

グラウンドで一人佇んでいる相澤先生に近づいて、声をかけた。

 

「まずはお手並み拝見、ってとこですね」

「個性把握テスト、その名の通り自らの個性についてよく知り、弱点を掴んでもらわないといけない。今日この時からヒーローになるための道は始まってる」

 

やはりこの人は先生に向いている。ヒーローになるためのプロセスをよく理解していると思った。

 

相澤先生とテストについて話していると、少しずつ生徒が集まってくる。A組の20人が全員揃ったところで、相澤先生が口を開いた。

 

「……よし、これから個性把握テストを行う」

 

「「個性把握テスト!?」」

 

グラウンドに集まった生徒たちは、相澤先生の突然の発言にざわめく。

 

「やっぱり入学式、やらないんだ…」

 

麗日さんが俯いて言う。

それに対し、相澤先生はそっぽを向いて言い切った。

 

「そんな悠長な時間は無い」

 

これが雄英のヒーロー科だ。自由な校風を売りにしている雄英のカリキュラムは常軌を逸している。

だからこそ、最高峰と呼ばれるのだ。

 

「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈。中学の頃からやってるだろ? 個性禁止の体力テスト……合理的じゃない。爆豪、中学の時、ソフトボール投げ何mだった?」

 

入試実技1位の爆豪くんは「67m」と答える。

相澤先生はそれを聞くと、爆豪くんにボールを投げ渡した。

 

「じゃあ個性を使ってやってみろ。円からでなきゃ何しても良い。早よ。思いっきりな」

 

 爆豪くんは腕の回してから大きく振りかぶり「死ねぇ!!」と叫びながら思いっきりボールを投げた。爆豪くんがボールを手放した瞬間、周囲に大きな爆発音が響く。爆煙とともに、物凄いスピードでボールは見えなくなった。しばらくすると、相澤先生の持っていた端末に705mと表示された。

 

(なるほど、爆風を利用したわけだ)

 

爆豪くん、実技入試の様子も見ていたが、自分の個性の使い方をよく理解している。荒そうに見えてかなり繊細な知識を持っているのだろう。

 

「まずは自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

相澤先生が物凄くためになることを言っているが、生徒たちは派手に個性を使えることに盛り上がっていた。

 

「なんだこれ、すげー面白そう!」

「705mってマジかよ!」

「個性思いっきり使えるんだ!流石はヒーロー科!」

 

生徒たちの浮かれた言葉を聞いたからか、相澤先生の纏う空気が急に変わった。

 

「……面白そう……か。ヒーローになる三年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?……よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう」

 

相澤先生の言葉に、空気が凍る。除籍処分という言葉を理解した生徒たちは悲鳴をあげていた。

 

「生徒の如何は教師の自由。ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」

 

相澤先生がニヤリと笑った。生徒たちの反論には耳を貸さず、理不尽を貫き通す。

よくよく考えてみれば冗談だ、と思えるが、相澤先生はやるときはやる男。ヒーローの素質がないと見極めた瞬間に本当に除籍する人だ。

 

「そういう理不尽を覆していくのがヒーロー。プルスウルトラさ。全力で乗り越えて来い。さあ、本番だ」

 

 

 

生徒たちがテストの準備をしている中、相澤先生に声をかけられる。

 

「時任、緑谷が怪我したとしても、すぐ治すなよ」

「分かりました。バンバン怪我されたらたまったもんじゃないですからね」

 

入学試験の様子を見るに、緑谷くんはまだ個性を制御できていない。見たところ超パワーを引き出す増強型だが、今の段階では一度でも個性を使うと大怪我をしてしまうだろう。自傷覚悟の全力をここで使われても意味がないのだ。

 

それに養護教諭的な観点からいうと、しょっちゅうあんなに体をボロボロにされてしまうとかなり困る。師匠の個性で治療を重ねていったとしても、いつか綻びが出る可能性がある。

 

一方俺の個性では治せる時間に限りがある。およそ10時間、それが今巻き戻せる限界の時間だ。それ以上戻すと俺が赤ん坊を通り越して死ぬ危険性がある。

それぞれに利点があり、欠点がある。師匠と俺の個性はそんな関係性だ。

 

準備が整い、個性把握テストが始まった。

 

まずは50m走、エンジンの個性を持つ飯田くんはもちろん、他の子たちも中々の好記録を出していた。

蛙水さんや青山くんは個性をうまく使っていたし、芦戸さんはそもそもの身体能力が高い。

尾白くんの尻尾の使い方も凄かった。ぱっと見冴えない個性だが、かなり鍛えているのだろう。うまく活用できていた。

 

次に握力、個性をフル活用していた障子くんに、八百万さんが特にいい結果を出していたと思う。彼女が万力を生み出したときは正直唖然とするしかなかった。彼女の豊富な知識がこれを可能にしてるんだろう。

 

立ち幅跳びに、峰田くんが面白かった反復横跳びを終え、ボール投げでは麗日さんが無限の記録を出してクラスが沸き立っていた。

 

そして緑谷くんの番が来た。彼は未だに個性を使っていない。長座体前屈に上体起こし、持久走と、彼の個性を有効活用できない種目しか残っていない今、個性を使うとしたら、ここだ。

 

緑谷くんがボールを手に取り、思いっきり助走をつけ、力一杯投げた。しかしボールは緩やかに放物線を描いて落ちる。46mという振るわない結果に、緑谷くんは困惑して言った。

 

「な……! 今確かに使おうって……」

 

相澤先生は髪を掻き上げ、彼の姿を見つめている。

 

「個性を消した。つくづくあの入試は合理性に欠くよ…お前のような奴も入学できてしまう」

 

個性を消したという発言に、緑谷くんはハッと考え込む。

 

「消した……!あのゴーグル……そうか!視ただけで人の個性を抹消する個性!抹消ヒーロー、イレイザーヘッド!」

 

お、緑谷くん知ってる? 彼は相当なヒーローマニアだな。

相澤先生は更に続ける。

 

「見たとこ……個性を制御できないんだろ? また行動不能になって誰かに救けてもらうつもりだったか?」

「そ、そんなつもりじゃ……!」

「どういうつもりでも、周りはそうせざるを得なくなるって話だ」

 

相澤先生が首元のマフラーで緑谷くんをグッと引っ張る。

 

「昔暑苦しいヒーローが、大災害から一人で千人以上を救い出すという伝説を作った。同じ蛮勇でも……おまえのは一人を救けて木偶の坊になるだけ。緑谷出久。お前の力じゃヒーローにはなれないよ」

 

厳しい言葉、けれどもそれが相澤先生なりの優しさだ。

ここでダメなら、彼はヒーローに向いていない。どんな力を持っていても使いこなせなければ意味がないのだ。

相澤先生は再び緑谷くんにボールを渡した。2回目だ。

 

緑谷くんはどこか覚悟を決めた様子で振りかぶる。

見守る生徒たちの心配をよそに、彼の投げたボールは大きな放物線を描いた。

 

「すっげぇ! めちゃくちゃ飛んでるよ!」

「爆豪と同じくらい飛んでないか?」

 

クラスメイトが騒ぎ立てていると、相澤先生のモニターに結果が表示される。結果は700m越えだ。

 

「まだ……動けます!」

 

緑谷くんは手を抑えながら言った。相澤先生は驚きながら、不敵に笑っている。

 

(指先にだけ力を集中させたのか。まだまだ制御できてないにしろ……まずは一歩って感じかな)

 

この土壇場でそれを考え、実行する力。中々彼もやるじゃないかと思わされた。

 

「やっとヒーローらしい記録出したよー!」

「指が腫れ上がっているぞ……」

 

生徒たちが感想を言っている中、ただ一人爆豪くんだけがものすごい顔をしている。

怒り、失望、不安、いろんなものを混ぜ込んだような表情だ。

 

「どーいうことだこらワケを言えデクてめぇ!!」

 

爆豪くんが勢いよく緑谷くんに向けて走り出す。相澤先生が個性を使って彼を捕縛しようとしたのを確認して、俺は彼の元へと向かった。

 

「ぐっ……! なんだこの布、固っ…!」

 

唸る彼の体を両手で触る。あれだけ抵抗していたのが嘘のように、彼の体はピタッと止まった。

 

「相澤先生、もう大丈夫です」

「うい……炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ捕縛武器だ。何度も個性使わすなよ……って、これ爆豪に聞こえてんのか?」

「五感は働いてますし、脳も動いてるので聞こえてますよ」

「……ならいい」

 

爆豪くんに両手で触れたまま、抱えて緑谷くんから離れた位置に移す。意外と軽いな。

 

「なっ……!? 何しやがった!」

「ちょーっと体の時間を止めてただけだよ」

「は……?」

 

右手で時間を進め、左手で戻す。両手で触れば時間を止められる。そんな俺の個性を使ったのだ。

 

相澤先生のように捕縛武器を使おうにも手がふさがってしまうため、近接戦闘においては武器を使うことはない。増強型個性でもないから、どちらかといえば戦闘は不向きだ。

他に仲間がいる前提で輝く個性だと思っている。一人ではなかなか活躍できないんだよね。

 

それでも、誰かの助けがあればこうして問答無用での拘束ができる。全てのプロヒーローが戦闘向きというわけではない。こんな活動の仕方もあるのだ。

 

緑谷くんから離された爆豪くんはそれからずっと、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

 

–––––

 

 

「んじゃ、パパっと結果発表」

 

無事に個性把握テストが終わって相澤先生が結果を発表しようとすると、生徒たちの間に緊張が走る。

 

「口頭で説明するのは時間の無駄なので、一斉開示する。空間投影するから自分の順位を確認しておけ」

 

先生の持つ端末から順位表が投影される。みんな食い入るように見つめていた。

 

「ちなみに除籍はウソな」

 

相澤先生がそう言うと、みんな固まり、信じられないと叫び始めた。

まさか先生にウソをつかれるとは思っていなかったのだろう。真面目そうな飯田くんはすごい反応だし、緑谷くんに至っては作画が変わっている。

 

「君らの最大限を引きだす、合理的虚偽」

 

八百万さんは「そんなの考えてみればわかる」と言っていたが、あのときの相澤先生は間違いなく本気で緑谷くんを見込み0と処分しようとしていた。

相澤先生、恐るべし男である。

 

「それじゃ、教室戻ってカリキュラムとか確認しとけ」

「あ、後でこの個性把握テストを踏まえた課題を出すから、みんな覚えといてね!」

 

「うえー! 初日から課題かよー!」

 

「……一言くらい言って欲しかったんだが」

「へへ、すみません。出す分にはいいかなって思って」

 

個性把握テストを踏まえ、自分の個性についてレポートを書く。シンプルだけど骨のある課題だと思う。

 

相澤先生にチクリと言われるが、相澤先生も必要性は分かってくれていたため、好きにやれ、と任せてくれた。

 

俺としても今の個性把握テストを見て、思うところはたくさんある。彼らにできるだけそれを、うまく認識してほしいと思うのだ。

言うのは簡単だ。大事なのは自分で気がつくこと。そうしてようやく一つ上の段階へ進めるのだと思う。

 

1年生の面倒を見るのは初めての経験で、初々しい彼らをどこまで導けるのかは分からない。相澤先生と一緒に、A組の生徒たちが立派なヒーローになれるように、努力していこう。

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