『Fate / stay night』と『機動武闘伝Gガンダム』、決して交わる筈の無い2作品の禁断のクロスです。
もしも、『Fate / stay night』で召喚されるサーヴァントが、全て『機動武闘伝Gガンダム』のガンダムファイターだったら……
勢いだけで、超悪ノリして書いてしまいました。
はっきり言って、ギャグです。シリアスな話ではありません。
『カーニバル・ファンタズム』的なノリでお読み下さい。
聖杯戦争……それは、万能の願望機“聖杯”を巡る、魔術師達の血塗られた戦い。
“セイバー”、“ランサー”、アーチャー“、”ライダー“、”キャスター“、”アサシン“、”バーサーカー“、7人のサーヴァントとそれを使役するマスター達は、最後のひとりになるまで戦い続けなければならない。
今また、聖杯を巡って、熾烈な戦いが行われんとしていた。
代々魔術師家系で、絶えず聖杯戦争に参加して来た“遠坂家”の、学生ながらも6代目当主である“遠坂凛”は、満を持して、6人目となるサーヴァントを召喚した。
本人は、最優のサーヴァント“セイバー”が召喚されるものと信じて疑わなかった。しかし、召喚されたのは、どうにも英霊とは思われ無い、ピンクと黒のファイティングスーツに身を包んだ女性だった。
「あ……あなたは、誰?セイバーじゃ無いわよね?」
「え?……ああ、私はアーチャーよ……真名は……レイン・ミカムラ……」
その頃、遠坂凛の学校の同級生“衛宮士郎”は、学校の帰り道で、得体の知れない男同士の闘いを目撃していた。
ひとりは、痩せた凶悪そうな顔、鶏冠のように尖った赤い前髪をして、黒いファイティングスーツに身を包んで、赤い槍を振り回している。もうひとりは、黒赤黄の三色の覆面で目以外を隠し、軍服のような格好に身を包んで、二刀の剣を使っている。お互い、本気で相手を殺す覚悟で戦っていた。
「誰だ?!」
「や……やばい!」
槍の男に気付かれ、士郎は慌てて逃げ出した。
散々走り回って、やっと自宅の門をくぐり、土蔵の前まで来る。そこで……
「よう?」
背後から声を掛けられる。何と、直ぐ後ろに槍の男が立っていた。
「喰らえ!銀色の脚いいいいいっ!!」
「ぐわあああああああっ!」
いきなり、槍の男に強烈な蹴りを喰らい、土蔵の中まで吹き飛ばされる。
土蔵の壁に叩きつけられ、項垂れる士郎に槍の男が迫る。
「へへ……悪りいが、見られた以上は死んでくれや。」
そう言って、男は士郎に槍を向ける。
“そんな……こんなところで、俺は死ぬのか?だめだ!まだ死ねない!俺は……”
その時、士郎の左手の甲に、紋章が浮かび上がる。同時に、土蔵の奥に敷かれた魔方陣も輝き出したが、士郎はそれには気付かなかった。
「な……何だ?これは?」
それは、ハートと、その上で交差する2本の剣と、王の肖像が重なったような紋章だった。
「死ねええええええええええっ!」
士郎に、男の槍が迫る。その時……
「とおりゃああああああああっ!」
「うぎゃあああああああああっ!」
突然乱入した男の蹴りで、槍の男は庭に吹き飛ばされた。
「え?」
驚く士郎の前には、黒い髪に鋭い目付きの、黒いファイティングスーツに身を包んだ男が立っていた。
「お前が、俺のマスターか?」
「ま……マスター?」
士郎は茫然としているが、男は士郎の左手の甲の紋章を見て叫ぶ。
「確かに契約は成立した、キング・オブ・ハートの名に懸けて!」
男は士郎に、右手の甲を翳す。そこには、士郎の左手の甲にあるのと、同じ紋章が刻まれていた。
直ぐさま、男は土蔵の外に出て、槍の男と対峙する。
「貴様……ミケロか?何故お前がランサーなんだ?槍など使って無かっただろう?」
「うるせえ!俺だって分かんねえよ!槍持ったメインキャラが居なかったんだから、しょうがねえだろ!そもそも、お前だって拳法屋じゃねえか!何でセイバーなんだ?」
「剣も拳も、己を鍛え、心を研ぎ澄ませる精神は同じだ!それに、俺には明鏡止水を極めた剣技もある!」
「ほざけ!さっさとファイトを始めるぜ!」
「望むところだ!」
2人は、ファイティングポーズをとって叫ぶ。
『聖杯ファイト・レディ・ゴオオオオオオオオッ!』
叫んだ直後、2人は激しく拳を交わす。ランサーのミケロは、時折足技も出すが、どちらも有効打は出ていない。
痺れを切らしたミケロが、脅威のジャンプ力で上空に飛び上がる。
「喰らえっ!ハイパー虹色の槍スペシャル!!」
上空から、必殺の槍でセイバーの男に襲い掛かる。
「ならば見せてやる!俺の剣を!」
セイバーの男のファイティングスーツが、紅く輝き出す。
「俺のこの手が光って唸る、お前を倒せと輝き叫ぶ、行くぞ!愛と怒りと哀しみの、シャアアアイニングフィンガーソード!メン!メン!メエエエエエエン!」
光の剣が、槍ごとミケロを一刀両断した。
「ぎゃあああああああああっ!」
ランサーのミケロは、これで消滅した。
「な……何なんだ?あんたは……」
茫然と佇む士郎に、セイバーの男は答える。
「セイバーのサーヴァント、ドモン・カッシュだ!」
「さ……サーヴァント?」
士郎には、何の事だか全く分からなかった。
「ドモン!」
そこに、ドモンを呼ぶ声が……その方を向くと、2人の女性が立っていた。
「レイン?!」
「え?遠坂?!」
ドモンと士郎が、同時に叫ぶ。
「あ……あはは、こんばんわ、衛宮くん……」
凛は、気まずそうに返事をする。それとは対照的に、アーチャーのレインはドモンに駆け寄って行く。
「ドモン、あなたもサーヴァントに?」
「お前もか?レイン!」
2人の親密な雰囲気に、士郎と凛は圧倒されていた。
その後、士郎達は凛に連れられ、新都にある言峰教会に向かっていた。聖杯戦争の監督役の神父“言峰綺礼”に報告と、聖杯戦争の詳しい説明を受けるために。
その途中で、凛は士郎に、聖杯戦争の簡単な説明をしていた。
「……という訳で、7人のマスターが、7人のサーヴァントを使役して、聖杯を求めて戦うの。」
「本当に戦うのか?」
「そうよ……何で?」
「だってさ……」
そう言って、士郎は後ろを歩いている、ドモンとレインを見る。
「どうしよう……私がサーヴァントだなんて……私、ファイターじゃ無いのに……」
「心配するな、レイン。お前は、俺が護る。」
「ドモン……」
完全な、恋人同士モードに突入しているドモンとレイン。
「あの2人も戦うのか?」
「……そう言われると……」
士郎に痛いところをつかれ、凛も不安いっぱいになってしまう。
「話は終わった?」
そこに、別な声が割り込んで来る。前方を振り返ると、紫のコートを着た、銀色の髪の少女が道の先に立っていた。
「ごきげんよう、凛。私は、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン……」
「ちょっと待って!」
言い掛けで、凛が待ったを掛ける。
「何で、今出てくるの?あんたの出番は、教会に行った後でしょ?」
「うるさいわね!話の都合上、仕方無いのよ!やっちゃえ、バーサーカー!」
「うがあああああああああああっ!」
イリヤの掛け声と共に、赤く逆立った髪に、赤く血走った目の女戦士が現れる。
「あ……アレンビー?!」
「ま……まさか?バーサーカーモード?!」
それを見た、ドモンとレインが叫ぶ。
「うがああああああああっ!」
バーサーカーのアレンビー・ビアズリーは、士郎と凛に突進して来る。
「危ない!下っていろ、士郎!」
ドモンは2人の前に飛び出し、アレンビーと対峙する。レインもそれに続く。
士郎と凛は、迫力に圧されて脇に逸れる。
「うがああああああああっ!」
「ぬおおおおおおおおおっ!」
アレンビーの猛攻を、必死に受け流すドモン。しかし、徐々に圧されていく。
「があああああああああっ!」
そこで、アレンビーが渾身の一撃を放つ。
「いかん!離れろ、レイン!」
そう叫んで、ドモンとレインは後方に飛び避ける。
アレンビーの一撃は、地面を砕き、一帯を大きく抉ってしまう。
「な……なんて威力だ?」
「あんなの、まともに喰らったらアウトじゃない?」
士郎と凛が、驚きの声を上げる。
恐るべしバーサーカーモード……だが、バーサーカーモードを維持し続けるには、膨大な魔力を消費する。驚くべきは、それを可能にするイリヤの魔力供給量であった。
その時……
「ここにおったか、ドモン!」
「何っ?!」
突然、ドモンを黒い影が襲う。その拳に、即座に反応して相殺するドモン。一旦離れて対峙したその姿を見て、叫ぶ。
「し……師匠?!」
「わしが、ライダーのサーヴァントよ!」
それは白髪の老人であったが、精悍な顔付きと体付き、その俊敏な身のこなしは、おおよそ老人とは思えなかった。
「ら……ライダー?な……何故、師匠がライダーに?」
「ふん……忘れたか?わしの名馬を、風雲再起いいいいいいっ!」
突如、何処からとも無く白馬が駆け付け、老人はその白馬に跨った。
「わっはっはっはっ!わしの騎乗スキルはSS+よ!」
「いや、そんなランク無いから……」
凛が、ボソッとツッコミを入れる。
「ちょ……ちょっと……待てよ……」
少し遅れて、ひとりの男子学生が、息も絶え絶えにその場に現れる。
「え?……慎二か?」
その学生に、声を掛ける士郎。
「え……衛宮か?……遠坂も……お前達も……ま……マスターか……」
「お前もか?慎二……」
「そ……そうなんだけど……おい……な……何、勝手に喧嘩売ってんだよ?ま……マスターは、僕なんだぞ!」
士郎達の同級生“間桐慎二”は、ライダーの老人に文句を言う。
「たわけっ!貴様のような小僧がマスターなどと、片腹痛いわ!マスターはこのわし、マスター・アジアよ!」
「め……滅茶苦茶だあ……」
慎二は、ひとりでいじけてしまう。
「行くぞドモン!今こそ、わしを倒して見せよ!」
「おおう!今日こそ俺は、あんたを超える!」
『聖杯ファイト・レディ・ゴオオオオオオオオッ!』
勝手に、2人で戦いを始めてしまう、ドモンとマスター・アジア・東方不敗。
取り残されてしまった、アレンビーが叫ぶ。
「ドモン!私とファイトしようよ!」
「あなたの相手は私よ!アレンビー!」
更に興奮してしまうアレンビーを、宥めようとするレイン。
「うるさい!私は、ドモンと戦いたいんだあああああっ!」
だが、正気で無いアレンビーはレインに突進して来る。
“胸の、バーサーカーシステムを破壊できれば……”
向かって来るアレンビーに対し、弓を構えるレイン。
「一矢で仕留める!必殺必中、ライジング・アロー!!」
レインの放った矢が、アレンビーの胸の装置を破壊する。
「ああああああああああああっ!」
体から魔力を放出して、苦しむアレンビー。膝を付き、その場に項垂れてしまう。だが、魔力の放出は直ぐに止まり、逆立った髪が青い普通の髪型に戻る。
「……あ……あれ?……私……」
「戻ったのね?良かった……」
ほっとして、無防備になるレイン。そこに……
「隙ありいいいいいっ!」
「えっ?!」
異様なゴーグルと赤い帽子を付け、錫杖を振り上げたサーヴァントがレインを襲う。完全に虚を衝かれ、レインは対応出来なかった。ところが、
「シュトゥルム・ウント・ドランクウウウウウウッ!!」
「のわあああああああああっ!」
突如現れた竜巻が、そのサーヴァントを弾き飛ばし、レインを救った。竜巻は、ひとりのサーヴァントに姿を変える。
「あ……あなたは?!」
それは、士郎が学校の帰り道で見かけた、ランサーと戦っていたサーヴァントだった。
「シュバルツ?!」
東方不敗と戦っていた、ドモンが叫ぶ。
「如何にも、アサシンのサーヴァント、シュバルツ・ブルーダーだ!」
それに対し、レインを襲ったサーヴァントも名乗りを上げる。
「ふん、私はキャスターのサーヴァント、キラル・メキレルよ!」
「キラル、無防備な相手を狙うとは、また暗殺に明け暮れた殺し屋に戻ったか?」
「この聖杯戦争は殺し合いよ!手段など、構っていられるか!」
「そうだ、お前のやりたいように殺るがいい、キラル。」
少し離れた所に、無表情の冷徹な感じの男が現れる。
『く……葛木?!』
士郎達が、揃って声を上げる。それは、士郎達の通う穂群原学園の教師“葛木宗一郎”であった。
「お任せあれ、マスター。」
「く……葛木が、キャスターのマスター?」
驚く士郎。
「ふっ……主従揃って外道とはな……」
そんなシュバルツに、キラルは問い掛ける。
「そう言うお主のマスターは何処だ?」
「ふふふ……私には、マスターなどおらぬ!」
『何いいいいっ?!』
そこに居る、ほぼ全員が驚く。
「私を召還したのは“間桐臓硯”とかいうご隠居だったが、私の姿を見て“趣向に合わんからパスじゃ”と言って契約を放棄した。だから、私にはマスターなど居ない!」
「え?爺さんが……何我儘言ってんだよ、あのじじい……本当に、じじいはどいつもこいつも自分勝手だ……」
いじけていた慎二が、ボソッと呟く。
「な……なら、何で現世に留まっておるのだ?お主?」
「隠密である私には、単独行動のスキルがある。契約無しでも、1週間は存命できるのだ!」
そんなこんなで、既に消滅したランサーを除く、全てのサーヴァントがここに終結してしまったのだが……
「あ~っ!もう、何なのよ?この展開は!」
破茶滅茶な状況に、凛は頭を抱えてしまう。
そんな中、シュバルツが言う。
「皆、戦闘を中止しろ。この聖杯戦争は、仕組まれた罠だ!」
『何いいいいいいっ!』
全員が、この言葉に反応する。
「私は、自身の隠密のスキルを行使して調査した。この冬木の聖杯は、既に呪われている!」
「ははははは……その通りだ!」
突然、辺りに高笑いが響き渡り、高台の上に、右目から額の周りだけ銀の仮面で隠した、長髪の男のサーヴァントが現れる。
「お……お前は……ウルベ・イシカワ?!」
ドモンが叫ぶ。
「な……何で、8人目のサーヴァントが居るの?」
凛が問う。
「説明しよう。」
ウルベから少し離れたところに、言峰綺礼が姿を現す。
「な……何であんたまで、先に出て来んのよ!教会で待ってなさいよっ!」
凛が、すかさずツッコミを入れる。
「仕方あるまい。教会で待ってたら、出番も無しに話が終わってしまうだろう。」
身も蓋も無い事を言い出す綺礼。
「彼は、10年前の聖杯戦争のアーチャーだ。10年前に、不完全な聖杯から零れた泥を浴び、受肉して現世に留まったのだ。」
驚愕する一同。そこに更に、シュバルツからも驚愕の一言が発せられる。
「その聖杯は、デビルガンダム細胞に犯されているのだ!」
『何いいいいいいいっ?!』
「はははははは……そうよ!デビルガンダム細胞により、聖杯は既に完成に近づいいる。見よっ!」
高笑いするウルベの背後に、デビルガンダム細胞に犯された、デビル聖杯が姿を現す。
器が拉げたような歪な頭部に、手足の無い胴体部、黒と濃い紫の泥の塊のような姿で、全身から泥が零れ出している。全長は、ウルベの10倍はあるだろうか?正に、悪魔の化身のような姿だ。
「な……何で?……まだ私がここに居るのに、何で聖杯がもう形を成しているのよ?!」
イリヤが叫ぶ。
「これが、デビルガンダム細胞の力だ!自己再生、自己増殖、自己進化の能力を吸収して、器無しに形を成した!あとは、貴様らサーヴァントの魂を吸収するだけだ!」
「な……何だと?」
「そんな事はさせん!」
「そうよ!あんたなんかに負けるもんか!」
シュバルツとアレンビーが、ウルベに向って行くが……
「甘いわあああああっ!」
ウルベの号令で、デビル聖杯から無数の泥が触手のように放たれる。その泥は、シュバルツとアレンビーを絡め取ってしまう。
「うわああああああああっ!」
「きゃあああああああっ!」
そうして2人は、そのままデビル聖杯に吸収されてしまった。
「しゅ……シュバルツ!」
「あ……アレンビー!」
叫ぶ、ドモンとレイン。
「のわああああああああっ!」
遂には、キラルまでもが取り込まれてしまった。
これを見て、東方不敗がドモンに指示を出す。
「ドモン!奴の泥に触れれば、そのまま取り込まれてしまう!拳圧で吹き飛ばすのだ!」
「はい!師匠!」
東方不敗とドモンは、魔力を高める。
「ダークネスフィンガアアアアアアアッ!!」
「シャイニングフィンガアアアアアアッ!!」
必殺拳の拳圧で、泥の触手を次々と吹き飛ばす2人。しかし、触手は無限に襲い掛かって来る。
「ええい、これでは埒が明かん!ドモン、あれをやるぞ!」
「はい!師匠!」
東方不敗とドモンは、合体技の体勢を取る。
「超級!」
「覇王!」
『電影だああああああああああん!!』
凄まじい竜巻が、2人から放たれる。その竜巻は、デビル聖杯の触手を悉く吹き飛ばして行く。
「お……おのれ……」
思わぬ反撃に、歯軋りするウルベ。彼の注意が完全に東方不敗とドモンにいっている隙に、レインは矢を構えていた。
「必殺必中!ライジングアロー!」
レインは、ウルベに向かって矢を放つ。
「ふっ……」
しかし、それに気付いたウルベは、直ぐさま同じ矢を放ち、それを相殺する。
「そ……そんな?」
「忘れたか、レイン?ライジングアローは、元々私の必殺技だ。それに、今の私なら、こんな事もできる。」
ウルベの背後に、無数の時空の歪が発生する。そこから、無数の矢が顔を出す。
「命を奪っても、魂を聖杯に吸収できる。死ねいっ!」
無数の矢が放たれ、レインを襲う。
「な……」
レインは、全く反応できなかった。
「れ……レイイイイイイイン!」
叫ぶドモン。矢は、レインの全身を貫いたと思われた。が……
「ぬううううううううっ……」
一瞬早く、東方不敗がレインの前に立ち彼女を庇っていた。全身を矢で射ぬかれても、直ぐには倒れず。そこに仁王立ちしていた。
「ま……マスター……」
「し……師匠!」
すかさず駆け寄るドモン。そこで東方不敗は力尽き、ドモンの腕に崩れ落ちる。
「う……うう……不覚をとったわ……」
「師匠、何故?レインを庇って?」
「ふ……わしも、老いたということかの……どうせ倒されるのなら、お前に倒されたかった……」
「し……師匠!」
「ドモン……お前が、奴を倒せ……今こそ、奥義を放て……」
「え?……お……俺が……あの技を?」
「わしらの……流派、東方不敗の力で……た……たのんだ……ぞ……」
最後にそう言い残し、東方不敗は消滅していった。
「し……師匠!ししょおおおおおおおおおっ!!」
「はははははは……力も無い雑魚庇って果てるとは、マスター・アジアも地に落ちたな?」
またも、高笑いするウルベ。
「黙れ!」
激昂したドモンが立ち上がり、ウルベを睨み付ける。
「貴様は、俺が倒す!」
「ふん、お前ひとりで何ができる?ひとりでは、さっきの技も威力が半減する。もう、聖杯の力には抗えまい!」
「舐めるな!今こそ、流派東方不敗の奥義を見せてやる!」
ドモンは右の拳を握り締め、眼前に翳して叫ぶ。
「流派!東方不敗の名の元に!」
ドモンの全身が金色に輝き、右手の甲の紋章が光る。
「俺のこの手が真っ赤に燃える、勝利を掴めと轟き叫ぶ!ばあああくねつ、ゴットフィンガアアアッ!石破!天驚けええええええええんっ!!」
凄まじい拳撃が、ウルベに向かって放たれる。
「な……何?!ぐわああああああああああっ!」
拳撃の先端は巨大なゴットハンドとなり、ウルベを掴んで空に突き上げる。激しい拳撃はデビル聖杯を包み込み、一気に破壊する。その炎の中で、ゴットハンドに掴まれて苦しむウルベ。
「う……ぐぐぐぐぐぐ……」
「ヒイイイイート・エンドオオオオオオッ!!」
「うぎゃあああああああっ!」
一気にウルベを握り潰し、デビル聖杯諸共、木端微塵に吹き飛ばした。
「や……やりました、師匠!」
拳を天に翳し、東方不敗に訴えるドモン。
「ドモン!」
それに、寄り添うレイン。
その後ろには、ドン引きしている士郎と凛の姿があった。
「な……何でさあああああっ!」
「最っ低!……」
その横で……何故か、綺礼と葛木が冷静に会話を交わしていた。
「葛木先生……これから、聖杯戦争はどうなっていくのかな?」
「おそらく、続いていくでしょう……確かに、聖杯戦争には様々な問題があったようです。ですが、それが分かっているならば、間違いを正す事も可能な筈……」
「所詮我々人類は、戦わずにはいられぬ生き物……」
「そして、希望の未来を勝ち取っていく……あの、若者達のように……」
「何、いい話だった風に言ってんのよ!」
最後に、しっかりとツッコミを入れる凛であった。
おしまい
お粗末でした。
たった一晩で、聖杯戦争は終わってしまいました。
この話を書いたきっかけは、まずアレンビーです。
“バーサーカー”と聞くと、真っ先にアレンビーの“バーサーカーモード”が頭に浮かぶんで。
あと、士郎の左手の甲に“令呪”が刻まれますが、手の甲と聞くと“キング・オブ・ハートの紋章”を連想してしまうというのもありました。。
ランサーについては悩みました。一応三叉の矛で良ければハンス・ボルガーも居たけど、一話だけと最終回に少しのザコキャラなのでボツ。サイサイ・シーというもの考えたけど、冒頭でドモンにやられる役なんで、ミケロにしちゃいました。
キャスターについてはハマリ役が無かったので、役の位置付け的にキラルにしました。魔法陣と曼荼羅も、何となく似てるので。
ギルガメッシュ役は、ラスボスなので、やはりウルベしかいないかと。
シャッフル同盟の面々を出せなかったのはちょっと残念ですが、いまひとつ合う役も無かったので。