ハリーポッターと選ばれし者   作:泉澪

12 / 18



ドラゴン脱出計画!

 

薄暗い小屋の中。ハグリッドが、赤ちゃんドラゴン・・・いや、もう赤ちゃんではないドラゴンのそばに座っていた。

 

「外に放してあげれば?そっちの方が幸せかもしれないよ」

「そんなことは出来ん。すぐに死んじまう」

 

ハリーが促したけれど、ハグリッドは、すぐに否定する。

 

「この子は、ノーバートって名前にしたんだ」

 

はぁぁ。

 

「ノーバートや、ノーバート。ママはどこでしょう?」

「狂ってるよ」

 

ロンが囁いた。

 

「あ、あのさぁ、ハグリッド。いつかは飼えなくなる時がくるんだよ」

「うんうん」

「お、俺だってそれは分かっちょる。だけど、捨てるなんて俺にはできん」

 

ハグリッドが唇をかんだ。

 

「そうだ!」

「どうしたんだい、ハリー?」

「チャーリーだよ!チャーリー!君のお兄さんの!」

「チャーリーがどうかした・・・あ、そういう事か!」

「どういうことだ?」

「ルーマニアでノーバートの世話をして貰えばいいんだよ」

「賛成!」

 

ハグリッドは考え込むようなそぶりを見せたけれど、私達の必死の説得もあってか、最後は承諾した。

 

 

次の週。時々ドラゴンの様子を見に行っている。

 

「ハグリッド、大丈夫?」

「ああ・・・少々噛まれとるが、大丈夫だろう」

「はぁ」

 

ノーバートは、私に向かって歯をむき出した。

 

「・・・もう随分大きくなったけど」

「ああ。成長が早いな」

 

ノーバートが私に向かって火を吹く構えをしようとした。

 

「やっぱり、ドラゴン同士じゃないと、躾とかは無理なんじゃないの?」

「う〜む」

「ドラゴン召喚してあげるよ。そしたら、もうちょっとはマシになるんじゃない?」

「そうかもしれないな」

 

ハグリッドがそう言うが早いか。

 

「インウォカーティオ!セイラン!」

 

真っ白なドラゴンが召喚・・・されたかと思いきや、銀色の髪をした少女が立っていた。

 

「こんにちは〜、ティアナ〜。久しぶり〜」

「久しぶりね」

 

片手を上げて挨拶をする。

 

「今日は、何の用?」

「あのね。ノーバートを、しつけて欲しいの」

「しつけ?」

「そう。セイランなら出来るでしょ?」

「まぁ、多分」

「ティ、ティアナ。本当に、ドラゴンなのか?」

「「もちろん」」

 

声を揃えて言うと、ハグリッドの口と目が大きく開いた。

 

「さてと。外に出ないと、ドラゴンのしつけは出来ないんだけど」

「禁じられた森の中とか?」

「うん。とにかく広いところね」

「じゃぁ、ノーバートを連れて行こう、ハグリッド」

「あ、ああ」

 

セイランがノーバートの首を掴んで持ちあげて、禁じられた森の中に入って行った。

 

「き、禁じられた森は危険だぞ⁉︎」

「大丈夫だって」

 

ハグリッドを連れて、セイランの後を追った。

 

「ここら辺でいっか」

 

開けた空き地に着いてから、セイランがノーバートを降ろす。

 

「さすが、セイラン」

「腕力には自信あるからね」

 

ノーバートがセイランに襲いかかっていく。どうやら、運び方がお気に召さなかったらしい。

 

「セイランっ!」

「大丈夫大丈夫」

 

セイランが右手を前に出して、言った。

 

「待て」

 

セイランの身体を、殺気が包む。が、顔は依然として笑顔のままだ。だけれど、ノーバートはキキーっと音をさせて止まった。

 

「よしよし。えらいえらい」

 

そう言った瞬間、殺気が消える。元の、どこにでもいるような少女に戻った。

 

「なっ・・・」

 

ハグリッドが絶句している。

 

「さっすが、セイラン」

「どんなもんよ!」

 

そんなことを1時間ぐらい続けると、ようやくノーバートはおとなしい普通の(?)ドラゴンになっていた。

 

「おお〜っ!」

 

ハグリッドが歓声をあげる。

 

「さてと。これで良いよね?」

「うんうん。あ、そだ。最後に、背中に乗せてよ。久しぶりにさ」

「え?良いけど」

 

そう言うと、セイランの姿を光が包み込む。そして、光が消えると、そこには真っ白なドラゴンが座っていた。

 

「じゃ、失礼して」

 

そう言ってから、背中に座って、しっかりとつかまる。

 

「じゃ、いくからね!」

 

セイランの声がした。

 

「うわぁ!」

 

前世、大好きだったジェットコースターに乗ったときとよく似ている、独特の浮遊感。たまりませんわ。

 

「すっごい良い景色!」

 

大きな湖はキラキラと輝き、ホグワーツ城は、おとぎ話に出てくるようだ。

 

「じゃ、ホグワーツ一巡りの旅に出発進行!」

「お〜っ!」

 

10分ほどで、旅は終了。

 

「ああ、良い気分」

「楽しかった〜。あ、人間に戻って戻って」

「はいはい」

 

またセイランの身体を光が包み込み、銀髪の少女に戻る。

 

「さてと。戻ろっか」

 

またセイランがノーバートを吊り上げ、小屋の中に戻る。

 

「ありがとね。また召喚するから!」

「じゃぁねぇ」

セイランが消える。

 

「じゃ」

「あ、ありがとな、ティアナ」

「ううん。別に」

 

今日も1つ、良いことしたな〜。

 

寮の談話室に戻ると、ハリーたちが待ち構えていた。満面の笑みで。

 

「ティアナ!」

「え、えっと・・・何?私の悪事、なんかバレちゃった?」

「何したの?いや・・・そんなことより!チャーリーから返事が来たよ!土曜日の夜、1番高い塔に持って来てだって!」

「へぇ〜」

「でもさ、どうやって連れてけばいいんだろ?暴れるっしょ」

「あ、そのことなんだけど」

 

さっきのことを話す。ただし、セイランがドラゴンであるというところはふせてね。

 

「そうなんだ。っていうか、その女の子、何者なの?」

「えっと・・・わ、私の友達」

「すごい友達だね・・・」

「あはは・・・」

 

 

土曜日の夜。

 

「もうそろそろ行かないと」

 

ハリーがそう言って、透明マントと、すっかり大人しくなったノーバートを入れた箱を持った。

 

「あ〜。透明マント、3人までしか入れないよ・・・どうしよう」

「あ、私目くらまし術使うから、大丈夫だよ」

「目くらまし術って・・・?」

「すごいレベルが高い魔法だよ!ってか、そんな魔法まで使えるの⁉︎」

「まぁ、一応」

「「「・・・」」」

 

 

そんなこんなで、1番高い塔の上に着く。ちょうど着いたらしいチャーリーの友達とやらにノーバートの入った箱を渡す。もちろん、ちゃんと見えるようにしてからね。

 

「こんなに穏やかなドラゴンは、初めてだよ」

 

驚いていた。非常に驚いていた。

 

「あはは・・・」

 

穏やかにした方法を知りたがってたけど、笑ってごまかした。まさか、ドラゴンに頼んでやってもらったなんて、口が裂けても言えない。チャーリーの友達が箒に乗って帰っていく。

 

「これで、やっと厄介払い出来たね・・・」

「うん」

「出来れば、もうノーバートみたいに気性の荒いドラゴンとは、関わりたくないな」

 

「炎のゴブレット」で、ドラゴンと戦うけど・・・まぁ、あと3年も先のことだし。階段を降りていく。その時。背後から声がした。反射的に杖を構えてしまう。

 

「これはこれは。大変なことになってしまいましたねぇ」

 

振り向いた私たちの目に飛び込んできたのは・・・ニヤニヤ笑いをした、フィルチだった。やっべぇ。目くらましかけるの忘れてた。

 

それから、マクゴナガルに会って、1人50点ずつ引かれてから、寮に戻った。

 

 

翌日。談話室は、大騒ぎだった。だって、200点も引かれたんだもん。みんな、私達の方を見ながら、聞こえよがしにヒソヒソ話していた。その内容を要約すると、こんな感じ。

 

「ハリーポッターとか、あのティアナ・ブラックが、寮の点数を200点も引いちゃったらしいぞ」

「やっぱりな。あいつ、ティアナ・ブラックな、いつか問題を引き起こすと思ってたんだよ。だって、あの大量殺人鬼、シリウス・ブラックの娘なんだぜ?」

 

はぁ。私としたことが、あんなミスをするとはなぁ。夕食の席で、4人で並んで座って話す。

 

「ってか。私、授業で100点近く稼いだんだから。そのおかげで、200点引かれても、グリフィンドールは3位と10点ぐらいしか差がないんじゃない」

「しっ、ティアナ。皆、こっち見てるよ」

「ハーマイオニー。確かに、私達は、悪いことをしたわ。それは認めるけど・・・でも、あなただって50点はもらってたでしょ?それに、ハリーはクィディッチで得点もらえたし、ロンだって最近は点数をもらえるようになってきたし」

「ま、まぁそれは否定しないけど・・・」

 

実際、今日だって頑張って点数もらって、3位に押し上げたのに。感謝されこそすれ、恨まれる筋合いはないはずだ。そう思いながらフライドチキンを噛みちぎる。

 

「そういえば、罰則はどんなのなんだろ?」

「さぁ?」

「書き取りとかじゃないの?」

「う〜ん」

 

禁じられた森で、怪我したユニコーンを探すんじゃなかったっけ?で、その時、クィレルが、ハリーを襲うんだよ!ああ、楽しみ・・・(何かが間違っている気がするな)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。