翌朝。朝食を食べに大広間に行く。マンゴージャムを塗ったトーストをかじっていると、フクロウ便の時間になった。すると、今までで初めての、フクロウ便が!少々興奮しながら開けてみると、そこには___
{処罰は禁じられた森で今夜11時に行います。玄関ホールでミスター・フィルチが待っています}
___という、そっけない手紙だった。何なんだよ!始めてのフクロウ便だってのに、よりにもよってこれかよ⁉︎落ち着け落ち着け。深呼吸を一つ。うんうん。禁じられた森で、死喰い人に襲われるんだよね。それに参加できるんだから、ある意味幸運だよ。うんうん。
などと自分で自分を慰めていると、ハーマイオニーが覗き込んできた。
「やっぱり、ティアナも同じ文面なのね。ということは、みんな同じかぁ」
「多分、そうだと思う。ってか、禁じられた森って、狼男とかがいるところじゃなかったっけ?」
「そうだよ!」
「ま、そう簡単にやられはしないけど」
「・・・その絶対的な自信は、一体どこからくるの・・・」
ちょっと引かれてました。
そして、夜の11時。4人で玄関ホールへ。もうフィルチはそこにいた。ちょっと残念なことに、ミセス・ノリスはいなかった。まぁまぁ可愛いし。ま、ソーレには敵わないけど。そういえば、最近見てないなぁ。探さないと。
「ついて来い」
フィルチは、ランプに灯をともし、外に出た。と、こっちを振り返る。
「規則を破る前に、よ〜く考えるようになったんじゃないかねぇ?どうかね?」
意地悪な目つきで見ながら言う。くぉんのぉ、スクイ・・・はぁ〜、はぁ〜。
「よし、出かけるとするか」
そう言って歩き出す。私達一行は、真っ暗な校庭を横切って歩いて行った。
何分か歩いて行った先に、1つの明かりが見えた。あれは・・・どうやら、ハグリッドの小屋の明かりらしい。
「フィルチか?急いでくれ!俺はもう出発したい」
という、ハグリッドの大声が聞こえた。横で、ハリーやロンがホッとしたように笑うのがちらっと見えた。フィルチにも見えたらしい。
「あの木偶の坊と一緒に楽しもうと思っているんだろうねぇ?だが、君達が今から行くのは、森の中だ・・・もし全員無傷で帰って来たとしたら、私の見込違いだねぇ」
ニヤニヤといやらしく笑いながら言う。ああ、嫌な奴。
「もう時間だ。俺はもう30分も待ったぞ」
「夜明けに戻ってくる。こいつらの体の残ってる部分だけ引き取りに来るさ」
フィルチは、ランプを掲げながら、城に帰って行った。それを見送ると、ハグリッドは私達の方をむいて行った。
「よーし、それじゃ、よーく聞いとくれ。今夜やる事は、危険なんだ。・・・わしについて来てくれ」
ハグリッドに着いて行って、森のはずれまで行った。ハグリッドのランプで、獣道が照らし出される。覗き込むと、何か光った物が見えた。
「あそこを見ろ。あの銀色に光る物が見えるか?あれは
「あ、私ファングと一緒でいいよ」
「僕も」
手を挙げて言うと、横でハリーも言った。
「よし、それじゃ、ハーマイオニーとロンは俺と一緒に行こう。ティアナとハリーはファングと一緒に別の道だ。もしユニコーンを見つけたら緑の光を打ち上げる。みんな出来るな?杖を出してやってみよう___それでよし。もし困ったことが起きたら、赤い光を打ち上げろ。みんなで助けに行く。じゃ、気をつけろ。それじゃ、出発!」
ファングとハリーと一緒に、歩き出す。
「それにしても・・・何がユニコーンを殺してるんだろ?やっぱり狼男かな?」
「んー。多分、違うと思うよ」
実際、クィレルだったし。
「どうして?」
「だってさぁ、狼男ってそんなに早くなかったと思うし・・・。それに、ユニコーンを傷つけられるのは、魔法使いとか・・・高い知能を持っている者にしか傷つけられないと思う」
「へぇ」
そんな事を話しながら、暗い道をたどる。無言で30分ほど歩くと、見た事も無いほど大きい、木が現れた。その木の根元には・・・銀色の・・・ユニコーンの血が飛び散っていた。
「ひどい・・・」
そこから少し歩くと、空き地が見えた。
「見て・・・」
「なっ・・・」
地面に光り輝く物が見えた。さらに近づくと、その正体が見えた。ユニコーンだ。頰を、一粒涙がこぼれ落ちる。それ程に、それは悲しいものだった。
踏み出そうとするハリーを止める。そして、赤い光を打ち上げてから言った。
「待って」
「え?」
「後ろに下がって」
「どうして・・・」
ズルズルという音が聞こえた。ついにヴォルデモートが現れる。ハリーとファングが立ちすくんだ。目を凝らすと、そいつが、ユニコーンの血を飲み始める。攻撃するなら今しかない!杖を抜き、呪文を放つ。
『ストゥーピファイ!麻痺せよ!』
そいつは、呪文を避ける。くっそ、いい線いってたと思ったんだけど。
『アバダケダブラ!』
死の呪文が帰ってきた。避けてから、続けて呪文を唱える。
『ペトリフィカス・トタルス!石になれ!』
あ、また避けられた。
『ディフィンド!裂けよ!』
まだ固まっているハリーとファングに向かって呪文が飛んでいった。くっそ、ここからじゃ盾の呪文も効かないし・・・仕方ない!ハリーたちの前に身を投げ出す。
「いったぁ!」
左頰が裂け、血が吹き出す。痛いよぉ。クィレルが私に杖を向け、呪文を放とうとした時・・・後ろで音がした。どうやら、ハグリッドたちが駆けつけたらしい。
「くそ・・・」
クィレルがそう呟き、マントを翻して逃げて行った。
「あ、逃がしちゃった」
「ティアナ!ハリー!ファング!大丈夫っ⁉︎」
ハーマイオニーとロンとハグリッドの声がした。
「ん、まぁね・・・」
「まぁね、じゃないわよ!頰の傷・・・!」
「そ、そうだよ!ティアナは僕をかばって!」
4人と一匹が私の方に駆け寄った。
「だ、大丈夫だよ・・・このぐらい」
「大丈夫なわけないでしょっ!!あ〜あ、女の子なのに顔にこんな傷負って・・・」
「あはは・・・大丈夫だって・・・これぐらいなら、完璧に癒せるし」
そう言いながら杖を向け、
『デファンドール・プロテッジェーレ』
極小の鷲を召喚し、傷を癒す。
「あ〜、気持ちい〜」
「うわ、すごい・・・どんどん治ってく・・・」
そうでしょ?でしょでしょ?10秒もあれば、こんな傷完治出来る。
「どうしたんだ?何があった?」
「えっと・・・」
簡単に説明する。
「なんてこったい。そんな事があったとは・・・」
「ハグリッド!もう帰ってもいいでしょう?ティアナとハリーが・・・」
「あ、ああいいぞ。送って行こう」
暗い道を歩いて行くと、足に何やら違和感が。見ると、ソーレが私の足に体を擦り付けながら見上げていた。急いで抱き上げる。
って、汚なっ。ところどころ泥がこびりついていたり、棒が絡まっていたり。洗わないとなぁ・・・。
談話室にて。肘掛椅子に座り、今夜禁じられた森で起こった事について話していた・・・私はソーレを洗ってたけど。
「どうしてあいつは、ユニコーンの血を飲んでたんだろう?」
「ユニコーンの血を飲めば、生きながらえる事ができるのよ。だけど、呪われる。まあ、あんなに純粋な生き物を殺すんだから、当たり前よね」
「でも・・・呪われるなんて・・・そんな事してまで生きたいかなぁ」
「いるわ。もう少しで命の水が手に入り、完全な力を取り戻せる者が・・・」
「それって、ヴォルデモートの事?」
「そうよ」
「そういう事か・・・スネイプが賢者の石を狙ってるのは、ヴォルデモートの為なんだ!」
「はぁ・・・」
いい加減スネイプ説やめようよ・・・。そう思いながら、ソーレの体をタオルで拭く。よし!元どおり!私はタライと濡れタオルとソーレを持って立ち上がった。
「ん、どうしたの、ティアナ?」
「疲れたから、もう寝るね。お休み・・・」
水も捨てなきゃだし。
「うん、いい夢を」
水道に水を流して、タオルを干してから階段を上がっていく。ベッドに倒れこんだ。頰の傷のあたりを撫でた。完治したはずなのに、まだ痛みがうっすらと残っているような気がした。
最近、ソーレが登場していなかったので、登場させました。ちょっと強引だったかな?