side. ティアナ
1991年 9月1日
ついにこの日が来たのね。私は今マグルでごった返している、マグルの駅、キングズ・クロス駅を、トランクとソーレを入れたケージと、どうしても私から離れてくれなかった、フクロウのアガサをのせたカートを押しながら歩いている。
あ、もうちょっとで汽車が出ちゃう!急いで私は改札口にある柵に突っ込んでいった。そこには、別れを偲ぶ生徒とその親たちがいた。汽車の最初の2、3両はもう生徒でいっぱいだった。
ほとんどの生徒が、窓から身を乗り出して家族と話したり、席を取り合ったり、友達とカエルチョコのカードの交換をしたりしていた。
私は最後尾まで行って、やっと空いているコンパートメントを見つけることが出来た。そして、アガサとソーレの入ったケージとトランクを汽車の中に押し上げた。そして、私も汽車の中に入り、そのコンパートメントのドアを開けた。そこには、ハリーと、ロンが座っていた。
「ごめんなさい。ここ、空いてるかしら?他は、どこもいっぱいで」
と聞くと、ハリーもロンも、快く頷いてくれた。なので、私は荷物をおいて、ハリーの向かい側に座った。ちょうどその時、汽車が動き始めた。
原作通り赤毛でのっぽのロンが自己紹介を始めた。
「僕、ロナルド・ウィーズリー。
みんなからは、ロンって呼ばれてる」
すると、ハリーが、
「僕はハリー・ポッター」
と、名前だけの自己紹介をした。
私も負けじとばかりに、
「私はティアナ・サイン・ブラック。
ロン、ハリー。仲良くしてね」
と言った。
「「うん。よろしくね」」
と、いいお返事。それにしても、息ぴったりだな。この2人。
私は、来るまでずっと不機嫌そうだったソーレをケージから出して、耳の後ろをかいてやる。すると、唸ってたのに、たちまち静かになった。(アガサは羽根に顔を埋めて眠っていた)すると、それを見てロンが、
「君は2匹もペットを連れて来たのかい?」
「ううんと。このフクロウのアガサは、もともとは家にいたんだけど、今日になって私からどうしても離れなくて。仕方なく連れて来たのよ。
で、この子猫は、ソーレって言うのよ。ハリーもロンも、どんなペットを飼っているの?」
すると、ロンは上着のポケットから、太ったネズミを引っ張り出した。グッスリ眠っている。
「スキャバーズって名前だけど、役立たずなんだ。
寝てばっかりいるし。僕の兄さんのパーシーは、監督生になったから、フクロウを買ってもらったんだ。だから、こいつはパーシーのおさがりさ」
お。とうとう出て来たか。ペティグリュー。ソーレが、スキャバーズに手を出さないように、私はソーレを抱きかかえた。
すると、今度は、ハリーが、
「僕は、フクロウを飼ってるんだ。 名前は、ヘドウィグ。
ホグワーツの森番のハグリッドからの誕生日プレゼントなんだ」
「へぇ、そうなんだ。綺麗なフクロウね」
「ありがとう」
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12時半ごろ、車内販売が来た。
「何かいりませんか?お菓子もジュースもたくさんあるわよ」
私は、もうお腹ペコペコだったので、昼食を買うため、財布をハンドバックから取り出して、勢いよく立ち上がった。ハリーもね。
私とハリーは、カエルチョコやらかぼちゃパイやらかぼちゃジュースやらを買った。私とハリーが空いている席にどさっと置くのをロンは目を見開いて眺めていた。
「2人とも、そんなにお腹空いてるの?」
「「ペコペコだよ」」
私は早速大鍋ケーキにかぶりつきながら、ハリーはかぼちゃパイを食べながら言った。
「それに、ロンも食べるでしょ?私、今までお菓子を分け合える友達って、いなかったのよ。だから、食べてよ。いいでしょ、ハリー?」
「うん、もちろん」
それから、私はカエルチョコの包みを開けた。だけど、開け放されていた窓から、逃げて行ってしまった。
そして、有名な魔女・魔法使いのカードだけしか私の手元には残らなかった。
「なんのカードだい?僕、アグリッパがないんだ」
と、ロンが覗き込んで来る。と、ハリーが怪訝な顔で、
「なんだって?」
「ああ、そっか。君、知らないんだよね......
チョコを買うと、中に、有名な魔女とか魔法使いのカードが入ってるんだよ。
それを、みんな集めてるのさ。僕、500枚ぐらい持ってるんだけど、アグリッパがまだないんだ」
ハリーとロンは早速カエルチョコの包みを開け始めた。
ほんと、男の子ってこういうの好きだよね〜。
私は、カードに目を落とした。アルバス・ダンブルドアと写真の下に書いてある。私はカードを裏返し、裏を読んだ。
{アルバス・ダンブルドア
現ホグワーツ校 校長。近代の魔法使いの中で最も偉大な魔法使いだと言われる。特に、1945年、闇の魔法使い、グリンデルバルドを破ったこと、ドラゴンの血液の12種類の利用法の発見、パートナーであるニコラス・フラメルとの錬金術の共同研究などで有名。}
次に、バーティー・ボッツの100味ビーンズを食べた。私は、1つ目にミミズ味に当たってしまい、急いでかぼちゃジュースで飲みくだいた。その時、私は心に誓った。もう、絶対100味ビーンズは食べないと。あとは、食べる気力もなくなりすべてハリーとロンにあげてしまった。
コンパートメントをノックして、丸顔の男の子(多分、ネビル)が顔をのぞかせた。
「ねぇ、僕のヒキガエルを見なかった?
いなくなっちゃったんだよ」
私たちが首を振ると、
「そう。もし見かけたら、教えてね」
といって、男の子は出ていった。
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「それにしても、眼鏡がボロボロよ、ハリー。ちょっと貸して」
私は、ハリーから眼鏡を受け取り、杖を取り出して、ハリーとロンが見守る中、杖先でポンポンと2回ほど叩き、
「レパロ」
と唱えた。すると、金色の粉が舞い散り、次の瞬間、ハリーの眼鏡は新品同然になっていた。
私はその眼鏡をハリーに返した。ロンが驚いた様子で、
「ティアナ、きみ、魔法が使えるの?」
「ええ。まぁ、すこしだけど」
「ありがとう、ティアナ。すっごく見やすくなったよ」
「僕も、ジョージから教えてもらった魔法を知ってるよ。
やって見せようか__見てて」
ロンはトランクを引っ掻き回して、杖を取り出した。あちこち欠けていて、端から何やらキラキラしたものが飛び出している。
「ユニコーンのたてがみがはみ出してるけど、気にしないことにしよう」
いやいや気にした方がいいだろう、それは。
「かして」
そう言って杖をかしてもらう。
「レパロ」
私がそう唱えると、ロンの杖は新品同様になった。
「ありがとう、ティアナ。さっきよりもずっといい」
ロンが杖を振り上げた途端、またコンパートメントのドアが開いた。ネビルが、今度は栗色のフサフサ髪の女の子を連れて現れた。その子は、
「こんにちは、誰かヒキガエルを見なかった?ネビルのがいなくなったのよ。あら、魔法をかけるの?それじゃ、見せてもらうわ」
と、言う。
「あ〜、いいよ」
ロンは杖でスキャバーズを指し、
『お陽さま、雛菊、溶ろけたバター。
このデブで間抜けなどぶねずみを黄色に変えよ』
と唱えた。でも、なにもおこらず、スキャバーズは相変わらずねずみ色。
「あんまりうまくいかなかったわね。私も練習のつもりで簡単な呪文を試してみたことがあるけど、みんな上手くいったわ。私の家族に魔法使いは1人もいないの。だから授業についていけるように、教科書はもちろん全部暗記したわ。それだけで足りるといいんだけど.....
私、ハーマイオニー・グレンジャー。ホグワーツの新入生。あなた方は?」
ということを、ハーマイオニーは息継ぎなしで言いきった。やはり、ただ者ではない。
「僕、ロン・ウィーズリー」
「ハリー・ポッター」
「私は、ティアナ・サイン・ブラック。
よろしくね、ハーマイオニー」
「ええ、よろしく」
ネビルは、その間ずっと泣いていた。そのことに気づき、私も流石に可哀想になって、
「ネビル、あなたのペットって、何ガエル?」
「?ヒキガエルだけど・・・」
私は、杖を振って、
『インウォカーティオ トォーノ』
と唱えた。すると、光に包まれながらシェパードのトォーノが現れた。
「トォーノ、ちょっとネビルのペットのヒキガエルを探してきてくれない?」
「ワン!」
トォーノは、一声鳴くとコンパートメントを飛び出して行った。
ハーマイオニーが、
「見つけられるのかしら」
と言った直後、ヒキガエルをくわえたトォーノが、向こうから飛んで来た。
「ありがとうね、トォーノ。おかげで助かったわ」
そう言って、頭を撫でると、トォーノは光に包まれて消えた。
「はい、あなたのペットのヒキガエルって、この子でいい?」
「うん。ありがとう、ティアナ。トレバーに違いないよ。
僕、ネビル・ロングボトムって言うんだ」
「よろしくね、ネビル」
「すごいのね、ティアナって。もっと話してみたいけど、もう行くわ。
ローブに着替えないと。あなたたちも、もう着替えたほうがいいわよ。
もうすぐ着くと思うから」
「あ、ハーマイオニー。私も、あなたのコンパートメントで着替えていい?」
「ええ、もちろん」
私は、ローブとソーレを抱えてハーマイオニーについて行った。
ハーマイオニーのコンパートメントで着替え中、ホグワーツについて、知っていることを言い合った。
「私、〈ホグワーツの歴史〉って本をもってるの。その本に、詳しくホグワーツの歴史が書いてあるのよ。例えばホグワーツは4人の創始者が造ったとか。
だから、4つの寮に分かれてるんだと思うわ。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンっていう風にね」
「組み分けが楽しみね」
「うん」
沈黙が訪れてしまう。その沈黙を破るようにハーマイオニーが、
「この子猫、可愛いわね。緑と金色の瞳をしてる。なんていう名前なの?」
「この子、ソーレっていうの。ほら、目が大きくて、キラキラ光ってて、太陽みたいじゃない?」
「へぇ。確かにね。いい名前ねぇ」
「ありがとう。それに、飼い主の私が言うのもなんだけどね、結構賢いのよ。時々、私の言葉を理解しているような気がするの」
と言った時、タイミング良くソーレが
「ミー」
と鳴く。
私とハーマイオニーは、思わず顔を見合わせて微笑んだ。
「じゃぁ、また後でね」
私もハーマイオニーも着替えが終わり、私は元いたコンパートメントに戻った。私が戻ってきた時、もうとっくのとうにハリーとロンは着替え終わっていた。
「あ、ティアナ、もうすぐ汽車がつくから、荷物まとめたほうがいいよ」
私は慌てて、トランク、アガサの入った鳥かご、ソーレの入ったケージ、愛用のハンドバッグを持って立ち上がった。私の用意が終わったのを見計らって、もうすでに準備が終わっていた、ハリーとロンも立ち上がった。
そして、私達は汽車を出た。これからの学校生活に期待しながら。
ソーレ、ナイスタイミング!ハーマイオニーと仲良くなれました。(多分・・・)