ハリーポッターと選ばれし者   作:泉澪

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えっと、暗くは・・・ないかな。


憂鬱のハーマイオニーと焦げ焦げのトロール

Side. ハーマイオニー

 

どうして、どうしていつもいつもこうなの。マグルの学校にいた時も同じだった。私はいたって真面目に勉強してるだけなのに。真面目にやればやるほど皆離れていく。どうして?私は頑張ってるだけなのに。

 

目から涙が流れ落ちる。拭っても拭っても流れ落ちていく。

 

頑張ってる私は損をして、陰口を言われて。不真面目な人が得して、友達に囲まれて、いつもいつも幸せそうで。こんなのって。絶対に間違ってるわ。

 

違う。そうじゃない。私の方が間違ってるわ。全部私が悪いのよ。妖精の魔法の授業のときだって、もっと優しく教えてあげれば良かった。あんなに強く言われたら、魔法を成功させて上から目線で睨みつけられたら、誰だって頭にくる。陰口の1つや2つ、言いたくなるわよね。

 

 

どうして、あの子は、ティアナは、あんなに受け入れてもらえるの?ハリーからも、ロンからも、ネビルからも。授業でのもらえる点数は同じぐらいなのに。

私になくて、ティアナにあるものは一体なんなの?

そう思って、悔しくて。羨ましくて。追い抜かしてやるって思って勉強して。でも全然追いつかない。どんどん先に行ってしまう。だから、だんだんその気持ちが嫉妬に変わってきて。

 

優しくしてくれたのに。大丈夫?って声かけてくれたのに。嫉妬でつい冷たく当たっちゃって。

絶対に傷ついてるわ。私のことを嫌ってるわ。謝ろうって思った。だけど、あの子はいつも大勢の友達に囲まれて、楽しそうに話してる。

たまに1人の時に会ってもこわくて声がかけられなかった。突き放されたらどうしようって。拒絶されたらどうしようって。ほんとは友達になりたかった。仲良くなりたかった。それなのに、それなのに…

 

覆った手の間から涙が溢れ落ちる。

 

 

コツコツ。靴の音が聞こえた。どんどん近づいてくる。

 

コンコン。ドアが叩かれた。

 

「ハーマイオニー?ここにいるの?」

それを聞いた途端、私は固まった。ティアナの声だ。

 

 

 

 

「なによ?ほっといて!私を1人にさせてよ!」

声が震える。

違う。本心じゃない。1人にしないで。

 

 

「あのね。私、ハーマイオニーと話がしたくて。ドアを開けてくれない?」

私はドキドキする心臓を落ち着かせながら、ドアを開けた。

ティアナのエメラルドグリーンの瞳にじっと見つめられ、つい下を向いてしまう。

 

「あのね。ハーマイオニーは私のこと嫌いなのかもしれないけど。だけどね。私、ハーマイオニーと仲良くなりたいの。友達になりたいわ。最初はなんだか威張った話し方する子だなぁって思ってたんだけど、付き合ううちに、凄いいい子だってわかったんだ。だからね、ハーマイオニーが私に話しかけないようになって、すっごい寂しい」

 

その言葉を聞いて、私は顔を上げた。

「私と…友達になりたい?仲良くしたい?」

驚いた。私にそんなことを言ってくれた子なんて今まで1人もいなかったから。

 

「うん。そうよ」

 

「ダメよ。私にはそんな資格なんてない。私、あなたに嫉妬して、つい冷たくしちゃって」

 

「友達になるのに、資格なんて必要ない!」

 

少し怒った口調でティアナは言う。

 

「その資格って一体何?純血だから?同じ寮だから?__違うわ!私はハーマイオニーのことが好きだから、友達になりたいの。資格なんて関係ないわ」

 

 

「本当?ほんとに友達になってくれるの?」

 

信じられない。

 

「もちろん!あ、ハーマイオニーが私のこと嫌いじゃなければだけど…」

 

「そ、そんなことない。私、あなたと仲良くなりたいって思ってた。友達になりたいって思ってたわ!」

 

ティアナの瞳を見つめて言う。その答えを聞いた瞬間、ティアナの顔がパァーッと明るくなって、顔いっぱいに笑顔が広がった。まるで、太陽が雲の間から顔をのぞかせたような明るい笑みだった。見るものの気持ちを明るくさせる笑み。

 

その笑みを見た時、私になくてティアナにあるものが分かったような気がした。

 

「本当?嬉しいわ!今から、私たちは友達よ!」

その言葉を聞いた瞬間、目から涙が流れる。考えてみれば、私には今までこんな嬉しい事を言ってくれるような友達はいなかった。

 

「え、え?どうしたの?私、何か悪いこと言った?」

ティアナが慌てたように言った。

「バカね…これは嬉し涙よ…」

私は涙を拭ってティアナの方を向いた。

次の瞬間、私は驚いて目を見開いた。

side. ティアナ

ハーマイオニーがこちらを向いてくれる。次の瞬間ハーマイオニーは目を見開いた。

「ティ、ティアナ…う、後ろ…」

「え?」

後ろを振り向く。そこにいたのは、小さなハゲ頭をした4メートルほどのクソでかい化け物であった。あれは・・・

「トロール?」

って、あああああああああ!!!忘れてた!そういやぁ、トロール出るんだったぁぁ!このー私のバカバカバカ!

 

「に、逃げないと!ティアナ、早く!」

そうは言ってもどこに逃げようと言うのか。トロールが入り口を塞いでしまっている。狭いトイレに逃げ道はない。

 

そのトロールは、私たちに向かって棍棒を振り下ろしてきた。

「プロテゴ!護れ!」

急いで盾の呪文を唱える。一度トロールが棍棒を振り下ろしたぐらいで私の盾の呪文は破れない。トロールもそのことに気づいたのか、今度は体当たりをかましてきた。2度、3度と。流石に私の魔法で作り出した目に見えない壁も、だんだん壊れてくる。かといって攻撃しようにも、壁がある。だが、壁を取りはずそうものなら、私たちは朝を迎えることもできなくなるだろう。

 

「ティアナ、ハーマイオニー!大丈夫⁉︎」

ハリーとロンが走ってきた。

 

「私たちなら大丈夫よ!」

そう答える。私の横でハーマイオニーは信じられないって顔をしている。根拠はない!

 

その時。

 

 

ついに呪文がきれた。振り下ろされたトロールの棍棒がトイレのガラスを割り、破片が飛び散った。その破片の一つがハーマイオニーの方へ飛んでいく。その破片は、庇おうとした手を切った。

私は血を流しているハーマイオニーの手に杖を向け、

「エピスキー、癒えよ」

そう唱えた。みるみるうちに血は止まり、元どおりになる。

 

 

よかった。

 

 

怒りが放散されるのを感じる。生まれて初めてキレた。私は立ち上がり、トロールを睨みつける。

 

「失神させるぐらいで済ませてあげるつもりだったけど、私は友達を傷つけた奴をそのぐらいで許すほど優しくはないわ…」

 

そしてトロールに杖を向けて、唱えた。

 

「カーラント・カピニオン!鷲、出でよ!」

 

次の瞬間、大きな鷲が現れた。それも、全身が電流でできている。その鷲は、翼を広げてトロールに襲いかかり、のみこんだ。

 

 

その数秒後、マクゴナガル、クィレル、スネイプ、ダンブルドアがトイレにかけつけた時にはもうトロールはすでに息絶えていた。それを見た先生方は顔色を変える。クィレルは弱々しい声をあげその場にへたりこんだ。

 

 

マクゴナガル先生が、

「貴方達、これは一体どういうことですか?」

 

そう言って口をぽかんと開けて腰をぬかしているハーマイオニーと、唖然としているハリーとロン、そして黒焦げのトロールにむかって杖を向けて、肩で息をしながら立っている私を見回して、

「Ms. ブラック。これはどういうことです?」

 

「えっとですね。私とハーマイオニーがトイレにいたところ、突然トロールが襲ってきまして。棍棒を振り下ろしてきたので、盾の呪文で防ぎました。最後に、私が電流呪文で作り出した鷲でとどめをさしました」

 

「電流呪文?」

 

スネイプは怪訝そうにしている。それもそうだろう。電流呪文は私が考えたんだからね!o(`ω´ )o

 

「それは、私が勝手に名付けたんですけど・・・」

「どんな呪文じゃ?」

ダンブルドアが聞いた。

「カーラント・カピニオン!鷲、出でよ!」

 

私がそう唱えると、さっきとは違う、極小電流鷲が現れ、こちらを小さな小さな目でこちらを見返してくる。私がそっちに向かって手を伸ばすと、小さな翼を広げて私の手の上に座って、翼をたたんで目を閉じた。リラックスして眠っているように見える。

 

ちなみに私は全然熱くない。なぜかというと、この呪文が生み出した動物、鳥はそれを生み出した張本人、そしてその人が信頼している人には危害を加えられないからである。

最初に発明(?)した時は、そうじゃなかったんだけど、そっちの方が便利なので、考え考え、コツを掴み、出来るようになった。(勿論最初のやつも出来るよ)

 

「ほうほう、これはこれは。見たことがない呪文じゃな」

「あ、あははははは…」

 

笑ってごまかす。ここでは私が考えた呪文だと言わない方がいいだろう。

 

「まぁいい。では、君達はなぜここに?」

スネイプが今度はハリーとロンに矛先を向けた。

 

「え〜っと…」

ハリーもロンも言いにくそうにしている。

 

「あ、あの2人は、私たちを助けにきてくれたんです。ね、そうでしょ?」

ウィンクする。すると、2人ともブンブンと首を縦に振る。それを見てマクゴナガル先生はため息をついて、

 

 

「貴方達が助かったのは、ただ単に運が良かっただけです。

その幸運に1人5点ずつあげましょう。

怪我がないのなら、グリフィンドール寮に帰った方が良いでしょう。生徒達がパーティーの続きをやっています」

 

帰り道、4人とも無言だった。

 

 

グリフィンドール寮についた。ロンとハーマイオニーはお互いを見て、

「えっと・・・ハーマイオニー。さっき悪口ってか陰口言っちゃってごめん」

 

「私こそ。もっと優しく教えればよかった。ほんとに後悔してるわ」

 

どうやら、仲直りできたみたいだ。ハリーと目があったので、ウィンクしといた。なんか、上手くなった?ウィンク。

 

 

 

 

その後、パーティーを満喫した後、私とハーマイオニーは寝室に戻った。

 

「ふぉやすみ〜」

 

ハーマイオニーにそう言った。ソーレは完全にリラックスして眠っていた。起こさないようにこっそりベッドに入る。

 

「おやすみなさい」

 

ハーマイオニーが笑いながら返してくれる。

今日はいい日だったかも…ハーマイオニーと仲直りできたし♫

 

____________________________side. ダンブルドア

変なものが満ち溢れ、隅で不死鳥が眠っている暗い校長室で、椅子に座ったダンブルドアとマクゴナガルが話していた。

 

「電流呪文…」

「一体何なのでしょう。ダンブルドア先生も聞いたことがないのでしょう?」

「ああ」

「しかし、1年生でトロールを倒せるとは…」

「あの様子から察するに、盾の呪文も非常に強固でしょうね」

「そうじゃな。並の大人よりも強いかもしれぬ」

「いったいどんな子なのなのでしょう。ティアナ・ブラックとは…」

「まぁ、ジェームズ・ポッターの無二の親友、シリウス・ブラックと攻撃魔法・守護魔法の天才、エレオノーレ・ホワイトの実の娘じゃからな。別におかしくはないじゃろ」

「そうですね…」

 

 

 

数分後、マクゴナガルは自分の部屋に戻っていく。

今や、人は自分1人しかいない校長室でダンブルドアは椅子に座り、指を組んで考え込んだ。

 

電流呪文か…セブルスも知らぬのだから、おそらくあの子が発明した呪文じゃろう。あの年で、盾の呪文を難なく使いこなせ、また自分で発明した呪文もあるということは、おそらく…あの予言の娘とは、ティアナ・ブラックのことなのであろう。

幸い、あの予言はヴォルデモート卿には知られておらんじゃろ。ということは、あの子はヴォルデモート卿がその予言のことを知るまでは、安全だということじゃ…

 

 

ダンブルドアはその後も熟考していたが、そのうちにランプを消した。

 

 

____________________________________

その2日後。スネイプ先生の脚の怪我を偶然見てしまった。ハリー達は、スネイプを疑い始めたらしい。何度言っても、その考えを改めようとしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ティアナ、トロール瞬殺。圧倒的な能力の差であった。
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