レティーシアside
ピーターパンのようにずっと子供のままでいられない。
夢のような冒険心はいつだって持ち続けたい。
自由な空へ飛んで行きたい。
でも、それが許される旅じゃないってわかってる。
私は、おまけだけどその存在は非公式扱い。けれどノクトと同様に護衛に守られて今に至る。守られるなんて言いかたいいけど、様は監視で彼らと共に行動するだけで私の情報は筒抜けであちらに伝わっているだろう。疎ましいと感じてる癖になぜそこまで私に執着するのか。理由は一つだ。
私が、召喚獣を使役できるから。
星の守護者で、神である彼らと意思疎通でき私が彼らに願えば世界さえ簡単に滅ぼせる存在とでも考えられているのかも。私にそんな安易な行動がとれるわけない。私は常に彼らに敬意を払って接しているつもりだ。いつだったか、彼らの存在がとても尊いものだと教えてもらった時、私は彼らとのやり取りが不敬に当たるのではないかと不安になり、一度だけ態度を改めたことがあった。そうしたらどうやらその行動が彼らに不安を与えたようで、毎夜毎夜、代わる代わる愛らしいぬいぐるみに姿を変えた召喚獣たちが姿を変えて私の元を訪れては、どうしてよそよそしいのか、何か余計なことを吹き込まれたのかだとか、矢次に質問攻めされて大抵最後には、私が困っているなら力を貸すからどうか嫌わないでと懇願された。実体化したシヴァには『レティに余計なこと言った奴を凍らせてやるわ』とまで言われて慌てて止めに入ったものだ。やめてと抱き着きながら半泣きになり訴えた。シヴァは渋々と言った表情で『わかったわ、レティがそういうのなら』と私を落ち着かせるために額にひんやりとした冷たいキスをしてようやく諦めてくれた。
シヴァの本気を全身で感じ取った恐怖は今でも私の中で強く印象づけている。
彼らから向けられる親愛が嬉しくもあり、時々人に向けるにはあまりに常軌を逸しているのではないかと恐れを抱いてしまうこともある。
どうして私が?
ミラの娘だから?
最初はミラの娘だからと言われた。
けどそのうち接する時間が増えていくにつれて彼らは、私がミラとは違うレティだからこそ会いに来ると親愛を込めて語ってくれた。
彼ら召喚獣は優しく寛大な心でいてくれるから、私も心を開いて信頼を寄せられた。
けど、やっぱり不安は消えない。
無条件で私を受け入れてくれる彼らだけど、世界はイレギュラーを認めない。
彼らと意思疎通を行う神薙は、世界に認められた正規の使者。
ルナフレーナ・ノックス・フルーレ。
いくら、肩書でクリスタルの恩恵を受ける王族の王女とは言えやはり神薙とは違うイレギュラーな私は世界にいらぬ混乱を与えると思う。
彼女に対して劣等感を抱く私に、「クペは大丈夫クポ!皆はレティだから大好きなんだクポ」って自信満々に胸を叩いて言ってくれるけど。
やっぱり、怖いの。
いつか、彼女に彼らとの絆まで持っていかれるのではないかって。
不安が時たま発作のように起こるの。
心弱い私は、少しでも多くの知識を身につけようと必死になって本に噛り付く。
少しでも彼女に対抗するだけの力を手に入れなきゃって。
【それが無駄な行いだとして止められない】