男子たちのテント内ではこんな会話がやり取りされていた。
ノクト「そういや、レティが前に言ってたんだが」
プロンプト「うん?」
ノクト「自分のキスは安売りしないだと。どういう意味だ?」
イグニス『ブー!!』(コーヒー噴き出す音)
ノクト「なんだよ、急に!?」
グラディオラス「おいおい大丈夫か」
イグニス「っけほ、……ごほっ。……すまない、少し器官に入った……気にしないで、くれ…」
グラディオラス「珍しいな、イグニスにしちゃ」
イグニス「……少し、風に当たってくる……。先に寝ていてくれて構わない」
イグニスはそう言ってテントから出て行った。
プロンプト「いってらっしゃーい。…それでノクト。どういう意味って、ノクトはどうして姫がそんなこと言ったかわからないの?」
ノクト「全然」
プロンプト「……はぁ~、オレよりモテてたくせにそういうとこ鈍いんだから。相変わらず」
ノクト「は?…どういうことだよ」
プロンプト「それってさ、姫にとってキスは特別ってことでしょ?女の子なら誰だって夢見るよ。初キスってやつ」
ノクト「なっ!?」
グラディオラス「そういや、レティにも婚約話一応上がってたんだったな」
ノクト「聞いてねえぞオレは!」
グラディオラス「だろうな。ノクトには言うなって口酸っぱくしてレティが何度も念押ししてたからな。それに表沙汰にならないように水面下で決まりかけてたし…結局、レティが蹴とばしたからその婚約話もなくなったけどな」
ノクト「それ、どこのどいつだ。殺ってくる」
プロンプト「ノクトがキレてどうするの!」
グラディオラス「……言わねえ。いうとノクト何するかわかんねえから」
ノクト「グラディオ」
グラディオラス「……殺るとか言うなよ。絶対いうなよ」
ノクト「わかったから」
グラディオラス「……イグニスだ」
プロンプト&ノクト「……え……」「あ?」
グラディオラス「イグニスだっつーの。レティの元婚約者は」
プロンプト「えぇ――――!?」
ノクト「…………」
グラディオラス「まぁー、あのじゃじゃ馬乗りこなすには相当苦労しなきゃ無理だろうさ」
ノクト「………ちょっと出てくる」
プロンプト「ノクト?まさかイグニスに」
ノクト「なにもしねーよ。ただ、……説明してほしいだけ、だ」
グラディオラス「ほどほどにな」
ノクト「わかってる」
ノクトはテントを出て行った。残された二人は顔を見合わせて、
プロンプト「波乱の予感」
グラディオラス「だな」
くわばら、くわばらと唱えたのであった。
※
クペのテント内ではこんな会話がやり取りされていた。
レティ「はぁ~、疲れた。…なんかどっと疲れた」
クペ「レティ、楽しそうに魔法連発してたクポ」
レティ「いいじゃない。ずっと城にこもりっきりだったんだから。今までひっそり隠れて魔法練習してたから広い場所で結果がやりたい放題だもの。最高だわ。誰にも被害ないし。今のところ、プロンプト以外は」
クペ「見事な開き直りクポ」
レティ「褒め言葉どうもありがとう」
クペ「それはそうと、前にノクトになんて言ったクポ?始終悩んだ顔してたクポ」
レティ「……何も言ってないわよ。ただ家族のスキンシップが激しいから控えろって伝えただけ。ノクトは結婚するんだもの。いくらノクトが私を実の妹と思っていても事実を知っている私からしてみれば心臓がいくつあっても足りやしないわ。……キスなんて、軽々しくするものじゃないのよ」
クペ「レティ、童話好きだったクポね。特に眠れる森の美女とか」
レティ「……いいじゃない、どうせ私には縁もないことだけど憧れるくらい自由だわ」
クペ「……現実とはかけ離れてる存在だと思うクポ」
レティ「最近辛辣じゃない?クペってこんな性格だった。もっと素直で可愛いと思ってたのに。猫被ってたのね」
クペ「レティに鍛えられて逞しくなったクポ。レティの相棒はクペじゃなきゃ務まらないクポ!……そういえば、レティの『あの事件』もそれが原因だったクポ」
レティ「……その話、しないで。正直今でも許してないというか許せない。一生ね」
クペ「……キスに対する執念が恐ろしいクポ。…童話好きなだけに」
レティ「だったら私にその話題を振らなきゃいいだけの話よ。……私、ちょっと外の空気吸ってくるわ」
クペ「また勝手に一人で出ると怒られるクポ!クペも一緒に行くクポ」
レティ「とかなんとかいって眠たいくせに。大丈夫よ、すぐそこで気分転換するだけだから」
クペ「…わかったクポ。一応、気を付けるクポ!」
レティ「うん。ありがとう」
レティはそうお礼をいってテントを出た。