プロンプトside
オレにできることってなんなのかな。
ふと考えることがたまにある。この旅に参加できたことって奇跡みたいなもんなのかなって。
オレたち一般庶民にしてみればノクトは雲の上の人。イグニスやグラディオだって絶対平凡なオレの将来には関わりないタイプだと思う。それにクペ。彼女はもっとオレに関係ない子。だって召喚獣だし?
最初召喚獣だって姫から紹介された時、はい?召喚獣っておとぎ話のなかの召喚獣ですか?って首傾げちゃったよね、オレ。
それくらいオレには聞きなれない言葉で人生の中でその召喚獣サマと友達になちゃうとかありえなさすぎでしょ。
もっと、もっとずば抜けて注目度高いのはルシス王国の宝とまで言われる、姫だ。
姫、レティーシア様と国民に慕われている女の子なんだけど、本当は世間が知っている姫は作ったレティーシア様象で実際はどこにでもいそうな、あ、でもほんとにいたら怖いけど、ちょっと世間知らずなところもチャーミングな可愛らしい女の子だった。王族っていうルールの中で押しつぶされないようにそれらしく振舞ってきたんだと思う、…なんてきっとオレは姫の背負ってきた痛みや悲しみはこれっぽっちもわかってない。
オレだったら途中で助けてって情けなく叫んじゃいそうな長い時間を、姫は耐えて、耐えて、受け止めてきたんだ。
だからか、普段の素と王女としてのギャップの差を感じる時がある。
思わず同一人物?って尋ねたくなるくらいに。ホントにそうしちゃった時は、サンダーくらったけど。姫は器用に二つの仮面を使い分けてる。
でもそれってさ。すごく疲れることじゃないかな。
時々、ノクトに連れられて姫の部屋に遊びに行くたびにあったよ。
姫としてあろうと張り詰めた緊張感漂わせてるけど、ノクトとオレが来たってわかった途端、表情が変わるんだ。緩むっていうのかな、こう、ふにゃってなるというか。全身の力が抜けてリラックスした表情になる。
ノクトもノクトで責任重大な役目を背負っている。オレなんかが押しつぶさちゃいそうなほどに重くて命を賭けるほどの役目。
そんなすごい人物に周りを固められてオレのほうが萎縮しちゃいそうだ。正直に言うと、オレってこの旅にいらない存在、お荷物?
落ち込んだ日もあったよ。でもノクトに親友だって言われて、姫に私の大事な友人なんだって、はにかみながら言われて、イグニスにお前がいないとノクトが暴走するって困ったように言われて、グラディオに構う相手が増えたなって喜ばれて、
ああ、オレ、ここにいてもいいんだって。
嬉しかった、ジーンって感動しちゃった。
オレを必要だと求めてくれる友達が困ってる時、オレはオレなりのやり方で返してあげたい。
今の自分ができること。
それは変わらないままのオレでいること。
困ったときに慰めて一緒に悩んで解決策を見つける。
嬉しいとき、一緒に笑いあって幸せを共有しよう。
辛いとき、泣きたいとき、悲しいとき、その気持ち分け合おう。
一緒に半分こすれば悲しさも半分こにできる。
ノクトと姫と花火を取り合って、馬鹿みたいな充実した時間を過ごす。
双子に見えない双子にはきっと何かがあると思う。でもそれを知るときは、きっとオレが成長した時だ。皆にプロンプトがいないと今日が始まらない!って思わせられるほどにビッグになったら。
勿論、恋愛面だってオレは平等に接するよ。
じっとオレたちのやり取りを見守っているイグニスにオレは声を掛けた。
「イグニスも姫ばっかり見てないでこっちにおいでよ!」
「なっ!?」
不意を突かれてイグニスは面白いくらい慌てふためいた。怪訝そうにイグニスを見やる姫に近づいて「ち、違う!あくまでオレはレティを見ていたわけじゃなく何か問題を起こさないかと監視をしていたのであって」と取って付けたような言い訳をした。そしてオレに恨めしい視線を送ってきたけどオレは口笛吹いて素知らぬ顔でやりすごした。
ノクトには「余計なことを…」とか嫌味言われたけどそれも聞こえてないフリ。グラディオを巻き込んでオレたちはささやかだけど楽しい花火大会を楽しんだ。
【自分らしくあることを心に決めて】