レティーシアside
朝、もぞっと起きたらいつの間にか柔らかベッドにinしてた私。いつの間に瞬間移動したのだろうか?まったく記憶にない。もしかしてクペが運んでくれたのかな。ああ、でもあの体じゃ潰れてるよね。だったらいっぱいねぎらってあげなきゃ。
寝ぼけ眼でぼんやりとしているとクペがドアを開いて飛んで私のベッドまでやってきた。
「レティ、おはよう。起きたクポ?」
「う」
目元をゴシゴシとこすぐりながらこっくんと頷く私。まだ頭がはっきりしない。
「ああ、ダメクポ。ちゃんと顔洗わないと!」
「う」
クペの小さな手に誘われて私はベットからよたよたと降りてる。服装も昨日のままで気持ち悪くてシャワー浴びたくなった。頭から。水でもいい。お風呂でもいい。あ、やっぱ水はヤダ。
「う」
「わかってるクポ。お風呂沸いてるから頭スッキリさせるクポ」
短い言葉だけで以心伝心な私とクペ。
部屋を出るとすでにイグニスの手により朝食の準備がされていてソファに腰かけて集合していたノクト達が私に気づいて挨拶をしてきた。
「おはよ。眠そうじゃんか」
「う」
ノクトがいなかったから快適に寝れたよ。
「今にも寝落ちしそうだな」
「う」
もっと寝てたいけどグラディオラスの膝はもう遠慮したい。首が痛いもん。
「おはよー姫。……ぷっ!…」
「うぅぅぅ!」
「なんでオレにだけ威嚇すんの!?」
「ぅぅぅ」
今笑ったろ。
「いやそれは変な顔だな~って思っただけで…あ!いや待って!朝からサンダーはやめてっ!?」
逃げ惑うがいいプロンプト!今日のサンダーは何処に当たるかわからないぞ。
けど、人数分の食器を運んできたイグニス(エプロン装着済み)が
「レティ、構ってないで早く入ってこい。食べれなくなるぞ」
と締め出しにかかっていた。クペも同じように私をバスルームへと急がせようとする。
「レティ遊んでないで行くクポ」
「う」
命拾いしたな。私は再びクペに誘われてバスルームへと向かった。
「はぁ……」
命拾いしたプロンプトが安堵のため息をついていたのはちゃんと背後から聞こえていた。
後でサンダー落としてあげようかとも考えたけどクペが用意してくれたハーブの入浴剤が入ったお風呂に全身浸かれば、あっという間にどうでもよくなってふにゃ~んと微睡む私の出来上がり。クペに急かされるまでゆっくりとバスタイムを楽しんだ。
【一言だけで意思疎通している仲間たちに違和感はない。】
※
イグニスの朝食を美味しく頂いた後は、当番制となっている後片付け(今日はノクトとプロンプト)を終えてからぞろぞろと皆クペのテントから出た。クペのテントを片づけてから必要な薬や食材をマートで買い込んで、さてこれからどこを目指そうかと顔を揃えて悩んでいる時にタイミングよくノクトのスマホが鳴りだした。おもむろにノクトは誰だ?と首を傾げながらスマホを取り出し電話に出る。
「もしもし」
すると快活とした若々しい声が耳元が響いた。
『ノクト!?無事だったんだね』
「イリスじゃん!」
電話の相手はなんとグラディオの妹のイリスだった。ノクトの驚きの声に皆つられてノクトを見やった。レティにいたっては、イリスの声が聞きたいがためにスマホを持つノクトの左側に回ってそわそわと落ち着きなく聞き耳を立てている。レティの行動など知らずにイリスは酷く焦った様子で口早に話してきた。
『レティは!?クペは?皆無事だよね?』
「あ、ああ。まぁな。それよりなんでレティのこと『こっちは何とかレスタルムまでたどり着いたとこ』聞いてねーし」
ノクトの台詞を遮ってイリスは自分の状況を説明しだす。
『私達ここの宿にいるから。近くに来たら一度合流できるといいな』
「うん、レスタルムな。なぁ、それでなんでレティ『レティに私は元気だから心配しないで!って伝えて。それじゃ!こっちで待ってるね』……切られたし」
あっという間にイリスは要件を済ませ早々に電話を切った。まるで嵐が去ったみたいだと思いながらポケットにスマホ突っ込むノクトの腕にレティが、がしっとしがみ付いては、
「イリス?!ねぇイリスからだった!?」
との教えてとせっつかせた。ノクトは戸惑いながらそれに答える。
「ああ。全然人の話聞かねーし」
と不満を零すもレティには全然関係ないようだ。彼女の脳内を支配するのはイリスに会いたいという想いだけ。電話の相手がイリスという情報だけ聞き出せれば、あっさりとノクトの腕から手を離すと、ほうっと熱いため息をついて明後日の方向を向いた。まるでそちらにイリスがいるかのように。
「……イリス…、早く会いたい」
「クペも会いたいクポ」
なんとレティだけではなくクペも似たような症状に陥っているではないか。
これには「……お前らもかよ」と呆れるしかないノクト。
「イリスか。まったく兄貴にかけねぇで…」
「ノクトの声も聞きたかったんだろう。心配していたはずだ」
「彼女はレスタルム?一回合流するの?」
プロンプトの問いにレティはバッとノクトの方を向き直り、
「ね?行こうよ、イリスに会いたい!」
「お、おう……」「やったー!」
目をキラキラと輝かせてずいっと顔を近づけてお願いしてくるレティに圧倒され、ノクトはコクコクと頷いた。了解を得られたと知ればレティは喜びあまり両腕を上げて万歳するほど喜んだ。クペと手を合わせてタッチしたりとその表情や行動は年相応に無邪気で可愛いじゃんと見惚れてしまうノクト。だがレティの態度はあっという間に降下することになる。
「でもその前にチョコポスト寄りたい!」
プロンプトの突然の訴えにより。
先ほどまで嬉しそうに頬を緩ませていたのが一転して、無表情に近い顔つきなり感情篭らぬ視線でプロンプトを見つめた。
「……」
「う、……姫の射殺さんほどの殺気が……!」
「………」
二倍増しに強くなった。目からビームでも出てきそうな感じである。
「さらに強く……でも負けるなオレ!」
自分に厳しく叱咤激励することで何とか屈せずにいようとするプロンプト。
彼になりに必死なのだ。ここで膝をついてしまったら、憧れでもあるたくさんのチョコボたちと触れあえない!どうしてプロンプトがレティの眼圧に反抗してまで頑張るのかは理由がある。以前黒いチョコボに会えたのはいいが、そのチョコボはレティばかりに甘えてまったく男は近づけようとはしなかった。最も残念がったのはプロンプト。触りたいのにチョコボ臭くなりたいのに。それは結局叶わず。だから今度こそは!
普段からチョコボチョコボとうるさいプロンプトの想いを汲んでノクトは
「……分かった分かった。レスタルム行く前にチョコボポストな」
とチョコボポスト行を決定した。途端に
「やった――!」
と大喜びなプロンプト。レティは自分が負けた悔しさから
「……仕方ないわね、チョコボの可愛さに罪はないから」
と言い訳めいてみせた。だがはたからみてみれば二人とも団栗の背比べ。
ノクトは呆れながらぼそっと呟いた。
「……低レベルの張り合い」
するとピクンと反応したレティとプロンプトは同時に
「「何か言った?」」
とノクトを問い詰めてきたが、ノクトはさっと視線を逸らして
「別に」(同じセリフかよ)
と曖昧に誤魔化したのでごちゃごちゃと言われることは避けられた。
【というわけで行先決まりました】