東方project ~幻想の少女と七つの鍵~ 作:リュオネイル
ではでは、どうぞ!( っ・ω・)っ
ふと気がつくと、俺の目の前には広がる青空と爽やかな風に吹かれて揺れる木々があった。
背中に地面の感触があるために今俺の状態は横たわっていたことが分かる。
「……ここ、どこだ?見た感じ林の中っぽいが……」
体を起こしながら首を巡らして辺りを見渡す。上記のように見渡してみても見えてくるのはハーンさん達と一緒にいたあの林の木々とあまり変わっていない。この場所で唯一変わっているとすれば……。
「…………ハーンさん?宇佐美さんもどこ行ったんスか?」
そう、一緒にいたはずのハーンさんや宇佐美さんがいないのだ。もしや帰ったのでは?とすぐに頭に思い至ったがすぐにそれは頭から除外した。
宇佐美さんはともかくハーンさんは俺のことを置いていって帰ったりはしないはず。……多分。ならなんで二人はいないのだ?俺は扉を開いたあと、いきなり扉から紫色の変な触手に全身を絡めとられて────あ。
「……もしかすると、いやこれは絶対……神隠しっていうやつじゃないか?」
うわぁマジかぁ……まさか本当に遭ったら~なんて言ってたが本当に神隠しに遭うとは……あの時の発言、フラグだったのかな?
「とりあえず、ここがどこか分からないしなぁ……じっとしているのも味気ないし、歩いてみるか」
そう思った俺はすぐさま立ち上がり、適当な方向に歩を進めた。本来ならその場から動かずにじっとしている方がいいかもしれないが、ただじっとしているより自ら動いていた方がおのずといい結果が出るはず……多分。
自信なさげに自分に言い聞かせながら歩くこと数分。歩けど歩けど続いていた林の木々もついに終わりを迎え、出口であろう光を見つけた。
「お、あの先が出口か。これで人通りとかがいい場所だったらいいんだけど……」
出口の先に人がいることを心の中で祈りつつ、木々の間を歩いていき林の外へ出た。が、そこにあったものを見て俺は驚愕した。
「こ、ここって……あの寂れた神社の……境内じゃねぇか!」
そう、俺が林から抜けるとそこはハーンさん達と一緒にいたはずだったあの神隠し事件の神社の林の中だったのだ。更にそれ以上に驚いたのが……。
「……あれ?あの神社、さっきの寂れた感じと全然違うぞ?」
そう、最初にあの神社を訪れたときに見たあの神社は手入れがされておらず、誰も住むことの無くなった寂れた神社だったのに、今俺の目の前に建っている神社はその逆で立派な木造建築の神社だった。……神社なのに人が来ないのはやはり不思議だが。
「ふ~む……俺はたしかにあの寂れた神社にいたはずなんだけどなぁ……ハーンさんたちもいないし、とりあえずここがどこなのか家主に聞いてみるか」
家主に場所の聞き出しをするついでに賽銭でもしてお参りしておくか。一応神社だし。
俺はポケットに手を突っ込み、たまたま入っていた五百円玉を手に取り目の前の賽銭箱に投げ入れる。チャリーンと金属と木がぶつかる小気味の良い音を耳にしながら
────どうか、俺にも良い縁が結ばれますように。
そう内心に祈りつつお参りを済ませた俺。その時、神社の奥の方からドタドタと切羽詰まって走ってくるような足音が聞こえてきた。その音は段々と近くなっていって……。
「お賽銭のぉ!入る音がしたぁぁ!!」
片足で走ってきたスピードにブレーキを掛けながら賽銭箱に向かって飛んでくるという妙に器用な方法で姿を現したのが……。
「お、女の子……!?」
暗茶か黒色のまっすぐな髪に茶色の眼、袖がなく肩・腋の露出した赤い巫女服と後頭部に結ばれた模様の縫い目入りの大きな赤いリボンが特徴の少女だった。
「……ん?」
どうやら俺の存在に気づいた少女。賽銭箱を抱き締めながらこちらをジッと見つめる。
「「…………」」
お互いに見つめあってどのくらいの時が経ったのだろうか。その沈黙の時間はとてつもなく長く感じられ、一分経ったのが一時間くらい経ったのではないかと錯覚するほどに。
「えっと……」
「アンタ誰?ここらじゃ見ない顔だけど」
沈黙に耐えられなかった俺が口を開くと巫女服少女が訝しげにしかめて質問してきた。
「え?お、俺か?俺は鍵、神ヶ崎鍵だけど……」
「鍵……?やっぱり聞いたことないわね。その服装も見たことないし……アンタ、もしかして外来人?」
「外来人?俺は純日本人だぞ?外国人とのハーフとかでもないし外国人ですらないぞ?」
「そうじゃないわよ。まぁ良いわ。一から説明するから、上がりなさい」
聞きなれない単語をオウム返しすると巫女服の少女は呆れて踵を返し神社の奥へと消えていく。
「……?どういうことだ?ここは日本じゃないのか?いや、だとしてもあの子とは普通に話せたからあの子は日本人。だけど俺は外来人って呼ばれた……本当にどういうことだ?」
俺はあの少女に言われた単語について深く考えていたが、結局結論に至らなかったために少女の後ろを歩くことになった。
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「さて、それじゃ説明をする前に軽い自己紹介はしておくわ。私の名前は
少女────博麗の案内に従って
居間に入り、博麗に卓袱台を挟むようにして座るように促され、言う通りに座ると博麗が自己紹介を始めた。
「おぉ、これはご丁寧に。……って、見たところ君巫女だろ?巫女が賽銭ねだるって……」
「仕方ないじゃない、こっちも生活がかかってるんだから」
じゃあ何で巫女なんかやってるんだよ……巫女ってあんまり稼いでいるイメージないぞ?
「……まぁ良いや。それで?何で俺が外来人って呼ばれているんだ?」
「それは、アンタが外の世界の住人だからよ」
「……は?外の世界?どういうことだ?」
外来人に続いて聞きなれない単語をおうむ返しで聞き返す俺。対する博麗は平然とした表情で海苔煎餅を片手に取り、弄びながら説明し始めた。
~少女説明中~
「──っていうことなんだけど、理解したかしら?」
「まぁ大体は。つまりここは【幻想郷】っていって俺の住んでいた現代社会から隔離した結界内にある世界で存在し、そこには妖怪や妖精とかが人間と共存している。んで、博霊はその隔離している結界の管理及び人間と妖怪の共存の調整の役割を担っている、と。ここまでは理解した」
「まぁ概ねあってるわね。あと他に分からないところは無いかしら?」
あと、かぁ……あ、そうだこれ聞いておくか。
「なぁ、さっき説明しているときに話に出たスキルカードってのは?」
「“スキル”じゃなくて“スペル”よ。スペルカード。簡単に言えばこの【幻想郷】での決闘の際に使われるカードよ」
へぇ~、そんなものがあるんだな幻想郷。というか、決闘って物騒だな……。
「んで、そのスペルカードってのは?」
「正式名称はスペルカードルール。これはこの幻想郷内での揉め事や紛争を解決するための手段に使われるわね。前まで行われていた殺し合いを遊びに変えるルールとも言うわね」
そこから博麗によるスペルカードルールの説明が行われた。彼女の説明を簡潔にまとめると以下のような感じだ。
・一つ、カードを使う回数を宣言する
・一つ、技を使う際には「カード宣言」をする
・一つ、決闘(弾幕)の美しさに意味を持たせる。攻撃より人に見せることが重要
・一つ、意味の無い攻撃はしてはいけない
・一つ、体力が尽きるか、すべての技が相手に攻略されると負けになる
・一つ、このルールで戦い、負けた場合は負けを認める。余力があっても戦うことはできない
と、このようなルールに則って決闘──通称『弾幕ごっこ』を執り行うらしい。なお、余力が云々の話はスペルカードルールに限ったことではないが、妖怪の体力は俺たち人間とは桁違いのため決闘の際には時間制限が設けられるらしい。
「──とまぁ、こんな感じね。どう?弾幕ごっことかも理解できたかしら?」
「……まぁ理解したかと聞かれたらある程度は……しかし、やっぱりいるんだな、妖怪」
現代の世界には妖怪とかいう非科学的存在はいないって夏のテレビとかで取り上げられてるからいないと思いがちだけど……。
「そ。理解したならそれで良いわ。……ところで、アンタはどうやって幻想入りしてきたの?」
「どうやってって……他にもこんなところに来れる方法とかあるのか?」
「あるわよ。一番多いパターンを例とするなら、この幻想郷を覆っている【博麗大結界】の綻びね」
あぁ、なるほど。例えて言うなら最初は口を固く閉じた袋でも時間が経てばその口の固さも綻んで入りやすくなるっていうことか。
「あとは……“あいつ”の気まぐれのアレかしらね」
「“あいつ”?あいつって、誰のこと──」
「はぁ~い、霊夢♪元気してたかしら?」
博麗が呟いた“あいつ”という人物が気になり、博麗に聞こうとしたとき、突如博麗の後ろの虚空から両端をリボンで結ばれている横向きの切れ目が表れ、上下に裂けたかと思うとそこから金髪ロングの毛先をリボンで結んでいる八卦の萃と太極図を描いた中華風のドレスを着込んだ10代後半の少女が上半身のみを出して博麗に抱きついた。
「な、なんだぁ!?」
「紫!アンタまた後ろから抱きついてきて!ちょっ、離れなさいよ!!」
「嫌よ。だってまだ霊夢リウムを補充できてないんですもの♪」
「知るか!!というか何よ、霊夢リウムって!」
あ、たしかに俺もそれは気になった。……まぁぶっちゃけ知ってもどうでも良いが。
「あら?どちら様?もしかして、外来人かしら?」
金髪ロングの女性は博麗と戯れていたが向かいの俺の存在に気づき、(博麗に抱きついたままだが)顔を俺の方に向けながら聞いてきた。
「はぁ?何よ紫、アンタが呼び出したんじゃないの?」
「少なくとも私ではないのは確かよ。たしかに気まぐれに人を神隠しに遭わせて迷わせたりしてるけど今回はなにも関わってはいないわよ」
……あれ?今とんでもないことを口走らなかったか?と思ったがあえて突っ込まないでおこう。なんか怖いし。
「
「その事なんだが……実は、ここに似た場所の近くの森で、これを見つけてな」
俺はズボンのポケットにしまっておいたあの棒鍵を取りだし、卓袱台の上に置いた。
「……鍵?これを見付けたっていうの?それと
「この鍵を見つけた場所の近くに扉があって、そこを開けたらいきなり触手みたいなのが伸びてきて俺を引きずり込んで……その時俺は意識を失ってたからあとはどうなってたのかは知らないが、目覚めたら同じ場所のようなところで寝てて、森を出たらここに……」
「扉?開けたら触手?まるで意味が分からないわね……って、紫?」
俺のこれまでの経緯を説明するが、博麗は訝しげに顔を顰めいつのまにか離れて隣に座っている金髪ロングの女性に話しかけるが……その金髪女性は神妙な顔つきで卓袱台の上の棒鍵を見つめていた。
「………………まさか、この鍵は」
話の流れ作るのキッツ……時々ネタが思い付かないし順調に進んだかと思ったらネタが底をついて時間がかかるし種火周回とか輝石回収とかでも忙しいし……あれ?最後の部分、特に関係ないんじゃね?
とまぁ、様々なトラブルがありましたが無事投稿することができました。……これ、ちゃんと続くかな?
皆様からの感想は私作者のモチベーションとかの向上に繋がりますので……皆様のご感想、心よりお待ちしております!
ではでは、また次回~!(*・ω・)ノ