これは明らかな言い訳なんですが、先週から今週にかけて、いきなり実家と自分の両方に色々な予想外のトラブルが頻発してしまって、体力的にも精神的にも更新出来るような状態じゃなかったんです。
しかも、こうして書いている今でさえも頭痛に苛まれている始末。
本当は休みたいと言う欲求があるのですが、流石にこれ以上の放置はヤバいと思い至って、なんとか体を振るい立たせながら執筆しています。
これからは可能な限り、こんな事態は無いように心掛けますので、どうか私の作品をこれからもよろしくお願いします。
以上、とんこつラーメンでした。
無事に両親との和解を果たしたシャルロットを横目に、私はそっと彼女の近くから離れようとした。
けど、シャルロットが急に私の服の袖を掴んできて、それを許さなかった。
「あ…あの……もうちょっとだけ傍に……」
「ん……」
このような場合、私にある選択肢は『はい』か『いいよ』しかない。
だって~! 彼女達が怒った時の事を考えると、普通に怖いんだもん!!
え? ラウラ? あの子は私の癒しですが何か?
「しかし、あの二人の話を聞いている限りでは、私達のやったことは余り意味が無かったように思えるな」
「そうね~」
「は? なんでだよ?」
お……おい……。
あのご両親の話、ちゃんと聞いてたの?
「はぁ……いいか? あの二人はこう言っていた。『知らぬ間にデュノア社は助かっていた』と。つまり、彼等でさえ預かり知らぬ所で事態は急速に動いていて、その結果としてデュノア社とデュノア家の平穏は守られた」
「仮に私達が何もしなくても、近い内に向こうからシャルル君……じゃなくてシャルロットちゃんの方に直接連絡があって、そこでさっきみたいなやり取りがされた筈よ」
「って事は……」
「私達…がした事……は……その話し合い……のタイミ…ング…を早めた……だけ……」
「マジかよ……」
そう。その通り。
私達がした事は、完全に『余計なお世話』だったのだ。
だって、私達がした事を総合的に振り返ってみると……
一夏がシャルロットの裸を見て、
その一夏が私とラウラを部屋に呼び、
その後に私が楯無さんを呼びつけて、
そこから軽く話した後の推理大会。
念の為に織斑先生に話をしに行って、
後はモニター越しの親子直接対面。
……私達って、少しでもデュノア家の仲直りに貢献した?
ハッキリ言って、微塵もしてない。
唯々、皆で話し合っただけで終わっている。
一夏に至っては、その話し合いにすら碌に参加してないしね。
って事は、こいつって普通に女の子の裸を見ただけ?
うん、ギルティ。
「取り敢えず、今回の事は私から真耶の方にも報告しておく。アイツもお前の正体に気が付いていた人間の一人だし、私だけでは色々と面倒だしな」
おい、最後の方に本音が漏れてるぞ。
(呼んだ~?)
呼んでないよ?
って言うか、今確かに本音の声がした!?
「流石に今すぐに……とはいかないが、それでも来週には必ずお前の再転入の手続きと制服の手配は済ませておこう」
「あ…ありがとうございます!」
「気にするな。教師として生徒の面倒を見るのは当然の事だ。なぁ……弥生?」
「そう…で…すね……」
なんでそこで私に振る?
「私の方でも少し手伝います。そうすれば、少しは早まるでしょうから」
「それは助かるが、いいのか? この時期は生徒会も忙しいだろうに」
「大丈夫です! 虚ちゃんが頑張ってくれますから!」
哀れ……虚さん……。
今度、割と真面目に生徒会に差し入れでもしようかな……。
「それに……」
「きゃぁぁぁっ!?」
い…いきなりなにをするだぁぁぁ!? 許さん!!
楯無さんや! なんで私の体に抱き着いて鼻をヒクヒクさせる!?
「弥生ちゃんの香りがあれば、私は後10年は戦えます!!」
お前はどこのジオン軍の将校だ。
あれか? この人も骨董品とか集めるのか?
「弥生の香り……」
そこの男子。何を想像している。
「弥生の香りか……確かに素晴らしかったな……」
この女教師ももうダメだぁぁぁぁぁっ!?
「姫様の香り……」
別にラウラならいつでも大歓迎だよ?
って言うか、毎日一緒に同じベッドで寝てるんだから、もう何とも思ってないでしょ?
「ところでシャルロットちゃん?」
「な…なんですか?」
お? なんだ? 楯無さんはまだ何か聞きたい事があるのか?
流石は暗部の長。ふざけてはいても、ちゃんと最後まで気は抜かないみたいだ。
「さっきから何回も弥生ちゃんに抱き着かれたり、頭を撫でて貰っていたけど……ぶっちゃけどうだった?」
「えぇぇぇっ!?」
周囲に聞こえないように小声で話しているせいか、私には何を言っているのかサッパリだ。
シャルロットの叫び声はよく聞こえたけど。
「な…なんか……いい匂いがして……とっても軟らかくて……」
「それで?」
「ドキドキ……しました……♡」
「でしょうね~……分かるわ~」
なにを大きく頷いてるの?
傍から見ると、なんか変だよ?
「それに……凄く落ち着いて……まるでお母さんに包まれているような感じがしました……」
「そうよね~……。やっぱ、弥生ちゃんの母性って半端ないのよね~……」
お~い。そこの女子二人がなんか顔を赤くしながらヒソヒソ話してるんですけど~。
誰も止めなくてもいいんですか~?
「ところでお前等、もう夕食は終わったのか?」
「あ……」
そうだった! 私にとって夏コミ&冬コミと同じぐらい大事なライフワークをすっかり忘れていた!!
ぐぉぉぉぉ……! 板垣弥生……一生の不覚……!
意識すると、途端にお腹が空腹に苛まれて~……。
「まだならば、早く行ってこい。この時間帯なら食堂は開いている筈だ」
「早く…行こう……!!」
「おぅ……。弥生が珍しく燃えている……」
「それだけ姫様は空腹と言う事なのだろう」
「それじゃ、お姉さんもご一緒しようかしら」
となると、流れ的に彼女も誘わないとダメですよね~。
「行…こう……?」
「え? 僕も一緒に行っていいの?」
「当…然……」
と言うかですね、ここでシャルロットだけハブるとか、普通に鬼畜だから。
いくら私が彼女達を警戒しているからと言って、さっきの今で何もしないような奴じゃないですよ?
「教官はどうされるのですか?」
「私ならばとっくに食べてきた。お前達だけで行け」
「了解です!」
はい。綺麗な敬礼だけど、ベッドの上に座っている状態では普通に可愛いだけだから。
そんな訳で、皆仲良く一緒に夕食タイムと洒落込む事になりましたとさ。
さ~て……今回はいつも以上にお腹が空いてるから、ガッツリとしたものを食べたいにゃ~♡
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
食堂に向かって並んで歩いていると、なにやら生徒達の目線がこっちに向いている事に気が付いた。
「なんか……俺達、見られてないか?」
「そりゃね。これだけ学園の有名人が一緒にいれば、普通に注目するわよ」
それもそっか。
一夏は勿論のこと、楯無さんは生徒会長でロシア代表、ラウラだってドイツの代表候補生。
更に、シャルロットは便宜上、まだ皆の中じゃ二人目の男性IS操縦者って認識だしな。
私を除けば、皆が皆、学園じゃなくても普通に街行く人が振り返るレベルの有名人ばかりだ。
そう考えると、私の周りって凄いんだな~……。
「この中でも断トツで有名なのは勿論……」
一夏か楯無s……
「「「「弥生(ちゃん)(姫様)(板垣さん)」」」」
なんで満場一致で私!?
こんな時だけ見事にハモりやがって!
「弥生ちゃんは今や『IS学園の聖母』『IS学園の良心』とかって呼ばれてるものね」
なにその羞恥心全開の黒歴史を彷彿とさせる異名は!?
呼ばれている私が初めて聞いたんですけど!?
つーか、聖母って何!? 私はアレか!? 処女なのに天使から受胎告知されなきゃいかんのか!?
「それなら僕も聞いた事あるかも……」
「私もだ。それを聞いた時、不思議と誇らしくなったな……」
転入生の二人にも既に知られてるの!?
どんだけ学園に広まってるんだよ!? その異名は!?
「ま、始めに言い出したのは新聞部の薫子ちゃんなんだけどね」
薫子って確か……新聞部の副部長をしているって言う二年生か。
私の記憶の中じゃ、クラス代表就任パーティーの時に一夏にインタビューをしていた場面が印象的だけど、私自身は実際に会った事は無いんだよね。
だって、その時って丁度、ベッドの上で悶え苦しんでましたから。
(取り敢えず、黛先輩さんにもしも出会う機会があれば、その顔面にキツい一撃をお見舞いしてやろう……インパクトナックルで)
鼻の骨が折れるかもしれないけど、是非もないよね!(意味不明)
今になって明らかになった新事実に辟易しながら歩いていると、私達の進行方向から見覚えのある5つの影が歩いてきた。
「ん? 弥生?」
「あら……」
「一夏も一緒か……」
「お姉ちゃんも……」
「おぉ~……そ~そ~たる顔ぶれだね~」
箒にセシリアに鈴に簪に本音。
今回の事に関わらなかったメンバーが見事に揃っていた。
(こっちも5人、向こうも5人。なんとも不思議な構図だな)
まるで、今からチーム戦の競技がありそうな場面だ。
「そっちから来たと言う事は、今から夕食に……?」
「その通りだ。お前達はもう食べ終えたのか?」
「え…えぇ……そうですわ……」
んん? なんか五人共…焦ってる?
(くっ……抜かった……!)
(私達で先に食堂に向かって弥生さんを出迎えようと思っていましたのに……)
(余りにも遅いもんだから、先に食べちゃったのがここで仇になるなんて……)
(お姉ちゃんも一緒に……ユルスマジ……!!)
(う~ん……今回は仕方が無いかな~……)
三者三様ならぬ、五者五様の表情だな。
見ていてちょっと面白い。
「お腹……空いた……」
「「「「「はっ!?」」」」」
早くそこをどいてくれると嬉しいな~。
もうさ、お腹と背中がくっつきそうなんですよ。
「ど…どうぞ、弥生さん! 今ならばきっと席も空いている筈ですわ!」
「そ…そうよ! ほら、行った行った!」
「ありが…と……」
出来れば、夜の事も考えて腹持ちがいい料理を食べたいな~。
そんな事を考えながら、どいてくれた五人の横を通り過ぎようとすると、楯無さんが簪に、一夏が箒とセシリアと鈴に腕を掴まれて立ち往生していた。
「お姉ちゃん……」
「ど…どうしたの? 簪ちゃん……」
「アトデハナシガアルカラ……」
「あ……はい……」
か…簪? 気のせいか、目が光ってない?
「一夏……」
「もしも弥生さんに不埒な真似をしたら……」
「………捩じ切るわよ」
「どこを!?」
あの二人は何をしているのやら。
行かないのなら置いてくよ~?
「姫様。我々は我々で先に行っていましょう」
「だね……」
ラウラの提案に従って、私達とシャルロットは先に食堂に向かう事に。
「ね…ねぇ……」
「どうした?」
「二人ってさ……いつもそんな風に手を繋いでるの?」
「そうだが? それがどうかしたか?」
「いや……なんでもない」
私達が歩く際に手を繋ぐのは、もう普通にデフォになりつつある。
だって、こうしておかないと、すぐにどっかにフラ~っと行っちゃいそうなんだもん。
(姉妹って言うよりは……完全に親子だ……)
なんでシャルロットを含めた周りの皆が生暖かい笑顔でこっちを見てるの?
妙に空気がほんわかしてますよ?
皆の反応は私達が食堂に辿り着くまで続いて、一夏と楯無さんは少しだけ遅れてやって来た。
時間的には、割とギリギリな感じだったから、急いで注文をする事に。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
私が注文した『超大盛りカツカレー(23人前)』に舌鼓を打っていると、私の左隣に座ってカルボナーラを食べているシャルロットが話しかけてきた。
「あ…あのさ……」
「ん?」
「その……なんで板垣さんは部屋に呼ばれた時、僕の話を黙って聞いてくれたの?」
なんでって言われてもね……。
私的にはあそこで即座に退出なんて事は出来なかった……と言うよりは出来ない(したらどうなるか想像できない、したくもない)から、あそこでは大人しく話を聞く以外の選択肢が無かったわけだけども……。
(そんな事を言ったら、私の危険がピンチになるのは明白。だったら……)
ここは適当に誤魔化しますか。
「……放っておけなかった……から……」
正確には『放置したらどんな目に遭うか分からなかったから』が正解だ。
……まぁ、原作知識を持つ者として、普通に見過ごせなかったってのもあるけれど。
「板垣さん……」
んんっ!? このカツ……サクサクしてて美味しい~♡
カレーのルーとの相性も抜群だよ~♡
(板垣さんは養子だって言ってた……。ある意味では僕よりも辛い目に遭ってきたのかもしれないのに、それでも僕の事を心配してくれて……)
あら、右隣でハンバーグを食べているラウラの口元がソースでベトベトになってる。
「ラウラ……こっち…向…いて……」
「姫様? んん……」
テーブルの上に備え付きになってる紙で口元を拭いて……っと。これでよし。
「あ…ありがとうございます……」
「ん……」
ラウラの頭を一撫でしてから、食事再開。
「……本当にお母さんみたい……」
んあ? 何か言った?
「そうよね~……。私も弥生ちゃんにお口拭き拭きしてほしいわ~……」
いや、それは流石に遠慮します。
そもそも、楯無さんが食べてるのってきつねうどんじゃないですか。
そこまで口元は汚れないでしょうに。
「ね…ねぇ……。僕も板垣さんの事を名前で呼んでも……いいかな?」
私の事を名前で? 別に、そんなの私に一々許可なんて取らなくても、普通に呼べばいいじゃん。
名前で呼ばれた程度で何かを思うほど、私は繊細な人間じゃないから。
もしも私が繊細だったら、こんな体な時点で即効アウトですから。主に精神が。
「いい…よ……」
「やった! じゃ…じゃあ……弥生?」
「な…に……?」
「ふふふ……なんでもないよ♡」
なんじゃそりゃ。
その後も私達は人の少なくなった食堂で食べ続けたが、なんでかシャルロットは終始、笑顔のままで食事を続けていた。
食堂に残っていた数名の女子達が、私がラウラの口元を拭う度にほんわかとした顔をしていたのが不思議だった。
今日は精神的に疲れたから、たっぷりと熟睡出来るだろうな~。
部屋に戻ったら、すぐにシャワーを浴びて、それからラウラを抱きしめてお休みしましょうかね!
でも、何か大切な事を忘れているような気が……なんだっけ?
今回でようやくシャルロットの問題が解決しました。
なんでここまで長くなったんだろう……。
自分でも本気で分かりません……。
次回からはラウラが中心(?)になると思います。
弥生は一体何をド忘れしているのでしょうか?