外套の騎士   作:ヘリオスα

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※前話後半部分、大幅に手直ししております。大変申し訳ございませんが、再読いただけると幸いです。
また、そのほかにもいくつか変更しました。詳細は活動報告にて。(2019.1.17)


15.アーサー・ペンドラゴン(上)

 早朝。朝靄が黄金に染まり、一日の始まりが高らかに告げられる頃合い。

 普段であればそう騒がしくないはずの時間帯だが、そこは今朝に限ってやけに活気づいていた。

 

「おいっ、例の船が近づいてきているらしいが、どうするのだ!」

「本当に『奴ら』なのか?」

 

 ここはウェールズはカエルレオン城。現在アーサー王の拠点が置かれているこの城塞都市は、緊迫した空気に包まれていた。

 それもそのはず。突如現れた大型の不審船が、じわじわと北上しつつあるからだ。

 

 その数、たったの一艘。されどそこに掲げられた旗は、侮っていい相手ではないことを雄弁に物語っていた。

 

「間違いない。掲げられた旗は赤地に金の刺繍で鳥……おそらくは、鷲の紋章。昔話で聞いた通りだ」

「……くそっ、この大事な時期に、奴らが舞い戻ってくるなんて」

「ローマの連中、何を企んでいる……」

 

 ――ローマ帝国。かつてこの島を武力でもって数百年もの間支配していた、大陸の覇者。しかしながら、時代の変遷に伴う衰退を食い止めることができず、この島を捨てて大陸へ逃げ戻っていった落伍者でもある。

 その彼らが、今、帰ってこようとしているのだ。

 

「しかし、本当に奴らなのか? すでに奴らはここから手を引いたはずだ。それに、蛮族どもが雪崩れ込むこの時期に、わざわざ遠く離れた此処へ戻る理由もない。卑王による策略では?」

「前線の連中が下手を打ったと? 仮にそうだとして、連絡が来ていないのはおかしい。第一、たかが一隻で何ができるというのか」

「それはローマ側にも言えることでは――」

 

「伝令! 件の不審船が海峡に侵入したとのこと!」

 

 鋭い声がその場にいる全員の耳朶をうつ。いよいよローマの大型船が、カエルレオン城至近の港湾を目指して海峡に入り込んだのだ。

 

「来たか」

「ここまでくれば疑う余地はない。連中、このカエルレオンを目指しているに違いないぞ」

「うって出るほかあるまい、先手をとって沈めてしまえ」

「待て待て、聞けば船はありきたりな帆船で、軍用とは思えないそうだが」

「とはいえ備えないでどうする。そうやって油断を誘っているのやもしれんのだぞ?」

「しかしあからさまに敵意を示せば向こうに攻める口実を与える可能性も――」

 

 

「――静まれ」

 

 

 どすん、と。

 いよいよもって統率を失い、喧々諤々の様相を呈し始めた城内に重々しい響きが木霊した。鞘ごと叩きつけられた剣が石畳を震わせ、次いでしわがれながらも衰えの見えない気迫の籠った声音が浮足立った空気を力強く締め上げる。

 声に見合った皺だらけの顔を険しげに強張らせながら、このカエルレオン城を任された老騎士は、しわがれながらも凛とした声音で言葉を続ける。

 

「兵を港へ。しかし表立って動く様子を見せるな。本隊は街に隠れて展開し、一部は私とともに港へ」

 

「彼の者らを迎え撃つ。行くぞ!」

「――応!

 

 朝の清澄な空気をすぱりと断ち切るような声音で告げられた一言に、その場にいた全員が野太い声で了解の声を返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――その、約一時間後

 

 

「来たな」

 

 海峡の荒波をかき分けて、その船はやってきた。この場にいる誰もが見たこともないほど大きなその船は、巨体に見合うだけの大量の荷を積み込んでいるのが遠目にもはっきりと見て取れる。

 メインマストの最上に掲げられた旗は海風を受けてばたばたと激しくはためき、そこに刺繍された紋章は朝日に煌めいていた。目に染みるような鮮やかな赤と、そこに縫い取られた黄金の鷲――見間違うはずもない、時代の覇者大ローマ帝国の国旗である。

 

「……さて。鬼が出るか、蛇が出るか」

 

 沖合に停泊した船から小船が下ろされた。乗り込んだのは漕ぎ手を含めて僅か三名だ。

 しかしそのうちの一人、国旗と同様の、海の蒼に対抗するが如き目にも鮮やかな深紅を纏った人物を認めて、老騎士の視線は鋭さを増した。今のところ、ただ必要以上に目立つ紅にしか見えないというのに、老騎士の脳裏には何故か己が仕える主の姿が重なって見えたのだ。

 そんなはずはない。彼の王は二人といない至高の王だ。まして聖剣を授かり、異民族どころかこの島に蔓延る怪異をも容易く退けてみせる、紛れもない大英雄の一角でもある。それをどこの馬の骨とも知れぬ相手に重ねるなど、不敬を通り越して馬鹿げてさえいるというもの。

 

 だというのに、一度過った彼の王の姿は老騎士の脳裏から離れようとしなかった。それどころか、その小船が近づいて乗員の様相が詳らかになっていくにつれてその印象は強まっていく。

 

 そして、遂に小船が桟橋にたどり着いた。ここまでくれば誰の目にも三人の見てくれがはっきりと映り――誰もが、その男に視線を奪われた。

 

 三人のうち二人は、いかにも海の荒くれものといった様子で、彼の大型船の乗組員であることは明らかだ。問題は、もう一人。他二人を圧する存在感を放つその男に、誰もかれもが視線をくぎ付けにされた。

 見慣れぬ丈の長い上衣――外套の一種のように見えるそれの裾を優雅に潮風にたなびかせる様は高位の外交官のようにも思える。が、彼はその上から肩当や手甲を身に着け、剣を腰に佩いていた。加えて、とても文官とは思えない立派なその体躯。偉丈夫という言葉を体現するが如きその体躯は、上衣に隠されていながら、その下に鍛え上げられた筋肉が存在していることを雄弁に物語っていた。さらにさらに、完全武装の騎士集団と対峙していながらその顔には欠片の怯えも見えず、堂々たる佇まいには自信が満ち溢れている。

 

 

 そう。つまりこの人物は、少々奇抜な格好をしてはいるものの、誰もが一目で認めざるを得ない一流の戦士なのだ――

 

 

「―――」

 

 

 ……否。否である。

 確かに、この男はその道に生きるものにとって無視し得ない極上の存在であろう。その奇抜な格好は、さぞかし衆目を集めやすいことだろう。

 しかしながら、その場に居合わせた誰もの目を捉えて離さないのは、彼の――

 

 

「おはようございます、皆さん」

 

 

 沈黙を破って、戦士が口を開く。低く、大らかで、不思議と心地よい声音が皆の鼓膜を震わせた。

 

「早朝、先触れも出さぬ不躾な訪問、申し訳ありません。……そちらへ渡っても構いませんか?」

「……ええ、構いませんとも」

 

 己の直感は、何も間違ってはいなかった。

 その事実を前に、多分な驚愕と、これから引き起こされるやもしれない騒動への懸念――そして、僅かな歓喜を忍ばせながら、人知れず、ごくりと老騎士は唾を飲み込んだ。

 

「……失礼ながら……あなたは、一体」

 

 無意識に唇を舐めながら老騎士は言葉を吐き出した。本来なら老騎士から名乗るか、相手が名乗りを上げるまで待つのが筋だ。しかしながら、一刻も早くその正体を確かめなければならぬという焦りにも似た渇望が彼の口を滑らせた。

 ぱちりと、紅の戦士が一つ瞬きする。応じるようにして老騎士の顔が強張る。

 機嫌を損ねたか――自らの失態に思わず舌打ちをしそうになりながら、老騎士は恐る恐る戦士の顔色を窺った。

 

 すると――

 

「……これは失礼いたしました。突然の訪問、あなた方の不安や混乱は当然のもの。挨拶よりも、まずはこちらの所在を明らかにするべきでした。何分若輩ゆえ、未だ礼節を知らず。大変失礼をいたしました」

 

 そういって、戦士は軽く一礼して見せた。

 ぽかんと、老騎士は呆気に取られた。その場に居合わせた十人ばかりの騎士たちも、信じられないものを見たような顔をして、何を言ってよいのかわからず押し黙ってしまう。

 

「……おいおい騎士殿、そう簡単に頭を下げるんじゃあねぇ。あんたは帝国の旗を背負ってここにいるんだぜ?」

「とは言え、此度はただでさえ礼を失した突然の訪問です。こちらが率先して礼を尽くすのが当然でしょう」

 

 それが、駄目押しの一言となった。

 

「…………ふ、くく。ははははっ!」

 

 思わず、老騎士は大笑する。

 ローマ。今では二つに割れ、異民族の侵攻に晒される苦境に立たされているが、つい半世紀前まで、この島どころか大陸に覇を唱えていた大帝国。そこから遠路はるばるやってきた使者が、どんな無理難題、傲岸不遜な要求を垂れるのかと思えば、これだ。

 支配者としてでも、侵略者としてでもなく――目前のこの戦士は、対等な立場に立って会話しようとしている。

 

 あの、大ローマ帝国の使者が。

 

 王どころか貴族ですらない、このみすぼらしい老騎士を相手に。

 

「ふふふ……いや失礼、礼を欠き話を急いたのはこちらです。では改めて、お名前とご用向きを拝聴させていただきたく存じます」

「拝聴など――いえ、では改めて」

 

「我が身は、ローマを愛しローマに愛された男、ウィアムンドゥスが長子。ガリアに生まれ、ローマに育った者。此度は、栄えある西ローマ皇帝陛下より、未曽有の困難に直面する旧帝国領ブリタニアを異民族の侵攻より守護せよとの命を受け、アーサー・ペンドラゴン陛下の下へ援軍として参った次第。

 我が名に関しましては、なにとぞご容赦を。故あって未だ名を持たず、今はただ『外套の騎士』と名乗っております。いずれ真名を受けた暁には、改めて皆様に我が名を示しましょう」

 

「……外套の、騎士」

 

 ほうと、思わず息をつきながら老騎士が繰り返した。先ほどまでとはまた別の意味で、外套の騎士に見とれてしまう。

 名を持たぬにもかかわらず、その威風堂々とした名乗りたるや。名無しであることへの羞恥や嫌悪など微塵も見せず、逆に誇りと誠意を溢れさせる立ち居振る舞い――未だ剣を振る姿さえ見ていないというのに、思わず英雄と評してしまいたくなる気迫。

 

 それは、紛れもなく彼の王が持つ風格に通ずるものであった。

 

 しかしながら、惚けてばかりもいられない。

 確かめなければならないことはまだまだある。ここまでのやり取りでおおよその人柄は知れたようなものだが、それでもしかと言葉にして受け取らねば確信を得るには程遠い。

 

 ひとまず感嘆を胸の奥底にしまい込み、老騎士――サー・エクターはきりりと表情を引き結び、外套の騎士の顔をしかと見据えながら言った。

 

「丁寧なご紹介、誠に痛み入る。我が名はエクター。現在カエルレオン城及びその城下を任されているものです」

「サー・エクター……アーサー王の、養父の?」

「さすが帝国、耳が良い。つきましては外套の騎士殿、こちらから幾つか質問させていただきたいことがあります」

「どうぞ。私の裁量で答えられる範囲でありますが、隠し立てなく答えることを誓いましょう」

「……滅多に誓いなどと口にするものではありませぬ。そちらの方が仰られた様に、貴方は今帝国の名を背負ってこの場にいるのですよ」

 

 思わずエクターが小言を漏らすと、外套の騎士はバツの悪そうな顔をして視線を逸らした。

 

「さすが、音に聞こえしアーサー王を育て上げただけのことはある」

「……ご無礼のほど、ご容赦を」

「いえ、悪いのは考えの浅い私です。剣を振るしか能がない物で……それで、質問というのは」

「まず一つに――先ほどあなたは援軍とおっしゃいましたが、あの船には如何ほどの手勢が?」

「船に積み込んでいるのは多数の武具と保存食です。それ以外には船員しか乗り込んではいません」

「……つまり人員としての援軍は」

「ええ、私一人です」

 

 なるほど、と。エクターは独り言ちる。たったそれだけのやり取りで、この島の事情に精通する聡い老騎士はある程度の事情を察した。

 しかしながら、たったこれだけの言葉で全てを解する人間などそう多くない。いや、多くないどころか、エクターのような人間の方が数少ない例外というものだ。

 

「な……なんだそれは! 援軍がたった一人だと? ふざけているのか!?」

 

 ――ブリテンの騎士たちは、何も知らない。

 彼が、帝国軍内で最強と称されることも。

 本国北方の国境で押し寄せる異民族を退け続けてきたことも。

 アッティラ大王をも退けて帝国の窮地を救ったことも。

 今は、余計な騒動を起こすまいと秘匿してはいるが――――彼らの王と同じく、破格の武具を所有していることも。

 

 

 何も、知らないのだ。

 

 

 だから、そう反感を抱く者が出るのは当然のことだった。成程見てくれは立派であり、身に着けている装備はどれも一級品のものであろう。纏う雰囲気も熟達とした戦士としてのそれである。しかし、如何に一流の戦士であったとしてもその数はたったの一人なのだから、彼一人をして『援軍』などとはブリテン側を馬鹿にしているようにか思えまい。

 

 

「たった一人で、何ができるという!」

「どうせそうやって形ばかりの援軍を送って、後々この島の統治に口を出す算段なのだろう! 騙されぬぞ!」

「違いない。本国を守ることさえままならず逃げ出した腑抜け共め、都合よくことを動かせると思うなよ!」

「そうだ! 我らの国は我らが、そして我らの王が護る! 今更貴様らの手など借りぬわ!」

 

 轟々と非難の声が吹きあがった。騎士たちは口々に帝国を詰り、外套の騎士を罵倒する。

 これを静めて然るべきエクターは、どういうわけか口を閉じたまま開こうとはしなかった。彼はギラリとした光を瞳に乗せて、じっくりと外套の騎士の挙動を窺うだけにとどめていた。

 

「帰れ! 貴様らが踏み入ってよい土地など、もうこの島には一片も――

 

「ふざけてなど、いませんよ」

 

 ――っ!」

 

 エクターの様子など意に介さず、外套の騎士は言葉を紡ぐ。

 好き勝手な罵詈雑言に激したわけではない。僅かな信頼も得られず悲嘆の声を上げたわけでもない。

 

「確かに、たった一人の援軍など論外といえましょう。そもそも単独である時点で『軍』とはよべません。大体、一度は見限っておきながら今更何を、と思われるのも至極当然のことでしょう」

 

 ただ、静かに。

 

「そして、帝国にも帝国なりの思惑があり、私にも私自身の目的があってこの地へ参ったのも事実」

 

 その瞳に、燦々と降り注ぐ陽光のような輝きを宿して。

 その言の葉に、轟々と燃え上がる焔のような熱意を乗せて。

 

 静かに、力強く、しかして諭すように穏やかに。

 

 彼は、語る。

 

「ですが、ええ――その一切合切、後付けの理由でしかない」

 

「私は、ある戦いで誓いを立てました。『護るべきを護るため、我が全霊を尽くして見せる』と。……今のブリタニアは途方もない危機に直面しています。

 内にあっては強大凶悪なる暴君が君臨し圧政を敷く。外からは勇猛野蛮な異民族が土地と財を狙って押し寄せる」

 

 その言葉に幾人かの騎士が目を伏せ、また幾人かは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべて苦悶の唸りを漏らした。

 彼らは、誰よりもよく知っていた。

 

 圧倒的武威でウーサーを弑し、その玉座を簒奪したヴォーティガーン。彼に挑み、惨たらしく散っていった友の姿を。

 

 荒波を渡って大陸から押し寄せ、他に類を見ない野蛮さを見せる異民族。彼らによって、命乞いも聞き入れられず殺戮される民と、焼き払われ跡形もなくなった村の姿を。

 

 外套の騎士が語って聞かせるまでもなく、知っていた。

 

「それら災厄の下で、いったい何人の騎士が絶望にあらがおうとして命を散らしたか。いったい何人の民が犠牲となって手にしたはずの幸福を踏み躙られたか。推し量ろうとすることさえはばかられる。

 もう一度言います。私は、護るべきを護る、そう誓って剣をとりました。そう誓いながら、今までは力及ばず、本国の民を護るので手一杯でした。ですが、この島ではアーサー王が起った。帝国は、異民族の侵攻を跳ね除け、かつての隆盛を取り戻した。そうして、私はようやくこの地に至った」

 

「この島に生きる誰もに、あるべき明日を取り戻すため。誰もが笑って過ごせる未来を、取り戻すため。私はここに馳せ参じたのです」

 

 そこで、外套の騎士は一度言葉を切ってその場にいる全員を見渡した。

 次いで

 

「どうかっ」

「なっ」

「き、騎士殿!?」

 

 

 深く、深く腰を折って頭を下げ、周囲のどよめきも無視して

 

 

「どうかっ、皆様と共にこの災厄に挑むことをお許しいただきたい!」

 

 

 そう、結んだ。

 

 

「……外套の騎士殿、顔をお上げください」

 

 よく晴れた日の湖面のように静かな声音で、エクターが声をかけた。

 

「その有様では帝国の威信も地に堕ちようというもの。皆も困っています。さあ」

「皆様の戦陣、その末席に加えていただけるまで、頭を上げるつもりはありません」

「……まったく、妙なところで頑固な様まで似ていようとは」

「……はい?」

「いえ、私事です。聞き流してください。それよりも、先の言葉で私が他に尋ねるべきことへの返答は十分に得られました。ですので――」

 

「ウィアムンドゥス殿の長子、外套の騎士殿。カエルレオン城及び周辺地域防衛隊統括、荒れた森のエクターが、貴公をアーサー王陛下の臣下として迎え入れることを宣言する」

 

 もはやどよめく声は絶え、辺りには耳に痛いほどの静寂が下りていた。

 その静寂を、ぱしゃりぱしゃりと打ち寄せる波が数度払った後、

 

「――寛大な処遇に、深い感謝を」

 

 

「これより我が剣はアーサー王陛下の剣、我が身はこの島に住まう民草の盾となる! 必ずや卑王ヴォーティガーンを打倒し、陛下とともに、この島に平穏を取り戻して御覧に入れましょう!!」

 

 

 

 ――こうして、外套の騎士は見事にカエルレオンの騎士たちから信用を勝ち取り、卑王ヴォーティガーンに抗する戦線への参入を許された。

 しかしながら、運命というものは実に複雑に絡まりあっているものであり、それはこの外套の騎士も例外ではない。寧ろ、常人よりも更に歪に絡まりあっていて――それがゆえに、彼とアーサーは今度も出会えなかった。

 

 何故ならば、アーサーはつい五日前に、ブリテン北方に向けての遠征に出発してしまっていたからである。

 




ただいま(震え声)
色々あってついに年をまたいでしまった、大変お待たせいたしました……

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