合法ロリがゆく   作:さくい

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少女の軌跡
少女日記1


 漂着1日目

 やる事がないからその辺の木の皮でがりがりと日記を書こうと思います。事の始まりは魚が食べたくなって海に出た事です。海獣に襲われて無人島に流されました。

 

 

 漂着2日目

 取り敢えず食べ物と飲み物が必要です。幸い私が漂着した砂浜の周りや少し進んだ森の中には果物が沢山ありますので暫くは大丈夫だと思います。

 ですが動物の肉も食べたいので明日は森の中に入ってみようと思います。

 

 

 漂着4日目

 ベェです、マジヤベェですこの島。昨日森の中に入って小動物狩ろうとしたら、馬鹿みたいに大きい虎に追いかけ回されました。何とか逃げ出せましたがマジ死ぬかと思ったです。あのクソ虎いつか殺す。

 あのクソ虎をコテンパンにするのを夢想しながら今日は寝ようと思います。所謂イメージトレーニングというやつですね。

 

 

 漂着7日目

 色々な意味で死にかけました。馬鹿でかい猿に投げ飛ばされ、でかい鳥に捕まって空を飛び、何とか逃げ出せたと思ったらあのクソ虎に追いかけ回され、それも何とか命からがら撒いたところで空腹に耐えきれなくなって近くにあった果物を食べたらあまりの不味さに気絶しました。

 

 マジふざけるなです! これ程不運な目にあったのは生まれて初めてです! お母さんが話していた神様が本当にいるなら今すぐ此処に来て私に殴り飛ばされなさい! 何気に私岩を殴って砕けるんですよ!

 

 ……拳を振ったら冷気が飛んでいって木に当たって凍りました。なんですかこれ。

 

 

 漂着8日目

 どうやら私は氷や雪、冷気を操る妖術を取得したようです。ふぅっと息を吹きかければ物はパキパキと凍り、氷を作り出し、雪を降らせる事が出来ます。ついでに言えば泳げなくなって高温に弱くなりました。まあ、元々泳げないのでそれは良いのですが……太陽の熱い日差しで溶け死にそうです。

 それよりも、私のこの妖術は昔兄が読んでいた小説のエターナルブリザード伝に出てくる主人公みたいな力に似ているのです。たしか主人公は氷で建物を作ったり周りを凍らせたり、巨大な氷の棘で敵を串刺しにしたり色々やっていたように記憶しています。

 

 ……ふふ、この妖術さえあればあのクソ虎共を倒せるかもしれません。

 

 待ってろあいつらー!

 

 

 漂着12日目(多分)

 この屈辱を忘れないために痛む身体を動かして書こうと思います。

 私の考えが甘々だった事に気付かされました。あのクソ虎に私の氷柱は刺さらなく、吹き掛けた冷気は熱い鼻息に無効化され、雪は美味しそうに食べられました。私が弱いのか、あのクソ虎が強いのか……まあ、両方でしょうね。

 兎にも角にも私は強くなってあのクソ虎にリベンジします! ぺしっという効果音が付きそうな殴られ方なのに埃のように飛んで体の骨が何本か折れたのを鑑みて私に足りない物が何かを考えれば……肉体的な強靭さ、怪我や恐怖を乗り越える精神力、そして妖術の更なる飛躍が必要だと分かります。

 つまりはまあ、全部ですよね。

 

 

 漂着22日目

 やっと折れた骨が治ったので早速強くなるために修行しようと思います。

 兄がよくやっていた気配や思考を読んだり、腕や剣を黒くして攻撃力を爆上げしたり、ドンっという効果音が付きそうな迫力を出して相手を気絶させたりもしたいですしね。私に相手を気絶させるだけの迫力があるのか甚だ疑問ですが……。

 よし、先ずは漂着する前にやっていた日課をやって自分なりに修行をやっていきましょう。

 身体を温めるために柔軟体操をして兄に習った我流の武道の型を反復し、千回正拳突きと上段蹴りをして、仮想の兄と徒手空拳で戦い、その後に氷雪の妖術や兄がやっていた妖術の修練をする。

 それを朝から晩まで、生理現象以外で行い続けるのです。

 さあ、頑張りますよ!

 

 

 漂着6000日目

 長きに渡る修練の末、私は遂に周りの気配を読んだり腕や氷で作り出した武器に黒くして強化する妖術を習得出来ました! ドンっはまだ出来ないですが……。

 ふふ、でもこれであの憎っくきクソ虎への対抗手段が増えました。

 ですが、私はちゃんと学習しているのです。対抗手段が増えて実力が上がっても実に残念な事に今の私ではまだあのクソ虎には敵わないのです。

 ですから私はまだまだ修練を積んで力をつけるのです! それまで首を洗って待ってるのですクソ虎!

 

 

 漂着6324日目

 海面に映る自分を見てふいに疑問に思ったことがあります。

 なんと、私の見た目が全く変わっていません!

 

 昔と変わらず綺麗な腰まである銀髪に青い目、肌が白くて自分で言うのも何ですが人形のように可愛いのです。しかも防暑対策で雪と氷で作った白い衣服を纏っているからか、今の私は妖怪の雪女とか雪ん子とかそんな類に見えますね。

 ふふ、こんなに可愛い雪女なんて世界のどこを探しても私以外にいないでしょう。

 

 ……見た目が全く変わっていない事を考えると本当に雪女とかになったのでしょうか?それに漂着して大体十何年程経ったからか、家族の事を懐かしむ事はあってもどうしようもなく会いたいとはあまり思わないんですよね。まあ、それはそれで別にいいんですけど。

 

 それにしても、十何年も経ってるのに一回も船が通り掛からないのはどういう事なんでしょうか。海行こうにもカナヅチが悪化して海に浸かるだけでどうしようもない程脱力して死ねますし、一番の問題としては結構な頻度で見上げるほど大きな海獣が海面から出て来る事でしょうか。……ここら辺の海域ってどうなってるんでしょう、不思議でたまりません。

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