俺がクー・フーリンなのは絶対に間違っている   作:神崎真

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この作品の主人公クー・フーリンは中身が違いますので、型月系作品のクー・フーリンを期待している方は直ぐにブラウザバックしてください。


第1話 プロローグとは少し違う始まり

ーーある男の話をするとしよう。(ちょっと身の上話をさせてくれ)

 

ーーその男は世界を超え、英雄の力を手にした。(転生したら、光の御子の力を持ってたんだ)

 

ーー男は平穏を愛すと同時に、戦いを渇望した。(そんな物あったら使ってみたいじゃん?)

 

ーーいつしか男は最強の一角に数えられる。(気づいたら訳の分からん称号を得たんだ)

 

ーーこれは、そんな男の物語。(本当、どうしよう)

 

 

 

 

第1話 プロローグとは少し違う始まり

 

 

 

 

 迷宮都市オラリオ。その名の通り、世界で唯一『地下迷宮(ダンジョン)』が存在する都市である。

 ダンジョンに挑み生計を立てる『冒険者』、彼らは天界より降りてきた神達の恩恵を受け、恩恵を受けた神を筆頭とする組織『ファミリア』に所属する。

 冒険者はダンジョンでお金やアイテムを手に入れ、自身のファミリアの神を養う。その代わり、冒険者は一般人と一線を画す力を貰える(もっとも、貰える力で通用するのは、ダンジョンの雑魚敵までだが)。

 当然ダンジョンを降り続ければ敵は強くなる。なら、どうすれば雑魚以上の敵を倒せるかって?それには『神の恩恵(ファルナ)』に秘密があるのだが、長いので端的に説明すると、敵を倒せば『経験値(エクセリア)』が入り、主神によるステイタスの更新を行う事で、基本アビリティの『力』『耐久』『器用』『俊敏』『魔力』が強化される。強化し続ければ強いモンスターとも戦えるという訳だ。他にもレベル、魔法、スキルなどややこしい物があるが、今は省略しておこう。

 

 俺はこんな摩訶不思議な物がある、この世界に転生してしまった。型月版クー・フーリンの力とその名を、持って

 ………(白目)。

 

 

 説明が長くなったが、現在俺が所属する『ロキファミリア』は、地下迷宮(ダンジョン)に遠征に来ていて、49階層にて、大量のモンスター達の進撃を受けていた。

 

「ーー盾ぇ、構ぇぇッ!!」

 

 響き渡る衝突音。ヒューマンと亜人、モンスターが入り乱れる戦場の中を駆け回り、手に持つ真紅の魔槍『ゲイ・ボルク』で素早くモンスターを刺し穿ち、突き穿つ。射線に入ってしまった時に、時折飛んで来る味方の矢は、自動発動するスキル『矢避の加護』があるのでスルーする。

 

「リヴェリア〜ッ、まだぁー!?」

 

 戦闘音が響く中、アマゾネスの少女、ティオナ・ヒュリテが皆の思ってる事を代弁する。しかし、名を呼ばれた本人の返事は無く、魔法の詠唱が続けられる。

 

「【ーー至れ、紅蓮の炎、無慈悲の猛火】」

 

 背後からは、この状況を1発で打破出来る一撃へと至る詠唱。眼前に迫る大量のモンスター。いい加減、相手にするのが飽きてきたので、リヴェリアの一撃を心待ちにしていた。

 

 

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽

 

 

 

 

『ーーオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』

 

 皆が魔法の完成を待つ中、一匹の『ファモール』が前線の一角を突破する。直ぐに穴を塞ぐが、その一角からファモールが数匹既に侵入して、後衛人へと迫りつつあった。

 

「レフィーヤ!?」

 

 ファモールによって少女、レフィーヤ・ウィリディスが薙ぎ倒される。地面に倒れたレフィーヤにファモールは手に持つ鈍器を振りかぶる。そこに金と銀の光が駆けつける前に───────前衛から飛んで来た、朱槍によって、モンスターは心臓である魔石を貫かれ消滅する。

 槍を投げた張本人であるクー・フーリンは、澄まし顔で眼前のモンスターを、持ち前の怪力で粉砕する。

 

 駆けつけようとしていた少女、アイズ・ヴァレンシュタインは、後衛に侵入していた残りのモンスターを素早く斬り倒し、前線へと戻り、

 

「ちょ、アイズ、待って!?」

 

 ーー直ぐさまファモールの大軍に突っ込んだ。

 剣を一閃するだけで、ファモールは斬り裂かれ、絶命する。華麗でありながら正確な剣戟は、前衛のモンスターを減らしていく。

 

「【ーー汝は業火の化身なり】」

「アイズ、戻りなさい!」

 

 魔術は完成しようとしている。その射程にいるアイズは戻る為に跳躍しようとし、足を掴まれてしまう。見ればアイズが殺し損ねたファモールが、下半身を無くしながらも残った上半身でアイズの足を掴んでいた。アイズは想定外の出来事に剣を使う事を忘れて、拘束を解こうともがく。しかし、拘束は解けない。

 

 ファミリアの前衛陣は、押し留めているファモールが邪魔をして、助けに行けない上に、距離が遠い。この状況を打破する為には、一刻も早い魔法の発動が不可欠。しかし、助けに行っては術の発動は遅れてしまい、余計な被害が出る可能性がある。ーー彼以外なら。

 

「クー・フーリン!」

「応!任せな!!」

 

 クー・フーリンは直ぐさま、後衛に転がるゲイ・ボルクを呼び戻して、常人では視認する事すら不可能な速さで、槍を一閃する。刹那、彼の前に立ち塞がっていたファモールは死に絶え、アイズまでの道が一瞬開かれる。

 クー・フーリンはその一瞬を駆け抜け、アイズのもとに辿り着いた。

 

「……クー?」

「迎えに来たぜ」

 

 アイズの足を掴むファモールを踏み殺して、手を差し出す。

 

「捕まれ」

「うん」

「【焼きつくせ、スルトの剣

ーー我が名はアールヴ】」

 

 クー・フーリンはアイズを抱えて離脱する。同時にその魔法は放たれる。

 

「【レア・ラーヴァテイン】!!」

 

 爆炎がモンスターを飲み込み、焼却する。

 それを尻目に冒険者達は、武具を静かに下ろすのだった。

 




主人公が無双する話を書きたかった、後悔はしていない。

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